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SGLT2阻害剤と交感神経 1月7日

SGLT2阻害剤と交感神経 1月7日

本日もインフルエンザの患者さんが減らず・・まさかのB型まで・・ほぼ新型Aと報告されていたが・・
1月4日の患者さんは山口県・広島の旅行の方が・・昨日は北海道出張がえり・・

厚生労働省・感染症サーベランス事業により、全国約5,000のインフルエンザ定点医療機関を受診した患者数12/27現在
2019年第51週の定点当たり報告数は21.22(患者報告数105,221)となり、前週の定点当たり報告数15.62より増加した。
都道府県別では山口県(41.46)、宮城県(31.8)、埼玉県(29.57)、大分県(28.91)、愛知県(27.55)、富山県(26.88)、長野県(26.6)、北海道(26.28)、山形県(26.22)、福島県(26.17)、熊本県(25.84)、千葉県(24.76)、新潟県(24.54)、鹿児島県(23.64)、神奈川県(23.26)、秋田県(22.96)、広島県(22.72)、青森県(22.52)、東京都(22.3)、島根県(22.24)、栃木県(22.13)、福岡県(21.73)の順となっている。45都府県で前週の定点当たり報告数より増加がみられ、1道1県で前週の定点当たり報告数より減少がみられた。
定点医療機関からの報告をもとに、定点以外を含む全国の医療機関をこの1週間に受診した患者数を推計すると約76.2万人(95%信頼区間71.6~80.7万人)となり、前週の推計値(約53.5万人)より増加した。年齢別では、0~4歳が約8.7万人、5~9歳が約19.8万人、10~14歳が約12.8万人、15~19歳が約3.5万人、20代が約4.3万人、30代が約6.7万人、40代が約9.7万人、50代が約5.1万人、60代が約3.1万人、70代以上が約2.5万人となっている。また、2019年第36週以降これまでの累積の推計受診者数は約227.1万人となった。
全国で警報レベルを超えている保健所地域は111箇所(1都1道2府30県)、注意報レベルを超えている保健所地域は350箇所(全47都道府県)であった。
基幹定点からのインフルエンザ患者の入院報告数は1,184例であり、前週(858例)より増加した。全47都道府県から報告があり、年齢別では0歳(59例)、1~9歳(412例)、10代(104例)、20代(8例)、30代(23例)、40代(29例)、50代(53例)、60代(102例)、70代(181例)、80歳以上(213例)であった。
国内のインフルエンザウイルスの検出状況をみると、直近の5週間(2019年第47~51週)ではAH1pdm09(97%)、AH3亜型(2%)、B型(1%)の順であった。
ちなみに12月27日現在の大阪市の状況は・・

大阪市のインフルエンザ発生状況
  市合計   市北部 市西部  市東部  市南部 
2019年第51週(12月16日~12月22日)   13.74 17.20 23.50 8.64 10.15

2019年興味深い知見のおさらい・・・月刊 糖尿病 DIABETES 120
SGLT2阻害剤と交感神経活性―腎臓への非生理的ストレスが生み出す臓器間連関と心不全―
慶応義塾大学医学部 循環器内科 准教授 佐野元昭先生

腎臓からの求心性活動の亢進は交感神経活動の中枢を興奮させる
難治性高血圧症に対して、カテーテルを用いて遠心性腎交感神経・求心性腎神経を同時に焼灼して除神経する
catheter based renal denervation(RDN)が開発され、その有効性と安全性の検証が現在まで続いている
交感神経活動の亢進が重要?
交感神経活動の中枢であり、血管運動中枢と呼ばれる、頭側延髄外側野(rostral ventrolareral medulla:RVLM)のニューロンが興奮すると心腎血管系の交感神経活動が亢進する
心臓のβ受容体刺激による心拍出量の増加
血管のα受容体刺激によるレニン分泌およびそれに基づくアンギオテンシン2やアルドステロン産生の亢進
尿細管細胞のα受容体刺激によるNa再吸収亢進

→血圧を上昇させる
この交感神経活動の中枢を興奮させる発生源として腎臓からの求心性腎神経の重要性が想定されている
2型糖尿病において高血圧患者同様
心腎血管系の交感神経活動の亢進が認められている
腎臓のストレスが求心性腎神経を活性化させ、心臓への血行動態的負荷を増価させ、心不全リスクを高めているという機序が想定されている

