内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
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親睦一泊ゴルフ10月20日

今年の親睦一泊ゴルフは、JAPANゴルフツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」のトーナメント開催コースでもある。
戦略に富んだコース東建多度カンツリー倶楽部へ いつものメンバー4人(NNM先生)で
今回はM先生の大きな車での旅行に

土曜日2時に新西宮ヨットハーバで待ち合わせをして、いざ三重県桑名市の東建多度カンツリー倶楽部へ

今回はホテル・温泉・娯楽施設が併設されたリゾートゴルフ場です

温泉に入り食事(名古屋づくしコース)を食べシュミレーションゴルフを前日行い、一泊し挑むも難コースに撃沈


桑名観光に変更 桑名の名物焼き蛤を堪能し帰路へ

何度行っても気を使わなくてよい同期との旅行は楽しいものです(今回で10年目)明日からの診療のエネルギーを

充電できました。

2018-10-21 17:43:05

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Epilepsy Symposium 2018 10月18日

IRB委員会が早く終わったのですぐ近くのザ・リッツ・カールトン大阪で行われていた
Epilepsy Symposium 2018を聴きに行きました。
opening Remarks 大阪大学大学院医学研究科 脳神経外科 教授 貴島晴彦先生


10月はてんかん月間
てんかんを患っている人は100人に1人です企業で活躍している人も、テレビで活躍している人も、あなたの
周りにもてんかんを持っている人はたくさんいます。そういったことやてんかんってどういう病気なのか、どんな
ことができるのかを皆様に知ってもらう月間です。

複雑部分発作などてんかん発作はけいれんだけでなく小さい発作を見落とさず治療することが重要です
ぼんやりと一点をみつめるように動作が停止する
無意識に、一方の手をもぞもぞ動かしたり片方の手は固まった状態
口(もぐもぐさせる)や舌・唇(クチャクチャ鳴らす)を無意識に動かす など

てんかん患者の悩み 小出内科神経科 小出泰道先生
てんかんと聞くと何をイメージしますか?
泡を吹いて痙攣する
意識がなくなる
脳に障害がおこる
子どもの頃になる病気   〇 ×
遺伝する
運転ができない
うつる

てんかんって何だろう
てんかんは脳の疾患であり、発作をもたらす持続的な病的傾向と、これに起因する神経生物学的、認知、心理、社会的な影響を特徴とする。てんかんというには、発作が少なくとも1回は起こつていることを必要とする
発作がある→その人や生活に様々な影響がある

てんかん発作もいろいろ てんかんもいろいろ てんかんを持つ人もいろいろ 悩みもいろいろ
てんかんによる影響
1 神経生物学的影響(脳やからだ)
麻痺 、不器用さ、精神症状、薬による副作用など
2 認知・心理的影響 (こころ)
認知機能障害 無力感 自己統制不能感など
3 社会的な影響 (生活)
就労 自動車運転 結婚 妊娠 出産など
本人、家族の悩み
小児期~思春期   進学 学校生活
成人期       就労(経済的問題)
         免許 結婚 妊娠 出産
老年期       経済的問題(親亡き後)
インターンネット上には悩みがあふれている
進学と学校生活
普通の幼稚園で受け入れ可能?
運動や水泳は?
発作時の対処は?
勉強についていけない

患者さんの心配
抗てんかん薬の催奇形性
妊娠中の発作
分娩 授乳 てんかんの遺伝・児の発育の影響など

こたえの例 *遺伝の可能性
遺伝しませんとは言い切れない部分もあります。とても低い可能性ですが、遺伝しやすいとされる例もあります
原因の特定のわかっていない、特発性てんかんといわれるものです。しかしその可能性はとても低く、確率は4-10%
程度でそのほとんどが治療により完治できるものです
てんかんの遺伝子は存在するか
てんかんは多数の要因が重なって、発症するものであり、高血圧や糖尿病のように様々な要因が偶然重なった結果であり、特定の遺伝子がひきおこすものでないという考え方が一般的です

特定の遺伝子の存在
一部の特発性てんかんに関しては遺伝子が解明されている例もあります年令依存性のてんかんといわれるものです
てんかんで利用可能な制度
医療費の負担軽減 高額療養費制度 自立支援医療 特定疾患など
生活支援 精神保健福祉手帳 障害年金(精神障害) 特別児童扶養手当など

てんかんで利用可能な制度
乳幼児医療      精神障害者手帳    介護保険
小児慢性       障害年金
療養手帳       特定疾患
20才前        20才以降       65才以上
 
自立支援医療 特定疾患 高額医療費制度 生活保護制度 は年齢制限なし
自立支援医療 医療費負担軽減 医療費の1割or上限額 大阪府下の国民健康保険または生活保護→負担なし
モデルケース
てんかんで通院
ラミクタール200mg+イーケプラ1000mg/日で発作なし
533円/日 923円/日
=1456/日×30=43680円/月 医療費3割負担なら13104円 自立支援 1割 4368円
差額 8736円×12カ月=1年間で104832円負担軽減
資格制限(欠格条項)
(ほぼ)絶対欠格   鉄砲銃刀類所持 指定射撃場の設置・管理 狩猟免許 航空法、船員法
    相対的欠格     その他の多くの国家資格
*相対的欠格とは障害や病気によって一定の状態を満たさない場合には適性を欠くこと(こういう状態の人には場合によっては免許が与えられない)
     規定なし   栄養士・調理師・製菓衛生士 医師 歯科医師受験など
運転免許について
 「道路交通法施行令」の具体的な運用基準である
「一定の病気に係る免許の可否等の運用基準(別添)」から「てんかん」関連を抜粋
2 てんかん(令第33条の2の3第2項第1号関係)
(1) 以下のいずれかの場合には拒否等は行わない。
ア 発作が過去5年以内に起こったことがなく、医師が「今後、発作が起こるおそれがない」旨の診断を行った場合
イ 発作が過去2年以内に起こったことがなく、医師が「今後、x年程度であれば、発作が起こるおそれがない」旨の診断を行った場合

ウ 医師が、1年間の経過観察の後「発作が意識障害及び運動障害を伴わない単純部分発作に限られ、今後、症状の悪化のおそれがない」旨の診断を行った場合
エ 医師が、2年間の経過観察の後「発作が睡眠中に限って起こり、今後、症状の悪化のおそれがない」旨の診断を行った場合
(2) 医師が、「6月以内に上記(1)に該当すると診断できることが見込まれる」旨の診断を行った場合には、6月の保留又は停止とする。(医師の診断を踏まえて、6月より短期間の保留・停止期間で足りると認められる場合には、当該期間を保留・停止期間として設定する。)
保留・停止期間中に適性検査の受検又は診断書の提出の命令を発出し、
1 適性検査結果又は診断結果が上記(1)の内容である場合には拒否等は行わない。
2 「結果的にいまだ上記(1)に該当すると診断することはできないが、それは期間中に○○といった特殊な事情があったためで、さらに6月以内に上記(1)に該当すると診断できることが見込まれる」旨の内容である場合にはさらに6月の保留又は停止とする。(医師の診断を踏まえて、6月より短期間の保留・停止期間で足りると認められる場合には、当該期間を保留・停止期間として設定する。)
3 その他の場合には拒否又は取消しとする。
(3) その他の場合には拒否又は取消しとする。
(4) 上記(1)イに該当する場合については、一定期間(x年)後に臨時適性検査を行うこととする。
(5) なお、日本てんかん学会は、現時点では、てんかんに係る発作が、投薬なしで過去5年間なく、今後も再発のおそれがない場合を除き、通常は、中型免許(中型免許(8t限定)を除く。)、大型免許及び第二種免許の適性はないとの見解を有しているので、これに該当する者がこれら免許の申請又は更新の申請を行った場合には、上記(2)及び(3)の処分の対象とならない場合であっても、当該見解を説明の上、当面、免許申請・更新申請に係る再考を勧めるとともに、申請取消しの制度の活用を慫慂(しょうよう)することとする。
運転免許を自主的に返納した方への 運転経歴証明書
運転免許返納の特典(65才以上)
引っ越し料金の割引(10%程度)補聴器等の割引(一部地域)美術館の入園を割引(10-20%)
市営バスの乗車運賃半額(一部地域) タクシーの乗車運賃1割引き(一部地域)など
若いてんかん患者さんには?何もない
てんかんの包括医療
        てんかん診断確定
           ↓
社会的支援    薬物治療     医師看護師薬剤師栄養士など 理学療法士    療育 リハビリテーション
           ↓                   作業療法士
     定期検査・薬物調整                 心理士
  治療の終結    薬物治療の継続  外科的治療など     療育担当者など

