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Daiabetes Web Conference  8月20日

Daiabetes Web Conference  8月20日

糖尿病内科医が考える糖尿病治療―最新のエビデンスを踏まえてー
旭川医科大学内科学講座 病態代謝内科学分野教授 太田嗣人先生

糖尿病治療薬に求められるもの
低血糖が少ない 血糖日内変動を抑える 体重増加を来さない アドヒアランス 血糖コントロールの持続性
→DPP4阻害剤備えている(本邦のDPP4薬の処方状況 約7割に)
実臨床でDPP4阻害薬をどう選択するか?
血糖低下作用の強さ 高齢者・腎機能低下・肝機能異常・心血管疾患合併の考慮 エビデンス
単剤比較 
リナグリプチン5mg/日 HbA1C0.73% シタグリプチン100mg/日 0.79% ビルダグリプチン100mg/日0.60%
アログリプチン25mg/日 0.8% サキサグリプチン5mg/日 0.59% 低下

どの薬剤も血糖低下作用の強さ変わらず
DPP4阻害剤の腎排泄性
リナグリプチン5% シタグリプチン 87% ビルダグリプチン 85% アログリプチン60-71% サキサグリプチン 75%
テネグリプチン 45% アナグリプチン 73%

キサンチン骨格を有するリナグリプチン
リナグリプチンの炎症とインスリン抵抗性への影響
高脂肪食マウスにおいて 
マクロファージの浸潤を抑制し、M2(抗炎症性)優位へと導いた 脂肪組織・肝臓組織において
酸化ストレスへの影響 リナグリプチンは血清・脂肪組織・肝臓のDPP4活性を持続的に阻害した
              投与48時間後 サキサグリプチンと比較してもDPP4活性を明らかに低下させた
    酸化ストレス  サキサグリプチンに比較して
尿中8-0HdG リナグリプチン優位に低下 TBARS 脂肪組織・肝臓組織 優位に低下
 
TBARS(2-thiobarbituric acid reactive substances:2-チオバルビツール酸反応性物質)は,化ストレスに応答して濃度が上昇する物質の総称で,脂質ヒドロペルオキシドやアルデヒドなどが含まれます。
DPP4阻害剤の新たな作用:慢性炎症への影響  2016 Diabetes65 2966-79
痩せている 脂肪組織 →肥満 脂肪組織 DPP4活性化+M1マクロライド→炎症+インスリン抵抗性
リナグリプチンはインクレチン作用→血糖降下+肥満の脂肪組織のDPP4を阻害して炎症やインスリン抵抗性を改善させる

心血管リスク因子が動脈硬化の進展および腎障害を進展させる共通のメカニズム
心血管リスク因子
     ↓
古典因子 :HT・DM・脂質異常症・肥満・喫煙・高齢・男性・家族歴
非古典因子:ホモシスチン・C反応性蛋白・ADMA・蛋白尿・低栄養・炎症・酸化ストレス・電解質異常カルシウム代謝異常

       ↓
↓↑ 内皮機能障害↓↑
酸化ストレス← →  炎症

       ↓
  アテローム性動脈硬化症の進展・腎障害
CARMELINA試験(6980例(日本人を含む) 
リナグリプチンとプラセボにおける心血管系に対する安全性および腎臓細血管障害を比較検討
CAROLINA試験(6041例(日本人を含む) 
リナグリプチンとグリメピリドの心血管系に対する安全性を比較検討
CARMELINA試験 DM罹病歴14.75年  インスリン使用 58% 腎疾患74% 心血管疾患既往 57%
CAROLINA試験 DM罹病歴6.3年 インスリン使用 0%腎疾患 42%心血管疾患既往37%
CAROLINA試験 比較的糖尿病初期  →病状進んだ糖尿病を対象にCARMELINA試験
CARMELINA試験 平均3.5年
3P-MACE 非劣性 腎複合エンドポイント非劣性:アルブミン尿進展は14%優位に低下させた 
CAROLINA試験 平均5年
グリメピリドより低血糖・体重増加に対して優位に優れていた 低血糖2.3/100PY vs11.1/100PY
3P-MACE 非劣性 全死亡 非劣性 有害事象 類天疱瘡や急性膵炎・膵がん有意差なし

