内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
〒541-0047 大阪府大阪市中央区淡路町4-7-2
TEL 06-6203-7636

 

 

トップページ»  ブログ記事一覧»  第35回吹田市医師会イブニングセミナー2月8日

第35回吹田市医師会イブニングセミナー2月8日

第35回吹田市医師会イブニングセミナー2月8日

第35回吹田市医師会イブニングセミナーを聴きに千里阪急ホテルに行ってきました
日常診療における冠攣縮の意義 国立循環器病研究センター 理事長 小川久雄先生


近年、冠動脈インターベンションの進歩により薬物治療が軽視されているが、狭心症の治療の基本は薬物治療である
冠攣縮とは、心臓表面を走行する比較的太い血管が一過性に異常に収縮した状態と定義され、狭心症発作時のST上昇を特徴とする異型狭心症も冠攣縮性狭心症の一病型と考えられる
虚血性心疾患の中でも冠攣縮性狭心症は欧米人と比べ日本人の発症率が高い

冠攣縮性狭心症の診断と治療に対するガイドラインが2008年にでき、2013年に改訂版が強調したい部分
まず診断のフローチャート 問診の重要性
高度な器質的狭窄を伴う冠攣縮性狭心症があるということ このような症例ではカルシウム拮抗薬を加えること
治療薬としてスタチン製剤、RAS系製剤が
冠攣縮と心臓突然死も少なくないということ
冠動脈インターベンション後の冠攣縮があるということ
非心臓疾患に周術期に発症する冠攣縮も多いということ

冠攣縮性狭心症の頻度
循環器専門施設 n=2251 冠攣縮性狭心症:921 器質性狭心症:1330 約40.9%
日本人と白人の心筋梗塞後における冠動脈の攣縮反応の相違
                     白人 n=90  日本人 n=72
スパズム発生セグメント数  梗塞責任冠動脈    11          72
                     白人 n=189 日本人 n=160
             非梗塞責任冠動脈  13          36  
スパズム発生 動脈数           白人 n=31  日本人 n=24
              梗塞責任冠動脈   22%      
66.7%
                      白人 n=63 日本人 n=56
              非梗塞責任冠動脈  11.1%      
39.3%
冠攣縮性狭心症(CSA)の診断フローチャート
問診重要 参考項目 硝酸薬により速やかに消失する狭心様発作で、4項目のいずれかが満たされれば疑いとする
1 特に夜間から早期にかけて安静時に出現する
2 運動耐容能の著明な日内変動を認める(早朝の運動能の低下)
3 過換気(呼吸)により誘発される
4 Ca拮抗薬により発作が抑制されるがβ遮断薬では抑制されない

安静、労作、安静兼労作時の狭心症発作でCSAを疑う場合
  自然発作時の心電図、ホルター心電図検査などで
虚血性心電図変化陽性   虚血性心電図変化境界     虚血性心電図変化陰性 

