内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
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DM-netONE 10月19日

 DM-netONEを聴きにTKP大阪リバーサイドホテルに行ってきました
この会は大阪市立総合医療センターの細井雅之先生が主催する会でいつも楽しみにしています


今回は行動変容にフォーカスした新しい糖尿病診療 
琉球大学大学院研究科 内分泌代謝血液膠原病内科学講座教授 益崎裕章先生

何度も講演をお聴きしていますが、いつも新しい研究を紹介していただき、とても面白くためになるお話をしていただけます
Psycho-Metabolism研究
脳科学と分子栄養学を活用して脳機能異常を改善し、行動変容を通して人生100年時代のCommon Diseaseの予防改善に挑む
すぐやる脳・ぐずぐずしている脳の違いは扁桃体の大きさと機能に関連する
患者・仕事の現場における行動変容は大きな課題
扁桃体は恐怖を制御する中枢神経核 
すぐやらない脳はリスク回避型の脳→現状維持を望み、チャレンジを嫌う
→扁桃体サイズが大きく、前帯状皮質とのつながり弱い
扁桃体容積とすぐやる行動力 反比例する
扁桃体と前帯状皮質との神経連絡速度とすぐやる行動力は相関する

沖縄クライシス
平均寿命ランキングの低迷 女性7位↓ 男性36位↓
ファーストフード↑長年にわたり全国平均より(動物性)脂肪摂取エネルギー比率が5%高い
沖縄は日本屈指の肥満県・糖尿病県
20-60才の働き盛り世代における死亡率  男性 全国 1位 女性 2位 

糖尿病における新規血液透析導入率 沖縄が圧倒的な首位 糖尿病・透析予防管理のモデル県に
沖縄県在住の中学生 生活習慣病予防検診 2013年
HBA1C5.6%以上 あるいはFBS110以上 24.5% 4人に1人は境界型糖尿病
医学部6年生に対する75gOGTT実習
運動習慣なし BMI20 お菓子やチョコレートが好き インスリンの過剰・遅延分泌 インスリン抵抗性
生活習慣を改善して3カ月後に再検査 運動して インスリン抵抗性改善


高レプチン血症に伴う
ドパミンニューロンの
受容体シグナル亢進  レプチン受容体シグナル不全   マイクログリア炎症
(脳内報酬系)                レプチン抵抗性(視床下部)     小胞体ストレス(視床下部)
       ↓                  過食・エネルギ消費低下   ドパミン受容体遺伝子エピゲノム
    運動欲求の低下               ↑                (脳内報酬系)
          ↑   ←     動物性脂肪の過剰摂取            動物性脂肪依存
               ↓             ↓             ↓
キサンチンオキシダーゼ活性亢進    GLP-1受容体               ドパミン受容体シグナル亢進
(血管・腎臓・肝臓)             ダウンレギュレーション(膵β細胞) (膵β細胞)
酸化ストレス                 DPP4活性の亢進(循環血)     グルコース応答性
細胞老化・代謝病・血管病        インクレチン作用低下           インスリン分泌の低下
                        (DPP4阻害剤の効果減弱)      糖尿病
                          糖尿病
エピゲノム
DNAの塩基配列情報をゲノムと呼ぶのに対し、そのゲノムに施されたそれ以外の情報をエピゲノムと呼びます。 遺伝子の配列情報とは異なり、環境などによって後天的に変化するのがエピゲノム。
エピゲノムの1つにDNAにメチル基という小さな分子がくっつく「DNAメチル化」がある。 DNAに刻まれたゲノム(全遺伝情報)から生命活動に必要な情報を引き出す仕組みDNAの塩基配列情報をゲノムと呼ぶのに対し、そのゲノムに施されたそれ以外の情報をエピゲノムと呼びます。 DNAはヒストンというタンパクに巻きつけられて圧縮されて核内に収納されていますが、そのDNAやヒストンにメチル化・アセチル化という修飾が入ります。 遺伝子の塩基配列は同じでも、「オン」「オフ」を担うエピゲノムが環境によって変わることが分かった。
注目される糖尿病・肥満症の発症・進展メカニズム
食品成分や代謝産物にはエピゲノム調節系の基質やCo-Factorとして働くものが多く代謝・生体機能調節において重要な役割を演じている→今後、糖尿病予防・改善のための食事療法は食品成分や代謝産物の分子メカニズムを基盤とする個別化・精確医療に向かうと予想される
 