2018-10-20 05:09:47

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お昼のWEB講演会 10月18日

今こそ考えたい高血圧の現状と目指すべき未来-まだできる・もっと良くなるー
九州大学循環器病未来医療研究センター循環器疾患リスク予測共同研究部門 准教授 岸 拓弥先生

循環器疾患による2017年の日本国内年間死亡者数 350208人
主な死因別に見た死亡率(人口10万対)の年次推移
悪性新生物>心疾患>脳血管疾患
性・年齢階層別にみた主な死因の構成割合(平成29年)
悪性新生物は60-70才をピークに多いが80才以上をすぎると心疾患+脳血管疾患が悪性新生物を抜く?
日本の2007年における死亡者数への各種危険因子の寄与度
悪性新生物 喫煙 心血管は高血圧や身体活動度が主な原因に
世界的な血圧上昇における影響
世界の早期死亡の主な要因は収縮期血圧の上昇でありこれは予防可能
1000万人の死亡 2億人以上の身体障害(寿命で調整)
虚血性心疾患 490万人 出血性脳卒中 200万人 虚血性脳卒中 150万人

診断は46.4% 治療は40.6% 良好なコントロールは13.1%しかいない
日本人の高血圧 4300万人 血圧治療2500万人良好なコントロール1100万人
循環器疾患の予後が改善しない元凶は、根源である高血圧が未だ克服できていないことにある

高血圧者の中で降圧薬を服用している割合の年次推移
男50-59才 60-69才 70-79才 43.3% 51.6% 64.6%
女50-59才 60-69才 70-79才 31.7% 50.6% 68.8% と増えてきているが・・
140/90未満の割合はまだどの世代も30%前後である
循環器疾患発症の半分以上が高血圧に起因するものであり、国民全体の血圧値は過去50年で大きく低下しているが、高血圧有病率は依然高く、降圧薬内服患者の半数以上は未だ管理不十分
深刻なのは未発見・未治療の高血圧患者であり、健診受診率は未だ高いとは言えず、検診で高血圧を指摘されても医療機関を受診しない患者も多い。

ESC/ESH2018 と          ACC/AHA2017の 高血圧の定義
グレード1 高血圧 140-159/90-99  ステージ1高血圧 130-139/80-89
ACCは驚くべきことに130以上を高血圧に
JSH2014(日本)は1度高血圧140-159/90-99
高齢者 75才以上 150/90未満 CKD 蛋白尿陽性・糖尿病 130/80未満
脳血管障害・冠動脈疾患 140/90未満 2019年改訂どうかわるか?

ESC/ESH2018における高血圧の治療アルゴリズム
1錠 初期治療2剤配合剤 ACE又はARB+Ca拮抗剤または利尿剤
1錠 STEP2 3剤配合剤
2錠 STEP3 3剤配合剤+スピノロラクトン
*多くの高血圧患者に作用機序のことなる2剤での併用療法を最初から使用することを勧める
 薬物療法のアドヒアランス不良例を見つけ出す
欧米における降圧剤治療戦略は配合剤重視?
高血圧とは 腎臓と高血圧
動物実験で、遺伝的に高血圧になるねずみ(ラット)と、普通のラットの間に生まれた子供のラットに遺伝的に高血圧になるラットの腎臓を移植すると、このラットは高血圧になり、血圧の正常なラットの腎臓を移植しても高血圧とならないことから、このようなラットでは腎臓が高血圧の原因と考えられています。 高血圧の腎臓は主な原因?
高血圧と関連する諸因子
食塩摂取量  腎臓からの食塩排出能  交感神経機能  レニンアンギ   他の血管作動薬    血管平滑筋の細胞
                         オテンシン系              膜異常
      体液量        心収縮力                   血管緊張調節
               ↓                        ↓
     血圧=        心拍出量        ×          末梢血管抵抗
高血圧は血管だけが原因ではない 高血圧は腎臓が原因であることも
血圧を規定する因子      レニンアンギオテンシン    血管収縮
      化学受容器     ストレス反応        腎臓血圧コントロール
      圧受容器     CNS虚血反応       毛細血管  体液シフト アルドステロン
    数秒   数 分       数時間             数日
圧利尿関係 尿中ナトリウム排泄≒ナトリウム摂取 圧利尿関係と塩分摂取量で血圧が決まる
腎臓の圧利尿曲線と高血圧 食塩感受性高血圧はナトリウム排泄により高い血圧が必要となる
日本人は塩分を摂りすぎている 11g/日以上 アメリカ 8g/日 目標値 男性10g未満 女性8g未満
有効循環量で心拍出量が決まる
心拍出量と血管抵抗で決まる血圧で尿中ナトリウム排泄量が決まる
圧反射は中枢弓 & 末梢弓
圧受容器反射不全があると血圧の変動が激しくなる 圧受容器反射不全があると塩分感受性高血圧↑
圧反射不全と塩分過剰摂取でさらに血圧は揺らぐ 圧不全反射は圧利尿関係を悪化させる
迷走神経求心路刺激により圧受容器反射を改善する
塩分コントロールをして圧受容器反射が起きる状態を保つ以外には、副交感神経を活性化させることが重要。副交感神経は、交感神経をアクセルとすると、ブレーキのような役割をしている。最近の研究で、副交感神経を活性化する事で圧受容器反射の脳の役割が回復する可能性があることがわかった。つまり、このブレーキとアクセルの両方の役割がうまく機能するように身体を管理することが望ましい。
副交感神経を活性化させるには、肺や消化管・骨格筋から脳への神経が副交感神経を活性化するので、肺をしっかり膨らまして筋肉を使う適度な運動や楽しく食事をすること、すなわち「生活習慣を整える」ということが重要。
JSH2019 高血圧の診断治療
Plan 初診時の高血圧管理計画 2次性高血圧除外 危険因子 臓器障害 心血管病 合併症の評価
  生活習慣の修正を指導 低リスク 3か月以内の指導で140/90以上降圧療法
  中リスク 1か月以内の指導で140/90以上なら降圧治療 高リスク 直ちに降圧治療
Action 減塩 運動 食事のバランス(野菜を多くとる)薬物療法
Check 家庭血圧により正確に判断
Do   なぜ血圧がコントロールできないかその機序はなど医師が考える
生活習慣の改善の上で、行うべき降圧治療を当たり前に全ての高血圧患者に行うことこそが必要である。
3剤の併用 RAS系阻害剤 Ca拮抗剤 利尿剤
高血圧患者への残薬の確認頻度と良好な服薬アドヒアランスで服用できる薬剤数
高血圧患者への残薬の確認頻度
医師 n=321 確認頻度 58% 患者n=1000 確認頻度 24%
アンケートで良好な服薬アドヒアランスを保てるのは2剤まで半数を占める
配合剤の非処方理由 用量が調節しにくい 72%
未来の高血圧治療
腎デナベーション治療
期待されたが治験ではうまくいかず治療コンセプトとしては有効であることは揺るぎようのない事実
交感神経が亢進している高血圧患者を的確に選択し、交感神経線維の解剖学的分布に適したデバイス・手技を用い、腎デナベーション後に十分除神経できたかどうか確認する手法を確立することが急務
圧受容体刺激
圧受容器刺激装置埋め込み 圧受容器刺激することで交感神経出力が抑制され血圧がさがる
圧利尿関係は低圧側にシフトし、低下した血圧でも十分ナトリウム排泄が得られるようになる、理想的な降圧治療 デバイスの改良に今後期待される?
現在は
家庭血圧計を有効に使い ライフナビゲーション
日本高血圧学会みらい医療計画
JSH future plan スローガン 良い血圧で健やか100年人生を
目標 高血圧の国民を10年間で700万人減らし健康寿命を延ばします

