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お昼のWEB講演会 11月22日

お昼のWEB講演会 11月22日

睡眠剤の継続・減量・休薬のマネジメント 琉球大学大学院医学研究科精神病態医学講座 普天間国博先生
睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)
1 不眠症         慢性不眠障害、短期不眠障害など
2 睡眠関連呼吸障害    閉塞性睡眠時無呼吸 カタスレニアなど
3 中枢性過眠症群     ナルコレプシー 特発性過眠症
4 概日リズム      睡眠・覚醒障害群 睡眠・覚醒相後退障害、交代勤務障害など
5 睡眠時随伴症群     レム睡眠行動障害、睡眠時遊行症 夜驚など
6 睡眠関連運動障害群   むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害

不眠症状 =× 不眠症
不眠症 診断基準 次の1-3項目のすべてを満たす
1 夜間の不眠症状がある
2 不眠により日中の機能障害(疲労感など)を生じる
3 適切な睡眠環境でも1と2が生じる

不眠症の診断基準に睡眠時間は含まれていない
睡眠時間は人それぞれ 加齢とともに減少 65才以上5-6時間 65才未満7-9時間
不眠症治療のゴールは2の日中の機能障害の改善(単純な睡眠時間の延長ではない)
 
睡眠衛生指導
日中の生活 昼と夜のメリハリを。朝は明るい場所で、日中は活動性を上げ、長時間の昼寝控える
      夜間は強い刺激を避けてリラックスを
寝室環境  快適な温度・湿度を保つ 騒音を防止し光刺激をさける。寝室でのスマホ・TVは控える
    (夜間の長時間のスルーライト曝露は控える)
規則正しい食生活 朝食はしっかり食べて夜食は食べすぎないように
就寝前の水分 水分をとrすぎないように 夜間のトイレで目が覚めやすくなる
就寝前のカフェイン 寝る前4時間前からカフェイン(例:日本茶、コーヒー、紅茶、コーラ、チョコレートなど)控える
就寝前のお酒 寝酒は逆効果 一時的に眠くなるが、徐々に効果は弱まり、眠りも浅くなる 利尿作用もあるのでトイレで目が覚  
       めやすくなる
就寝前の喫煙 ニコチンには興奮作用があるので控える
寝床での考え事 考え事はメモに書き残し翌日に先送り(寝床に悩み事を持ち込まない)
 
不眠症の病態の本質は中枢の過覚醒
脳SPECT 上行性毛様体賦活系 視床下部 近心側頭皮質 前帯状皮質 島 興奮している
このような状態では睡眠薬が必要となるケースが多い

従来型睡眠薬(GABA-A受容体作動薬)の問題点
バルビツール酸系・ベンゾジアゼピン系睡眠薬・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(Z-drug)
1 身体依存・耐性形成 →減薬時の離脱症状 乱用リスク
2 過鎮静や持ち越し効果 →高齢者の誤嚥性肺炎、自動車事故
3 筋弛緩作用 → 高齢者の骨折、睡眠時無呼吸の増悪
4 脱抑制・健忘症(奇異反応) → せん妄発症リスク

出口戦略を考慮した睡眠薬の使いわけ
スポレキサント
オレキシン受容体拮抗薬 半減期約10時間 就寝前10-20mg
高齢者特有の睡眠維持障害で有効
筋弛緩作用や身体依存がないといわれている 催眠効果もそれなりに期待できる 半減期が長く持ち越しに注意

ラメルテオン
メラトニン受容体作動薬 半減期 約1時間 就寝前8mg
せん妄リスクのあるケースで有効
催眠作用は弱いがせん妄予防作用がある
睡眠相後退型では自然入眠時刻の6-8時間前に少量内服で睡眠相前進作用

エスゾピクロン
GABA-A受容体作動薬 半減期5時間 用法1-3mgまで
神経質で不安が強いケースで有効
抗不安作用を有し従来型睡眠薬同様の副作用があるが依存性は軽減されている 高齢者はせん妄や転倒リスクに注意

Z-drugのGABBA受容体サブユニットの薬理学的作用 (In Vitro)
  鎮静  睡眠  抗不安  抗うつ  筋弛緩  抗けいれん  学習記憶  前向性健忘  依存  耐性
α1 〇   △                 〇             〇    〇
α2    〇    〇         〇    
α3    〇    〇    〇     〇
α5                                     〇           〇             〇