ジャンクフード・ファストフード漬けの毎日を送っていると脳に生じた小胞体ストレスや炎症によって摂食行動の判断が狂い,脂肪の旨味から抜け出せなくなること,脳内報酬系を介する脂肪依存はアルコールやニコチン,麻薬に対する依存性を凌駕することが注目されています.11年前にヒト全ゲノムが解読され,肥満症の発症・進展機構は遺伝子自体ではほとんど説明できないことが判明しました.遺伝子の構造に異常がなくても運動不足,慢性的な高血糖や高血圧,脂肪の摂り過ぎなどが遺伝子の読み取りパターンを変えてしまう“エピゲノム変化” を標的とする新しい医療が今後,急速に発展すると予想されます.
日々の生活習慣,特に食事・栄養と運動は私たちの遺伝子の働き方にも大きな影響を与えています(ゲノム修飾,エピゲノミクス).驚くべきことに,生活習慣病の乱れはゲノム修飾のメカニズムなどを介して精子や卵子の遺伝子群の機能を攪乱
し,両親に生じた良くない食生活や運動不足の悪影響が,生まれてくる子供たちにまで波及し,肥満や糖尿病を起こしやすくなる仕組みが明らかになってきています

幼若期の腸内環境がのちの肥満症に影響している
帝王切開の子どもは肥満・うつ病・DM・喘息などになり易い傾向が?
母の産道を通らないため腸内フローラを受け継げない?抗生物質投与で腸内フローラ変わる?

母マウス 胎児期普通食vs胎児期低栄養  
低栄養で12週期 食後のインスリン抵抗性・弓状核 インスリン抵抗性が出現
胎内低栄養環境から出生したマウスは脳や腎臓(
腎のネフロンの数が少なくなる)の機能異常を生じ、肥満、糖尿病、CKD、高血圧を発症しやすい(視床下部における食欲増進シグナル亢進 NPYニューロン↑)
環境因子が遺伝子の発現プログラムを変化させることが生活習慣病リスクに影響する
レプチンサージ
生後3週前後に観察される血中レプチン濃度の一過性の上昇
ob/obマウスにはレプチンサージもなく、脳のニューロンネットワークが未熟で不良、生後3週間目にレプチンを注射すると
神経ネットワークが改善し、脳機能・認知機能が向上する
遺伝子構造は同じの1卵生双生児の実験 影響度は 身長95% 糖尿病25%関節リウマチ10%
同じ遺伝子をもつ働き蜂の集団
働きバチ→ロイヤルゼリー  遺伝子の発現調節 巨大な女王バチへ
       DNAメチル化阻害剤(エピゲノム) *DNAメチル化を促進して遺伝子の読み取りを抑えてしまう
      →  →  →   働きバチのまま    3型DNAメチル化転移酵素に発現をとめてしまうと女王バチに

母親マウスの食事内容が仔ネズミの肥満を決める 
              転写調節領域のDNAメチル化↓
Agouti肥満マウス→Agouti遺伝子が過剰に発現  →黒色マウス→茶黄色へ 肥満
                                  メラノコルチン受容体シグナルを遮断
                                 → 過食へ
分量が異なるメチル基供与食を与える
少     →      中 →           多
仔ネズミ   
肥満 黄色   薄茶色  茶色   灰色   黒色 やせ

