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第9回刀根山呼吸器勉強会 4月6日

第9回刀根山呼吸器勉強会 4月6日

第9回刀根山呼吸器勉強会に

最新の肺がんの免疫治療 国立病院機構大阪利根山医療センター呼吸器腫瘍内科部長 森雅秀先生
1992年 PD-1分子の発見

1999年 免疫抑制レセプターとしての機能解明
2002年 がん治療のシーズとなりえることを発見
2006年 企業での治験開始
2011年 京都大学における医師主導第二相試験
2012年 FDAによるFast Track指定(肺、腎、メラノーマ)
2013年 1月(米国)6月(日本) オーファン指定 ステージ3,4 メラノーマ
2014年 治療薬 オプチーボが誕生
2018年 京都大学 本庶佑先生が2018年ノーベル医学生理学賞を受賞

PD-1分子発見からオプチーボの誕生まで22年かかった
現在の免疫治療薬
抗PD-1抗体   ニボルマブ(オプチーボ)
抗CTLA-4抗体  イビルマブ(ヤーボイ)
抗PD-L1抗体  ベムブロリズマブ(キイトルーダー) 
        アテリズマブ(テセントリク)
        デュルバルマブ(イミフィンジ)

2014年非小細胞がんの治療 
4期非小細胞がんの治療 非扁平上皮がん EGFR遺伝子変異調べる 陽性 以下の治療
                    ALK遺伝子変異調べる 陽性 以下の治療

4期非小細胞がんでEGFR遺伝子変異(-) ALK遺伝子変異(-)もしくは不明 プラチナ製剤の流れ
非小細胞肺がんの細胞の表面にはEGFR(上皮成長因子受容体)と呼ばれるタンパク質がたくさん発現しており、このEGFRは、外部から刺激を受けると、がん細胞が増殖するのに必要な信号を細胞内に伝える役割を担っています。非小細胞肺がんにはこのEGFRを構成している遺伝子の一部(チロシンキナーゼ部位)に変異が認められる腫瘍があることがわかっています。変異のなかにはEGFRのスイッチを常時ONにして、がん細胞の増殖を促すものもあります。GFR遺伝子変異は、日本人の非小細胞肺がんの患者さん全体の30〜40%に認められます。欧米人よりも日本人などのアジア系の人種、男性よりも女性、たばこを吸う人よりも吸わない人に多く、非小細胞肺がんのなかでも腺がんの患者さんに多いことがわかっています。また、たばこを吸う人はEGFR遺伝子変異が認められる割合が低い傾向がありますが、腺がんであれば喫煙者の約30%に変異が認められます。こうしたことから、性別、喫煙歴、がんの種類(腺がん・非腺がん)などの患者背景に関係なくEGFR遺伝子変異検査の実施が勧められます。肺がんの治療薬であるEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)は、EGFR遺伝子変異のある患者さんで効果の高い薬剤といわれています。
EGFR遺伝子変異 ⇒ 非小細胞肺がんの約30%(腺がんなら50%)の確率で起きる。
ALK融合遺伝子転座 ⇒ 非小細胞肺がんの約5%に起きる。
現在は 下記の2つの遺伝子も調べる
ROS1融合遺伝子転座 ⇒ 非小細胞肺がんの約1~2%に起きる。
    BRAF遺伝子変異 ⇒ 非小細胞肺がんの約1~3%に起きる。

EGFR遺伝子変異 ⇒ イレッサ(一般名ゲフィチニブ)、タルセバ(エルロチニブ)、ジオトリフ(アファチニブ)。
これらに耐性がついたとき(効かなくなったとき)はタグリッソ(オシメルチニブ)が使えるかどうか検査する。
ALK融合遺伝子転座 ⇒ ザーコリ(クリゾチニブ)、アレセンサ(アレクチニブ)、ジカディア(セリチニブ)。
ROS1融合遺伝子転座 ⇒ ザーコリ(クリゾチニブ)
BRAF遺伝子変異 ⇒ まだ承認されている薬はない(2018年2月現在)。今後はタンフィラー(ダブラフェニブ)+メキニスト(トラメチニブ)の併用療法が承認される可能性が高い。

2018年になり4期小細胞がん治療は様変わり
ドライバー遺伝子(EGFR遺伝子変異 ALK融合遺伝子転座 ROS1融合遺伝子転座BRAF遺伝子変異 陽性) →各種キナーゼ阻害剤  キナーゼ阻害剤抵抗性 (PD-L1陽性細胞≧50%) キイトルーダーへ
PD-L1陽性細胞≧50% キイトルーダー もしくは細胞障害性抗がん剤+PD-1/PDL-1阻害剤
ドライバー遺伝子陰性 PD-L1陽性細胞<50% 細胞障害性抗がん剤+PD-1/PDL-1阻害剤
*オプチーボは化学療法無効例に使用できる PD-L1に関係なく

3期非小細胞がん 遠隔転移(―) 化学療法後にデュルバルマブ(イミフィンジ)による地固め療法を行うことを勧める
 
免疫チェックポイント阻害剤


がんのサイクル T細胞はがん細胞を、異物であると感知し攻撃します。通常はがん細胞が発生したときに、すぐにT細胞が攻撃するためがん細胞が壊死します。ところがここを潜り抜けたがん細胞は、時間をかけて悪性化していきます。このようながん細胞にT細胞は攻撃をしていきます。ところががん細胞は増殖を続けるために自ら作り出した分子PD-L1とPD-L2で、T細胞の表面にある攻撃を抑制させる受容体PD-1に結合し、T細胞はがん細胞への攻撃を中止し、がん細胞は増殖していく。
抗PD-1抗体オプジーボは、このような受容体PD-1の周辺に留まり、PD-L1とPD-L2が結合するのを阻害します。