医療システム 生涯にわたる高血圧診療システム(ライフタイムケア)の構築
学術研究 高血圧研究の推進と未来医療の実現 AI・ビックデータの利用など
社会啓発 国民が血圧管理に自ら取り組む社会づくり

2018-10-19 06:08:02

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お昼のWEB講演会 10月17日

高齢者疾患のトータルケアーを考える
認知症の視点から 認知症診療におけるAchE-Iの使い分けと新たな臨床課題 鳴子会 菜の花診療所 理事長 北村ゆり先生

平成29年度新患診断 412名中
48.1%アルツハイマー病22.8% レビー小体型認知症 1.7%血管性認知症 2.7%前頭側頭葉変性症
2.2% 正常圧水頭症 6.1% MCI 1.0%アルコール関連 1.9%ADHD、発達障害

HDS-R得点 平均17.9点  
*HDS-Rの最高得点は30点。 20点以下を認知症、21点以上を非認知症としている。HDS-Rによる重症度分類は行わないが、各重症度群間に有意差が認められているので、平均得点を以下の通り。
非認知症:24±4 軽度:19±5 中等度:15±4 やや高度:11±5 非常に高度:4±3
認知症
            認知機能の維持      
BPSDの予防  住み慣れた地域での生活  身体機能の維持
            適切な援助・介助

認知症治療薬の有効性
塩酸ドノペジル投与の有無とFAST5以上になった時期
*FAST(Functional Assessment Staging of Alzheimer's Disease)は、30年も昔に考案された、日常生活の様子(機能)によってアルツハイマー型認知症の病期を判定する評価表です。元来はアルツハイマー用なのですが、他の型の認知症でもだいたいこの経過で進みます。段階を飛び越えて、例えばステージ3の症状を満たさずに、ステージ5の症状が出ることは通常ありません。FAST1 正常 2 年齢相応 物の置き忘れの訴え、喚語困難 3 境界状態
4 軽度のアルツハイマー型認知症 5 中等度のアルツハイマー型認知症 6 やや高度のアルツハイマー型認知症 7 高度のアルツハイマー型認知症
非投与 発症1-3年でFAST5に4-5年でFAST6に7-8年FAST7に
投与 発症6-9年でFAST5に10年以上でFAST6に   治療によりFAST5以上になるのを遅くできる
軽症~中等症ADに対する治療アルゴリズム
初期治療:AchE-I(ガランタミン/リバスチグミン/ドネペジル)治療範囲内で忍容性のある最大用量まで増量
               ↓     NO
      初期無効/効果消失/忍容性が低い→ 治療継続と経過観察
               ↓YES
       他のChEIに切り替え ドネペジル   → ガランタミン/リバスチグミン
                 リバスチグミン → ガランタミン/ドネペジル
                 ガランタミン  → リバスチグミン/ドネペジル
          ↓                   ↓

     ChEI単独治療では不適当/臨床効果が不十分   全てのChEI治療が不適当/臨床効果が不十分
     中等度ADではメマンチン併用を考慮       中等度ADではメマンチンへの切り替えを考慮
                 初期無効/効果消失/忍容性が低い→NO→  治療継続と経過観察
                    ↓YES
                ChEI and/or メマンチン治療を中止
ガランタミンのAPL作用:ニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、シグナル(陽イオン)の流入を増加させる
ニコチン性アセチルコリン   ガランタミン特有のAPL作用
             ドパミン   セロトニン ノルアドレナリン GABA    グルタミン酸
記憶・注意        快・喜び    気分    意欲     緊張・緩和   学習 記憶
前頭前野 衝動性制御 反応抑制 →脱抑制 キレる 
           不安・パニック

人間らしさと運動を司る
前頭葉の全体像 前頭前野 判断 思考 計画 企画 注意 抑制 コミニュケーションなどの高次機能
        Broca野  発語 書字などの運動性言語に関る
高次運動野 運動前野   外界からの情報を引き金として一連の運動を準備する
      補足運動野  自発的に一連の運動をプログラムする
前頭眼野      自発的に一連の運動をプログラムする
一次運動野     随時運動を実行する

*前頭連合野はヒトの大脳の30%も占め、20才前後でやっと成熟する 子供がすぐダダをこねたり我慢できな
いのは、前頭連合野が未熟なせいもあるのです

注意のコントロール →障害 → 注意障害 
行動の抑制          脱抑制
思考 判断          思考判断の低下 
情動のコントロール       易怒性 情動失禁 多幸感 
コミュニケーション       他人への興味消失
人間らしい人格         人格の崩壊

前頭葉機能低下を疑うのは・・
脳血管障害を伴う 糖尿病を伴う アルコール多飲 アルコール常用者
TMTAなどで注意の障害が疑われる
HDS-Rの野菜の名前が出ない
易怒性、拒否が目立つ

*TMTA トレルメーキングテスト 番号を順番に・・
HSD-Rの9番目の質問 知っている野菜の名前を書きなさい 言葉の流暢性を診る
認知機能維持
ガランタミンは国内第三相試験において用量依存性的に認知機能への効果を示した 投与24週
ガランタミン変更で効果が見られた症例

症例提示
60代女性 アルツハイマー病 
現病歴 X年 片付けが出来ない X+1年料理が単調にあり、物忘れが目立つ
X+2年 アルツハイマー病と診断 ドネペジル5mgの服用開始
X+3年10月夫が入院。更衣・入浴に介助が必要と分かり、菜の花診療所に転院。HSD-R8点  
   介護保険申請、ドネペジル10mgに増量
   この頃夫が家庭でできる学習療法を行うが、本人は気が進まない様子だった。X+4年9カ月 徘徊・独語
   被害妄想が出現、目をえぐられた のどに粘土を詰められたなど夫に怒り、暴力を振るうようになった
   10月通所利用開始するも、徘徊、興奮、暴力のため個別対応が必要な状況。ミルタザピン、クエチアビン、バ
ルプロ酸など使用し、少しは落ちつくが不穏・拒否が続き、12月ドネペジル5mgに減量した。何とか在宅看護    
ができるようになった。X+5年外への徘徊が悪化、リスペリドン1mg追加。徘徊は治まるが易怒、介護拒否は
続いていた。HDS-R5点(クエチアピン25、ミルタザピン45、バルプロ酸400、リスペリドン1ドネペジル5mg服
用中) X+6年4カ月ドネペジル→ガランタミンに変更
2週間目より通所で入浴時に声を荒げず、自分から浴槽に入る。5週目:診察室に笑顔で入室。2年半ぶりに
家事をする夫に対して何か手伝おうか?という。リスペリドン1→0.5mに減量
6週目:表情穏やか、イライラがなくなり、通所でもうんと穏やかになったとのこと。姿勢の傾き消失
8週目:独語減少、家でも文句を言わずシャワーをあびた。リスペリドン中止 10週目 家でシャワー介助

しても以前のように怒らない
ガランタミンで効果の見られなかった症例
1 妄想悪化例 ドネペジル7.5mgからガランタミン24mgへ変更
 妄想が出現し悪化 16mg/日減量も妄想持続 ガランタミンからドネペジル5mgに変更し消失
 →APL作用によるドパミンの増加が影響か?
2 活動性低下例 ドネペジル10mgからガランタミン24mgへ変更
 落ち着きのなさは消失し、椅子にじっと座っていることができるようになるも、表情乏しく発語も大きく減少
 周囲に関心を示さなくなった。メマンチン20mg追加も改善なし。ガランタミン24mgをリバスチグミン変更
 発語量・活動性向上。認知機能にも改善がみられる
 →APL作用によるセロトニンの増加が影響か?ブチリルコリンエステラーゼ阻害による認知機能改善か?