精子クライシス
現代日本人男性では精子数の減少、精子の活動性の低下、精子遺伝子群のエピゲノム変化が際立っており、少子化の一因となっている 男性不妊の原因50% 精巣(精子を作る力が低下82.4%・勃起や射精障害13.5%)
肥満の父親の子どもは肥満しやすい
運動や食事内容は人骨格筋や脂肪組織の特定の遺伝子群のDNAメチル化状態を急速に変化させる
肥満男性の精子ゲノムは非肥満者と比較し、
MicroRNA発現や種々の遺伝子群のDNAメチル化に大きな差異が認められる

肥満外科手術による減量後では特に、
体重・食欲調節に関る遺伝子群(MC4R、BDNF、FIO、CART、NPYなど)のDNAメチル化が精子で劇的に変動する
父親マウスの運動習慣が子どもマウスの糖尿病を予防する 体脂肪量減少 骨格筋グルコース取り込み増加
                            精子の活動性↑(精子のSmall RNAs発現パターン変化↑)
               肥満で運動させないマウス     精子の活動性↓↓

肥満男性における精子トレーニング(デンマーク)
定期的運動による一定の減量後には精子の遺伝子群に生じたゲノム修飾変化が劇的に改善する
肥満に伴う糖尿病 2019年ガイドライン 益崎先生担当
SGLT2阻害剤のケトン体軽度上昇の意義?
ケトン体陽性の高血糖の方が生命予後が良い
ケトン体は機能低下した臓器に優しいエネルギー基質

                
                ↑                           
               β-ヒドロキシ酪酸            →        グルコース再吸収SGLT2
               少ない02消費量でATPを産生できる            ATP消費↑
     心臓      ←FFA                  →FFA    腎臓  O2消費↑
                ATP産生能に優れるがO2消費量
                も多く、臓器に負担

ケトン体、βヒドロキシ酪酸が担うエピゲノム調節と酸化ストレス防御
運動
カロリー制限→脂肪組織 FFA→肝臓  ケトン体合成 アセト酢酸 βヒドロキシ酪酸→ エネルギー源 心筋
絶食                                アセトン                        腎臓
                        ↓             ↓
                   脳 エネルギー源        エピゲノム 
                血液脳関門を超えて脳へ     クラス1ヒストン脱アセチル化酵素
                食欲抑制・脳機能維持                   
  ↓
   臓器保護 抗老化 FOXO3A   ←酸化ストレスに関る遺伝子群の誘導(ヒストンアセチル化による転写促進)
         ↑  MT2 カタラーゼ
       抗酸化力 ← ミトコンドリアSOD
 
動物性脂肪依存の脳内メカニズム
動物性脂肪依存、ファーストフード・ジャンクフード依存と快楽過食の病態
動物性脂肪の過剰摂取は視床下部に炎症や細胞ストレス、レプチン抵抗性を惹起し、恒常性維持(メタボリックハンガー調節系)を攪乱する。また動物性脂肪に対する依存はドパミンオピオイドが仲介する脳内報酬系が支配する快楽(ヘドニック)制御系の破たんを伴っている。(マウスを用いた実験では、高脂肪餌の摂取は僅か2~3 日という短期間に視床下部に対する活性化ミクログリア浸潤を誘導し、組織ダメージ、炎症、白血球の遊走を次々に引き起こすことが報告されている)

動物性脂肪の過剰摂取は(食欲中枢)視床下部の小胞体ストレスの亢進を介して動物性脂肪依存を招く
玄米機能成分は視床下部の小胞体ストレスを解除し悪循環をとり動物性脂肪に対する嗜好性を解除する
玄米機能成分:γオリザノール 
脳に作用して食行動を改善 動物性脂肪依存の介助 小胞体ストレス軽減とエピゲノム制御
臓器保護  小胞体ストレス↓炎症↓
膵島に作用して糖尿病を予防・改善 ブドウ糖応答性のインスリン分泌増強 グルカゴン過剰分泌の是正
脂質異常症・腸内フローラの改善 消化管からの脂質吸収を阻害 腸内フローラのバランス改善

