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WEB講演会 8月21日

WEB講演会 8月21日

高齢者糖尿病治療の進歩と課題 東京医科大学 糖尿病代謝内分泌内科教授 鈴木亮先生
1 高齢者糖尿病の特徴と低血糖 2 SGLT2阻害剤を高齢者でどう使うか
日本の糖尿病患者の年齢層構成比の変化
2017年75才以上↑38% 65-74才 33%↑ 65才以上が71%
基本的ADL
車いす→ベッド移動 歩行・階段昇降 着替え トイレ動作・排泄 食事 入浴 整容
手段的ADL(1人暮らしできる?)
電話 買い物 洗濯 家事 食事の準備 金銭管理 薬の管理 交通機関を使っての外出
糖尿病患者はADLが低下しやすい メタ解析
BADL 平均 1.82倍 IADL 平均 1.65倍 障害リスク増大
糖尿病高齢者は筋力低下が進むやすい
The Health ABC Study 70-79才 3年間の変化
筋力(膝伸展筋最大トルク)
111(Nm)→95 16.5低下 糖尿病患者 n=305
109 →97 12.4低下 非糖尿病患者 n=1535
糖尿病は認知症リスクが高い メタ解析
全ての認知症 1.7倍 アルツハイマー型認知症 1.6倍 血管性認知症 2.2倍
認知機能が低下した高齢者は低血糖起こしやすい アメリカ退役軍人糖尿病患者497900人の横断解析
      経口薬 経口薬+インスリン インスリン治療
正常      6%    15%      16%
軽度認知障害   9%   17%       20%
認知症     13%    27%      27%
齢者は低血糖時に警告症状出現閾値が低下しやすい 非糖尿病男性
若年者 65mg/dl以下で警告症状の出現 脳症状 47mg/dl
高齢者55mg/dl以下で警告症状 脳症状54mg/dl 反応閾値が狭い
高齢者糖尿病の血糖コントロール目標 2018年
「目標」の基本的考え方は、(1)患者の特徴や健康状態(年齢、認知機能、身体機能、併発疾患、重症低血糖リスク、余命など)を考慮して個別に設定、(2)重症低血糖が危惧される場合は目標下限値を設定、(3)患者の個別性を重視し、目標値を下回る設定・上回る設定も可能─の3点。高齢糖尿病患者は認知機能やADLの低下が特徴であることから、これらの評価に基づいて3つのカテゴリーに分類した上で、重症低血糖のリスクや年齢などによって目標値を設定す
認知機能が正常でADLが自立している「カテゴリーI」の場合、重症低血糖のリスクがない場合には目標値は7.0%未満となるが、75歳以上で重症低血糖が危惧される薬剤を使用していると、目標値8.0%未満・下限値7.0%となる。一方、食事療法や運動療法だけで血糖低下が可能な場合には6%未満とするなど、患者の個別性に配慮することが強調されている。
内服加療中の高齢2型糖尿病患者におけるHBA1C値と低グルコース(<54mg/dl)時間の関係

 FreeStyleリブレProで評価 65才以上HBA1C8%未満患者
                    SU剤あり n=30      SU剤・グリニド薬なしn=30
HBA1C6.5%未満で低グルコースの占める割合が2.0%を超えてくる       0.5%未満
グルコース値が適切な範囲にある時間の目標 Time in Rangeに関する国際コンセンサス
CGM-FGMから得られる連続グルコース値の分布を治療目標に反映する手法
1型&2型糖尿病        高齢者・ハイリスクの1型&2型糖尿病
目標                   目標
>250mg/dl   <5%             <10%
TAR 181-249  <25%            <50%
TIR 70-180   >70%             >50%
TBR <70   <4%              <1%
<54     <1%               <1%

2型糖尿病患者における血糖降下薬物療法 総合的アプロ―チ 2018年ADA・EASDコンセンサスレポート
低血糖をできるだけ減らす切実な必要性(確定したASCVDやCKDが無ければ)
DPP4阻害剤 GLP-1製剤 SGLT2阻害剤 チアゾリジン薬