介護が必要となった主な原因の推移
脳血管障害↓ 18.5%  認知症 ↑15.8% 骨折転倒↑ 11.8%
椎体骨折数と死亡率の関連性
0  20% 1 23%  2 25% 3 28% 4 32% 5 44% 数が多いほど死亡率増加
若いころの身長差 4cm以上 56.2% 2-4cm 24.6% 2cm未満 19.2%
身長差とHDS-Rに関連性が 4cm以上の身長差あうとHDS-R低い傾向が・・4cm以上 17.2点 4cm未満 20.2点 
86人中骨粗しょう症治療中は4人
各薬剤の特徴と使い分けについて
        アセチルコリン  ドパミン    セロトニン  ノルアドレナリン GABA グルタミン酸
ドネペジル     増加    やや増加、減少   維持、減少   維持    維持  維持
ガランタミン    増加     増加       増加     増加    増加  増加
リバスチグミン   増加     増加       維持、減少   維持    維持  
アルツハイマー型認知症の経過とガランタミンの位置づけ
認知機能 →         →   
                  興奮 徘徊↓    
         意欲減退 妄想         脱抑制 ↓
BPSD  不安うつ                     無為    ↓
    →経過年数
軽度の段階から使用することで長期的なベネフィットが高まる BPSDの出現抑制/改善
ガランタミン使用量 24mg 92.7% 20・16・8mgは7%どまり
ガランタミンの最大量を使う理由
ガランタミンにいるミクログリアのアミロイドβ貪食促進作用
ガランタミンが結合 nAchRの感受性増大→Ca2+の流入 アクチン細胞骨格の再構築 Aβ貪食作用
アミロイドβによるグルタミン酸神経細胞毒性の増強に対する保護作用ガランタミン用量依存性の保護する (マウス
75才でアルツハイマー型認知症と診断された患者さんの予後は約6年であった
男性 5.5才 vs コントロール 9.4才 女性 6.3才 vs コントロール 11.9才
認知機能と大腿骨骨折部の予後 MMSE 25以上 vs 25未満 1年で 1%死亡vs5%死亡

 コリンエステラーゼ阻害剤に選び方―私見―
前頭葉機能 脳血管障害の有無  糖尿病の有無 アルコール多飲 TMTA、語想起など低値
   ↓低下              ↓維持
副作用のリスク          副作用のリスク
胃切除後 腎機能障害 徐脈     胃切除後 腎機能障害 徐脈
↓高い       ↓低い       ↓高い     ↓低い
リバスチグミン  ガランタミン  リバスチグミン  ガランタミン
                        リバスチグミン
                        ドネペジル
 


 

2018-10-18 06:07:16

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WEB講演会 10月16日

糖尿病治療への新たな知見―CARMELINA試験の結果を踏まえて-
金沢医科大学 糖尿病・内分泌内科学 准教授 金崎哲造先生
旭川医科大学 内科学講座病態代謝内科学分野 教授 太田 嗣人先生

DPP-4(Dipeptidyl Peptidase-4)とは腸管ホルモンであるインクレチンの不活化を行う酵素(セリンプロテアーゼ)であり、細胞膜上をはじめ可溶性タンパク質として血液中にも存在している。
ストレプトゾトシン誘導糖尿病マウス(6カ月後)腎臓でDPP4蛋白発現が増加している→糸球体硬化・尿細管線維化
リナグリプチンによるDPP-4阻害剤はマウス糖尿病腎の線維化を抑制した →尿中アルブミン尿も減少した

糖尿病腎における線維化惹起クロストーク
DPP-4活性増加 →高TGF-β活性→MicroRNA29抑制→DPP-4活性増加
*DPP-4阻害の抗線維化効果
STZ誘導1型糖尿病CD-1マウスの糸球体硬化・腎線維化はlinagliptin投与により有意に改善し、内皮細胞-間葉系細胞分化抑制した。microRNA29は糖尿病腎で低下しており、linagliptinはこれらを正常化した。microRNA29は腎臓において、DPP-4発現を負に制御している。microRNA29sはlinagliptinによる内皮細胞-間葉細胞分化抑制にも重要。糖尿病腎において低下しているmicroRNA29sが、線維化制御の治療標的としてのみならず、DPP-4発現を制御し、強発現したDPP-4の阻害により、microRNA29も正常化するという、DPP-4、線維化プログラム、microRNA29の間に存在するクロストークがある事を意味し、そのクロストーク阻害が有効な治療標的である。
MARLINA試験におけるlinagliptin投与の影響(尿中アルブミン低下症例が多く、増加症例が少ない傾向にある
DPP-4阻害剤と心不全
EXAMINE試験 SAVOR-TIMI53試験 TECOS試験
リナグリプチンはTGF-β誘導内皮DPP-4活性を抑制した シタグリプチンは抑制しなかった
脂溶性のリナグリプチンは組織に対する浸透性が強い?

リナグリプチンに対するぼんやりとした不安
1 組織に対して浸透性が良いのは本当に良いのか?
2 線維化抑制効果はいつも良いことばかりに働くのか?

CARMELINA試験デザイン
特徴 CVイベントガ高リスク糖尿病
   リナグリプチンvs コントロール n=7003  4年間追跡
主要エンドポイントが 3point MACEに加え 腎エンドポイントを見ている
腎エンドポイント 1 腎関連死 2 持続性ESRD 3 eGFRの40%以上の持続的低下
対象症例 尿アルブミン・eGFR 他の試験に比べ腎症進展例が多い
Albuminuria micro 41.5% macro 38.5% と約8割にタンパク尿(+)
Stage3-5CKDが62.3% eGFR  <30 30-45 合わせて43%

CARMELINA試験で私が確認したかったこと
1心不全になりやすい傾向がないか?
2腎臓のアウトカムが自分の動物実験の結果を少しでも再現できるのか?

3-pointMACE・死亡率に優位差はなし 心不全による入院の発現率 優位差はないがリナグリプチンで少ない傾向に 
腎複合エンドポイント 非劣勢
末期腎不全および腎死の発現数 非劣勢も少ない傾向あり
アルブミン尿進展はリナグリプチンで優位な減少が
アルブミン尿の進展抑制 ステージ別では微量アルブミン尿→顕性アルブミン尿の進展を抑制した
安全性にはコントロール群と優位差なし

膵炎・膵癌 優位差ないもやや多い傾向 注意する必要はあり
CARMELINA試験:私の解釈と意義
1 心血管リスクが非常に高い症候群においてもリナグリプチンにてイベントが増加しなかったことは意味が
  ある(心不全の増加がなかった事は重要)
2 腎臓に関して劇的な腎予後への影響はみとめなかったがアルブミン尿ステージの抑制が確認できた
3 心血管イベントが多く発症し、平均2年という短い時間で終了しているため、腎臓アウトカムの解析にはさ
  らに長期間の解析が必要であった可能性がある

 
糖尿病治療薬に求められるもの
低血糖が少ない 血糖値の日内変動を抑える 体重増加をきたさない アドヒアランス
血糖コントロールの持続性:Durabillity 
→DPP-4阻害剤
高齢者、腎機能低下、肝機能異常、心血管疾患合併の考慮
リナグリプチンは腎排泄率 5% シタグリプチン 87% テネグリプチン 45%
トラゼンタはキサンチン骨格を有する→抗酸化作用強い?
リナグリプチンはマクロファージの浸潤を抑制し、M2(抗炎症)優位へと導き、炎症とインスリン抵抗性を減弱する 
マウス 肝臓・脂肪組織

DPP-4阻害剤の新たな作用:慢性炎症への影響
肥満 脂肪細胞にはDPP4→M1マクロファージ→炎症・インスリン抵抗性
リナグリプチンが脂肪組織のDPP4を抑制 炎症↓インスリン抵抗性↓
 →インクレチン作用→血糖低下      ←

CARMELINA試験はEXAMINE試験 SAVOR-TIMI53試験 TECOS試験に比べ心血管・腎障害リスクが高い症例で検討している ≒我々が診る高齢者(心血管リスク大、腎障害もつ)が対象の試験?
組み入れ対象 CKD 74% CVD 57% 両者合併 33%
リナグリプチンの新知見―CARMELINA試験からー
1心血管高リスク、およびCKDを比較して含む2型糖尿病に対し、心血管イベントに加え、DPP-4阻害薬
 で初めて、腎ハードエンドポイントを前向きに評価した臨床試験である
2リナグリプチンのプラセボに対する、3-P-MACE/腎エンドポイントの非劣勢が示された
3リナグリプチンにいる有害事象は認められなかった
4心血管疾患高リスクの2型糖尿病(CVD52%、eGFR60未満62%を含む)においてリナグリプチンは
 心不全を増加させず、リナグリプチンの心血管系・腎への安全性がエビデンスとして示された