動物性脂肪による肥満マウス(γオリザノール投与マウス)の脳内報酬系(線条体)におけるドパミン受容体の発現量
ドパミン発現量正常化へ 食欲低下 体重減少
γオリザノールは動物性脂肪に対する依存性・嗜好性を緩和する 満足できない脳を足る脳に変化させる
動物性脂肪による肥満・糖尿病にAML・骨髄異形成症候群等に既に臨床応用されているDNAメチル基転移酵素阻害剤5-aza-デシタビンを投与すると腹腔内ブドウ糖投与により、血糖反応が改善した
依存症の脳内メカニズムは共通点が多い
アルコール・麻薬・危険ドラッグ・動物性脂肪・スマホ・インターネット・ギャンブル・睡眠導入剤・性行動
   →報酬系経路 腹側被蓋野→即坐核 ドパミン調節不全→前頭前野 ・・・・・・認知機能障害

世界経済に及ぼす損失額ランキング 1ニコチン依存2戦争・暴力・テロ3動物性脂肪依存4アルコール依存
日本 アルコール依存 全人口の1%(H25年) 喫煙率 男性30% 女性8%(H27年)
禁煙治療成功率僅か27% インターネット依存全人口8%(H26年)
ギャンブル依存症(H29年) 男性1%女性0.1% 
アルコールを用いた研究 マウス実験 エタノール連日投与でアルコール嗜好性が亢進したマウスに45日間、γオリザノールとエタノールを同時に与えるとマウスのアルコール嗜好度が半減する
マウスにエタノールと、γオリザノールを同時に与えて飼育するとアルコール嗜好性は増加しない 予防効果
報酬系の腹側被蓋野(VTA)におけるアセチルコリンエステラーゼ量が増加して→ドパミン生合成の律速酵素であるチロシン水酸化酵素の量が減少し→ドパミン合成量が低下し、シグナルが減弱
結果的には少量のアルコール摂取では満足感が感じられなくなる 満足できない脳へ
γオリザノールは
報酬系の腹側被蓋野(VTA)におけるアセチルコリンエステラーゼ量を低下させ→ドパミン生合成の律速酵素であるチロシン水酸化酵素の量が増加→ドパミン合成量が増加し、シグナルが亢進

結果的には少量のアルコール摂取では満足感が 足るを知る脳へ
(母体の喫煙)胎児期の受動喫煙は成長期に肥満を来す
2種類のニコチン曝露モデルマウスの作成
ニコチン曝露マウスは生食曝露マウスに比べ 1-4週間とも食事摂取量増える
腹側被蓋野(VTA)のおけるドパミン生合成の律速酵素であるチロシン水酸化酵素の量が減少している
γオリザノール投与により体重減少、食事平均摂取量低下
γオリザノールは老齢マウスの認知機能低下を改善する

 

2019-10-20 22:29:14

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万博記念公園散歩 10月20日

万博記念公園の国立民俗博物館の中にあるレストランのマッサマンカレーが食べたくなり、
万博散歩 コスモスの里、ローズ園をみて万博の秋を散策しながら


約90分の散歩・かなり蒸し暑く汗が・・民族博物館で驚異と怪異展をみて

おめあてのカレーを(じゃがいもと鶏肉をホロホロに煮込んだ、タイカレーで、ココナッツミルクやピーナッツを使っているため、濃厚なコクと甘みが強いカレー)満足して阪大南(北出口)の駐車場に向かい帰路へ

