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WEB講演会 12月6日

WEB講演会 12月6日

糖尿病性末梢神経障害性疼痛の診断について 鹿児島大学大学院 糖尿病・内分泌内科学 講師 出口尚寿先生
神経障害性疼痛は神経の損傷により引き起こされる
神経障害性疼痛と侵害受容性疼痛の違い
侵害刺激・発痛物質(ブラジキニンなど) →侵害受容器 神経終末→末梢神経→×神経損傷→脊髄後角→大脳へ
神経障害性疼痛は末梢神経から大脳に至るまでのすべての神経系の傷害によって起こり、侵害受容器の興奮を伴わない点が侵害受容器性疼痛と大きく異なる
各末梢神経疾患の推定有病率 人口1万人あたりの患者数
糖尿病性ニューロパチー 4300人
手根管症候群      3200人
アルコール性多発ニューロパチー2200人
遺伝性ニューロパチー     40人
ベル麻痺           30人
ギランバレー症候群      1.5人 年間発症率
CIDP             2人
らい             116人東南アジア アフリカ
糖尿病性新規得傷害性に伴う疼痛:日本における糖尿病合併症の頻度
日本で糖尿病が疑われる人は890万人 可能性を否定できない人を合わせると2210万人程度と推定
日本の糖尿病性神経障害の有病率は36.7%と推定される
糖尿病患者の12-17%が痛みを経験するといわれている
糖尿病性神経障害に伴う疼痛は患者のFunctionalityとQOLを損なうといわれている

糖尿病に特徴的な細血管障害
血管を取り囲む基底膜の多層化、肥厚 周皮細胞(pericyte)の変性
末梢神経線維の分類
運動神経          感覚神経          自律神経
有髄 Aα、Aγ   有髄Aα/β 薄有髄Aδ 無髄 C   薄有髄Aδ、B  無髄 C
←大径線維         →←   小径線維                 →
身体運動      触覚・振動覚 冷感   温覚     心拍、血圧、発汗、胃腸機能
筋緊張 調節    位置覚   疼痛   疼痛

                刺す痛み 疼く痛み 
分類         髄鞘  直径(μm) 伝導速度(m/sec)  役割
A線維 遠心経 Aα  有   15      45-60     骨格筋運動支配
     Aγ     有   5       20      筋弛緩への情報 トーヌス保持
    求心系Aα/β  有   6-20    50-60     骨格筋、腱からの感覚、皮膚の触圧覚
    Aδ      有    3     15       皮膚の温痛覚
B線維  B       有   3      7       交感神経節前線維
C線維  C       無   <1.5     1       交感神経節後線維、皮膚の温痛覚

高血糖に伴う末梢神経の変化
代謝異常に関連する長期にわたる高血糖 
ポリオ―ル代謝異常 酸化ストレス PKC活性異常 AGE蓄積←最近では肥満・脂質異常・高血圧・喫煙も原因に
正常な神経→変性した神経(神経栄養血管壁肥厚・閉塞)有髄・無髄神経線維の損傷→神経細胞(軸索)の変性 神経線維の脱落
糖尿病における軸索変性と多発神経障害
dying back 神経軸索の長さに依存して(dying back:逆光型)神経遠位部から変性が始まり徐々に近位へと広がる
高血糖が神経に与える影響
神経線維変性・脱落・再生  神経線維脱落     神経線維密度減少
感覚神経障害 しびれ   痛み  感覚低下   感覚消失 →
       異常感覚   起立性低血圧

自律神経障害 頻脈・発汗障害 勃起障害 排尿障害 不整脈 無自覚性低血糖
               便秘・下痢 胃麻痺     無痛性心筋梗塞

運動神経障害 こむらがえり    筋委縮         筋力低下
糖尿病性神経障害は(慢性)変性疾患である
病期の進行とともに神経線維の数が減る
痛みあり            痛みなし
感覚低下なし          感覚低下あり
自律神経障害なし        自律神経障害あり
足部筋委縮(短趾伸筋)なし    足部筋委縮(短趾伸筋)あり
                足潰瘍あり