 

2018-10-17 09:17:06

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WEB講演会 10月15日

伝子研究・臨床研究から考察するスタチン残余リスクとしての高TG血症治療の意義
金沢大学大学院遺伝子予防医学研究科循環予防医学助教 多田隼人先生

私には理解が?・・前半は? 後半一部のみ羅列
まとめ
1 遺伝学的エビデンス LDL-Cに加えてTGは介入すべき原因物質
2 臨床的エビデンス 日本人においてもTGはスタチン時代の残余リスク
3 ω3系脂肪酸多面的効果への期待 高い組織移行性 LPL活性亢進・抗動脈硬化

HDL-C論争:単なるマーカーか?原因物質か?
LIPG遺伝子 Asn396Ser→関連あり →HDL-C +6mg/dl →Biomarker HDL-C
→推定リスク低下-20% Outcomes冠動脈疾患 メタ解析 HDL-Cは冠動脈疾患と優位な相関なし 冠動脈疾患±0%
原因物質とは言えず単なるマーカー
LDL-Cの場合 Effects of common SNPS& Rare variants ;冠動脈疾患への効果
Lower LDL-C と proportional risk reductionは相関する
HMGCR PCSK9 LDLR SORT1 APOE ABCG8など・・・
1 先天的(Life-Long Exposure)>後天的(Phamacological-Intervention)
2 LDL-C低下を超える多面的効果は否定的

IMPROVE-IT、ALLHAT、LIPID,4Sなど・・・
メンデルランダム化試験 冠動脈疾患における新分類(単なるマーカーか、原因物質か)
Negative                      Postive
バイオマーカー                  真の原因因子

HDL CRP LDL
Type2 secretory phospholipaseA2 Fibrinogen     
Lp(a)  TG
Lp-PLA2                     DM    IL-6
Homocysteine 尿酸                 食後血糖 血圧 肥満
ビリルビン  PON              アデポネクチン telomere length
Pentraxin3
 
*尿酸関連28SNPs×~120000人
メタ解析 DM CHD 虚血性脳卒中 心不全に有意な差なし 痛風のみ有意な差がある 5.84倍
Lesch-Nyhan Syndoromeでは高度な尿酸血症みとめるが痛風。尿管結石(+)もChd、DM、HF、虚血性脳卒中認めない

 
TGは冠動脈疾患のマーカーか、原因物質か?
これまでに脂質の関連が立証された185SNP(Common genetic variants)×大規模Case/Contorol-study
Outcome Predictor Covarients
                 β    SE      P-Value
βCAD βTG          0.44   0.074     2×10の-8乗       単純にCADとTGの関係
βCAD βTG +βLDL       0.42   0.057      2×10の-12乗    CADとTGの関係(LDLの影響を調整)
βCAD βTG +βHDL      0.36  0.057     5×10の-6乗     CADとTGの関係(HDLの影響を調整)
βCAD βTG +βLDL+βHDL   0.36   0.072    1×10の-8乗     CADとTGの関係(LDL、HDLの影響を調整

エクソームシークエンス×早発性心筋梗塞 APOA5 LDLRが・・
早発性心筋梗塞患者の ~3%はLDL遺伝子異常を伴うFH
          ~1%はAPOA5遺伝子異常を伴う高TG血症

APOC3:新たな治療ターゲット分子
Inhibits Lipoprotein/Hepatic Lipase
APOC3遺伝子の機能喪失変異保因者(頻度~0.5%)はTGが39mg/dl低値である
11万人中 N=498  APOC3機能喪失変異保因者 TG 39mg/dl低下 HDL-C 11mg/d上昇 l
APOC3遺伝子の機能喪失変異保因者は冠動脈疾患のオッズ比が40%低い
家系内正常者(コントロール)に比べAPOC3遺伝子の機能喪失変異ホモ接合体は
脂肪負荷後のTG(レムナント)が極端に抑制される

ANGPTL4希少変異(rs116843064)変異頻度~2% 変異1個当たりの脂質値へのインパクト 
TG 20mg/dl低下 HDL-C 5mg/dl上昇 2%の頻度の希少変異が14%の冠動脈疾患オッズ比低下と関連

LPL pathway と冠動脈疾患 LPLリパーゼ ←抑制 APOC3 ANGPTL4
                   ←亢進 APOA5

30万人以上に対するエクソームアレイを用いた関連解析 TG低下希少変異により冠動脈疾患は低下する 
  LPL ANGPTL4 APOC3 など・・

2 TG
米国人のデーター MIRACLE試験
TG180より高い群が130-179・130未満より優位に心血管イベント低下する スタチン80mg投与も
EMPATHY試験 網膜症を含む糖尿病5000人で積極的治療 LDL80未満 通常治療 100-130
積極的治療において虚血性脳卒中の低下が確認された
サブ解析 n=5042 MACE(心筋梗塞、脳卒中、心血管死) TG 135以上 180以上で優位にCVD、MACE上昇した
ω3系脂肪酸の作用機序
1 脂肪合成酵素やTG合成酵素の抑制 β酸化による脂肪酸代謝亢進 肝臓でのTG合成抑制
2 リポ蛋白リパーゼの活性化によるTG分解の亢進

ω3系脂肪酸の構造
植物由来ω3系脂肪酸       魚介類由来ω系脂肪酸
α-リノレン酸      イコサペンタンエン酸  ドコサペンタエン酸  ドコサヘキサエン酸
ALA(18:3n-3)     EPA(20:5n-3)     DPA(22:5n-3)   DHA(22:6n-3)
EPA<DHA 組織移行性 心臓>肝臓
ラット EPA・DHAによるLPL活性への影響 EPA・DHAともコントロール群より優位に活性亢進
ApoE欠損マウス EPA・DHAは大動脈に取り込まれる
大動脈の動脈硬化 EPA・DHA(high dose)で優位に動脈硬化↓

EPA・DHA摂取量別循環器疾患死亡リスク 補正しても0.8倍に
ロドリガは小型LDL-cを大型LDL-Cに変化させる
APOC3濃度は優位にロドリガ4g/日で低下する

 

2018-10-16 08:47:38

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DMnetONE-ジョイントセミナーー2 10月13日

肥満外科チーム医療における内科医師、コメデカルの重要性
大分大学医学部 内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座 講師 正木孝幸先生


1 肥満外科治療の現状と適応
2 肥満外科治療の実際
3 肥満症の治療に外科治療を行う意味

肥満外科治療歴史 1950年~
我が国における肥満外科的手術 1982年千葉大学第二外科で開始 胃バイパス手術など 一般的でなかった
外科的治療が糖尿病の治療に一番有用?1995年文献
Gastric Bypass 手術後 血糖300代から7日で100代に インスリン量 75uU/ml→2-3へ 劇的に改善
2000年代に入り肥満外科手術の症例数は増加していった
年    症例数
1998   40000
2003   146301  2000年代に入り、腹腔鏡下の胃手術の導入が進んだ
2011   340768  外科治療により代謝異常の改善エビデンスの報告が増加
         中度肥満症患者への治療選択肢になった
世界の肥満・糖尿病外科手術の推移 急増 2014年には57万人以上
米国 191920 南米が多いが 日本は222人と少ない
世界の肥満外科手術の現状(2014年) 調整人口当たりの肥満外科手術症例数の頻度(56か国)
高頻度国(%)       低頻度国(%)
1 クウエート 0.277 1    アゼルバイジャン 0.0002
2 イスラエル 0.18220    日本 0.0003
3 ベルギー  0.1763     中国 0.0004
4 アルゼンチン 0.1344   ウクライナ 0.0008
5 フランス   0.1135    インド 0.0013
日本が肥満患者が少ないからでない 日本人の手術に対する抵抗感、考え方の違い?
肥満外科治療による有名人 胃バイパス手術 小錦 マラドーナ 胃スリープ手術 マライアキャリー
肥満外科治療後の健康障害の改善効果
    治癒    治癒ないしは改善
糖尿病  76.8%
高血圧  65.6%
高脂血症          83%
高中性脂肪血症      92.8%
無呼吸症候群        80.6%

