内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
〒541-0047 大阪府大阪市中央区淡路町4-7-2
TEL 06-6203-7636

 

 

トップページ»  ブログ記事一覧»  WEB講演会 11月2日

WEB講演会 11月2日

WEB講演会 11月2日

不眠症治療開始時の治療戦略―薬剤選択のポイントと、併存疾患について考えるー
久留米大学医学部神経精神医学講座 小曽根基裕先生

平成30年度診療報酬改定のポイント
多剤併用療法 4種類以上の抗不安薬及び睡眠薬の投薬を行った場合(減算範囲の拡大)
長期処方 BZ受容体作動薬である抗不安薬・睡眠薬を、1年以上同一の用法・用量で継続処方している場合
多職種連携 向精神病薬の多剤処方の状態にある患者に対して、減量した上で薬剤師または看護職員と協調して症状の変化等の確認を行っている場合の加算

診療報酬後改定後の問題点
出口戦略が確立されていない
BZ系睡眠薬の服薬が習慣化
減量・休薬の動機付けの困難さ
BZ系睡眠薬長期服用による依存・耐性形成
代替療法が明確でない(認知行動療法、他の作用機序を有する睡眠薬など)

偽性離脱症状
不眠患者及びBZD系薬の内服患者は、もともと不安傾向が強いため、薬が減量されると思うだけで、症状が悪化する現象
離脱症状と異なり不安、不眠症状のみが悪化し、知覚障害や精神症状は見られない
睡眠衛生指導による睡眠認知の修正、心理的サポートが重要
退薬症候
中断後、数日から数週間続く、不安、焦燥、振戦などがみられる。ベンゾジアゼピン系睡眠薬では作用時間の短いものほど早期に強く現れ、多量の服用、長期の服用の原因と考えられる
睡眠薬の長期化には退薬徴候の影響が大きい
退薬徴候形成とBZ服薬期間
6週間以下で:出現しない
3-8カ月:退薬徴候を生じるリスクが少し高まる
8カ月以上:退薬徴候リスクが高い
*アルコールの併用者はBZ系の身体依存リスクは高まる

睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン
休薬トライアル 漸減法・CBT併用法 うまくいかないことがある 今後の問題点・・
今回は入口戦略の話
不眠の訴え→病状把握(不眠症状の特徴・日中の機能改善)→治療の要否判定
初発患者の不眠診療に求められること
治療ゴールの明確化と患者の共有
不眠患者にみられる認知の歪み
不眠症の原因について誤解する
睡眠の質の悪さを、誤って他のもののせいにする
非現実的な睡眠に対する期待
睡眠の制御・予知の認知力の低下
睡眠を促進する習慣についての誤った考えを持つ

望ましい睡眠とは 第五条
年令や季節に応じて昼間の眠気で困らない程度の睡眠を
必要な睡眠時間は人それそれ
睡眠時間は加齢で徐々に短縮
年をとると朝方化、男性ではより顕著
日中の眠気で困らない程度の自然な眠気が一番

10才代:8時間以上→25才:7時間→45才6.5時間→60才:6時間と減っていく
症例 臥床時間過剰 65才女性 職業 主婦 短時間・中間型BZ家系睡眠薬服用
20時に床に
寝るのが22時から24:30目が覚め2:30から5時過ぎまでまた寝て30分おき6時から7時前まで8時まで寝床で
総就床時間:11時30分 総睡眠時間6時間30分 睡眠効率 56.5%に 高齢者によくみられるパターン
*一般市民を対象とした1回講演(90分)の睡眠認知で 睡眠効率時間優位に改善する
不眠症の診断
不眠症の定義 睡眠の訴え(質・維持) 日中の機能障害(気分・精神機能・身体症状)
適切な睡眠環境
日中の機能障害(眠気のため家事ができない等)を伴っていないかどうか確認する必要がある

睡眠衛生指導
上記の65才主婦の場合
就床時間6時間程度を目安に(遅寝早起きに)22時に寝床6時に起床目指す
総就床時間:8時時間 総睡眠時間6時間30分 睡眠効率 81.2%に

臥床時間過剰に対する臥床時間制限法
恒常性睡眠圧の強化 過覚醒状態の減衰 長時間臥床の抑制 内因性概日ペースメーカーによる睡眠の規制性強化
不眠患者さんへの生活指導(睡眠障害対処の12指針)
1睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気が困らなければ十分
2刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
3眠たくなってから床に就く、就寝時刻にこだわりすぎない
4同じ時刻に毎朝起床
5光の利用でよい睡眠
6規則正しい3度の食事、規則正しい運動習慣
7昼寝をするなら15時前の20-30分
8眠りが浅い時はむしろ積極的に遅寝・早起きに
9睡眠中の激しいいびきや呼吸停止や足のびくつき・むずむず感は要注意
10十分眠っても日中の眠気が強い時には専門医へ
11睡眠薬の代わりの寝酒は不眠のもと
12睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全