循環器医からみた糖尿病治療―CARMELINA試験の結果を踏まえてー 佐賀大学医学部内科学講座主任教授 野出孝一先生
心不全および急性心筋梗塞による死亡者の推移
 2000年 50000  2014年 70000     心不全↑
 2000年 50000  2014年 40000     心筋梗塞↓
慢性心全治療の診断・治療フローチャートが2017年改訂されたので JDS-JCS合同ステートメントで・・

1自覚症状:労作時の息切れ、動悸、倦怠感、夜間発作性呼吸困難、夜間頻尿 →No 年一度検査施行
2理学的所見:ラ音、頻脈、脈不整、3音、下腿浮腫                BNPあるいはNT-ProBNP
胸部レントゲン 心胸郭比拡大、肺うっ血など                     胸部X線 心電図
心電図 異常Q波 左室肥大 心房細動など   ↓どれか1項目でもある
BNP>100pg/mlあるいはNT-ProBNP>400mg/ml
    ↓
循環器コンサルト
心エコー 左室駆出率、左房サイズ 左室肥大 壁運動異常 左室拡張能(E/e‘15以上)


65才以上の糖尿病患者で、心不全は5人に1以上(22.3%)合併し、さらに合併すると予後が悪い
 5年生存率20%以下に 心不全なし90%前後

収縮不全は心臓病  拡張不全は全身病
拡張不全に関与する臓器ネットワーク 
血管(内膜・中膜)腎臓(糸球体・尿細管) 骨格筋 神経(求心性・遠心性) 代謝内分泌 脂肪 肝臓 血液 肺
拡張不全悪化因子
血管不全 腎障害 貧血 骨格筋機能低下 肥満 インスリン抵抗性 高血糖 高血圧 脂質異常 脂肪肝 高尿酸血症
COPD 酸化ストレス 閉経 交感神経活性化 加齢
 拡張不全は全身病としての包括的介入が必要と

生活習慣の改善と危険因子に対する包括的な介入
心不全なし かつ 心不全低リスク   心不全ありもしくは心不全高リスク
 病態に応じた糖尿病治療薬選択    SGLT2阻害剤を検討
 *心不全もしくは心不全高リスク BNP>100 NT-proBNP 400以上 心筋梗塞既往 eGFR40未満CKD
糖尿病早期治療に適した薬剤とは?
効果があり持続性がある 禁忌副作用が少ない コンプライアンスがよい 血糖変動も改善する
SAVOR-TIMI、EXAMIN試験では心不全増加?
CARMELINA試験 心不全非劣性 特にアジアで有意差が高い インスリン使用なし群で優位に少ない
            細小血管障害・アルブミン尿進展改善も14%有意に低下
EFFORT研究 冠動脈疾患合併の2型DMにおけるリナグリプチンおよびボグリボースの内皮機能への影響
8例づつ 3か月間 優位にリナグリプチンで内皮機能改善 RHT-PATで
2型糖尿病患者におけるアルブミン排泄量と冠動脈の内皮依存性血管拡張との関係 アルブミン排泄↑と血管内皮障害比例する

糸球体内皮障害 高血糖・酸化ストレス、AⅡにより基底膜障害
DPP4阻害剤が直接血管内皮に作用
アディポネクチン増加、ADMA減少、NO合成促進、抗炎症作用といったインクレチンの多面的作用をもたらすと考察

DPP4阻害剤 リナグリプチン 胆汁酸排泄で腎排泄ほとんどない 低血糖起こさない
         クラス2 S2に作用 結合能・選択制高い 脂溶性で親和性も高い 

       
質問 
リナグリプチンは他のDPP4薬剤と違うのか 
太田Dr エビデンス CARMELINA試験で心不全非劣性 3P-MACE非劣性
         SAVOR-TIMI、EXAMIN試験では心不全増加?から考えるとその可能性がある
         キサンチン骨格は一つの可能性(抗炎症、抗酸化)
野出Dr 試験には背景が違うのでどれも同じか?どのような背景で選択するかが重要
         心不全に関してエビデンスがあり
腎障害につかう 低血糖少ない 血糖変動少ない?交感神経に対する刺激少ない
 他の薬剤と違い脂溶性で結合能高いので腎イベント改善 血管内皮障害作用は強い?

 

2019-08-21 09:48:19

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