 
エスゾピクロンは α2、α3 > α1、α5
 
ベンゾジアゼピン系睡眠薬の減量・休薬の注意点
安全な減量を行う上で注意すべきポイント
1 時間をかけて徐々に減薬を進める
2 離脱症状の徴候をしっかり評価する

ベンゾジアゼピン系睡眠薬 離脱症状スケール BHWSS
1-10 めまい・ふらふらする・気分がわるい。自分の動きをコントロールできない・記憶力の低下・疲労感
・心臓がどきどきした 頭の圧迫感や頭痛 不安感神経質 神経過敏・脱力感
いいえ0点 少し1点 かなり 2点  6点以上離脱症状か
減薬・休薬がうまくいかないときに
1時間をかけて徐々に減薬を進める
2 睡眠衛生指導を通して睡眠環境を見直す
3 不眠症状の再評価
(不眠症以外に不眠症状を呈する睡眠障害の鑑別、逆説性不眠の可能性も考慮)
4 不眠の認知行動療法の活用
5 補助薬物・代替薬物療法の検討
6 離脱リスクの高い・重症例では入院も検討

 
逆説性不眠 患者は「昨夜は一睡もしていない」と訴えるが、家族は「数時間は寝息を立てていた」と話す
極端なケースは「この10年間、一睡もしたいない」と訴えることがある

逆説性不眠の診断基準
A 患者の訴える症状が不眠症の基準に適合
B 1カ月以上症状が続いている
 C 以下のうち1つ以上が該当
1)慢性的にほとんど眠れないと訴える
2)睡眠日誌で1週間以上、自覚的な睡眠時間が減少している
3)睡眠自覚所見と他覚所見(アクチやPSG)のおおきなズレ
D 以下のうち1つ以上が該当
1)夜間の出来事をすべて覚えていると訴える
2)一睡もせずに考え事や物思いにふけっていると訴える
E 日中の機能障害の重症度が低い
F 症状が他の疾患や原因(薬物など)によらない

DBAS:睡眠に対するこだわりや認知の歪を評価
不眠の認知行動療法

CBT-Iの逆説不眠に対する有効性・BZ系睡眠効果不良にCBT-Iが有効
睡眠中の主観的な時間経過は除波睡眠に依存
徐波睡眠:NonREMstage3以降の深い睡眠
睡眠状態誤認の対策:徐波睡眠がカギとなる

BZ系睡眠薬は除波睡眠をむしろ減少させる
BZ系 フルニトラゼパム(サイレース)・ニトラゼパム(バンザリン)・フルラゼパム ↓↓
非BZ系 ゾルビデム(マイスリー)↑↑ ゾビクロン(アモバン)↑↑
不眠恐怖 不眠恐怖は主観的な経過時間を延長する 眠れた時間を過小評価する
 
睡眠スケジュール法:刺激制御法+睡眠制限法
1ベット上で眠られない時間を減らHしてストレスを軽減
2臥床時間の短縮(活動時間の延長)で眠気をためる

不眠症患者に対する心理的アプローチ ―言葉の処方箋 ―
睡眠スケジュール法の実践 遅寝早起きで眠気をためる
不眠恐怖の軽減 ねむれなければ夜を楽しむ(光曝露は避けてリラックスできる気分転換を)
睡眠時間に対するこだわりが強い高齢者
→5-6時間の睡眠でも日中元気であれば大丈夫

慢性不眠でHPA系亢進によるコルチゾールの過剰分泌→心臓への負担大
睡眠薬の長期処方服用のベネフィットが期待されるケース
慢性的な精神疾患やけいれん性疾患を有する患者が睡眠薬により不眠が改善しているとき
重症度不眠があり、治療を行わなければ深刻なQOL障害が出現する可能性が高い時(不眠症で生活習慣病や「心血管疾患など慢性的な基礎疾患がある」
睡眠薬を中止できるが、中止により深刻なQOL障害が出現する可能性が高い時
睡眠薬を適正な方法で減薬・休薬したが、不眠症状が再燃・再発した既往があるとき
高齢者で低用量(耐性なしに)、副作用がなく維持できているとき
慢性的に重度の不安がある、性格的な偏向があるとき(睡眠薬の中止によりアルコールやほかの薬物への依存が生じやすい)

2019-11-23 07:51:34

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