肥満外科治療は病気の治療に有効
2014年4月保険適応 腹腔鏡下胃縮小術(スリープ状切除によるもの) 保険点数 40050点
6カ月以上内科的治療によっても十分効果が得られない BMIが35以上の肥満患者で
糖尿病・高血圧・脂質異常症または閉塞性睡眠時無呼吸症候群のうち1つ以上合併している患者さん

現時点の大分大学の肥満症に対する外科的治療の適応(2018)
1 BMI 1)高度肥満症(BMI≧35)(保険適応)
    2)中等度肥満症(30≦BMI<35)で重篤な健康障害
    (HbA1C≧7.5%の糖尿病やAHI≧30のOSAなど)
2  内科的減量治療(原則半年)無効
3  適応年令:20才から50才台まで(大半の方は30-40代)
4  重度の精神疾患ないしは精神発達遅延は非適応

5  手術に耐えうるリスク状態であること
アジア系のBMI27.5以上の糖尿病治療には外科的治療を考慮したほうがよい Daiabetes Care 2017
高度肥満BMI≧35で肥満糖尿病の患者さんを紹介したい
肥満外科治療はどのような患者さんにいつやるのがよいのか?
肥満糖尿病患者の糖尿病寛解を目指せる適応とは?
糖尿病寛解に影響する術前因子 ABCD sore
     0     1     2
年令   ≧40         <40
BMI   <27     27-34.9   35-41.9
C-Peptide <2      2-2.9     3-4.9
罹病歴 > 8     4-8      1-3.9

HBA1C6%以下 10点 85% 5点 33% 3点 12.5%・・
8年以上の糖尿病治療歴でインスリン分泌能が低下し、BMIも低下した、40歳過ぎの患者さんであれば0点で 糖尿病の寛解は望めない?
肥満糖尿病外科「寛解の良い適応」
40才未満のインスリン分泌能保持された糖尿病罹病歴の短い患者さん The earlier、 The better

肥満症に対する外科手術の実際
摂取量の抑制               摂取量・消化吸収の抑制
内視鏡的胃内バルーン IGB        腹腔鏡下Roux-en-Y 胃バイパス術
腹腔鏡下調節性胃バンテイング術 LAGB   腹腔鏡下スリープ状胃切除+十二指腸空腸バイパス術
垂直遮断胃形成術
腹腔鏡下スリープ状胃切除術 LASG
2004年より 大分大学医学部は高度肥満の治療への内科と外科のコンビネーション治療とのテーマで行っている
肥満症に対する外科的治療 2004~2018年
腹腔鏡下スリープ状胃切除術 LASG 140例
腹腔鏡下調節性胃バンテイング術 LAGB 31例
内視鏡的胃内バルーン IGB 25例
腹腔鏡下スリープ状胃切除バイパス術 5例
腹腔鏡下スリープ状胃切除術 LASG
体重減少 平均40kg 12カ月 24か月でも40kg維持
健康障害の改善効果
糖尿病 治癒 86%
高血圧 治癒 70%
メタボリックシンドローム 改善(部分含)100%

術前 慎重に進める必要あり
チーム医療 食事、運動、薬物療法(内科的治療)
1 内科的治療抵抗性の評価(内科での健康障害の評価)心療内科医 看護師 栄養士 理学療養士
臨床心理士
2 外科的治療適応の評価(急性疾患、精神疾患など)
術前評価・治療
1 術前の評価
術前検査 行動療法(グラフ化体重日記など) 栄養指導 手術の理解(精神面の評価含めて)
2 術前の減量
きちんとした術前評価は必須
1 血液・尿検査 2 胸部・腹部レントゲン 3 心電図、心エコー 4 肺機能検査 5 上部消化管内視鏡検査
6 腹部CT/US 7 睡眠ポリグラフ検査 8 ヘリコバクタ感染スクリーニング 9 下肢静脈US、血中Dダイマー
10 循環器内科、精神科対診

高度肥満でも売内科療法のみで順調に減量できるケースあり 130kg→70kg 2年間 内科との連携が大切
術前減量 1 術前の教育の意義 行動療法(グラフ化体重日記など) 栄養指導 手術の理解(精神面含め)
      2 術前減量
    術前6カ月で、過剰体重6-10%の減量 脂肪肝と胃上部近傍の視野確保のため 術後合併症を低下させるため
当科では 日本食化低エネルギー食(1000kcal)2-4週 10%の減量目指す
術後 外科内科+食事、運動、生活、心理面含めたチーム医療でのfollow up
手術はゴールではなくスタート
手術後の体重の減り方は個々でさまざま 良好群 7割 今一つ群 3割あり
様々な因子が関与
食事療法の継続が減量効果に関係する
定期的な体重測定も減量効果に関連する 体重日誌必須
よく噛むことも体重減少と関連 一口に30回咀嚼
頻回の医師やスタッフと会う 外来での診療日数増やす 2カ月に1回を1カ月に1回または2週間に1回
ドロップアウトは一番のリバウンドの原因

肥満外科手術に対する懸念
1 肥満外科治療は長期的に有効なのか?手術すること自体が危険ではないのか?副障害は?
長期的な有効性と安全性?
2 肥満で手術までする必要があるのか?肥満は内科的治療(食事運動薬物療法)で充分ではないのか?
従来の内科的治療よりの優位性?
肥満外科治療は従来の内科的治療より肥満糖尿病を改善する
     
内科(n=30) 外科(n=30)
DM治癒 4(13%)    22(73%)
HBA1C<7% 15(50%)   26(87%)
%体重減少  1.7±5,2     20.7±8.6
%EWL   4.3±15.6     62.5±28.3
DM治癒: 内服薬なしに、HBA1C<6%かつ空腹時血糖<7mmol/L
中等度の肥満糖尿病患者の糖尿病治癒において外科的治療は内科的治療より有用である メタ解析11のRCT
肥満・糖尿病への外科治癒と内科的治療の決定的な違いは
1確実な減量ができる治療である
内科的治療 3%の減量維持を目指す治療
外科的治療 30%の減量維持を目指す治療
2糖尿病の治癒を目指す治療である
内科的治療 糖尿病の適切なコントロールを目指す治療
外科的治療 糖尿病の糖尿病の治癒適切を目指す治療
具体的事案
152cm、80kgでインスリンを1日20-30単位使用しているHBA1C8-9%の肥満糖尿病の30代女性の患者さん
私はここの肥満外来で治療をうけると何キロまでやせれますか?
80kgから1年後に 内科的治療では1-5%減量維持できる 76-79kgへ
GLP-1アナログ、SGLT2 3-5%減量できる73-75kgに

肥満外科治療なら30%減量維持できる だいたい1年後には55-60kgくらいになると思います
私の糖尿病はどこまでよくなりますか?一生お薬が必要ですか?
内服、インスリンならHBA1C1-1.5%減量できる だいたいHBA1C7-7.5%ぐらいになりますが一生続ける必要あり

外科的治療ならHBA1C3%程度減量できる だいたいHBA1C5-6%ぐらい 寛解率7割ぐらい
中度―高度肥満糖尿病患者(2割)へ
確実な減量ができ、糖尿病治癒を目指すのが肥満糖尿病の外科治療
手術後アンケート 大変満足40% 満足40% 約8割が満足される
おしゃれができるようになった やせていかに今まで普通じゃなかったかわかった、自信がついた、妊娠で来た・・

1会場からの質問 肥満外科術で術後短時間で血糖が改善するのか(減量のためでないのか?)
メタボリックサージエリーの効果発現機序
インクレチン 消化管ホルモン
耐糖能悪化因子を分泌する細胞減り 耐糖能改善因子(GLP-1など)を分泌する細胞増加
効果発現機序 推定
1胆汁酸シグナルの変化
2アデポカイン(レプチン・アデポネクチン↑TNF-α↓)への影響
3腸内細菌(フィルミクテス↑バクテロイデス↑)
4 Neural Networ Gut-brain―Liver Neuronal axis
5 Intensitinal Guluconeogenesis などが考えられている

