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第4回みなと糖尿病と腎病診連携カンファレンス 2月10日

第4回みなと糖尿病と腎病診連携カンファレンス 2月10日

第4回みなと糖尿病と腎病診連携カンファレンスを聴きに日航ホテル大阪に行ってきました

糖尿病や腎臓病においては亜鉛欠乏症に注意が必要である 大阪みなと中央病院 腎臓内科 部長 川田典孝先生
体を構成する元素
多量元素 酸素 炭素 水素 窒素 カルシウム リン
少量元素 硫黄 カリウム ナトリウム 塩素 マグネシウム
微量元素 鉄 ケイ素 亜鉛 銅
超微量元素 マンガン セレン ヨウ素 モリブデン ホウ素 クロム コバルト
多量元素とは体内存在量が1%を超えるもので体重の98.5%を占める
少量元素とは体内存在量が0.01~1%のもので多量元素と合わせた体重の99.4%を占める
微量元素とは体内存在量が0.0001%~0.01%(1-100ppm)のものをいう
超微量元素とは体内存在量が0.0001%(1ppm)未満のものをいう
微量元素の摂取基準
亜鉛と鉄は必要量がほぼ同等
微量元素 日本人の食事摂取基準(成人18-69歳)
推定平均必要量                     推奨量
亜鉛 mg/日      男性 8 女 性 6          男性 10    女性 8
 銅           0.7   0.6            0.9-1      0.8
 鉄           6-5  月経なし 5-5.5        7-7.5      6-6.5
               月経あり 8.5-9               10.5

ヨウ素μg/日       95    95             130      130  鉄 ヨード 亜鉛の欠乏が多い
亜鉛の吸収と排泄
吸収 十二指腸と空腸
排泄 膵液 胆汁酸中に分泌され35%が再吸収 残りが糞便として排泄(糞便5-10mg 尿 0.5mg 汗0.5mg)
日本人の亜鉛摂取量 推奨量に満たない
男性 20歳以上 鉄 8.1mg(推奨量7-7.5)           亜鉛 8.8mg(推奨量10)
女性      鉄 7.3 (推奨量月経なし6-6.5あり 10.5)   亜鉛 7.3mg(推奨量8.0)
原因
1 日本は亜鉛欠乏土壌である 亜鉛欠乏は農業でも重要 イネの発育にも影響
亜鉛キレート形成薬剤が多い
 パーキンソン病治療薬(レボドパ) 骨そしょう症治療薬(アルファカルシドール)
 睡眠剤(ニトラゼパム) 循環器官用薬(ベラパミル フロセミド フルイトラン エナラプリル ジルチ
 アゼム アムロジン スピノロラクトン アスピリン)
 消化器官用薬 Lグルタミン メトクロプラミド 高尿酸治療薬 アロプリノール 糖尿病 ビグアナイド
フィチン酸 ポリリン酸による吸着
 フィチン酸→自然界では未精製の穀物や豆腐(トウモロコシ 大豆)に多い→中米での亜鉛欠乏
 酸味料 PH調整剤として食品に添加(水産缶詰のストラバイト防止 水煮缶詰の黒変防止
 漬物 果汁 ジュース等の変色防止 植物油の酸化防止)
 ポリリン酸 蛋白質やペクチンを可溶化し、肉類の組織の結着力や伸展性を高める ビタミンCの分解防止作用
 PHの緩衝作用を示す(ハムソーセージ かまぼこ系)
 →ファーストフードやコンビニ弁当が亜鉛不足の一因
年齢と亜鉛濃度 高齢者は亜鉛が低値となりやすい 消化管での吸収低下?
経口亜鉛負荷への反応性と年齢      45才以下の健常者8名と70歳以上の健常者7名
亜鉛50mg経口負荷 100μg/dl 亜鉛投与前と 180分後    200 vs 140
亜鉛の作用機序
1 蛋白質の高次構造調整 2 加水分解触媒作用 3 細胞内シグナル伝達 4 抗酸化 抗金属毒性誘導
*2 ヒストン脱アセチル化酵素 クロマチンの凝集促進 →転写因子抑制
*3 細胞内シグナル伝達 T細胞の増殖 細胞外から流入する亜鉛イオンやリソソームから放出される亜鉛イオ
ン増殖抑制シグナル抑制 亜鉛イオンがセカンドメッセンジャーとして働く

