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第38回Clinical Update Forum 11月28日

第38回Clinical Update Forum 11月28日

第38回Clinical Update Forum を聴きにスイスホテル南海大阪に行ってきました

糖尿病・代謝疾患の克服と健康長寿実現に向けての挑戦
東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 教授 山内敏正先生

難解だったのでポイントのみ
1 糖尿病の遺伝子同定は「遺伝子学者の悪夢」?
2 メタボリックメモリーに向けた分子機構解明
3 健康寿命薬開発への挑戦

20 万人規模の日本人集団の遺伝情報を用いたゲノムワイド関連解析
88領域がゲノムワイド有意に水準に達して28領域が新規
=日本人の2型糖尿病リスク診断向上に大きく関与

治療診断法開発のために各領域から原因SNPを特定する必要あり
 Coding領域にアミノ酸の変化を伴うSNP  
21のミスセンス変異同定       eQTL解析で59候補
 ↓
立体構造/機能                 ↓
変化のin silico予測      標的組織で発現(β細胞、筋、肝、脂肪など)
↓ Daiabetes2017               ↓
IPS細胞/ゲノム編集/各組織への分化/機能・発現解析・ヒト組織解析
日本人IPS細胞分化      日本人組織(東大)
             膵島 筋肉 肝臓 脂肪

2型糖尿病シグナルとミスセンス変異のオーバーラップ
2型糖尿病シグナルとLDである未報告のミスセンス変異
日本人ではまれではないが欧米人ではmonomorphicまたはまれな変異が9つ存在

GLP-1R rs3765467 やPAX4など
*GLP-1RのR131Q変異であり、これは日本人集団では多くの人が持っている変異でしたが、欧米人集団ではほとんどの人が持っていない稀な変異
日本人糖尿病の70%に用いられるインクレチン関連薬の効果を決めうる多型

ファーマコゲノミクスに関するこれまでの予備データー
この多型はGLP-1投与後のインスリン分泌を約2倍にする
日本人アジア人でのminor alleleの頻度は約18%だが、ヨーロッパ・アフリカでは1%未満と民族差あり
日本人アジア人でインクレチン関連薬の有効性が高いことに関連する可能性

薬剤反応性(血糖コントロール/心血管イベント)解析を既収集サンプルで検討中
2型糖尿病の精密医療の実現に向けて
A 単一遺伝子
MODY2 (GCK変異) MODY3 (HNF-1A変異) 新生児糖尿病KCNJ11 Mt3243変異*
Glucose sensing Innsulin secretion Chanenel disorder インスリン分泌低下
↓ ↓ ↓ ↓
治療必要なし 低用量SU 高用量SU Taurin?
*日本人糖尿病患者の1%に存在する変異で、単一遺伝子異常による糖尿病の中で、最も高頻度である
B 多因子病
インスリン抵抗性 SU インクレチン
メタボリックメモリー制御に向けた分子機構解明
肥満=脂肪組織増加によるインスリン抵抗性の機序?
インスリン抵抗性
2 型糖尿病におけるエピゲノム制御の関与
2 型糖尿病におけるエピゲノム制御の関与.2 型糖尿病の発症には遺伝因子と環境因子の両方が重要な役割を果たす.エピゲノムはDNA 塩基配列の変化を伴わない遺伝子の転写制御機構を総称しており,DNA やヒストンの翻訳後修飾やクロマチン構造の変化が担う.環境因子に伴う糖尿病の発症,特にメタボリックメモリーや遺産効果に代表される長期間持続する表現型や,遺伝因子との相互作用においてエピゲノムの果たす役割が想定される

褐色脂肪細胞分化の主要制御因子を同定 2017
白色細胞組織 エネルギーの貯蓄
褐色脂肪組織 BAT
ミトコンドリアにおけるUCP1(uncoupling protein-1)の作用を介して熱を産生しエネルギーを消費する組織
ヒトにおいてBMIとBATは負の相関 加齢によりBATの検出率や活性低下 寒冷刺激によりBAT活性化