 
糖尿病性多発神経障害の簡易診断基準
必須項目(以下の2項目を満たす),
1糖尿病が存在すること 2糖尿病性神経障害以外の末梢神経障害を否定しうること
条件項目として(以下の3項目を満たす場合、神経障害ありとする)
1 糖尿病性多発神経障害に基づくと思われる自覚症状,2 両側アキレス腱反射の低下あるいは消失,
3 両側内踝の振動覚低下(C128音叉にて10秒以下)
注意事項
糖尿病性神経障害に基づくと思われる自覚症状とは
1 両側性2 足趾先及び足裏の「しびれ」「疼痛」「異常感覚」3上肢のみの症状は取らない
*以下のいずれかを満たす場合条件項目を満たさなくても神経障害ありとする
 神経伝導検査で2以上の神経でそれぞれ1項目以上の検査項目(伝導速度・振幅。潜時)の異常を認める
 臨床的に明らかな糖尿病性自律神経障害がある

糖尿病性多発神経障害と鑑別すべき疾患
代謝性疾患 甲状腺疾患、腎疾患
全身性疾患 全身性血管炎、非全身性血管炎 異常蛋白血症、アミロイドーシス
感染症 HIV、HBV、ライム病
炎症性 慢性炎症脱髄性多発性神経炎(CIDP)
栄養障害 ビタミンB12、胃切除後、ビタミンB1、ビタミンE
産業化学物質・薬剤・重金属など
アクリルアミド 有機リン アルコール アミオダロン コルヒチン
タブソン 麦角アルカロイド 白金 タキソール
遺伝性
遺伝性運動・感覚・自律神経ニューロパチー(HMSN、HSAN)
*脳梗塞(後遺症)、脊髄症
鑑別診断を難しく考えすぎないコツ
糖尿病患者さんにみられる末梢神経障害はほとんどがDPN
まずは典型的なDPNの症候を念頭におき、神経診察を行う

→いわゆるRed Flagに注意
     1 左右非対称
     2 長さ非依存性(上肢・近位部優位)
     3 運動障害優位
     4 急性・亜急性の進行
     5 高度な自律神経障害

糖尿病患者さんとのつきあいは長い DPNは緩徐進行疾患
“あれ、おかしいかも・・・きづいた時点でコンサルト

簡易診断基準を用いた糖尿病性神経障害の頻度
14744例中、アキレス腱反射、振動覚 両方の検査が実施された5148例
全体の35.8%が糖尿病性神経障害 19.2%が無症候性糖尿病神経障害
遠位対称性多発神経障害(DSPN)の徴候と症状
       大径有髄線維        小径有髄線維
機能    圧感覚、平衡覚        痛覚、防御知覚     
症状    しびれ、ちくちく感、平衡障害 疼痛:灼熱痛、電撃痛、刺痛
検査    アキレス腱反射:低下/なし   温痛覚(冷/温):低下なし
臨床診断  振動覚:低下/なし       ピンプリック;低下/なし
      10gモノフィラメント
      低下/なし
      固有受容覚:低下/なし
局所性神経障害 
単神経障害
脳神経障害・・・動眼神経麻痺、外典神経麻痺、顔面神経麻痺
体幹・四肢の神経障害・尺骨神経麻痺、腓骨神経麻痺
糖尿病性筋萎縮・・・大腿四頭筋、腸腰筋、内転筋群の筋力低下・筋委縮・筋痛
多巣性神経障害 
下行性抑制系 デュロキセチン・三環系抗うつ薬 オピオイド ノイロトロピン
       アセトアミノフェン
痛みのインパルス アセトアミノフェン NSAIDs
脊髄後角 プレガバリン オピオイド
     ミロガバリン

タリージェ(ミロガバリン)の作用機序: α2δ-1   鎮痛作用の関与 α2δ-2 中枢神経阻害への関与が示唆
プレガバリンよりα2δ-1サブユニットからの解離速度遅い α2δ-2の解離速度は同等
急性非定型型・多巣性 メキシレチン かミロガバリン

2019-12-07 16:16:13

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