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お昼のWEB講演会 4月12日

お昼のWEB講演会 4月12日

抗うつ薬の増強療法 その現状 -1000例を超えた分析結果よりー 昭和大学 名誉教授 上島国利先生
1抗うつ治療の現状 STAR*Dの結果より 
2治療抵抗性うつ病への対策 

1)抗うつ薬の増量2)抗うつ薬の変更3)抗うつ薬の併用 4)抗うつ薬の増強
3 抗うつ薬の付加療法 1 増強療法 2 併用療法
4 エビリファイによる増強療法

1 米国で実施されたSTAR*D試験では,最初の抗うつ薬による治療で36.8%の寛解が得られ,その後,薬剤変更ごとに寛解率が低下したと報告している。つまりその患者の症状や病型に合う薬剤を二剤目までに選択することが望ましいといえる。また,うつ病発症からの罹病期間も重要で,発症からの期間が長ければ長いほど寛解に至るチャンスは激減する。 大まかには,うつ病を発症してから半年あるいは長くても1 年以内に治療を開始しなければ,寛解に至るチャンスを逃すこととなる。このように,制限されたかなり難しい状況の中で,いかに効率的に患者にあった抗うつ薬を選択するのかが,うつ病における薬物治療のポイントとなる。
STAR*Dにおける寛解率 
STEP1(n=3671) 36.8% STEP2(n=1439)30.6% STEP3(n=390)13.7% STEP4(n=123)13%
STEP1 シタロプラム(SSRI)→36.8% シタロプラム(セレクサ)SSRI 日本では未承認
STEP2  
1 ブプロピオン 25.5%
*ブプロピオンはセロトニン系に作用を及ぼさず、ノルアドレナリンおよびドパミン系に作用する抗うつ剤である。アメリカでは抗うつ剤としてウエルブトリン、禁煙薬としてザイバンという商品名で売られているが、ジェネリックも販売されている。
2 セルトラリン   26.6% (ジェイゾロフト)
3 ベンラファキシン 25%  (イフェクサーSR
4 認知行動療法  41.9%
5 認知行動療法併用 29.4%
6 ブプロピオン併用 32.9%
STEP3 ノルトリプチリン(ノリトレン)三環系抗うつ薬 12.9% 
     ミルタザピン(リフレックス) NaSSA 8.3% 
     炭酸リチウム 14.5% T3 ホルモン剤25.7%

STAR*Dの再解析
 うつ病残存症状による再発予測
寛解時に残存する症状から再発予測 1133名中454名(40.1%)12カ月以内に再発
14週で寛解した患者の残存症状 焦燥 睡眠障害 体重変化が再発に結びつく
CO-MED試験 概要
エスシタログラム(SSRI レクサプロ)+プラセボ
ブプロピン(NDRI)    +エスシタログラム(SSRI)
べンラファキシン(SNRI)+ミルタザピン(NaSSA)副作用多かった

寛解率は12週で37-38% 各群で差がない 7か月でも42-47%で差がない
第一選択薬の併用療法は単剤療法と変わらず、副作用のみが増える結果に
 

抗うつ薬効果増強療法 
リチウム・T3/T4・ラモトリギン・バルプロ酸・カルバマゼピン
非定型抗精神病薬(アリビプラゾール・クエチアビン・リスベリドン・オランザピン)
増強療法であると1-2週で 非定型抗精神病薬 漸増・・

アリピプラゾール(エビリファイ)の作用機序
ドーパミンD2受容体 およびD3受容体パーシャルアゴニスト作用
セロトニン5-HT1A受容体パーシャルアゴニスト作用
セロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用

抗うつ薬の作用を増強するとの臨床報告がある
ADMIRE試験 臨床試験 SSRI/SNRI治療症例 1115例 効果不十分症例586例 3群に
プラセボ 195例 アリピプラゾール3-15mg 194例 アリピプラゾール3mg固定群197例
3-15mg群または3mg群のいずれかにおいてプラセボーに比べて改善が

一週目までに改善
外見に表出される悲しみ 言葉で表現された悲しみ 制止 感情をもてない 自殺思考
2週目に改善 悲観的思考
3週目に改善 食欲減退
副作用 アカシジア 3-15mg 36.6% 3mg 14.2% プラセボー 4.1%
     振戦・便秘・口渇 7-10%程度 

エピリファイ特定使用成績調査 中間報告
既存の抗うつ薬で十分な効果が認められなかったうつ病・うつ状態の患者対象 1000例  
中等度以上改善率 53% 重症度が高いほど効果改善程度大きい
寛解を予測する因子
MADRS 33点以下 うつ病エピソードから176日以内に投与

*Montgomery Asbergうつ病評価尺度(Montgomery–Åsberg Depression Rating Scale)、頭文字の略称で、10項目からなる診断用の質問票で、精神科医によって、気分障害の人のうつ病エピソードの重症度の評価に用いられる。1979年にイギリスとスウェーデンの研究者によって設計されたこの尺度は、ハミルトンうつ病評価尺度 (HAMD) の補助が意図されており、抗うつ薬や他の種類の治療による変化に対してHAMDよりも精度が高い。その2つの査定との間の統計的相関は高度である
質問票は以下の症状についての質問である。 1. 見てわかる悲しみ 2. 報告された悲しみ 3. 心の緊張 4. 睡眠の減少 5. 食欲低下 6. 集中の困難さ 7. けん怠感 8. 気分の感じ取りにくさ 9. 悲観的な思考 10. 自殺念慮
通常のカットオフ(英語版)の値は以下である。

0-6 - 正常/症状なし 7-19 – 軽症のうつ病 20-34 – 中等症のうつ病。34以上 – 重症のうつ病
アカシジア 約4.4% 体重増加 3.1%であった
アリピプラゾールの各効能・効果における用量
小児期自閉症スペクトラムに伴う易刺激性 開始1mg 推奨用量3-15mg
うつ病。うつ状態     開始 3mg 推奨3mg 用量範囲 3-15mg
統合失調症     開始 3-12mg 推奨3-24mg
双極性障害     開始 24mg
躁症状       推奨 12-24mg

*アカシジア
錐体外路症による静座不能の症状のことを言う。ドーパミンD2受容体拮抗作用を持っている抗精神病薬による副作用として出現することがある。高力価な作用を持つ薬物ほどこの症状が出現しやすくなるという。アカシジアは、神経伝達物質のノルアドレナリンの濃度増加によることが発見された。ノルアドレナリンは攻撃・覚醒を制御する機序に関している。症状はむずむず脚症症候群と同じ症状である。主な症状は、座ったままでいられない、じっとしていられない、下肢のむずむず感の自覚症状であり、下肢の絶え間ない動き、足踏み、姿勢の頻繁な変更、目的のはっきりしない徘徊などが特徴である。また心拍数の増加、息切れ、不安、いらいら感、不穏感等も見られる。アカシジアに伴って、焦燥、不安、不眠などの精神症状が出ることもある

2019-04-12 22:06:57

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