このオプジーボの作用によってT細胞が活性化され、がん細胞を攻撃する。オプジーボが免疫チェックポイント阻害薬として働く受容体PD-1は、T細胞、B細胞、NK細胞などであると考えられています。T細胞にはキラーT細胞とヘルパーT細胞があり、キラーT細胞がウイルスやがん細胞を攻撃します。B細胞は、樹状細胞の指示で異物を攻撃する抗体を作ります。NK細胞はナチュラルキラー細胞と呼ばれ、つねに身体全体を監視しウイルスやがん細胞を発見しだい攻撃します。その破壊力をがん細胞が恐れています。T細胞は、身体のなかに侵入してきたウイルスや身体のなかで発生したがん細胞を攻撃する働きをもっています。しかしこのT細胞が異物を排除したあと、攻撃するために準備していいたT細胞が身体のなかに残ることになります。この残ったT細胞が攻撃する異物がなくなったことを感知し自ら身体のなかで消えればよいのですが、戦う相手がいなくなったことでエネルギーを発散させるためか正常細胞を攻撃してしまうのです。ここで樹状細胞が登場しT細胞の攻撃を抑制するのです。このとき、T細胞の働きを抑制する受容体PD-1に樹状細胞のPD-L1とPD-L2が結合するのです。
免疫チェックポイント阻害剤 抗PD-1抗体
適応拡大 オプチーボ 皮膚 黒色腫 非小細胞肺がん 腎がん ホジキンリンパ腫 頭頚部がん 胃がん 胸膜中皮腫 
     キートルーダー 皮膚黒色腫 非小細胞肺がん ホジキンリンパ腫 尿路上皮がん
オプチーボの臨床現場への登場 2015年の報告 ドセタキセルとニボルマブの比較
扁平上皮癌  生存率12カ月 42%vs21% (2年で30%生存)
非扁平上皮癌 生存率12カ月 51%vs39% (2年で20%生存)

キイトルーダー PD-L1発現による効果の違い 
高発現 TPS-≧50% 42.6% TPS1-49% 14.8% TPS<1% 8.7% 不明 19%
免疫チェックポイント阻害剤単独では治療初期の効果が弱い→腫瘍サイズが大きい症例、急激な進行症例、PD-L1発現低い症例など→抗がん剤と組み合わせるのがいいのでは? 治験始動中
トピックス 
がんの免疫療法の効果 事前予測できるかも?大阪大学新技術 岩堀幸太郎特任講師
免疫チェックポイント阻害剤」と呼ばれ、様々な種類のがんに使われるようになっている。ただ、よく効く人は2~3割とされる一方、事前に効果を予測する方法は確立していない。チームは、免疫細胞とがん細胞の両方に結合する性質を持った物質を使用。患者の血液に含まれる免疫細胞とともに皿の中に入れ、がん細胞が死滅する割合をみることで、免疫細胞の攻撃力を評価できることを確認した。さらに培養皿にオプジーボを加えて実験。攻撃力が高いと評価した免疫細胞ほど、オプジーボの効果が高いこともわかった。実際に免疫チェックポイント阻害剤を使った患者6人を比べると、免疫細胞の攻撃力が高い3人の方が、低い3人より、薬の効果がないなどの理由で治療を中断しないで済んでいたという。岩堀さんは「現在、さらに多くの患者できちんと効果を予測できるか調べている。3年後くらいには実用化したい」と話している。
オプチーボとめても効果20週以上持続 
がん治療薬「オプジーボ」は使うのをやめても、肺がん患者の免疫を高める効果が20週間以上続くとする研究結果を、大阪大の小山正平助教(呼吸器・免疫内科学)らのチームがまとめた。米臨床医学会誌に4日、発表した。
オプジーボは、1日にノーベル医学生理学賞の受賞が決まった、本庶佑 亰都大特別教授の研究をもとに開発された点滴薬。使用期間は定められておらず、現場の医療機関にゆだねられている。高額な医療費負担が問題になっているが、こうした研究が積み重なることで、将来的に中止期間を設けられる可能性もある。
オプジーボは、がん細胞を直接攻撃するのではなく、人に備わる免疫の働きを促す。「T細胞」と呼ばれる免疫細胞の表面に複数あるブレーキ役の分子にくっつき、この分子にかかわる働きを妨げることで、がん細胞への攻撃力を高め、効果があらわれる。 チームは、この分子にオプジーボがくっついている様子を調べる方法を開発。くっつき方には、この分子すべてがふさがる「完全結合」、一部だけがふさがる「部分結合」があった。 この方法を使い、副作用などが原因でオプジーボの使用をやめた肺がん患者8人の血液を定期的に採って調べた。すると、最も短い患者でも、完全結合の状態が20週間続いていることがわかった。
小山さんは「使用をやめても、治療効果が長期間続く可能性がある」と話す。一方、使用をやめても効果が続くので、やめた後の副作用を通常より長く観察する必要がある、としている。

 

2019-04-07 08:27:20

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