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11月の東医師会学術講演会11月27日

11月の東医師会学術講演会11月27日

11月の東医師会学術講演会は大手前病院泌尿器科部長 内田欽也先生をお迎えして
「夜間頻尿―病態と治療―いまわかっていること・出来ること」
につきご講演いただきました


排尿障害のうち生活に影響のあった症状
男性・女性とも夜間頻尿が一番 男性では尿勢低下 も、女性では腹圧性尿失禁が多い 尿意切迫感・・
加齢とともに夜間頻尿(3回以上)が増える

男性 50才代 5% 60才代 20%弱 70-80才35% 80才以上 56%
女性            3%              10%                    18%           40%
Nocturia(夜間頻尿)
夜間に排尿のために1回以上起きなければならないという愁訴である(ICSの定義)
夜間頻尿の回数別にQOL評価を行った報告によると、QOL障害の程度が中等度~高度の割合は、夜間1回では女性
12.3%、男性6.6%であるのに対し、2回ではそれぞれ39.4%、25%と急増することから、臨床的には2回以上を問題とする

夜間頻尿の診療アルゴリズム
初期評価 必ず行うべき評価(基本評価)
病歴聴取
症状・QOL評価
主要下部尿路症状スコアー(CLSS)国際前立腺症状スコアー(IPSS) 過活動性膀胱症状スコアー(OABSS)
身体所見(直聴診) 尿検査 尿流測定 残尿測定 血清PSA 前立腺超音波検査

症例を選択して行う評価(選択評価)
排尿記録 尿流動態検査 血清クレアチニン測定 上部尿路超音波検査
*過活動性膀胱では症状3 急に尿がしたくなり、我慢が難しいの問診が重要
排尿日誌による評価
多尿 1日尿量≧40ml/kg
夜間多尿 夜間尿量≧10ml/kgまたは夜間尿量/1日尿量>35%
機能的膀胱容量低下:最大排尿量<4ml/kg
排尿日誌から算出できるパラメーター
夜間頻尿指数 (Ni:夜間尿量/機能的膀胱容量)
夜間膀胱容量指数 実際の夜間排尿回数―Ni―1:NBCI>0→夜間膀胱容量低下
夜間多尿指数(Npi:夜間尿量/24h尿量) 35%以上→夜間多尿

夜間頻尿のみ→夜間多尿(+) 夜間多尿に対する精査と治療
夜間多尿(―)睡眠障害、膀胱畜尿障害などに対する精査治療
夜間頻尿、昼間頻尿(+)その他の下部尿路症状(-) 多尿(+) 多飲・糖尿病・尿崩症など
多尿(-)膀胱畜尿障害に対する対応
膀胱畜尿障害に対する対応
50才以上男性                                50才未満男性,および女性            昼間の頻尿・尿意亢進・膀胱の不快感
IPSS合計 8点以上                             尿意切迫に加えて                     膀胱部痛
前立腺肥大として治療                      昼間の頻尿±切迫性尿失禁        専門医紹介
α1遮断薬など                            OABSSの尿意切迫スコア2点以上
                                                        かつ合計3点以上

                                                      過活動性膀胱として治療
                                                      抗コリン剤など
 
夜間頻尿の原因
夜間多尿 機能的膀胱容量の減少:過活動性膀胱   睡眠障害
代表的疾患
水利尿 抗利尿ホルモン分泌または効果の日内変動消失
 1次性:特発性、中枢性疾患
2次性:飲水過多、カフェイン、アルコール

水利尿/浸透圧利尿  うっ血性心不全 末梢静脈灌流不全 睡眠時無呼吸症候群 腎機能障害 エストロゲン欠乏
夜間多尿の原因
1 腎臓で水分を再吸収する抗利尿ホルモンの減少
2 水分の取りすぎ
3 生活習慣病
4 加齢
高齢になると心臓や血管のポンプ機能が弱まることも関係する
  ポンプ機能が弱いことから昼間に重力で下半身の方に水分がたまりやすく、布団に入って体を横にすると
  下半身の水分が腎臓の方へ戻ってくる

