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お昼のWEB講演会 12月5日

お昼のWEB講演会 12月5日

災害時の糖尿病診療―熊本地震の経験を踏まえてー熊本大学大学院生命科学研究所代謝内科学講座 教授 荒木栄一先生
1災害時の糖尿病の治療目標
2熊本地震の際の対応
3熊本地震が糖尿病患者の血糖管理に与えた影響
4災害時における具体的な対応

平常時 健康な人と変わらない日常生活の質の維持、健康な人と変わらない寿命確保
災害時には糖尿病患者は → 糖尿病は災害弱者→急性合併症を防ぐ
急性の代謝失調を起こしやすい
インスリンなどの特殊な治療器具や薬剤が必要
食事の変化(量・質・時間)に影響を受けやすい
血糖が上昇、あるいは下降する要因が多く、不安定になりやすい
境界型であってもストレスでは血糖が上昇(災害時の)心血管病にかかりやすい

糖尿病患者の避難生活では
インスリン欠乏による 異常な高血糖や糖尿病ケトアシドーシス・低血糖発作など様々な合併症の悪化が問題

熊本地震によって糖尿病の入院は増えたか?
糖尿病ケトアシドーシス H27年4月 2人 発災後の43日間 14人 4.7倍
低血糖              12人        31人 1.7倍
虚血性心疾患           9人 1        9人 2.1倍
心不全              342         973 2.8倍
深部静脈血栓症          3人         48人 16倍
肺塞栓症             6           27 4.5倍
災害時重要疾患:深部静脈血栓症
震災後2日―4日で多く発症 VTE静脈エコー巡回活動開始4日後からその後劇的に減り、14日後には0-1に
車中泊の危険性 飲水による脱水予防 車から出て動くこと→VTE発生抑制
熊本地震の経験からの提言
医療者の備え
医薬品、食料品および飲料水の備蓄、薬剤供給経路の準備
災害時の県・地震をこえた対応の策定・試行訓練実施
災害時院内対応マニュアルの整備(定期的な内容の見直し、研修、訓練)
SNSを利用した災害時連絡網の整備
患者相談窓口の設置と移行:急性期は被災地外、徐々に当該地域の専門施設へ
糖尿病患者の備え(普段からの糖尿病教育向上と強化)
災害発生について話あってついて話し合っておく(療養指導の一部として含めておく)
高血糖昏睡と低血糖予防(ブドウ糖の常備など)
シックデイ対策(食べられないときの服薬指導・教育)
食事目安の学習(カロリー表示を確認する習慣、応用カーボカウント活用)
お薬手帳、糖尿病手帳(常時携帯する習慣を定着)
内服薬、インスリンの保管、備蓄(避難袋、勤務先などへの常備)
災害医療から得られた知見を研究に活用できるシステムの構築
インフォームドコンセントが得られない
研究が前面に出てしまうと、被災者や避難所運営者から拒絶される
災害時の被災者支援と研究を両立させる研究活動マニュアルなどの策定
過去震災の糖尿病コントロール変動の報告
阪神大震災後の血糖コントロールは神戸地域において有意に悪化を認め、ストレス測定尺度である
GHCスコアーも高い数値を示す
東日本大震災後、1型糖尿病患者ではHBA1Cは0.26%悪化した、インスリン分泌能の低い患者における血糖悪化が示された
熊本地震では、長引く余震と長期療養所生活および車中泊ストレスが大きな問題となった

目的 当科受診している糖尿病患者の熊本地震前後
血糖コントロール指標の変化・血糖管理の仕方・どのような因子が血糖に影響を与えたか

アンケート調査
患者数  1型糖尿病 55人  2型糖尿病 449人  その他 53人
HBA1C   8.29%      7.33%        7.27%

まとめ
1型糖尿病において
インスリン分泌が枯渇している1型糖尿病では、災害時の血糖悪化
するとの報告があるが、熊本地震では20%の患者がインスリンを減量、7%患者が増量し、結果としてはHBA1C値は不変であった。→患者自身が臨機応変に対応し、血糖管理を行っていたことがうかがえる
2型糖尿病患者の血糖変動要因
地震後1-2カ月でHBA1C↓
ライフラインの復旧状況が2週間以内であったこと、睡眠量がある程度足りていたこと
地震後3-4カ月でHBA1C↑
糖尿病治療薬の不足、食事量に不足
地震後12-13カ月でHBA1C↑
自宅が大規模半壊したこと、震災後に被験者の職場環境が変化したこと
短期的には目の前の生活にかかわること
中期的には糖尿病治療そのものの問題
長期的には今後の生活を左右する大きな問題が血糖管理に影響を与える

具体的な対応
糖尿病医療者のための災害時糖尿病診療マニュアル 日本糖尿病学会
災害に備えて
支援や救護の手がくるまでの最低3日間は生き延びるための備えを日ごろから確認と指導をしておくことが重要
持ち歩くもの
1インスリン製剤、注射針、アルコール綿、針廃棄箱、簡易血糖測定器一式、ブドウ糖
2内服薬すべて、お薬手帳 水
3糖尿病手帳 糖尿病カードなど

糖尿病医療支援チームDiaMATの具体的活動(案)
     超急性期      急性期         亜急性期      慢性期
災害発生時~3日間      4日~1週間      2週目~1カ月    2カ月以降
DMATなどの後方支援     ←    被災者への直接支援         →
1型糖尿病患者の安否確認   インスリンなどの供給   食事や運動のアドバイス 健康教育
自己血糖測定器供給                  フットケア・口腔ケア      治療中断者のチェック
インスリンなどの供給    インスリンや内服薬に関する 衛生面アドバイス
インスリンや内服薬に関する アドバイス         治療中断者のチェック
アドバイス
低血糖・高血糖に対する治療

インスリン治療中の患者 1型糖尿病
インスリン注射の中断は1日でも× ケトアシドーシス起こす危険性
基礎インスリンはいつもどおり 追加インスリンは食べた量に合わせて 食後にうつ
持続皮下注射療法 ペン注入器をもっておく ポンプ調子悪い・消耗品が不足するときはペンに変更 頻回注射に
勤務する医療機関で管理している1型糖尿病は連絡先を把握しておき、災害時はインスリンの供給について確認する

超急性期のインスリン使用マニュアル
インスリン投与量が分からな時、覚えてない人向け
基礎インスリンが手に入る     速効型・超速効型もある    1・2型区別しない 持続型0.1単位/kgを目安に
                               超速効型は食前前に4単位から開始

                 速効型・超速効型ない    1・2型区別しない 持続型0.1単位/kgを目安に開始適宜増減
基礎インスリンがない        速効型・超速効型がある  
                             1・2型区別しない 超速効型を食前に4単位から開始適宜増減

2019-12-06 18:54:30

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