腎臓への非生理的ストレスが生み出す臓器関連間連関と心不全
近位尿細管上皮細胞が尿細管腔側の細胞膜に局在するSGLT2を介してグルコースを再吸収するためには
血管腔側の細胞膜に局在するNa/Kポンプ(Na/K-ATPase)をまわす必要が すなわち大きなエネルギーが必要
糖尿病では健常人に比べSGLT2発現が増加している
すなわち近位尿細管上皮細胞では発達したミトコンドリアで大量の酸素が消費されATPを作り続けている
ラットで高血糖状態では腎臓の皮質の酸素消費量が亢進し、組織酸素分圧が低下しているが証明されている
糖尿病において近位尿細管は過剰な糖を再吸収するために尿細管周囲は低酸素状態となり、線維芽細胞は
悪玉に変わりEPO産生能力を失っている(形質転換) 東北大学・山内雅之教授ら

SGLT2阻害剤投与により 過剰な糖再吸収抑えられ近位尿細管を休め、酸素消費量は減少し、尿細管周囲は低酸素状態が改善し、線維芽細胞は善玉に逆戻りしてEPO産生能力を回復し、エリスロポエチン産生能が回復し、HbやHtが上昇する
尿細管上皮細胞にストレスが加わるとEPO産生細胞は悪玉線維芽細胞に変化する 京都大学柳田先生の研究
近位尿細管上皮細胞を選択的にストレスを与えるマウスは線維芽細胞の形質転換(善玉から悪玉線維芽細胞に)
によりエリスロポエチン産生低下する 障害強すぎると元にもどらないが軽度であれば回復する(悪玉から善玉へ)

高血糖状態下では近位尿細管細胞に代謝ストレス(糖毒性・エネルギー消費など)が加わることにより周囲の間質の微小環境が悪化して、エリスロポエチン産生細胞の形質転換が誘導されEPOの産生能が低下
*以前の研究会での補足
SGLT2阻害薬が腎臓にストレスを除いているという証拠はあるのか? ストレス解除の考察
ENPA-REGやCANVAS研究などによるヘマトクリットの上昇することが脱水の徴候であり脳梗塞のリスクが懸念?
しかしHt上昇の経過が 2か月でゆっくり上昇その後プラトーに
尿量の変化 浸透圧利尿1日目がピークで7日で尿量戻る 矛盾が・・ タイムラグある?
サイアザイド系降圧利尿薬での検討ではヘマトクリット上昇→脳梗塞という話は出ない
SGLT2阻害剤のヘマトクリット値の上昇には赤血球造血能の活性化が関与している
フォーシガー投与によるエリスロポエチン濃度を検討した研究によると
投与1-2週後をピークにエリスロポエチン濃度、網状赤血球が上昇し、遅れて4-8週後にHbやHtが上昇する
まとめると
腎臓に加わった非生理的ストレス
近位尿細管上皮細胞への糖毒性・エネルギー消費による間質への低酸素血症・炎症・酸化ストレス
→腎求心性感覚ニューロンを介して→交感神経系の過剰な活性化→脳の血管運動中枢に伝えられ
心臓の負荷を増やす血行動態的変化 (動脈・静脈収縮・脈拍増加・Naと水の再吸収亢進・血圧上昇)
→心不全へ

SGLT2阻害剤は腎臓へのストレスを取り除き、心臓に対する血行動態的ストレスを減少させて、心不全の発症を抑制する
SGLT2阻害剤による心血管系に対する影響
SGLT2阻害剤
腎臓のストレスを低下させる
→EPO/Hb/Htの上昇→→腎求心性感覚ニューロンを介して→交感神経系の過剰な活性化を低下
→脈拍減少・動脈・静脈の拡張・Naと水の排泄促進→体液貯留是正・血圧低下→心不全リスク減少

*以前の研究会のデーター補足
SGLT2阻害薬を投与するとメタボラットにおいて消失していた交感神経活動の日内変動が回復する
日中(夜行動物ラットはヒトの夜にあたる)の交感神経活性が抑制され日内変動が回復する

臨床データ
心拍数への影響
血圧コントロール不十分な患者さんにSGLT2阻害剤を投与すると早朝時高血圧の改善、心拍数の低下が見られた
そこでSGLT2阻害薬またはプラセボが12週間投与された2型糖尿病患者377例 (治験のデータから)
治療12週後のベースラインからの心拍数の変化量をベースライン時の心拍数別の検討
安静時の心拍数が高い患者ほど治療12週後の心拍数減少程度が大きく、治療前心拍数が70未満群では
ルセフィ-2.5mg投与による心拍数変化は観察されず、70以上の群では優位に心拍数が減少し、80以上群では
10以上近く心拍数が減少した

尿中のストレスマーカーの8-OHdGがフォーシガで優位に改善 16週
SGLT2阻害剤は尿細管の貪欲さを鎮める
SGLT2阻害剤はただ単に血糖を下げるたけでなく、血糖降下とは非依存性に心臓や血管、腎臓に影響
を及ぼすことが明らかになり、糖尿病に伴う心血管腎疾患の発症の新たな機序解明にも大いに貢献している

2020-01-08 05:02:19

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