SGLT2阻害剤を高齢者でどう使うか
2型糖尿病患者における血糖降下薬物療法 総合的アプロ―チ 2018年ADA・EASDコンセンサスレポート
確定したASCVDまたはCKD
動脈硬化性心血管病変 心不全・CKD
GLP-1製剤かSGLT2阻害剤 GLP-1製剤かSGLT2阻害剤
確定したASCVDまたはCKDなし
低血糖回避 体重減少にはSGLT2阻害剤を

日本ではSGLT2阻害剤全製剤で発売後3か月間、65歳以上の全調査を実施 2014年6月13日
2 高齢者への投与は、慎重に適応を考えたうえで開始する
3 脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること。利尿剤との併用は推奨されない
新型糖尿病薬服用 10人死亡 厚生省 適切使用指示へ 2015年1月9日 朝日新聞

EMPA-REG OUTOCOME試験 むしろ65歳以上でより良好な結果
STELLA-ELDER試験 イブラグリフロジンの高齢者全例対象 8505人 特定使用成績調査
副作用全体    性別 女性 1.54倍
        BMI 30以上 1.294倍
        本剤開始時肝機能障害中等度 2.29倍
        腎機能障害軽度障害 1.376倍
低血糖を伴う副作用   BMI 18.5未満 9.356倍 インスリン注射あり 4.946倍
性器感染症       性別 女性 5.927倍 BMI25-30未満 2.061倍 BMI 30以上 2.363倍
尿路感染症       性別 女性 5.063倍 罹病期間5年以上5.288倍 肝機能中等度障害 6.652倍
多尿・頻尿       年齢 75歳以上 1.73倍 ループ利尿剤 あり 2.105倍
腎障害         軽度 3.2倍 中等度7倍 高度腎機能障害 22倍 利尿剤あり 2.63倍
皮膚科         女性 1.428倍
CREDENSE試験 中等度腎機能障害2型DM
血清Crの倍化、末期腎不全 eGFR<15 透析導入または腎臓移植 腎死 心血管死 カングリフロジンで優位に減少
2016年5月12日改訂
75歳以上の高齢者あるいは65歳から74歳で老年症候群(サルコペニア、認知機能低下、ADL低下など)のある場合
には慎重に投与する

2019年7月23日改訂
脱水・脳梗塞等
大規模試験や臨床治験からはSGLT2阻害剤が脳梗塞の発症数を増加させるエビデンスはないが、投与初期は通常体液量が減少するので、適度な水分補給を行うよう指導すること
急性腎障害を引き起こすことがあり、特に利尿薬、ACE阻害剤、ARB、非ステロイド性炎症鎮痛薬(NSAIDs)を併用する場合bには注意が必要である
正常血糖ケトアシドーシスにも注意

2つコホート研究におけるSGLT2阻害剤服用患者の非服用患者に対するAKIハザード比 補正しても4-6倍に
メタ解析 7剤のSGLT2阻害剤
尿路感染症 1.03倍 増加しないが性器感染症は3.06倍増加
低インスリン血症+脱水が正常血糖ケトアシドーシスを起こす(ラット実験)
脱水防止でケトン体産生は防げる
βHB 40μmol/kg/min 150 50 45
Contorol Dapagliflozin Dapagliflozin+Saline Dapagliflozin+ad lib Water
β1作用+糖質コルチコイド作用による脂肪分解亢進と肝アセチルCoA増加
血中グルカゴンとは無関係
*長時間絶食条件下ではループ利尿剤でもケトン体産生が亢進する

日本人高齢者でSGLT2阻害剤を安全に使うには
高齢者に多い「動脈硬化性の心疾患病変合併例」「心不全やCKDの合併例」では積極的に使用適否を考慮すべき
世界的趨勢にある
やせている高齢者の場合、低栄養の有無、併用薬による低血糖に注意する
肥満している元気な高齢者はよい適応にあるが、性器カンジタ症の既往、性器感染・尿路感染のリスクに注意する
特に75歳以上の後期高齢者では、利尿剤併用時の脱水に注意する
ケトアシドーシス、サルコペニア、下肢切断、骨折のリスクについて引き続き注意して情報を集める

2019-08-22 11:05:16

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