糖尿病や高血圧の人のも夜間頻尿をおこしやすい
腎臓からの水分の再吸収がうまくいかない 血中ナトリウム濃度が上がることで尿量が増えやすい
メタボリックシンドロームも夜間頻尿を起こしやすい

高血圧に伴う夜間頻尿
水分摂取増加                                           加齢
↓                       ↓                                       ↓
                 日中カテコールアミン高値   夜間のカテコルアミン相対高値
                         日中
                腎血管抵抗の上昇 ↓
                腎血流の低下 夜間 腎血管抵抗の低下
              尿産生量低下 腎血流の増加
              細胞外水分量の増加                       ↓
↓                                                              → 夜間尿量増加
ナトリウム利尿ペプチド上昇    ↑    夜間多尿
過活動性膀胱
尿意切迫感を必須とした症状症候群
通常は頻尿と夜間頻尿を伴う 切迫性尿失禁は必須でない

夜間頻尿 :睡眠障害
神経因性膀胱 前立腺肥大 骨盤底弛緩症:膀胱瘤等による下部尿路閉塞→交感神経活動の亢進・睡眠障害
夜間頻尿と不眠の関連性
    中途覚醒時の膀胱内圧上昇
     ↑           ↓
高齢化による浅睡眠   その後の中途覚醒の不安から
中途・早朝覚醒 ←再入眠困難 ←トイレに行く

夜間頻尿に関連する睡眠障害
1 不眠症(身体疾患・薬物・心理的・環境的)
2 うつ病
3 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
4 周期性四肢運動障害
5 むずむず症候群

*SASでは睡眠中の上気道閉塞による胸腔内圧低下、静脈還流量増加により右房負荷がおきる→
心房性ナトリウム利尿ペプチドが産生され、夜間尿量が増加

夜間頻尿と睡眠障害
睡眠に入った最初の深い睡眠(脳波上の徐波睡眠:slow wave sleep)
徐波睡眠の時間を十分にとることがよい睡眠を生む
したがって、入眠後に最初に排尿のために起きなくてはならない時間:
第一覚醒時間を長くする事が重要
日内排尿リズムを形成する因子
1脳の覚醒レベル 2 腎臓での尿産生量 3 膀胱における畜尿量
論文
*夜間メラトニン分泌量が多いほど夜間1回尿量が優位に多い
 メラトニンはGABA受容体を介して膀胱容量を増大する作用があることが、Ratを用いた実験で明らかに
*膀胱平滑筋でConenxin43が高発現しており1回排尿量低下に関与
 Connexin43ノックアウトマウスは野生型より1回排尿量が多い
 Connexin43は活動時間帯である夜間に発現亢進、昼間に発現低下→膀胱にも概日時計が存在する
 Connexin43発現量とATP濃度の日内変動に概日時計が関与
*両生類や哺乳類において膀胱内での尿の再吸収が行われている
ヒトでは ・・ヒトにおいても同様であり、夜間膀胱容量増加は膀胱での再吸収障害が関与か?

電解質異常と夜間頻尿
推定食塩摂取量と夜間頻尿は正相関する
    食塩過剰摂取
 ↓            ↓
多飲          交感神経活性の亢進
浮腫          夜間の相対的なカテコラミンの低下
夜間静脈還流量の低下  夜間腎血流量の増加
       多尿・夜間頻尿
塩分過剰摂取患者において減塩が夜間頻尿にもたらす効果
男8g以上女7g以上に減塩指導 減塩成功群に夜間頻尿改善あり

尿中カルシウム排泄量と夜間頻尿をはじめとした下部尿路症状の関連
高Ca尿群において昼間の頻尿・夜間頻尿・尿意切迫感といった畜尿症状に関する質問項目で点数が高かった
過剰な尿中Ca排泄は抗利尿ホルモン分泌を低下させる、腎における水の再吸収が阻害され、多尿を引き起こす
尿中Na排泄の増加は近位尿細管におけるNa-Ca共輸送体による再吸収を抑制し、結果的に尿中Ca排泄の増大をもたらす
夜間頻尿の薬物療法
OABに対するβ3作動薬 ノルアドレナリンによる膀胱弛緩作用増強 膀胱容量増大
      抗コリン剤 ムスカリン受容体へのアセチルコリン結合阻害 異常な膀胱収縮を抑制