2 胃スリープ切除は胃をなぜ100cc残すのか 手技的にこれくらいが限界  逆にこれ以上残すと減量効果↓

 

2018-10-14 14:31:03

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DMnetONE-ジョイントセミナーー1 10月13日

DMnetONE-ジョイントセミナーーを聴きに大阪リバーサイドホテルに行ってきました
実臨床におけるSGLT2阻害剤投与の体組成への効果と体組成変化に関連する因子
大阪市立総合医療センター 糖尿病内科 副部長 元山宏華先生


消化器外科医の糖尿病治療への参入 大阪市立総合医療センター 消化器外科 副部長 玉森豊先生
2型糖尿病はサルコペニアの危険因子
2型糖尿病は非糖尿病に比べ筋肉の質が低下しており病歴が長く、HBA1Cが高値群ほど筋肉の質が低下
サルコペニア(Skeletal mass Indexにより定義)の罹患率高い DM(n=414)コントロール(n=316)
男 糖尿病のサルコペニア有病率 19% 非糖尿病 5.1%
女 糖尿病のサルコペニア有病率 27% 非糖尿病 14% 

実臨床においてSGLT2阻害剤使用による体組成変化とそれに対してどのような臨床因子が関与するか
2016年6月~2017年10月までの当科外来に通院したHBA1C7%以上の2型糖尿病患者 69名 6カ月観察
体組成 INBODY770(インピーダンス法) 筋肉指標 握力測定および開眼片足立ち測定
身体活動量 国際標準身体活動質問票を用いた1週間当たりの身体活動量(Met-分/週)を算出
推定蛋白摂取量 13.9+0.907×BMI+0.0305×随時尿尿素窒素濃度
患者背景 57.9才 男/女 36/25 体重77.3kg BMI 28.2 
     体脂肪率 34.4% 体脂肪量 26.9kg 筋肉量 47.5kg 除脂肪量 50.3kg 握力 33/31kg
     開眼片足立ち(秒) 33秒 身体活動量 5166(Met-分/週) 推定蛋白摂取量 57g

ダパグリフロジン37 エンパグリフロジン 18 トホグリフロジン 4 カナグリフロジン 2
結果まとめ
SGLT2阻害剤投与の体組成への効果
SGLT2阻害剤により体脂肪は減少したが、筋肉量、除脂肪体重(骨と筋肉)、握力、片足立ちは保たれていた
→サルコペニアリスクは示されなかった
SGLT2阻害剤投与の体組成変化に関連する因子
若くて筋肉量が多いほどSGLT2阻害剤による体重が低下し、特に体脂肪量が減少する
活動量が高い患者はSGLT2阻害剤投与後の筋肉量が維持されており、逆に体脂肪量は減少した
多変量解析では、活動量が高い患者は筋肉の維持や、体脂肪の減少に対する重要な関連因子であった
蛋白摂取量の維持も体脂肪率減少に寄与することが示された

SGLT2阻害剤投与、質の良い体組成変化にするためには、適切な蛋白量摂取と身体活動量が重要である
文献 SGLT2阻害剤により握力が上昇した
考察 SGLT2阻害剤を継続投与し続けるとインスリン抵抗性が改善して、インスリン作用(同化作用)が発揮されるようになる。逆にグルカゴンの亢進は抑制される。筋肉内の糖利用が改善され握力の向上や筋肉量の増加につながる
この頃に一致して異化亢進は落ち着き、体重減少が止まる

肥満の脂肪組織における炎症性変化
M2マクロファージ→脂肪細胞の肥大化  →   走化性亢進 →脂肪細胞とマクロファージの相互作用 
浸潤M1マクロファージ
                       脂肪細胞数↑肥大化 TNF-α FFA NFkB 
     酸化ストレス・低酸素ストレス・小胞体ストレス↑
脂肪細胞に由来する遊離脂肪酸とマクロファージに由来するTNFαが脂肪細胞とマクロファージの炎症性変化を増悪するというパラクリン調節系が想定される。即ち,肥満の進展に従って肥大化した脂肪細胞に軽度の炎症性変化が誘導され,多くの炎症性サイトカインやケモカインの産生が増加し,主に骨髄に由来する単球を脂肪組織にリクルートする.脂肪組織において,浸潤したマクロファージと肥大化脂肪細胞は,TNFαとFFAに代表される液性因子を介して相互作用し,「Vicious Cycle(悪循環)」を形成して,アディポサイトカイン産生調節の破綻が招来されると考えられる.さらに,脂肪組織において過剰に産生されるMCP-1は脂肪組織へのマクロファージ浸潤を増強する可能性がある
M1<M2 →マクロファージの性質 →M2<M1 炎症性変化 
慢性炎症とサルコペニア 
         炎症性サイトカイン
       (TNF-α、Il-6、CRPなど)

    ↓           ↓          ↓          ↓    
インスリン抵抗性 ユビキチン・プロテアソーム アポトーシス ミトコンドリア機能障害
  mTORC1蛋白合成の抑制 蛋白分解促進
      サルコペニア
SGLT2阻害剤の継続投与は慢性炎症が改善して筋肉量の低下が止まる機序が考えられる
DPP4阻害剤もサルコペニア関連指標を改善させるデーターが
両者の併用はサルコペニア予防にもよい効果?
大阪市立総合医療センターではSGLT2阻害剤投与後、質の良い体組成変化にするため
レジスタンス運動を指導している・・

 

2018-10-14 03:32:45

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中学生時代のミニ同窓会 10月12日

中学生時代の同級生4人のミニ同窓会 ひさびさに3人に会いました・・
Nさんは某水着会社の社長さん、N先生は整形外科教授、Sさんは某放送局の偉いさん・・
ですが話の内容は中学生時代の馬鹿話に・・皆さん偉くなられても中身は昔と変わらずほっとしました。
場所はSさん行きつけの「鰻屋」さんへ


御堂筋線西中島南方駅から西へ徒歩4分、生きた鰻注文後その場で捌き、焼いてくれる大阪で1.2を争う鰻店。
う巻き、八幡巻き、白焼き、肝焼き、最後にうな重  肝吸い 香の物
パリパリと表面の焼き具合が絶妙。中はふわふわで絶品 いろいろなうなぎ堪能させていただきました。
近くのラウンジで一杯だけお酒を飲み、年末の忘年会の再会を約束をして帰路へ

 
 

2018-10-12 22:55:50

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GLP-1 FORUM In Osaka 10月11日

高齢者糖尿病治療 HOW TO -新しいGLP-1受容体作動薬への期待- 藍野病院 内科部長兼栄養管理部長 吉田麻実先生

世界糖尿病デー 2007年11月14日~
現在世界の成人の糖尿病有病率は8.8%にも 年間500万人以上が糖尿病が原因で死亡
世界のどこかで6秒に1人が命を奪われている 当時はAIDSと同数程度の者
国連はIDF(国際糖尿病連合)が要請してきた「糖尿病の全世界的脅威を認知する決議」を2006年12月国連総会会議で採択 11月14日を「世界糖尿病デー」に指定、世界で糖尿病予防、治療、療養を喚起する啓発運動
11月14日はインスリン(インシュリン)を発見したカナダ人医師フレデリック・バンティングの誕生日

*1921年 バンテングとベストによりインシュリンが発見された
膵臓全摘犬マジョリーに膵臓からの摘出物を注射すると血糖値が2時間で50%下がることを確認・マジョリーはその後90日間生存
2018年 平均寿命 男性 1位香港 2位 スイス 3位 日本 女性 1位 香港 2位 日本 3位 スペイン
    男性 81.09才 女性 87.26才

