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第14回南大阪心血管病治療フォーラム 12月7日

第14回南大阪心血管病治療フォーラム 12月7日

第14回南大阪心血管病治療フォーラムを聴きにホテルモントレグラスミア大阪に行ってきました

スタチン治療の残余リスクに対するアプローチー高TG血症の臨床的意義とSPPARMαへの期待―
横浜栄共済病院 循環器内科 部長 野末剛先生

1 スタチンによるLDL-C低下療法は心血管イベントを低下させるが、残余リスクが存在する
2 スタチンによるPCSK9の上昇がLDL-Cの低下作用を減弱させ、残余リスクの1つになっている
3 エゼチミブやPCSK9阻害剤を用いた超積極的LDL-Cの低下療法により更なるイベント抑制効果やプラーク退縮効果が報 
        告されている
4 スタチンによりLDL-Cがコントロールされているにもかかわらずイベントを再発する高中性脂肪・低HDL-C血症
  の症例にSPPARMαが選択肢の1つになる

1次予防と2次予防のスタチンのLDL-C到達値との関係
LDL-Cの値と心血管イベント発症は強い相関 2次予防>1次予防
スタチン治療による冠動脈イベントの残余リスク
冠イベント発症率4S 62% LIPID75%CARE75%HPS73%WOS69%AFCAPS/TexAPS 62%に減少
       4444    9014  4159  20536 6595  6605人
      2次予防  2次予防 2次予防 ハイリスク 1次予防 1次予防 

逆にいえば約60%以上はスタチン投与後の残余リスク
リスク区分別脂質管理目標値 2次予防 冠動脈既往 <100 *ACS、家族性高脂血症 ACSでは<70に
冠動脈疾患再発例の4割はLDL>100mgである

2000年~2006年 冠動脈疾患で入院した心筋梗塞既往患者20054例 入院時24時間以内ののLDL-C値
<70 23.9% 70-99 36.2% 100-129 23.1% 130-159 10.9% 160≦ 6%
疾患別LDL-C到達率
   ACS  他のCHD   Ischemic Stroke PAD Diabetes
<70 27%   16%     11%      13%   10%
<100 68%   55%    44%      45%   43%
<130 92%   87%    80%       80%   80%

2次予防症例に高用量スタチンが使用されていない
           ACS   他のCHD  DM
High-Intensity Statin  3%   2%   4%
LOW-Intensity Statin  54%  46%   35%
Non-Statin LMT     2%   3%   0%

REAL-CAD 研究 ピタバスタチン1mg(6214) vs 4mg(6199)  36-60カ月投与
19%優位に(心血管死・非致死性心筋梗塞・非致死性脳梗塞・緊急入院をようする不安定狭心症)累積発症率低下
逆にストロングスタチン高用量でも(5年で6%の累積発症率)残余リスクあり
3年でのパラメーター 

    LDL-C   HDL-C  TG   hsCRP
1mg  91mg/dl  51.7   121.5   0.59 mg/dl
4mg  76.6    52.3   114.5  0.49

スタチン増量により6%ルール(2倍量 6%減少4倍量 6%減少・・・)
PCSK9の上昇が6%ルールの理由の1つ
スタチン→肝臓 コレステロールプール低下→SREBP-2↑→LDL受容体上昇
                         →PCSK9上昇↑抑制

コレステロール代謝におけるPCSK9の役割 
Protein Convertase subtilisin /Kexin type9
遺伝性の高コレステロール血症
肝臓から血中に分泌される 肝細胞表面のLDL受容体に結合 LDL受容体を分解させる

PCSK9阻害剤作用機序 LDL取り込み促進 LDL受容体のリサイクリング増加
PCSK9遺伝子変異によるLDL-Cの変化
              機能喪失   機能獲得
血中PCSK9          減少     増加
肝細胞表面のLDL受容体    増加     減少
血中LDL           減少     増加

冠動脈イベントの約半数は非責任病巣から発症する
PROSPECT研究 3年間で全イベント20.4%責任病変関連イベント12.9% 非責任病巣11.6%
冠動脈を発症する病変
Thin-cap Fibroatheroma (TCFA)血管内イメージングを用いた冠動脈プラーク組織正常評価
プラークの量>プラークの質≧内腔の狭小化
IVUSによるPlaque 分類 5つに 線維性成分:緑 脂質成分:黄緑 壊死性成分:赤 石灰化成分:白
PIT      VH-TCFA            ThCFA         FT       FC
全周に緑のみ↑ 一部に緑に赤(壊死成分が)多い 一部に 緑=赤       一部に緑  全周に白が

TCFA(+)は(-)より有意にイベント増加 
+最小血管内腔断面積(minimal lumen area;MLA)<4mmで更に増加
+プラーク面積70%以上で更に増加