2019-10-20 14:51:42

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WEB講演会 10月18日

行動・心理症状(BPSD)を呈するアルツハイマー型認知症における治療薬の適正使用
香川大学医学部 精神神経医学講座教授 中村祐先生

合併症を踏まえた認知症治療薬の選択
BPSDに対する薬物療法選択の留意点
国内からの新たなエビデンスーメマンチンの睡眠への効果などー

   ドネペジル(アリセプト) ガランタミン(レニミール) リバスチグミン(イクセロン) メマンチン(メマリー)
分類     コリンエステラーゼ阻害剤                          NMDA受容体阻害剤
適応    軽~中等症5mg    軽~中等症24mg      軽~中等症18mg         中等から重症 20mg
      重度 10mg
用法    1日1回        1日2回          1日1回パッチ剤          1日1回 5mg(1週)
    3mg(2週)     8mg(1カ月)         4.5mg(1カ月)          →10mg(1週)
    →5mg       →16mg(1カ月)       →9mg(1カ月)         →15mg(1週)
    5mg(1か月)   →24mg 13.5mg       (1カ月)             →20mg
                             →10mg 18mg
                             9mg(1カ月)
                             →18mg
メマンチン(メマリー)について
メマリーは高度腎機能障害では投与量は半分量で
中枢性副作用に対する対応(主に浮腫性めまい、傾眠)
副作用判定 投与中止または即座の減量 起立歩行に問題 しっかり起こしても直ぐ眠りこける 起きているときに
Ccr<30の場合は維持量を10mgに 眠りこける

投与継続 →服薬時間変更(朝→夕方)
↓ 併用薬・減量・中止 併用薬 傾眠発現時には睡眠/鎮静/精神安定薬や抗精神病薬
軽度 無処置で投与継続 抑肝散などの減量・中止を考慮する

*浮動性めまいや傾眠について、あらかじめ本人や家族などの介護者に説明しておくことで家族が慌てることや重篤な副作用の回避につながる
後期Ⅱ相試験 24週 SIB-Jスコア変化量
メマンチン10mgは4週では20mgと同等効いているが24週では効きが悪くなり20mgは効果持続
BPSDに対する薬物療法選択の留意点
アルツハイマー型認知症の経過と主なBPSDの出現時間    異食
興奮 焦燥 拒絶 不潔行為
易刺激性(イライラ) 妄想
アパシー(物とられ、被害) 徘徊(おちつかずうろうろ) 睡眠覚醒障害

初期          中期                 後期
アルツハイマー型認知症のBPSD(妄想 興奮睡眠覚醒障害等)は初期から中期にかけて増加する傾向がある
認知症における各BPSDの割合
44% 妄想 36.8%攻撃的言動 35.8%睡眠障害 33.6%幻覚23.9%徘徊19.4%抑うつ 17.9%不安
高齢者における向精神病薬の使用と転倒リスク(メタ解析)
向精神病薬の使用により転倒リスクが1.73倍上がる
認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供(新オレンジプランより)
行動・心理症状への適切な対応
早期診断とその後の本人主体の医療・介護等を通じて行動・心理症状を予防する
行動・心理症状がみられた場合にも的確なアセスメントを行ったうえで、非薬物的介入を対応の第一選択とする
薬物の対応が必要な場合には生活能力が低下しやすいことや服薬による副作用が生じやすいことなど高齢者の特性を
考慮した対応がされる必要がある

アルツハイマー型認知症者の行動異常に対する抗精神薬剤使用 FDA Talk Paperの概要 2005年4月11日
FDAは非定型抗精神病薬オランザピン、アリブプラゾール、リスペリドン、クエチアビンについて高齢認知症患者における行動障害を対象にした17件のプラセボ対象比較試験の5106例を解析した結果、非定型抗精神病薬投与群における死亡率がプラセボ投与群に比較して1.6-1.7倍高いと結論づけた。死因は様々であったが、主に心臓障害(心不全、突然死など)
感染症(肺炎)であった。高齢者の認知症患者の行動障害に非定型抗精神病薬が適応外であることを添付した