褐色脂肪特異的なオープンクロマチン領域の解析から、
褐色脂肪細胞分化の主要制御因子としてNFIA (nuclear factor I-A) を同定。
NFIAの導入は白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞へ分化させる
NFIAは脂肪細胞分化のマスター転写因子PPARγ (peroxisome proliferator-activated receptor γ)と褐色脂肪遺伝子エンハンサーにおいて高頻度に共局在(co-localize)していた。更に、NFIAのエンハンサーへの結合はPPARγを含む主要転写因子群の結合に先行しており、かつNFIAの結合はPPARγの結合を促進した。また、NFIAが結合した時点でその領域はオープンクロマチン構造やヒストンK27のアセチル化といった活性型エンハンサーの特徴を呈していた。NFIAの導入により筋芽細胞は褐色脂肪細胞へ分化した。NFIAノックアウトマウスの褐色脂肪組織においては褐色脂肪の遺伝子プログラム全体が障害されていた一方で、骨格筋の遺伝子プログラムは逆に活性化されていた。また、ヒト褐色脂肪組織においてもNFIAは高発現しており、かつその発現はUCP1を含む褐色脂肪特異的な遺伝子群の発現と正に相関していた。以上から、NFIAは褐色脂肪遺伝子エンハンサーを活性化し、PPARγのエンハンサーへの結合を促進することで褐色脂肪の遺伝子プログラムを制御すると考えられた。
Insulin抵抗性の分子機序解明と治療開発
脂肪=脂肪組織増加によるインスリン抵抗性の機序は?
脂肪組織 健常→肥満→TNF-α・FFA・MCP-1 → 骨格筋・肝臓 インスリン抵抗性
糖尿病・代謝内科での脂肪萎縮症例3
20歳代女性 Seipin遺伝子変異 30代LMNA遺伝子変異 30歳代女性 遺伝子変異不明
全身での脂肪細胞欠如 高度脂肪肝 糖尿病(インスリン抵抗性)
小型脂肪細胞 アデポネクチンが・・インスリン感受性ホルモンの可能性?
アデポネクチンの受容体のクローニング
アデポネクチン受容体
AdipoR1及びAdipoR2はN末端が細胞内にC末端が細胞外に存在する7回膜貫通型蛋白と予測される
   AdipoR1               AdipoR2
発現 骨格筋・肝臓・マクロファージ    肝臓・血管内皮細胞など
鍵分子 AMPK、SIRT1活性化       PPAR活性化
機能 ミトコンドリア機能↑        脂肪酸燃焼・抗炎症
   脂肪酸燃焼、糖代謝促進      活性酸素消去
   抗炎症

AdipoR1はAMPキナーゼの活性化、AdipoR2はPPARαの活性化・炎症の抑制などの作用を伝達する
肝臓

AdipoR1 →AMPK↑ PEPCK↓G6Pase↓ 糖新生低下 空腹時血糖低下
SREBP1c↓脂肪燃焼↑ 中性脂肪含量低下

AdipoR2→PPARα↑酸化ストレス低下・TNFα MCP1低下→ACO↑UCP2↑エネルギー消費↑
骨格筋

AdipoR1(運動はCa2+とAMPKに作用)
アデポネクチンはAMPキナーゼとCa2+の両経路を活性化しPGC-1αの活性化と発現増加を引き起こす
ミトコンドリア合成増加・酸化ストレス低下・糖脂肪燃焼亢進・エネルギー消費亢進赤筋増加・運動耐用能増加・インスリン感受性亢進
アデポネクチンが内膜肥厚を抑制するメカニズム
肝臓・骨格筋での
AdipoR1及びAdipoR2の作用を介して
血管内皮
AdipoR2を介してPPARγ↑ SOD1↑ 酸化ストレス↓
単球
AdipoR1を介してマクロファージ泡沫化抑制
カロリー制限・運動・アデポネクチンは寿命鍵分子を正に制御する
カロリー制限        カロリー制限・運動・アデポネクチン

                                        AdipoR1  AdipoR2
NAD/NADH↑      AMP/ATP↑  SIRT1↑  AMPK↑  PPAR↑
SIRT2(SIRT1)↑    AMPK↑ PGC-1α↑
脱アセチル化↑ mTOR    ↓     ↓        ↓

寿命延長         代謝関連臓器      寿命関連臓器
         寿命延長・糖尿病・心血管病・NASH・癌の抑制
アデポネクチン過剰発現ネズミは健康長寿である
アデポネクチン作用を増強させる戦略がカロリー制限、あるいは運動の模倣作用を介し健康寿命を実現できる可能性がある
高脂肪食を食べ続けたアデポネクチン受容体欠損マウスは寿命が短縮していた
アディポロンはAdipoR1・
AdipoR2と結合し、AdipoR1・AdipoR2を介してインスリン抵抗性糖代謝・筋持久力を改善する(2型糖尿病モデルマウス)
アディポロンはカフ傷害における内膜肥厚を改善したが、効果は
AdipoR1・AdipoR2ダブル欠損マウスでは認められなかった
アディポロンの経口投与に高カロリー・高脂肪食負荷によって短くなった寿命は改善した
アデポネクチン・
AdipoR経路の活性化はカロリー制限・運動同様、メタボリックシンドローム・2型糖尿病・心血管疾患・がん、NASH、腎症、アルツハイマー病など肥満で増加する生活習慣病の治療法となり健康寿命の実現に貢献する可能性
アデポロンRを標的とした経口投与可能な2型糖尿病治療薬やカロリー制限/運動模倣薬、寿命延長薬の開発
カロリー制限 運動
アデポネクチン/AdipoR ←AdipoR作動薬(経口投与可能)
SIRT1 ← AMPK  PPAR
PCG-1α
代謝関連臓器 寿命関連臓器
寿命延長 糖尿病・心血管病・NASH・がんの抑制

アデポロンRはAdipoR1、AdiproR2と結合し、R1・R2を介してインスリン抵抗性・糖代謝・筋持久力を改善する
2型糖尿病モデルマウス

アデポネクチン・AdipoR経路の活性化は、カロリー制限・運動同様、Critical common Pathwayに作用して、メタボリックシンドローム・2型糖尿病・心血管疾患・がん・NASH・腎症・アルツハイマー病など、肥満で増加する生活習慣病の治療法となり健康寿命の実現に貢献する可能性
マイオカインのEXPM1が運動による白色脂肪細胞のベージュ化に関与し、全身のエネルギー代謝を制御していることが明らかに

 

2019-11-29 13:35:52

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