内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
〒541-0047 大阪府大阪市中央区淡路町4-7-2
TEL 06-6203-7636

 

 

トップページ»  ブログ記事一覧»  WEB講演 11月8日

WEB講演 11月8日

WEB講演 11月8日

糖尿病性神経障害―その早期診断および早期治療の重要性―
愛知医科大学医学部内科学講座 糖尿病内科准教授 神谷英紀先生

糖尿病性神経障害とその診断 糖尿病性神経障害の治療
糖尿病性神経障害の分類と徴候
多発性神経障害
遠位対称性神経障害(感覚・運動神経障害)・・・異常知覚、自発痛、知覚鈍麻、脱力、こむらがえり
自律神経障害    ・・起立性低血圧、胃無力症、便秘、下痢、排尿障害、発汗異常、勃起障害、無自覚性低血糖
          致死性不整脈
局所性神経障害
単神経障害
脳神経障害・・・動眼神経麻痺、外典神経麻痺、顔面神経麻痺
体幹・四肢の神経障害・尺骨神経麻痺、腓骨神経麻痺
糖尿病性筋萎縮・・・大腿四頭筋、腸腰筋、内転筋群の筋力低下・筋委縮・筋痛
多巣性神経障害 
糖尿病性神経障害の評価項目
臨床症状 しびれ感、異常知覚、自発痛、知覚鈍麻、脱力、こむら返り、下痢、便秘、発汗異常
身体所見 アキレス腱反射・振動覚検査・Pin-prick test Touch test 起立性低血圧
電気生理学的検査 神経伝導検査・ニューロメーター・CVR-R・ホルター心電図・胃電図・瞳孔反応
病理学的検査   腓腹神経の神経形態学的評価、皮膚生検、 角膜神経線維密度(OCM)
糖尿病性多発神経障害の簡易診断基準
必須項目(以下の2項目を満たす),
1糖尿病が存在すること 2糖尿病性神経障害以外の末梢神経障害を否定しうること
条件項目として(以下の3項目を満たす場合、神経障害ありとする)
1 糖尿病性多発神経障害に基づくと思われる自覚症状,2 両側アキレス腱反射の低下あるいは消失,
3 両側内踝の振動覚低下(C128音叉にて10秒以下)

注意事項
糖尿病性神経障害に基づくと思われる自覚症状とは
1 両側性2 足趾先及び足裏の「しびれ」「疼痛」「異常感覚」3上肢のみの症状は取らない
*以下のいずれかを満たす場合条件項目を満たさなくても神経障害ありとする
 神経伝導検査で2以上の神経でそれぞれ1項目以上の検査項目(伝導速度・振幅。潜時)の異常を認める
 臨床的に明らかな糖尿病性自律神経障害がある

簡易診断基準に基づいたDPNの有病率(2型糖尿病)5451人
神経障害あり 35.8% →症候性神経障害57.1% 無症候性神経障害42.6%
糖尿病性神経障害の進展過程と症候
→神経障害の自然経過
高血糖→細胞機能異常→神経線維 変性・脱落   →機能低下 →感覚鈍麻→感覚脱失・運動麻痺
       ↓        神経再生(残存神経線維)    陰性症状(神経線維破壊程度に比例)
                 ↓
→       異常性放電   →しびれ・痛み
               異常伝導

陽性症状:神経線維の破壊程度に比例しない
痛覚検査 Pin-prick弁別検査 とがった先と逆のとがっていない先端でつきとがった方で疲れたか聞く
     足拇指のつけね→アキレス腱で調べる
痛覚低下の頻度 東北糖尿病研究 7人に1人が痛覚低下に
糖尿病性神経障害の診断
糖尿病の存在
自覚症状(詳細に)  感覚・運動・自律神経
理学的所見(定期的に)腱反射・振動覚+痛覚検査
    ↓簡易診断基準
    ↓糖尿病以外の原因疾患を除外
    ↓   (神経機能検査なし)
   糖尿病性神経障害の診断→治療
 
糖尿病性神経障害の定量的評価法
CCM(角膜共焦点顕微鏡)
神経伝導検査(DPNcheekTM、筋電図計)
ニューロメーター、携帯型末梢神経検査装置 PNS-7000
電子瞳孔計

CCM:角膜神経の構造が描出できる
   正常 角膜神経線維密度正常 神経綺麗に走行している 
   糖尿病罹病期間2年HBA1C:角膜神経線維密度低下 神経まばらに走行
糖尿病があるだけで角膜神経線維密度は低下しているかもしれない
 
神経伝導検査による糖尿病性神経障害 重症度判定アルゴリズム(馬場試案)一部
    腓腹神経SNAP振幅
  低下なし(>5μV)  低下あり(<5μV)
  速度系指標       脛骨神経M波振幅
 
大事なのは腓腹神経?
Neuro Metrix、Inc 概要
腓腹神経にあてて測定 伝導速度・活動電位振幅 表示 患者さんように正常・軽症・中等症・重症表示
 
自律神経障害は 多彩な症状あり定量評価しにくい
心電図 CVR-R 安静時と深呼吸時(6回/1分)
糖尿病性自律神経障害 生命予後のデーター  自律神経障害 なし(n=35)8年後生存率95%
                      自律神経障害 あり(n=35)8年後生存率70%に
現時点での推奨評価法(私見)
糖尿病性多発神経障害の簡易診断基準で診断
(できれば同時に痛覚検査と足所見の確認)
     +
DPNcheckで腓腹神経の神経伝導速度(振幅と速度の経過追う)
     +
CVRR(安静時と深呼吸時)
 (数値を追う)
 