              ↓          有   または心電図検査未施行
   ↓   症状に関連した明らかな心筋虚血所見  ← 下記の参考項目を1つ以上
       もしくは冠攣縮陽性所見が諸検査により   満たす
       認められる     ↓  無            ↓無
  CSA確定  ← 有↓     CSA疑い           CSA否定的
冠攣縮性狭心症(CSA)の心電図と冠動脈造影上の定義
心電図上の定義
明らかなる虚血性変化とは、12誘導心電図にて、関連する2誘導以上における一過性の0.1mmV以上のST上昇または0.1mV以上のST下降か陰性U波の新規出現が記録された場合とする。虚血性心電図変化が遅延する場合は急性冠症候群のガイドラインに準じて対処する
冠動脈造影上の定義
心臓カテーテル検査における冠攣縮薬物誘発負荷試験、過換気負荷試験などを指す。なおアセチルコリンやエルゴノビンを用いた冠攣縮薬物誘発試験における冠動脈造影上の冠攣縮陽性所見を「心筋虚血の徴候(狭心症および虚血性ST変化)を伴う冠動脈の一過性の完全または亜完全閉塞(>90%狭窄)」と定義する
Prognosis for Ach-positive Patients
Diffuse spasms 96.5 % vs focal spasms 92.5%と 主要心血管イベントによる2年生存率は優位に高い
Spasmsは心筋梗塞に移行する
Prothrombin →Thrombin
        ↓
   Fibrinogen →  Fibrin
         → FibrinopeptideA(FPA)
PRAレベル(ng/ml)   2pm 6pm 10pm 2am 6am 10am          
不安定狭心症(n=20)  5   3   7   10   9   5
安定狭心症(n=20)   2   3   3   3    3   3    トロンビン上昇血栓 AMIへ
Coronary spasms in ACS
NSTE-ACS n=1601 →約20%の320名がSpasms-induced NSTE-ACS →7%(119)Variant Angina
薬剤溶出性ステン(DES)はBMSに比して再狭窄を各段に減少させる
第1世代のDES留置後に血管内皮機能障害を来す可能性が示唆されている そして冠攣縮が生じた症例が報告されている
DESにより内皮再生が遅くなり 血管内皮機能障害、血管平滑筋機能異常→NO産生低下→SPASMS↑
血管平滑筋の分子スイッチであるRho-kinasaeの活性化が重要な役割を果たしている
ニフェジピン徐放剤の長期投与がDES留置後の冠動脈収縮反応や微小血栓形成、炎症反応、Rho-kinasaeの活性亢進に対して抑制を示すことが示された 
現在のステントではおこらない
主要心血管イベントによる2年生存率は
冠動脈の狭窄の無い血管でのspasms 95% vs 狭窄ある血管でのspasms 90% 2年間で優位差あり
Ca拮抗薬は冠攣縮狭心症の予後を改善する
10年間経過観察 Ca拮抗薬 n=176 98%生存率 Ca拮抗薬(―)n=69 88%
スタチンは冠攣縮を抑制する(内皮のNO↑)
アセチルコリン誘発試験 前 100%攣縮 スタチン投与6カ月 48.4%に 31名
            前  100%   スタチン投与なし6カ月 78.8% 33名
ARB(バルサルタン)も冠攣縮を抑制する
冠攣縮と心臓突然死について
登録された冠攣縮性狭心症1429例のうち35例(2.5%)が院外心停止から蘇生例
院外心停止例では非院外停止に比し年令が若く、誘発試験では左前下行枝攣縮の頻度がより高率

院外心停止と冠攣縮(日本人の特徴)
院外で心停止に陥り、心肺蘇生された365名の日本人患者中、22名(6%)で冠攣縮が証明され、この頻度はフランス人(3%)の2倍であった
冠攣縮性狭心症患者の心血管イベント発生に影響を及ぼす因子
糖尿病 1.39 喫煙 1.67 心筋梗塞既往 1.39 優位狭窄 2.04 ST上昇伴う自発性発作 1.77
院外心肺停止の既往 3.25 複数血管にいおいてnおける冠攣縮 1.62 β遮断薬 1.56
MDCTにて優位狭窄がない場合は、症状や他の検査を参考にして冠攣縮性狭心症や微小血管性狭心症などをむしろ疑うことが必要になる
非心臓疾患周術期の冠攣縮
現在の方法としては自覚症状の有無、動脈硬化の危険因子のチェック、運動負荷試験、負荷心筋シンチグラムおよびMDCTが主流であるが詳細な自覚症状を聴取し、冠攣縮発作をスクリーニングすることは、非心臓手術の周術期を安全に経過させるために重要である
最近の報告 連続7745例の非心臓疾患手術において、42例(AMI9例、致死性不整脈4例不安定狭心症29例)の心臓イベントが発生しており、そのうち18例は冠攣縮発作であった
56%の症例で過去に胸痛の既往があり、89%は循環器科への術前コンサルトなし
PAT(血管内皮機能障害) 140例胸痛を訴える女性患者140名
>50%冠動脈狭窄 n=68   器質的冠動脈狭窄なしn=72
閉塞性冠疾患          アセチルコリン負荷試験
          冠攣縮性狭心症n=32 微小血管スパスムn=6 微小循環障害n=4 非虚血性心疾患n=30
           ←   非閉塞性冠疾患NOCAD          →
← 虚血性心疾患IHD n=110                    → 
結果 虚血性心疾患患者において血管内皮機能を優位に低値閉塞性と非閉塞性冠疾患においては同程度
RH-PAT Index  Non-IHD n=30 2.2 vs IHD(n=110) 1.6
         Non-IHD n=30 2.2 vs CAD(n=68) 1.6 NOCAD(n=42) 1.6

 

2019-02-09 16:35:19

  |  コメント(0)

 

コメント

お名前
URL
コメント