2014年調剤薬局の処方データー80歳代をピークに約70%が70-90歳の高齢者に処方されている
抗アレルギー薬、抗うつ薬、抗不整脈薬、抗パーキンソン病薬などの多くの抗コリン作用を有し、多剤併用高齢者の多くが複数の抗コリン薬を服用していること報告されている

CQ 高齢者前立腺肥大に対して →α1アドレナリン受容体遮断薬は排尿症状と畜尿症状が改善する
高齢者に対しても有用かつ安全である 5α還元酵素阻害剤であるデュタステリドの単独併用で効果が期待できる
CQ 高齢者前立腺肥大に対してPDE5阻害剤は有効か 頻尿に関してα1遮断薬が効果不十分例にはタダラフィルの併用が有効 軽症ではタダラフィル単剤でも有効 ただし亜硝酸剤服用患者は禁忌
CQ 高齢者前立腺肥大に対してムスカリン受容体拮抗薬は有効か
前立腺肥大+過活動性膀胱に対してはムスカリン受容体拮抗薬をα1遮断薬と併用することで症状が改善が期待できる。使用する場合も低用量から 定期的に残尿量を測定する 尿閉の可能性あり単独処方控える
CQ高齢者にはムスカリン受容体拮抗薬は有効か 過活動性膀胱に有効 有害事象に注意 容量依存性
CQムスカリン受容体拮抗薬で認知機能は低下するか? 影響あり 経口オキシプチニンは認知機能低下させるので可能な限り使用を控える
CQ高齢者にβ3受容体刺激薬は安全に使用可能か?
ミラベグロンはムスカリン受容体拮抗薬と同等の効果が期待でき、高齢者でも副作用が軽微であるが、心血管系副作用に注意
*抗コリン剤 膀胱容量を増加させる作用のみならず夜間尿量も減少させる
イミダフェン 夜間尿量を減少させる(Good-night 研究)
男性 具体的処方例
過活動性膀胱 前立腺肥大症例には必ずα1ブロッカーを
1 β3作動薬 ベタニス25mg~ or べオーバー50mg
2 β3作動薬+抗コリン薬 ベシケア2.5/5mg
2‘ PDE5阻害剤 ザルテア
3抗コリン剤 ウリトス トビエース ベシケア バップフォー10mg~

α1遮断薬 下部尿路抵抗を軽減し、結果的に膀胱容量を増加させる作用に加え夜間尿量を減少すさせる
睡眠の質を改善

Natopidil:中枢性に脳内アルギニン・バソプレシン(AVP)の分泌調整→夜間尿量の減少
Silodosin:睡眠の質改善
夜間多尿に伴う夜間頻尿治療薬 ミニリンメルト
バソプレッシンV2受容体のアゴニストで、内因性抗利尿ホルモン
アルギニン・バソプレシンと同じく腎臓の集合管で水の再吸収を促進して尿量減らす
注意 BNP>100の症例に対するデスモプレシン投与は心不全増悪の可能性あり
浮腫や体重増加、労作時呼吸困難出現等のチェックが必要
夜間頻尿改善10箇条
就寝前の飲水を控える
就寝前3-4時間の刺激物の摂取はさける
就寝前1時間、中途覚醒時の喫煙はさける
就寝前1時間前から部屋の照明を暗くする
昼間に光をあびる
朝一定の時刻に起床する
規則正しい食事習慣
入床1-2時間前の入浴(足浴)
昼食後の約30分の昼寝
夕方の軽い運動
*足のむくみ解消する4つの生活習慣
1過剰な水分摂取を控える
2午後から夕方に運動する
3足を高くして仰向けになる 寝る前だめ
4夕食と入浴の時間を早める

 

2019-11-28 14:42:10

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