現在日本は65才以上27.3%と75才以上の高齢者の急激な増加が・・
平成22年調べ 健康寿命と平均寿命 男性 79.55才 70.42才 9.13年 女性 86.3才 73.62才 12.68年
平均寿命と健康寿命には男性9年女性12年の差が これを短縮することが急務
高齢者が要介護となった主な原因
総数 脳卒中17.2% 認知症 16.4% 3割強 脳疾患
認知症の原因疾患 アルツハイマー病66.2% 血管性認知症 19.6% レビー小体型認知症 6.2%
アルツハイマー型認知症のリスクファクター
予防的介入が難しい因子 加齢 ApoE遺伝子多型 教育歴 頭部外傷 性差
予防的介入が可能な因子 高血圧 糖尿病 脂質異常症 肥満 食事 運動・知的活動 社会的交流
藍野病院 病床数 969床 一般 225 地域包括ケア病棟 51 療養病床 144 精神病床 588
     認知症治療病棟 240

糖尿病と糖尿病予備軍の合計は約2000万人(2016年) まだ増え続ける糖尿病
糖尿病が強く疑われる人 70才以上が男性23.2% 女性16.8% (60-69才 男性 21.8% 女性12%) 
糖尿病平均年齢 2型糖尿病66.33才 糖尿病≒高齢者病?
糖尿病の合併症
1 糖尿病性神経障害 2 糖尿病性網膜症 3 糖尿病性腎症 4 動脈硬化性疾患 5 足病変
6 手の病変 7 歯周病 8 認知症
久山町研究における血糖値と認知症発症の関係 
空腹時血糖 101未満基準とすると126以上 1.21倍 OGTT2時間値 121未満基準とすると200以上 2.47倍
認知症の影響は 食後血糖>空腹時血糖 

低血糖エピソードは認知症のリスクを増加する 1回 1.26倍 2回 1.80倍 3回以上 2倍に
高齢者では低血糖を自覚する血糖値と低血糖による認知機能障害がおこる血糖値が近接している
男性23.2才(n=7) 適切な対応に必要な時間がある
低血糖症状の自覚 64mg/dl 低血糖による認知機能障害(見当識障害、健忘など)46mg/dl 
男性65才(n=7) 適切な対応に必要な時間がない
低血糖症状の自覚 55mg/dl 低血糖による認知機能障害(見当識障害、健忘など)53mg/dl 
*低血糖の異常行動は認知症と間違われやすい

高齢者糖尿病の特徴
食後高血糖や低血糖をおこしやすく、低血糖に対する脆弱性を有する
腎機能低下などにより、薬物の有害作用が出現しやすい
動脈硬化の合併症が多い
認知症・認知機能障害・うつ、ADL低下、サルコペニアなどの老年症候群をきたしやすい

高齢者糖尿病治療の進め方
患者の病態把握&包括的高齢者機能評価(CGA)
身体機能:BADL・IADL・精神心理機能・社会的背景
EBM ガイドライン          ナラティブ
血糖コントロールの目的値の設定      患者のADL/生活社会環境の検討
エビデンスによる効果           キーパーソンなど
                     患者・家族からの希望
             複数の治療法からの選択
            患者・家族との治療法の決定
             患者中心アプローチ 
高齢者糖尿病治療におけるGLP-1受容体作動薬への期待
用量が調節できる、注射回数の負担軽減 使いやすいデバイス、痛くない針
有効性と安全性 心血管保護、腎保護のエビデンス 認知症予防への期待
GLP-1の多彩な生理作用
膵臓 インスリン分泌・生合成↑ソマトスタチン↑膵β細胞増殖 グルカゴン分泌↓β細胞アポトーシス↓
腸  発育↑ 運動性↓ リポ蛋白分泌↓

肝臓  脂肪肝↓VLDL(ApoB100)↓グルコース産生↓
白色脂肪組織 血流・脂肪分解・グルコース取り込み↑
褐色脂肪組織 熱産生↑
骨格筋 血流・グルコース取り込み↑
免疫系 炎症↓
腎臓 利尿・Na利尿↑
心血管 グルコース利用・心保護・心拍出量・血管拡張↑ 脂肪酸代謝↓
脳  食物摂取量・水分摂取量↓神経保護・神経再生↑
胃  胃内容排出・胃酸分泌↓

GLP-1製剤(日本で) Daily エキセナチド・リラグルチド・リキシセナチド
           Weekly エキセナチド徐放型 デュラグルチド セマグルチド(近々発売予定)
ADAガイドラインで
アテローム動脈硬化性心血管疾患(+)でリラグルチド・エンパグリフロジン・カナグリフロジンを推奨
LEADER試験 13%の心血管イベント抑制 リラグルチド
心血管疾患による死亡優位に抑制 非致死性心筋梗塞・脳卒中も減らす傾向
腎保護 腎関連複合アウトカム優位に低下 顕性アルブミン尿の新規発症優位に抑制
65歳以上高齢者糖尿病でのリラグルチド0.9mg/dayの腎保護検討 31名で 3年間観察
平均年齢 75歳 罹病期間 19.4年 HBA1C 7.5% 
HBA1C 7.5%→7% BMI・TG低下・HDL-C上昇が優位であった
GFR44→48 優位に上昇 微量アルブミン尿 340→290 減少傾向
特にGFR30-60の患者さんが優位に改善していた 

LEADER試験のサブ解析でもGFR30-59の患者さんで優位にGFR低下抑制効果あり
GLP-1受容体作動薬
心臓 心臓利尿ペプチド  高血糖(抑制) Ang2(抑制)
      ↓           ↓
   腎臓 ナトリウム再吸収抑制作用
      抗炎症作用 抗酸化作用 抗アポトーシス作用
          ↓抑制
       糸球体・間質の細胞障害
          ↓抑制
         糸球体硬化・間質の線維化
認知症について
リラグルチドによるアルツハイマー症モデルマウスの脳海馬組織の病理学的変化
リラグルチド投与で海馬のCA1錐体細胞の数が優位に増加 容積も
リラグルチドは血液脳関門を通過し、脳内へ直接作用する

65歳以上高齢者糖尿病でのリラグルチド0.9mg/dayの認知機能の検討 34名 3年間 インスリンと比較
平均年齢 75歳 罹病期間 20.5年 HBA1C 7.5% 
VSRADも使用 *VSRAD(Voxel-based Specific Regional analysis system for Alzheimer's Disease)という検査は、MRI画像を用いて、アルツハイマー型認知症に特徴的に見られる「海馬傍回の萎縮の程度」を調べ、アルツハイマー型認知症の診断支援情報を提供するシステムです。VOI (Volume of interest)とは、脳の中でも、記憶・認知をつかさどる海馬とその周辺のことです。脳全体の萎縮とVOIの萎縮を比較することで、記憶・認知に関係する脳の萎縮の進行度合いを確認することができます。VOI萎縮度とは、脳全体とVOIの萎縮の比較を数値化したもので、1以上の数値であれば、加齢による萎縮以上の状態にあるということを示し、認知症になるリスクが高いと言えます。
結果 
HBA1C 7.5%→6.8% 空腹時・食後血糖優位に低下 BMI・TG低下が優位であった
MMSEの改善は見られなかったがVSRADの改善が優位に リラグルチドが海馬の萎縮抑制した
IMTに優位差はなかった 内臓脂肪は優位に低下

*GLP-1は上皮細胞成長因子(EGF)受容体のトランスアクチベーションにより PI3K/Akt/mTORシグナルを活性化することで、神経細胞のアポトーシス抑制に寄与すると報告も 抗炎症・抗酸化を介して海馬の萎縮を抑制した?
セマグルチドについて
デュラグルチドに比べ分子量が明らかに小さい 
CVアウトカム試験で優位差あり 
SUSTAIN6 症例 3297 観察機関2.1年で・・LEADERやEMPA-REG・CANVAS試験に比べ
症例数も経過観察機関も短いがMACEの発症リスクを優位に低下できた 26%抑制 強力?
脳卒中も低下した(EMPA-REGでは脳卒中↑?)
高齢者糖尿病治療におけるセマグルチドへの期待
用量が調節できる、週一回製剤(患者さんに合わせた調節が可能、注射回数の負担軽減)
押しやすいデバイス、細い針(フレックスタッチ32G、34Gの針が使用可能)
有効性、心血管保護、腎保護のエビデンス
認知症予防への期待(低分子量、血液脳関門を通過する)

 

2018-10-12 11:57:14

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