 
J-CATIA試験 日本人のアルツハイマー型認知症(AD)患者約1万例を対象に高齢者の認知症周辺症状(BPSD)への抗精神病薬と死亡の影響を検討した。観察研究のため因果関係は不明だが、同試験では、抗精神病薬を新規投与された群で非投与群に比べ、試験開始から11週以降の死亡リスクが約2.5倍上昇していたなどの成績が示された。
主な結果(1)抗精神病薬使用群の6割超が半年以上の使用歴 同試験では国内357の医療機関から、日本人AD患者1万79例を登録(女性69%、平均年齢81歳)。登録時点で抗精神病薬の使用群(4977例)と非使用群(5102例)に分け、ベースラインから10週、24週の死亡率などを比較した。新井氏によると、登録の時点で抗精神病薬の使用歴が6カ月以上の割合が使用群の63.7%を占め、次いで3-6カ月以内が15.5%、1-3カ月以内が13.3%、1カ月以内が7.3%だった。使用薬剤は非定型抗精神病薬ではクエチアピン、リスペリドン、オランザピン、定型抗精神病薬ではチアプリド、スルピリドが上位を占めた。全体解析では使用群、非使用群の試験開始から24週までの平均死亡率は3.4%、3%で有意差はなく、補正後のオッズ比にも差はなかった。抗精神病薬の使用期間ごとの死亡率でも非使用群との有意な差はなかった。 主な結果(2)新規使用群、非使用群の11週以降の死亡率9.4% vs. 1.9% 同試験登録から新たに抗精神病薬を開始した85例の群における成績。同群において、試験開始から10週時点ではゼロであった死亡率が、11-24週時点には9.4%と非使用群の1.9%に比べ有意に上昇。同期間における死亡の補正後オッズ比も2.53(95%信頼区間1.04-6.14)と有意に上昇していた。死因別の検討では、特に使用群でのみ増加している死因はなく、肺炎や老衰が主だった。実地臨床へのフィードバックとして「抗精神病薬による死亡リスクには今も十分な配慮が必要で、非薬物療法や抗精神病薬以外の治療を優先すべき」と述べた。特にやむを得ず新規に投与を開始する場合には「10週間ほどの短期間が望ましく、減量・中止を常に考慮すべき」との考えを示した。一方、既に6カ月以上抗精神病薬を使用している人については、「同試験登録時に使用群の6割以上が半年以上の使用歴があったことから、この方たちは初期のリスクの時期を超えたサバイバーと解釈できる」新規投与の場合に比べ、安全性は担保されていると考えられるが「それぞれの患者での同薬使用の意味やリスクベネフィットを十分検討のうえ減量すべき」と結論付けた。
かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神病薬ガイドライン(第2版)
非薬物的介入を優先した上で幻覚・妄想・焦燥・攻撃性 抗認知薬の副作用を否定した上で、保険適用上の最大用量
以下もしくは未服用の場合にはメマンチンもしくはコリン分解酵素阻害剤の増量もしくは投与開始も検討可能だが、逆に増悪させることであるので注意が必要である

これにより改善しない場合は薬剤減量・中止の上抗精神病薬または抑肝散や気分安定薬の使用を検討
メマンチンのBehave-AD領域別 行動心理症状(BPSD)に対する効果 メマンチン群217名 プラセボ208名
行動障害・攻撃性が有意に改善
メマンチンのBPSDの最新のメタ解析
妄想観念 攻撃性 日内リズム障害が有意に改善
メマンチンとドネペジル併用におけるBPSDの新規発生抑制効果
興奮・攻撃性・易刺激性・不安定性・夜間の行動異常を優位にドネペジル単独群より抑制した
アルツハイマー型認知症の睡眠構造に対するメマンチンの影響
投与前後で総睡眠時間254分 vs338.9分 レム睡眠が増える
PLM指数が低下、中途覚醒回数が減り、無呼吸低呼吸数も低下
PLMs(睡眠中に下肢に起こる常同的な反復運動 つま先の伸展と踵部の背屈が周期的に認めれらる
→増加→頻繁な中途覚醒 睡眠の分断→覚醒後にはPLMsは消失

AD患者とドパミン ドパミン神経系の変化
NMDA受容体機能低下 ドパミン受容体数減少 ドパミントランスポーター結合数の低下
ドパミン神経調整障害 ↓
NMDA受容体とドパミン受容体の相互作用→ドパミン神経の機能低下 →PLMsの増加→頻繁な中途覚醒

