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第7回大阪睡眠障害カンファレンスー2 2月8日

第7回大阪睡眠障害カンファレンスー2 2月8日

睡眠からみた認知症予防の可能性 大阪大学保健センター 精神科 准教授 足立浩祥先生

睡眠の加齢性変化と高齢者の睡眠の問題
高齢者が不眠症状自覚しやすい3つの理由
1 生理学的背景 
年齢による睡眠覚醒リズム変化
新生児は一日に16-18時間睡眠をとる 睡眠の50%はレム睡眠である 多相型
          ↓
小児は約10時間 青年は約8時間 成人は約7~8時間
成人の睡眠の20%がレム睡眠である                単相型
          ↓
老人は5-6時間 深いノンレム睡眠(徐波睡眠)は加齢により徐々に減少する 多相型
昼寝が復活して夜の眠りが浅くなる
年齢に応じた適切な睡眠量、質、リズムが維持されることが目標
*高齢になると寝床で過ごす時間が増える 75才 8時間寝床に 睡眠6時間
2 不眠症状の原因の多要因性
覚醒 > 睡眠  ←身体的疾患(疼痛、掻痒、呼吸苦等)の影響
  ↓       生活リズムが崩れている いつもと違う時間に寝ようとする
不眠       ストレス他、心理的な影響 うつ病の様な精神疾患の影響
          アルコールや他の薬の影響
*高齢者は持病の数が増えるほど睡眠時間が短くなる 持病増えると 4以上 睡眠の質低下する
3 睡眠関連疾患罹患率の増加
睡眠時無呼吸症候群 レム睡眠行動異常症 レストレス レッグス症候群 概日リズム睡眠障害
 
認知症の危険因子としての睡眠の問題
737人地域在住高齢者 アクチグラフで評価した前向きコホート試験 睡眠分断の多寡で1.5倍AD発症リスク
アルツハイマー病における活動量低下
正常高齢者とADの比較 
アクチグラフの振幅がADで優位に低下している 夜間↓と昼間↑のメリハリが消えている
地域在住女性高齢者 3日間以上のアクチグラフ測定
4.9年の前向きコホート 
活動休止の振幅が最も低い群 活動休止リズムの規則性低下 最大活動タイミングの後退
がMCIないし認知症発症のリスク因子
55-69歳の地域在住男性10年間前向きコホート研究 日中の眠気の存在で血管性認知症の発症リスクが4.44倍に
他の認知症では有意差認められず
メタ解析 睡眠の問題の有無 AD1.55倍 MCI 1.65倍 Preclinical AD 3.78倍 MCIand/or AD 1.68倍
睡眠の問題と認知症の関連メカニズムの仮説
            
遺伝
    ↓       ↓            ↓
睡眠障害 →  アミロイドβクリアランス障害   → 認知症
     ←  タウ蛋白↑
        炎症↑
        シナプス可塑性
        低酸素 血管変化
        神経変性 神経伝達物質の変化
認知症の原因疾患と睡眠の問題と共通点、相違点
認知症の定義 1 器質的は疾患により2 持続性で 3 一旦獲得した知識を失った 4 広範な認知機能障害
       5 日常生活にあるいは社会生活上の障害
認知症をきたす疾患
アルツハイマー病    頭部外傷
脳血管性認知症     脳腫瘍
レビー小体型認知症      低酸素脳症
前頭側頭変性症     内分泌疾患
正常圧水頭症      ビタミン欠乏症
ハンチントン舞踏病    慢性硬膜下血腫
認知症原因疾患別の睡眠の問題要因
不眠 アルツハイマー病 50% 脳血管性認知症 70% 前頭側頭変性症 50% レビー小体型認知症70%
睡眠呼吸障害     55%          75%         65%         75% 
レム睡眠行動異常    20%         25%         25%          50%
レストレス レッグス症候群 5%       5%         5%          0%
日中の過度の眠気     48%        60%         65%         70%
アルツハイマー病では深部体温および活動性リズムの後退が認められる
前頭側頭変性症では活動性リズムの前進がみられ、深部体温リズムとの乖離が認められる

