内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
〒541-0047 大阪府大阪市中央区淡路町4-7-2
TEL 06-6203-7636

 

 

トップページ»  ブログ記事一覧»  WEB講演会2月5日

WEB講演会2月5日

WEB講演会2月5日

慢性腰痛症への適正治療―SNRIによる疼痛抑制効果;実臨床からのアプローチー
富山県厚生連滑川病院 院長 南里泰弘先生

腰痛診療ガイドライン2012
慢性疼痛と治療戦略と痛みの伝達経路
デュロキセチン(SNRI)について
自験例の紹介と薬剤選択(私見)

                            腰痛患者
                注意深い問診と身体検査
危険信号なし              危険信号あり
神経症状なし 神経症状あり       画像検査や血液検査などで精査する
非特異的腰痛   ↓           原疾患の特定
  ↓      (1)            ↓
疼痛と機能障害に応じて4-6週の保存的治療  不可能   可能
  ↓             ↓      ↓      原疾患に応じた治療
 改善なし          改善あり    (1)

  1.             ↓ 
画像検査または侵襲的検査   患者教育 自己管理 
危険信号の再評価
心因的要素の再評価

 
重篤な脊椎疾患(腫瘍、炎症、骨折など)の合併を疑うべき red flags(危険信号)
発症年齢<20才 または>55才
時間や活動性に関係のない腰痛
胸部痛
癌、ステロイド治療、HIV感染の既往
栄養不良
体重減少
広範囲に及ぶ神経症状
構築性脊椎変形
発熱

 Q9 腰痛に薬物療法は有効か
腰痛に薬物療法は有用である グレードA
第一選択薬は急性、慢性腰痛ともに以下の薬物を推奨する
NSAIDs グレードA アセトアミノフェン グレードA
第二選択薬は急性腰痛に対して以下の薬物を推奨する
筋弛緩薬   グレードI
第二選択薬は慢性腰痛に対して以下の薬物を推奨する
抗不安薬 グレードA 抗うつ薬 グレードB 筋弛緩薬 グレードI オピオイド グレードA
オピオイドクライシス
オピオイド鎮痛薬の乱用による死亡が相次ぎ、米国ではオピオイドクライシスが国家非常事態であると発表された
 2017年10月 2015年アメリカ52000人 ドラッグ過剰投与にて死亡 このうち2/3がオピオイド
オピオイド鎮痛薬としては中~強い痛みに対して パーコセット オキシコチン ヘロイン フェンタニルなど
マイケルジャクソンやプリンスなどもオピオイド鎮痛薬の過剰摂取で死亡した

Q12 腰痛に患者教育と心理行動的アプローチ(認知行動療法)は有効か
認知行動療法は亜急性または慢性腰痛の治療に有用である グレードA
小冊子などを用いた患者教育は、腰痛の自己管理に有用である グレードA
腰痛学級が腰痛発症を減少させるかは明らかでない   グレードI
腰痛学級は早期職場復帰に向けた効果が北できる    グレードC
Q16 腰痛の治療評価法で有用なものは
要約
健康関連QOL評価法は身体的、心理的および社会的角度から多面的要因を評価できる利点がある
RDQやODIなどが有用
痛み自体を評価する方法としてVASがある
RDQ-24 腰痛のため日常生活(立つ、歩く、座る、服をきる、仕事をする)が障害されるか否かに関する質問24項目
腰痛有訴者のRDQ平均値 男性3.67 女性 4.22 50才代 3.06 60才代 5.05 70才代 7.16
 

慢性疼痛と治療戦略と痛みの伝達経路
末梢感覚神経 C&Aδ線維 →脊髄後角 →上行性経路(疼痛伝達系) プロスタグランジン  →視床、偏桃体
              痛み刺激 侵害受容器の活性化     サブスタンスP
                                 ヒスタミンなど

脳 中脳中心灰白質(PAG)→下行性経路(疼痛抑制系) セロトニン ノルアドレナリン 
脊髄後角における中枢性感作と下行性疼痛抑制系
中枢性感作では脊髄後角2次ニューロンの反応性亢進が起きる 下行性疼痛抑制系は痛みの信号を脊髄後角で抑制し、適切なレベルに調節して脳に伝えている
下行性疼痛抑制系は内因性疼痛調節機構の一部であり、その減弱は中枢性感作の要因となりえる

 
健常者の脊髄後角             慢性痛の脊髄後角
  
↓                  2次ニューロンの感受性亢進
Aδ線維 普通の痛み   弱い痛みを強く     ←Aβ繊維の発芽
C線維  普通の痛み   弱い痛みを強く
Aβ繊維 触覚は触覚   痛くないことを痛く
             中枢感作
痛みに対する薬剤の作用点
大脳及び中枢   アセトアミノフェン 抗不安薬 オピオイド 中枢性筋弛緩薬
         抗てんかん薬 Naチャネルブロッカー Caチャネルリガンド
脊髄後角     抗うつ薬 三環系抗うつ薬 SNRI/SSRI
         オピオイド 
末梢神経組織    自由神経終末(侵害受容器)
に作用するもの   抗炎症薬(NSAIDs、ステロイド) オピオイド
          局所麻酔薬など 筋組織 末梢性弛緩薬
デュロキセチンについて
慢性腰痛症に伴う疼痛 BPI疼痛重症度の変化率  14週で 低下 2.43 VS 1.96(プラセボ)
           効果持続 50週まで同様
副作用 傾眠 20.1% 悪心 10.2% 便秘 9.9% 口喝 5.8% ほぼ0-2週における
国内第3相試験
慢性腰痛症 RDQ-24 50週で 6.69→2.60へ 変形性関節症 WOMACスコアー 34.10→13.67
デュロキセチン用量   慢性腰痛症、変形性関節症、線維性筋痛症に伴う疼痛 60mg 用量依存性に効く
           うつ病や糖尿病性神経障害に伴う疼痛 40mg
自験例の紹介と薬剤選択(私見)
サインバルタ 慢性腰痛症 57例に使用
中止例 8例(14%)
皮疹 1例 高熱、ふらつき、転倒 1例(ワーファリン内服中、セロトニン症候群?)
傾眠 1例 効果不十分 1例 配偶者に止められた 1例 血圧上昇、口喝 1例 頻尿 1例 嘔気 1例

NSAIDs/アセトアミノフェン 減量or中止 23例/25例中
リリカ          減量or中止  7例/15例中
トラムセット       減量or中止  3例/3例中

VAS平均値 54.9→31.7 12週  変化量 10以上 75%
RDQ-24   9.9→6.8  12週  変化量 2以上 67.6%
 3人に2人は出来ることが2項目以上増えている
慢性疼痛治療ガイドライン 
運動器疼痛 デュロキセチン 1A NSAIDs、アセトアミノフェン 1A
サインバルタの対象疾患(私見)
筋力低下を認める神経症状(―)脊椎脊髄腫瘍転移(-)化膿性脊椎炎結核(―)新鮮骨折(-)
対象疾患(私見)
非特異性腰痛症 腰部脊椎管狭窄症 腰椎椎間関節症 腰椎椎間板ヘルニア 脊椎椎体骨折状態
多数回腰椎手術後状態など→3か月以上持続する慢性腰痛

 

2019-02-06 05:54:19

  |  コメント(0)

 

コメント

お名前
URL
コメント