治療ゴールの設定と共有 →不眠症状とQOLの改善
減量・中止しやすい薬物選択
診療報酬改定後の理想的な睡眠薬
単剤治療で完結できる(多剤併用の回避)
日中の機能障害(眠気、作業能力など)を改善
依存形成の少ない(止めやすい)
退薬徴候を生じづらい(とめやすい)
副作用の少ない(認知機能、ふらつきや転倒リスクへの影響が少ない)

*効いた感じのする薬は止めづらくなる
睡眠薬の作用点
BZ系 非BZ系睡眠導入剤 GABA-BZ受容体複合体 この受容体を介する 脳内全体に多数分布 小脳にも
メラトニン受容体アゴニスト:視交叉上核 わずか1-2mmほどの大きさで概日リズムを刻む体内時計の機能を持っている
              脳内1ポイントだけに存在
オレキシン受容体阻害剤:視床下部外側部からの覚醒中枢を特異的に抑制することで、脳を覚醒状態から睡眠状態へ移行させ 
            る
BZ系は抗不安・催眠・抗けいれん・筋弛緩・健忘・耐性・依存形成あり
睡眠と覚醒の調節機構と睡眠薬
            睡眠覚醒リズム障害メラトニン受容体作動薬
GABAa受容体      (生体時計機構)
EZP>ZLP、ZCN    メラニン受容体:視交叉上核
↓                  ↓
精神症状          入眠・睡眠維持機構障害
不安・焦燥・抑うつ気分・・ (睡眠維持機構)
身体症状          オレキシン系← →GABA
発熱・疼痛・掻痒・・     (視床下部・前頭前野)
                睡眠覚醒関連症状
            ↑オレキシン受容体拮抗薬
*EZPルネスタ: ZLP:マイスリーZCN:アモバン
高齢者のポイント
不眠の背景:睡眠衛生指導の問題や機能定した睡眠維持やリズム障害をベースとしたものが多い(慢性不眠)
         ↓
睡眠衛生指導の強化 機能低下した睡眠・リズム機構の強化
依存疾患とその治療薬に注意 転倒リスクの低い薬物使用 BZ系以外の作用機序を持つ薬剤

若者のポイント 睡眠衛生・ストレスに伴う精神状態に起因するものが多い(急性不眠)
         ↓
睡眠衛生指導し、改善後は速やかに減量・中止する
必要時は短時間非BZ系を用いる(止めやすい非BZ系を使う)

急性不眠の5つのP
1身体的要因 痛み、痒み、発熱、喘息発作や頻尿
2生理的要因 時差ぼけや交代制勤務 加齢による
3心理的要因 心配事、不安、ストレスなど
4精神医学的原因 うつ病、統合失調症 不安障害 パニック障害など
5薬理学的原因 降圧薬 ステロイド 喘息薬(テオフィリン) アルコール コーヒーなど
不眠の原因を明確にして原因が除去され、症状がおちついたら早々に減薬・休薬する
ラメルテオンの役割
松果体(メラトニン分泌) 視交叉上核(体内時計の中枢) MT1・MT2
ラメルテオンのレスポンダーの背景因子の検討 1527例で検討
75才以上の人に優位に効果があった うつ病・不安障害 高血圧・糖尿病・代謝疾患・逆流性食道炎
                 有職者 交代制勤務 喫煙 カフェイン摂取には有意差がなかった
夜間メラトニン分泌量低下を伴う不眠を呈する疾患
高齢者不眠  統合失調症  発達障害
加齢とともにメラトニン濃度は低下する
メラトニンの働き 入眠と睡眠維持・睡眠覚醒周期の安定 抗酸化作用及び神経保護作用
統合失調症患者のメラトニン血中濃度のメタ解析
松果体用量の有意な減少や高い石灰化率
分泌低下は罹病期間や治療的因子と関連しない
→疾患によるものである可能性が示唆されている
自閉症児における夜間尿中6-SM排泄の分布 重症度が増えると排泄率低下する

ラメルテオンを第一選択薬とした不眠治療
治療ゴールの共有          睡眠認知・行動の是正
不眠症診断

睡眠衛生指導 ラメルテオン→ 概日リズムの改善 →
       寝られない短時間 非BZ系使用
              オレキシン阻害剤 → →睡眠維持強化 治療ゴールの確認
 +
睡眠衛生指導
 
長期処方によるベネフィットが期待される臨床例
慢性的な精神疾患やけいれん性疾患を有する患者が睡眠薬により不眠が改善しているとき
重症度不眠があり、治療を行わなければ深刻なQOL障害が出現する可能性が高い時(不眠症で生活習慣病や「心血管疾患など慢性的な基礎疾患がある」
睡眠薬を中止できるが、中止により深刻なQOL障害が出現する可能性が高い時
睡眠薬を適正な方法で減薬・休薬したが、不眠症状が再燃・再発した既往があるとき
高齢者で低用量(耐性なしに)、副作用がなく維持できているとき
慢性的に重度の不安がある、性格的な偏向があるとき(睡眠薬の中止によりアルコールやほかの薬物への依存が生じやすい)

 

2019-11-04 08:00:06

  |  コメント(0)

 

コメント

お名前
URL
コメント