AD患者はNMDA受容体に異常
メマンチンは 神経細胞保護 NMDA受容体機能低下によるドパミン神経機能低下状態
NMDA受容体機能障害調整作用により を改善して PLM指数の減少

まとめ
在宅など介護サービスの度合いが低い場合 ADL低下
心疾患・呼吸器疾患消化器疾患がある いらいら、焦燥感がみられる 意欲や自発性の低下が目立つ
   ↓                 ↓          ↓      ↓
メマリー20mg/日             メマリー20mg/日       コリンエステラーゼ阻害剤
                       ↓
                  メマリー20mg+コリンエステラーゼ阻害剤

2019-10-20 05:58:20

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第4回阪神Clinical Diabetes Meeting 10月17日

第4回阪神Clinical Diabetes Meetingを聴きに梅田スカイビルタワーウエストに行ってきました
この会は久保田稔先生が主催する会で旧阪大1内糖研の会 関連病院の部長や糖尿病専門医を持つ開業医が集まる会


食事療法Up To Date―持続型インスリンへの期待― 
京都府立医科大学大学院医学研究科 内分泌代謝内科学 教授 福井 道明先生

高齢者糖尿病患者の食事療法 ランタスXRへの期待
年代別栄養摂取率
65才以上炭水化物摂取量が増え、脂肪摂取量が減る、蛋白は同程度15%前後
65才以上は食後高血糖が多くなる 理由 インスリン分泌もあるが筋肉の低下による糖取り込み低下が・・

DECODA study (2004) 空腹時血糖より食後高血糖が死亡や心血管死に影響を及ぼす
認知症と高血糖 相対リスク 久山町研究
空腹時血糖 100未満1とすると 101-1081.18 109-124 0.96 126以上 1.21 相対リスク変わらない
食後血糖  120未満1とすると 121-139 1.16 140-198 1.50 199以上 2.47 相対リスク増加
糖尿病診療ガイドライン2019年 食事療法 Q3-3 総摂取量エネルギーをどのように定めるか?
身体活動などによって異なり、個別化が必要である。ここに示すのは、あくまでも初期設定の目安であって、
実際の指導に当たっては、患者の現体重や血糖コントロールをはじめとする様々なパラメーターを勘案して、
適宜変更すべきである。また今後のエビデンスの集積も必要である
目標体重の目安(kg)
総死亡が最も低いBMIは年齢によって異なり、一定の幅があることを考慮し、以下の式から算出する
65才未満 身長×身長×22
65才から74才   ×22-25
75才以上      ×22-25 *75才以上の後期高齢者は現体重に基づき、フレイル、ADL低下、併発症
                体組成、身長の短縮、摂取状況や代謝状態の評価を踏まえ、適宜判断する

身体活動レベルと病態によるエネルギー係数(Kcal/kg)

1軽い労作(大部分が座位の静的活動):25-30
2普通の労作(座位中心だが通勤・家事・軽い運動を含む):30-35
3重い労作(力仕事、活発な運動習慣がある):35~

*高齢者のフレイル予防では、身体活動より大きい係数を設定できる。また肥満で減量をはかる場合には、身体活動レベルをより小さい係数を設定できる。いずれにおいても目標体重と現体重との間に大きな乖離がある場合は、上記の1-3を参考に柔軟に係数を設定する
総エネルギー摂取量の目安
総エネルギー摂取量(kcal/日)=目標体重(kg)×エネルギー係数(Kcal/kg)
原則として年齢を考慮に入れた目標体重を用いる
食習慣を改善しましょう
1タイミング
1日三食を規則正しく食べましょう
ドカ食い、まとめ食いより3回にわけるほうが血糖を抑えることができる
食感に一定時間をおき、次の食事までに血糖値を下げておくことが大切
朝食抜き、夕食のまとめ食いはダメ
2食材選び
炭水化物の多い食材、食品を知ることが大切
栄養表示を見るくせをつけましょう
食物繊維を積極的に取り入れましょう
血糖の上昇をおさえましょう 特に水溶性食物繊維は効果が大きい
不溶性(保水性が高く、腸を刺激して便通を促進) 野菜類・豆類・いも類・きのこ類など
水溶性(粘性があり、おなかがすきにくく、食べ過ぎを防ぐ) 海藻類、こんにゃく、果物、いも類、豆類、野菜等
3食べ方 

