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WEB講演会 4月11日

WEB講演会 4月11日

昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科学部門 教授 相良博典先生
実臨床における喘息の長期管理を見据えた吸入療法の治療戦略

喘息治療
GOAL研究 喘息患に対する吸入ステロイドfluticasone の単独治療は、長時間作用型β2刺激薬と吸入ステの配合剤 (salmeterol/fluticasone; S/F) による治療と比較してGlobal Initiative for Asthma/National Institute of Health (GINA/NIH)ガイドラインが定める喘息管理基準の達成度が高いか?
 A:喘息患に対する吸入ステロイドfluticasoneの単独治療は,S/Fによる治療と比較してGINA/NIHガイドラインが定める喘息管理基準の達成度が低かった。
喘息治療はGOAL研究の結果を踏まえて大きく進歩した
しかしコントロール不良の喘息は世界的にも重要な問題
Japan National Health and wellness Survey調査 日本では39%が喘息のコントロール不良
The living and breathing Study 66%が症状は週3回以上と返答
European National Health and wellness Survey調査 約75%がレスキュー薬を週3回以上使用
AIM LA調査 コントロール不良喘息患者の58%が予定外/緊急に医療機関受診
Understanding patient with asthma and COPD研究 57.8%はレスキュー薬をほぼ毎日1-2パフ以上使用と回答
欧州のREALISE調査、AMA LA、CHOICE調査 36-45%がコントロール不良の喘息
International control of asthma Symptoms 調査 82%がコントロール不良
コントロール不良患者は経済的負担に関連(間接非医療コストや病院サービスコスト↑)
喘息の発現頻度 9地区(北海道から九州) 2010年 平均頻度 12.8% 2017年 14.7% 発現頻度増えている
喘息患者の治療継続向上が課題
アドエアの新規処方患者の継続率 海外データー 2003年
3週間で40%に減少 300日では10%前後に
喘息患者のアドヒアランスは他の慢性疾患と比べ低い
成人 ARB スタチン Ca拮抗薬 250日/年以上 ICS/LABA ICS 50-70日/年以上

自己判断で吸入回数を減らしたことのある患者の33.6%が症状のある時だけ吸入すればよいと考えている
回答数 559名 吸入回数減らす 301/53.8%のうち アドヒアランスが低いと増悪リスクが高い
喘息コントロール状態を評価するために様々なツールが存在する
肺活量測定 気道過敏性 ピークフロー 呼気NO検査
喘息管理質問票(ACQ) 誘発喀痰での好酸球分画算定
喘息コントロール(ACT)
喘息コントロール状態での評価ツールに必要な条件
多忙な日常診療の中ですばやく簡単に使用でき かつ 多角的側面を反映している
喘息管理質問票(ACQ)喘息コントロール(ACT)
症状コントロールレベルの差を識別できるスコアーや、カットオフ値が得られ、医師の評価と照らし合わせて
検証できる スコアーが患者の病的進行評価に役立つ可能性がある 症状コントロールの変化が鋭敏である

ACTスコアーは将来の喘息増悪の発現と関連している 20点 増悪発現 オッズ比 2 10点 で6  5点 で17
MID臨床的に意味のある最小変化量
ACTでは3点 入院、救急診療部受診 経口ステロイド薬を使用する増悪発現の確率が増加 1.33
ACTスコアーは専門医による治療判断と相関する
ACTはROC解析 0.81と最も指標となった

喘息治療のステップアップを予測するACT20点以下 感度 70.5% 特異度76%
(FeNO PEFR(平均値)気管支拡張薬投与後のFEV1値より相関する)

喘息コントロールに必要な戦略 目標とすべき治療は
1 症状のコントロール 気道炎症を制御する
正常な呼吸機能を保つ(PEFが予測値の80%以上、日内変動10%未満)
2 将来のリスク回避 呼吸機能の経年的低下を抑制する
喘息死を回避する 治療薬の副作用発現を回避する
喘息の重症化、難治化にかかわる気道のリモデリングは
気道の炎症だけでなく、喘息発作による気道の収縮の繰り返しによって誘導される可能性が報告されている
実験的な気道収縮の繰り返しにより基底膜の肥厚(コラーゲンの厚さ)が
気道平滑筋細胞応答の役割
炎症細胞活性化→ 気道平滑筋細胞← 機械的刺激(気道収縮など)
 好酸球          ↓
          細胞活性化 →  ↓   ↑     ↑
  ↑          ↓      収縮能増強 →咳嗽反射
サイトカイン産生 気道リモデリング    
  ↑          ↓         ↓
気道炎症   →  気道過敏性亢進    
 
目指すべき喘息コントロールレベルとは
良好な喘息コントロールは変動性疾患である喘息の状態の安定と増悪リスク低減のために重要である
日常診療に近い臨床試験を実施することが望ましい
臨床試験で適格とされる患者数は日常診療における喘息患者数の3.3%にすぎない
Salford Lung Study(SLS)の主な特徴
日常診療に近い環境を反映する患者集団 頻繁に診察せずに患者さんをモニタリング
膨大なデーター収集及び管理 試験期間中も通常の日常診療保証

日常診療においてかかりつけ医による治療を受けている、4,233人の喘息患者を対象。非盲検無作為化試験、レルベア(フルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)/ビランテロール(VI))100エリプタもしくは200エリプタの投与を開始した喘息患者の方が、通常治療を継続した患者と比較して、喘息コントロールの改善を達成した患者数が多いことが示された。通常治療とは、吸入ステロイド(ICS)単剤療法またはICS/LABA(長時間作用性β₂刺激剤)併用療法を含む。
主要な有効性解析では、コントロール不良な喘息患者を対象に、喘息コントロールテスト(ACT)における「喘息コントロールの改善」を達成した患者の割合を24週の時点で検討
結果、
FF/VIの投与を開始した喘息患者(71%)の方が、通常治療を継続した患者(56%)と比較して高い割合で「喘息コントロールの改善」が達成された「喘息コントロールの改善」は、ACTスコアの合計が20点以上、またはベースラインから3点以上の改善と定義した。この結果は、12、40および52週の時点でも、同様に統計学的に有意。有害事象変わらず
 
日本人の喘息患者の治療実態 レセプトデーターベースを用いた疫学調査
年間処方日数はFP/SLMと比較してFF/VI新規使用患者で多かった
年間292日(80%)以上の患者割合もFF/VI新規使用患者で高かった
SABAやOCSの使用頻度は低く、両群間に差は認められなかった

1日一回のFF/VIは1日2回にFP/SLMと比較してアドヒアランスの向上に寄与する可能性が示唆された
 
症状を指標とした治療と比べ、炎症コントロールを指標にした治療の方が増悪頻度が減少する
(中等症から重症の喘息患者74人を対象とした無作為化試験で、喀痰中の好酸球数を指標にする喘息治療を受けた患者では、ピークフロー値などを指標にする通常の喘息治療を受けた患者より、喘息の増悪や喘息による入院が少ないことがわかった)
各種ステロイドの好酸球残存阻害作用好酸球残存50%阻害濃度

 ブテソニド(BUD)21-58nM モメタゾンフランカルボン酸エステル(MF)24.3nM 
フルチカゾンプロピオン酸エステル(FP) 4nM フルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)1.29nM
各種ステロイドのヒトグルココルチコイド受容体親和性 FF>MF>FP>BP


 

2019-04-12 04:38:30

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