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お昼のWEB講演会 12月4日

お昼のWEB講演会 12月4日

心房細動患者に合併する糖尿病―血栓塞栓症のリスクと治療戦略―
自治医科大学付属病院 脳卒中センター センター長 教授 田中亮太先生

糖尿病と心房細動合併の特徴
1 糖尿病は心房細動発症のリスク
2 血栓塞栓症の発症リスクが高い
3 ワルファリンに比しDOACの有効性と安全性
4 アテローム病変の合併率が高く、脳梗塞再発のあらたなリスク因子
5 腎機能低下が強く、イベント増加、予後不良

1糖尿病における心房細動発症機序
ARIC Study 1万3025名に対し追跡調査
糖尿病は心房細動発症の独立した危険因子(ハザード比1.35,95%信頼区間1.14~1.60)である
Framingham Heart Study 55~94歳の男性2090名,女性2641名
糖尿病の存在は心房細動新規発症の独立した危険因子(オッズ比男性1.4,女性1.6)であったと報告されている
その機序について(推定)
糖尿病心筋症の関与や自律神経障害,心房筋の線維化や酸化ストレス,炎症の関与などが指摘されている
メタ解析では,糖尿病があることで心房細動リスクは40%上昇し,相対危険度は1.24であったと報告されている

コントロール不良の糖尿病のほうがより心房細動を発症しやすい、糖尿病治療が心房細動新規発症を減らしたとの報告も
2糖尿病では凝固因子の増加と線溶現象の低下
血小板機能の亢進や赤血球変形能の低下等が加わり、凝固亢進状態になっている
血小板機能:血小板凝集能の亢進、血小板粘着能の亢進、血小板寿命の短縮とこれに伴う巨大血小板の増加、血小板特異蛋白であるβ-トロンボグロブリンや血小板第4因子の増加などが認められている。また von Willebrand 因子が増加しており、粘着能亢進に重要な役割をもつと考えられている
*血小板が活性化されると血小板凝集や、顆粒の放出に促進的に作用するトロンボキサンA2(TXA2)が合成されるが、糖尿病ではこの TXA2合成の亢進が見られる。糖尿病では血小板凝集を抑制するプロスタサイクリン(PGI2)の血管壁での産生の低下や、血小板の PGI2に対する反応性も低下する。
凝固系機能:フィブリノーゲン、第V、VII、VIII、XIII 因子など多くの凝固因子の上昇が報告されている。トロンビンの産生を反映し、凝固活性化の指標となるトロンビン・アンチトロンビン III 複合体(TAT)は糖尿病患者では上昇しているという報告がある。特に動脈硬化性変化の強い患者で TAT が高値を示していた。
線溶系の異常:プラスミノーゲンをプラスミンに変換する酵素である組織プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)活性の低下、その阻止因子であるプラスミノーゲンアクチベータ・インヒビター1(PAI-1)活性の上昇があり、線溶能は低下している。報告により異なり、線溶能における一定の結果は得られていない。足に壊疽を有する糖尿病患者で線溶能を検討したところ、線溶亢進状態であるという結果を得た。
脳卒中の潜在的リスクー血糖異常― 数々の報告が・・
糖尿病 2.3倍 インスリン抵抗性 2.8倍 糖尿病・男2.2倍女2.8倍
脳卒中再発 2-3倍(3年後の) 脳卒中入院30日以内の死亡率 高血糖3.3倍 糖尿病2.2倍
脳卒中後のdemetia 1.4倍 早期の神経症状悪化6-12倍
急性脳梗塞 高血糖vs正常血糖での検討
糖尿病では1梗塞巣が大きくなる傾向(50-140%)抗血栓薬の効果が少ない 出血のリスクが増加する
糖尿病合併心房細動に対する抗凝固療法の有効性と安全性 DOAC vs ワーファリン
脳卒中イベント発生率有意にDOACで少ない Majorな出血・血管死もDOACで有意に少ない
ROCKET AF 研究において
生命予後規定因子
腎機能障害 1.25倍 糖尿病 1.45倍 COPD 1.65倍 PAD 1.49倍・年令 70才以上 1.49倍 心不全 1.46と優位に悪い
ROCKET AF サブ研究において 糖尿病合併例に対するワルファリンとリバロキサバンの血栓予防効果
リバロキサバン vs ワルファリン  1.74 vs 2.15/100人・年
心房細動合併糖尿病症例における血糖コントロールと血栓症リスク
        HBA1C 6.6%未満 6.7-7.5% 7.5%以上
IncIdence rate   1.92      2.66    2.74
糖尿病罹病期間10年未満
         1.44      2.88    2.73

糖尿病罹病歴10年以上ではこの有意差はなくなる
経口凝固療法の限界と新たな課題
OAC内服中の再発例の問題点
1VKAの適切なコントロール
2 DOACの適切な用量選択
3 アドヒアランスの維持
4 アテローム病変の合併
5 その他

心房細動合併脳梗塞再発例の発症前抗血栓薬の服薬状況
VKA 23.8% DOAC 28.6% APT 19% None23.8% 2016年8月~2018年8月 n=21
心房細動に対する経口抗凝固療法とアテローム病変の合併 n=72
頸動脈プラーク 1.5mm以上 57.1%
動脈狭窄 (≧50%not affected artery) 22.2%
Aortic arch プラーク ≧4mm 40%
Aortic arch プラーク (ulceration) 20%

急性脳梗塞n=467→AF n=119 →経食動心エコーn=87 AFにおいてCAPs(+)37.9%
危険因子 糖尿病 12.4倍CKD(eGFR<60)4.8倍 年令 1.12倍
大動脈弓粥腫(CAPs)合併心房細動に対する2次予防療法
         DAPT vs ワルファリン
Primary end Point   7.6%    11.3%
脳梗塞        6.4%    5.1%
大血管梗塞        0     1.7%
末梢梗塞        0     0.6%
血管死         0      3.4%
脳出血        1.2%     0.6%

AF+CAPsに対する抗血栓療法
1 VKA 2 VKA+AP 3 DOAC 4 DOAC+AP +Statin+GLP-1RA
合併症を有する心房細動はイベントリスクが高い
リスク 脳梗塞既往 高齢 高血圧 心不全 腎機能低下 糖尿病 動脈硬化
腎機能障害は心血管イベント、致死的イベントをもたらす
Fushimi AF レジストリー
75才未満 Ccr 72.3 75-84才 50.5 85才以上 34.9
腎機能障害を有するAF患者は血栓塞栓リスク、出血リスクいずれも高い デンマーク132372人
%/年         3.6vs6.4            3.5vs 8.8

日本腎機能低下例におけるリバロキサバンの安全性・有効性
XAPASS       脳梗塞1.6%/年     重大な出血 1.9%/年   頭蓋内出血 0.7%/年
活性化第X因子はPARを介して炎症、線維化を促進させる
凝固系と炎症、線維化との関連        
ワルファリン

凝固系                  腎機能障害 ←腎血管の石灰化←MGPの抑制
Xa  → PAR2    炎症(TNF-α、IL-6、IL-1β) 線維化 異常細胞増殖
 ↓
プロトロンビン→トロンビン→  PAR1 →  線維化 異常細胞増殖

フィブリノーゲン→フイブリン → 糸球体でのフィブリン沈着


 

2019-12-05 06:15:20

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