亜鉛欠乏症の証明3条件
欠乏症による臨床症状がある 濃度や関連酵素活性が低下している 補給で症状改善 濃度や関連酵素改善
亜鉛欠乏症と補充適応の診断 亜鉛欠乏症の診断指針2016年
1 臨床症状がある またはALPが低値 2 その症状の原因となる他の疾患がない
3 早朝空腹時血清亜鉛値が低値 3-1 60μ/dl 未満  3-2 60-80μ/dl
4 亜鉛の補充で症状で改善する
1 2 3-1 4 亜鉛欠乏症 1 2 3-2 4 潜在性亜鉛欠乏症 1 2 3 亜鉛補充の適応
亜鉛欠乏症の臨床症状 所見
皮膚の症状 皮膚炎 口内炎 脱毛症 褥瘡(難治性)
発育関連症状 発育障害(小児では体重増加不良 低身長) 性腺機能不全 不妊症
その他 食欲低下 易感染性 味覚障害 貧血→亜鉛補給で改善できるかもしれない
亜鉛補給による味覚閾値の改善
介入ターゲット→喫煙 うつ 亜鉛 味覚障害ある亜鉛不足の日本人219名
亜鉛34mg/日投与群 vs プラセボ うつ 喫煙あると亜鉛投与のによる味覚閾値の改善が低下する
亜鉛補充適応の例外
亜鉛欠乏症の診療所指針 2016
慢性肝疾患 糖尿病 慢性炎症性腸疾患 腎不全→血清亜鉛値が低値であれば亜鉛欠乏症状を認めなくても
亜鉛補充を考慮してよい →ある種の疾患では血清亜鉛値が80μg/dl未満のみで治療開始してよい

検討されている亜鉛補給の有用性
慢性疾患の進行抑制
→網膜色素変性症 骨そしょう症 肝炎 腎炎 糖尿病 うつ病 高齢者
急性期疾患への防御
感染症に対する防御強化や回復促進
人工呼吸や放射線治療 交通事故による急性臓器障害の軽減
2型糖尿病症例への亜鉛補給 メタ解析 HBA1C優位に改善 LDL-C値も
亜鉛摂取量と糖尿病発症リスク MDCS研究にエントリーした26132名 摂取量が低下すると発症↑

亜鉛サプリメントの使用と糖尿病 亜鉛サプリメント使用していない群を1とすると0.68-0.83と発症低下する
肝疾患と血清亜鉛濃度 正常>慢性非活動性肝炎>慢性活動性肝炎>代償性肝硬変>非代償性肝硬変
肝硬変では血清亜鉛濃度低下している
肝硬変への亜鉛補給と肝がん発生 C型肝炎 アルブミン3.5mg/dl以下かつ血清亜鉛濃度70mg/dl以下
37名 亜鉛136mg+BCAA12g/日 vs コントロール群 BCAA12g/日 投与期間6か月
2500日 優位に亜鉛投与群で肝がん発症減少した

うつ病 肝疾患 腎疾患では亜鉛が欠乏している 摂取量低下+薬剤?
亜鉛投与で血糖改善 なぜか? インスリンの結晶化に亜鉛が必要
生体内の亜鉛の恒常性維持を担うトランスポーター亜鉛トランスポーター(ZnT8)の機能が悪くなると、肝臓で過剰にインスリンが分解されることによって、末梢組織に届く全身のインスリン量が減少すること 藤谷教授
亜鉛キレート作用を持つと予想される糖尿病薬
ネシーナ オングリザ グラクテブ キネダック メトグルコ (SGLT2阻害剤は影響しない?)
乳児の上気道炎と下痢症 亜鉛投与群 1とするとコントロール群は1.73倍に
性別 最近6か月の母乳栄養は影響ないが 保育施設利用は1.41倍に増加
高齢者の易感染性 亜鉛45mg/日 12か月投与群 24名 vs プラセボ 25名
感染罹患 29% 88%
人工呼吸器関連肺障害 重症脳外傷 亜鉛補給により軽減が期待される→保険としての亜鉛補給
亜鉛の多い食品 100g当たり亜鉛の含有量 牡蠣 13.2mg 子牛バラ肉 3.6 牛肉(もも)4.0 鶏肉(肩) 4.9
豚肉(レバー) 6.9 たらこ 3.3など
亜鉛の多い食品 ビーフジャーキー パルメザンチーズ 煮干し ピュアココア たたみいわし など
長期的亜鉛処方時の用量(成人)を考慮するうえで参考となる情報
1 介入報告 25-50mg/日の範囲で投与報告が多い 100mg/日を超えると銅欠乏症のリスクが増大
2 推奨摂取量 10mg/日 3 推奨摂取上限 40mg/日 4 高齢者では吸収低下も考慮する
私見
20mg/日前後を目指すとすると内服処方は
1 食べている人は10mg/日程度で十分では?(食事での摂取8mg/日前後と仮定)
2 30mg/日は越えなくてもよいのでは?

酢酸亜鉛製剤(ノベルジン25mg) 亜鉛含有量25mg→0.5錠から1錠でよい?
プロマック 亜鉛16.9mg含有→1包でよい?
長期 亜鉛補給目的で亜鉛処方→10-30mg/日
短期 急性疾患の臓器障害軽減を目指した亜鉛負荷 →60-120mg/日を短期間
亜鉛内服時の副作用
1 消化器症状(嘔気 腹痛) 2 血清膵酵素(アミラーゼ リパーゼ)上昇
3 末血検査異常 銅欠乏による貧血 白血球減少 鉄欠乏性貧血
亜鉛内服時の銅欠乏
機序 消化管での吸収時に亜鉛と銅が競合
症状 1 貧血 汎血球減少 2 進行性の痙性 運動失調 ニューロパチー
問題点 銅の補給薬が簡単に手に入らない(サプリメント利用するしかない)

 

2018-02-11 16:51:10

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