糖尿病神経障害 発症進展阻止と治療の戦略
1原因療法
1)厳格なコントロールの維持
 DCCT 
 熊本Study →7%(NGSP)未満
 EDIC Study
2)高血糖以外の危険因子の是正
3)高血糖に起因する代謝異常の是正

2 対症療法(疼痛および自律神経症状)
3 再生治療(実験学)

DCCT研究 6.5年 神経障害 厳格な血糖コントロールでリスク減少率69%
DCCT/EDIC study 早期の治療介入による神経障害の発症進展抑制効果は継続する
膵移植により末梢神経は回復する・・・
HBA1Cの正常化により神経所見と角膜神経病理が改善する HBA1C6%×4年で角膜神経脱落回復
                HBA1C7%4年間では完全に回復しない

治療後神経障害
治療強化に伴う、神経障害の増悪、あるいは自律神経機能の増悪 自然回復する A1C/月改善の目安はない
いまだに機序は不明 シャント血流によるもの?
          神経再生に伴うもの?
          単なる機能的変化(膜電位などの変化)?これが一番可能性ある?

血糖変動は神経障害を引き起こすか?
血糖変動 一過性の高血糖 低血糖
IGT Neuropathy or metabolic  Neuropathy
IGT→食後血糖→高血糖に伴う代謝異常 → 神経系細胞への障害
                   →血管系細胞への障害  →Neuropathy
+脂質代謝異常・高血圧・肥満
IGTでは表皮内・角膜神経線維密度が低下する
低血糖は末梢神経の軸索変性を引き起こす(ラット坐骨神経)糖尿病+低血糖でさらに変性↑

糖尿病性神経障害の危険因子 高血圧、肥満、脂質異常症、喫煙
高血糖に起因する代謝異常
1ポリオール代謝活性の亢進
 →アルドース還元酵素阻害剤
2プロテインキナーゼC活性の異常
 →PKC-β阻害剤
3酸化ストレスの亢進
 →抗酸化薬(ビタミンE、α―リポ酸、POMX)
4グリケーションの亢進
 →抗AGE薬(ACT-711、TTP488など)

有痛性糖尿病神経障害 薬物療法アルゴリズム
第一選択薬 Caチャネルα2δリガンド プレガバリン SNRIデュロキセチン 三環系抗うつ薬
自律神経障害に対する対症療法
起立性低血圧
利尿剤、血管拡張剤(α1遮断薬など)、三環系抗うつ薬の制限
弾性ストッキング着用、十分な水分制限や過度な塩分制限
食事に関する場合は、食事量と回数の工夫
睡眠(臥床)時に上半身を10-20度挙上
メトリジンD 2mg(ミドドリン)1回1-2錠(屯用)
リズミック10mg(アメジニウム)1回1-2錠(屯用)
胃不全麻痺
食事少量で頻回に摂取する、脂肪、線維を少ない食事にする
ナウゼリン10mg プリンペラン5mg ガスモチン5mg3錠分3 エリスロマイシン:モチリン受容体刺激作用あり
糖尿病性下痢 増悪因子の見直し BG、αグルコシダーゼ阻害剤、GLP-1Ra
       ロペミン1mg リン酸コデインあるいはクロニジン 
糖尿病性便秘
    食物繊維摂取 水分摂取 酸化マグネシウム ルビプロストン リナクロチド・・・
排尿障害 畜尿障害 アルコールカフェインや過度な水分摂取避ける
          パンツ型オムツの着用
          抗コリン薬β3受容体刺激薬、β2受容体刺激薬
     排尿障害 4-6時間毎の時間排尿 間欠的自己導尿
           ムスカリン受容体刺激薬 コリンエステラーゼ阻害剤
勃起障害 禁煙 過度なアルコール避ける PDE5阻害剤 
糖尿病多発神経障害の成因
DPNの再生医療   高血糖
           ↓ 
          代謝異常(ポリオール代謝活性↑PKC活性異常 AGE増加 酸化ストレス亢進)
シュワン細胞    DRGニューロン     神経栄養血管
NGF、NT-3などの  末端性軸索変性   神経血流の低下
神経栄養因子↓
           ↓
         糖尿病性多発神経障害
インクレチンの膵外作用
GIP  中枢神経前駆細胞↑ 脂肪生合成の亢進、分解の抑制 骨形成の促進、吸収の抑制 心血管抗動脈硬化
GLP-1 肝臓糖新生抑制 心血管(血管拡張・心機能改善・抗動脈硬化)胃腸管運動亢進
   中枢神経 食欲抑制 神経細胞保護
 
GLP-1およびエクセナチドはDRG神経細胞の軸索伸長を促進する
GIPは神経細胞の軸索伸長促進する
DRG神経細胞にはDPP-4が存在する DPP4阻害剤はDRG神経細胞の軸索伸長を促進する

 

2019-11-09 04:38:41

  |  コメント(0)

 

コメント

お名前
URL
コメント