睡眠の障害は脳でのアミロイドβ除去が低下する(睡眠をとることでAβ42は除去される)
アクチグラフで測定した横断研究 Aβ42沈着が多い群ではPreclinical ADの時点から睡眠の量に差が見られない一方で睡眠の質の低下が認められる
26名の認知機能が正常の高齢者 PIB-PET scan 内側前頭野にAβが蓄積するとNREM睡眠の除波活動が減少
徐波活動と記憶保持は関連
レビー小体型認知症やパーキンソン病で起こるレム睡眠行動異常   (α-シヌクレインの集積が生じる)
レム睡眠行動異常 筋活動の低下を伴わないREM睡眠
睡眠時無呼吸症候群でもレム睡眠行動異常様になるが  REM睡眠の筋活動の低下がある
わかりにくい場合はCPAPで治療して観察する
横断研究 中等度以上のOSASは約2倍白質病変をともなう
主な認知症原因疾患における睡眠の問題の特徴
     主たる臨床徴候        睡眠障害の特徴 検査所見
AD病   1 概日リズムにおける障害   夜間睡眠分断 睡眠相後退 メラトニン分泌リズムの振幅低下
                    日没症候群       
     2 睡眠構築の変化       入眠後総覚醒時間増加 REM潜時の変化 総睡眠時間の変化
                     睡眠効率低下 REM睡眠と除波睡眠減少 NREM睡眠の不明瞭化
     3 その他           睡眠時無呼吸障害
レビー小体型認知症            レム睡眠行動異常 過眠症状 周期性四肢運動 
脳血管性認知症              睡眠時無呼吸障害 (SDB)
前頭側頭変性症              睡眠相の前進 日中の過度の眠気
認知症の睡眠の問題への薬物 非薬物介入について 
軽症から中等症のAD患者 薬物療法ないし非薬物療法 38件の研究 
メラトニン → 一貫しない結果 プラセボと比して効果は明確でない
抗精神病薬→ 一貫しない結果 リスペリドンの2件のRCTで有効性あり
抗うつ薬 → RCT無し 3例の症例報告でミルタザピンで有効性あり
       前向き観察研究でトラゾドンで有効性なし
抑肝散  → 5例の前向き介入 有効性あり
鎮静系の睡眠導入剤についての治療介入研究はほぼ存在しない
非薬物療法では高照度光療法で有効性の報告が一定数存在する
採用されたRCT6件のみ(ほぼAD病で)
メラトニン 4件 中等症から重症AD →10mgまで増量 効果なし
トラゾドン  1件 軽症から中等症AD 第2相試験データー 8mg 効果なし
ラメルテオン 1件   中等症から重症AD 50mg 総睡眠時間延長 睡眠効率改善 
           WASO及び中途覚醒回数は優位な改善なし
認知症予防を目指した睡眠の問題への介入の可能性
いわゆる不眠に対する治療
疾患特異的な生物学的基盤を考慮した予防介入
合併頻度の高い睡眠関連疾患の適切な評価と治療
脳血管障害 →SDB
ADや前頭側頭変性症 →リズム障害 SDB
レビー小体型認知症 →レム睡眠行動異常 SDB
オレキシンの欠損により脳内のAβが減少 アルツハイマー病モデルマウスで
オレキシン受容体拮抗薬投与と覚醒およびアミロイドβの変化 マウス
オレキシン受容体拮抗薬投与により暗期Aβが減少した 総覚醒時間は減少した

睡眠呼吸障害と認知症リスク及び重症化との関連についての知見
40才以上の地域住民の5年間前向きコホート研究 SA患者は1.7倍認知症発症リスク高い 
70歳以上の女性では3.2倍 認知症症発症リスク高い
アルツハイマー病脳画像先導的研究 コホート SDBの存在はMCIおよびAD発症を早める 
CPAP治療はMCI発症を遅らせる

多点感圧センサーによる睡眠評価 80歳未満の年齢で優位に認知症重症度に対するリスク因子としてSDBの重症度の影響が見られた
重症OSASを合併した軽度~中度ADでCPAP療法群と非治療群で比較すると3年間の観察期間で
年0.7vs2.2とMMSEスコアー低下に有意な相違が見られた

 

2018-02-10 05:17:21

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