冠動脈イベントの発症
1 プラークの量 2 プラークの質
IVUSは無症候性のプラークを同定できる
プラーク面積=血管面積―内腔面積
60例のIVUS施行症例 プラーク面積の変化と新結果に便と発症の関係 
プラークの進展がイベントを引き起こし、進展がイベント発症を抑制する
スタチン治療によるプラーク退縮と血管の陰性リモデリング
64才男性 ピタバスタチン4mg/日 
投与前    投与後
プラーク面積  84.6    71.8
血管容積    168.8   163.7
内腔容積    84.2    91.8
ストロングスタチンをも用いても約30%の症例はプラークが進展する 
冠動脈疾患1309例 アトロバスタチンまたはロスバスタチンを104週投与 IVUSでプラーク体積率観察
PRECISE-IVUS試験 スタチンvs エゼチミブ併用群 LDL-C 73.3 vs 63.2
         アテローム容積率の変化量 有意に併用群で減少 -1.4% vs -0.3%
IMPROVE-IT試験 スタチンvs エゼチミブ併用群 LDL-C 69.5 vs 53.7
併用群で6.7%有意にイベント累積発症率低下
GLAGOV試験 スタチン+PCSK9 vsスタチン+プラセボ 78週後 IVUSによるプラーク容積率測定
PCSK9群で冠動脈プラーク量の変化 -5.9% vs -1%と優位に低下
Fourier試験: 2万7,564例、エボロクマブ(140mg/2週間または420mg/月 )+最適スタチン群(1万3,784例)と、プラセボ+最適スタチン群(1万3,780例) 
LDL-C エボロクマブ群でベースラインの92mg/dLから48週目に30mg/dLまで低下、2.2年において、主要複合評価項目である心血管死、心筋梗塞、脳卒中、不安定狭心症による入院、冠動脈再建術のイベント発生は、エボロクマブ群9.8%、プラセボ群11.3%と、エボロクマブで15%有意に減少した
プラークの質
急性心筋梗塞はTECFAの破たんと血栓形成
TRUTH 研究 スタチン治療はプラークの脂質成分を減少させ、石灰化成分を増加させた
ESCORT研究 OCTで評価したPCI早期からスタチン投与群で線維性被膜優位に増加した
エゼチミブ併用のプラークに対する影響
エゼチミブ+スタチン32人vs スタチン31人 9カ月後
エゼチミブ併用群の方が有意に不安定プラークを安定化させた
PCSK9の阻害剤のプラーク性状への影響 スタチン単独群と有意差はなかった 
冠動脈疾患再発例の6割はLDL-C<100である
PROVE-IT TIMI22
心血管イベント発症率
LDL-C≧70、CRP≧2mg/dl 2.5年 0.10
   <70、CRP≧2mg/dl 2.5年 0.08
   ≧70、CRP<2mg/dl 2.5年 0.08
   <70、、CRP<2mg/dl 2.5年 0.04

日本人におけるhs-CRPと死亡リスク 久山町研究
<0.21 を1とすると 0.21-0.43で1.13倍 0.44-1.02で1.41倍 >1.02で1.85倍

メンデルランダム化解析によるCADリスクとバイオマーカーとの関連
Negative/単なるバイオマーカー
HDLやCRP 尿酸 フィブリノーゲン ホモシスチン、ビリルビン、PON、ペンントラキシン3

Positive/真のリスクファクター
LDL Lp(a) 中性脂肪 IL6 糖尿病 非空腹時血糖 肥満 血圧 アデイポネクチン テロメア長

高中性脂肪血症と動脈硬化の関係 レムナント↑ Small dense LDL↑ 
RLP-Cと心血管イベント 累積イベント発症と正の相関
Small dense LDLと心血管イベント <35mg/dlと≧35で有意な差が 高くなると心血管イベント増加
高中性脂肪では数多くの心血管イベントリスク因子が随伴する
内臓肥満・食後高脂血症・高レムナント血症・低HDL-C血症・Small dense LDLの増加・多価不飽和脂肪酸のバランス
中性脂肪はハイリスク糖尿病患者の心血管イベントに関与する
スタチン治療かでもTG>195なら優位にイベント増加する

LDL-C70mg/dl未満でTG≧200 vs TG<200では2年後のイベント発症率40%有意に減少する プラークの進展も
PPARαアゴニストの心血管リスクに対する有効性
高TG部分集団での検討
ACCORD2010・BIP2005・FIELD2009・HHS1992・VA HIT2001 全体で優位に改善
PPARαアゴニストによる中止脂肪低下と心血管抑制は正の相関
ACSガイドライン 推奨 2b エビデンス C

高TG血症治療の現状
TG150未満への到達率は約50%である
肝機能・クレアチニンへに影響が報告されている
HMG-CoA還元酵素阻害剤と併用しにくい場合がある

SPPARMα 選択的PPARαモジュレーター
PPARαが作用する遺伝子の中で脂質代謝に関る標的遺伝子の転写を選択的に調節するという概念
標的遺伝子 TG低下・HDL-C上昇 ApoA1上昇、FGF21上昇
→OFF-Target その他の遺伝 ALT/γGTP(肝臓)ホモシスチン(血管)クレアチニン(腎臓)

中性脂肪低下・HDL-C上昇・RLP-C低下・small dense LDL低下
スタチン併用下でパルモデイアはTG低下HDL-C上昇 腎機能には影響を与えない
現在第三相試験PROMINENT試験が 約1万人 世界30か国
TGがたかくHDL-Cが低い2型糖尿病を対象にスタチン単独とパルモデア併用での心血管発症再発抑制効果についての検討が行われている
SPPARMα: パルモデイアの期待される効果
1 脂肪酸を分解して中性脂肪を低下させる
2 HDLをあげる 引き抜き能も
3 FGF21の増加をもたらし組織障害を抑える
4 脂肪蓄積による組織障害を抑える
5 肝機能 腎機能を悪化させずスタチンとの併用が可能

 

2019-12-09 04:50:51

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