早食いをせず、ゆっくり食べましょう 最初に食物繊維が豊富なものから食べ始めましょう
1日の食事量 2型糖尿病で薬剤が投与されている患者1195例 平均年齢57.6才
1日で最も食事量が多くなる食事  夕食74.1% 昼食 18.7% 朝食7.2%

夕食の食事量 65才以上BMI25以上では約65%が食べ過ぎていると解答 各年代ともBMI25以上で多い傾向が
夕食過多な食生活は夜間の高血糖を助長する
朝食低カロリー 夕食高カロリ―(n=18)
朝食高カロリー 夕食低カロリー(n=18)
高カロリー 約700kcal 脂質22% 炭水化物 47% タンパク質31%
昼食    約600Kcal 脂質23%炭水化物 50% タンパク質27%
低カロリー 約200Kcal 脂質30%炭水化物 27% タンパク質43%
朝食低カロリー 夕食高カロリ―の方が朝食高カロリー 夕食低カロリーより夕食後の血糖が跳ね上がる 昼食後の血糖も高くなる

AUCglucose も有位に朝食低カロリー 夕食高カロリ―で高くなる
*朝食を抜けば、血糖を保つためにインスリン拮抗ホルモン(血糖値を上げるホルモン)が大量に分泌され、この状態で昼食をとると、食後の血糖値が通常よりも高くなってしまう、つまり朝食抜きは血糖値を大きく上昇させる素地を作っている?
KAMOGAWA-DMコホート研究では 遅い時間8時以降の夕食は 運動量低下・睡眠時間↓BMI↑HBA1C高い傾向が
概日時計circadian clocksとインスリン抵抗性 REVIEWS
時計遺伝子障害 膵臓にも筋肉にも時計遺伝子が
 膵臓インスリン分泌障害 筋肉 インスリン感受性低下(糖取り込み低下)

蛋白摂取 総摂取量同じでも朝・昼・夜=1:1:1 の方が朝、昼<夜より蛋白合成率上昇する 
食事のとり方で変わる食事誘導性熱産生(DIT)
昼食・夕食(夜中)遅くなると通常時間で食べるよりDITが優位に低下する
またよく噛んで食べると早く食べるよりDIT優位に高値となる
*たんぱく質:30%、糖質:5%、脂質:4%、炭水化物:10% エネルギーとして消費され方にかなり違いがあり、一番多くエネルギー消費するのが「たんぱく質」で、エネルギーの消費だけで見ると「たんぱく質」を多めに食べると、エネルギーを消費しやすいといえます。夕食メイン(過多)は朝メインにとるよりも同じエネルギーでも食後血糖・AUCは高くなる
食事誘導性体熱産生(DIT)とは人が消費するエネルギーは、生活活動代謝・食事誘導性熱産生・基礎代謝
基礎代謝はたとえ寝ていても消費する、呼吸や内臓などをはじめとした生命維持のためのエネルギー。
生活活動代謝は、歩いたり仕事をしたり、はたまたジョギングや水泳などスポーツ・エクササイズなど、活動して消費するエネルギー。そして食事誘導性熱産生は、食事をするときに消費するエネルギーで、DITと呼ばれます。
1日に消費するエネルギーの割合は、基礎代謝が7割、生活活動代謝が2割、食事誘導性熱産生(DIT)は1割となっています。
食物繊維摂取量の変化 1955年と比較して食物繊維は減る一方ですが、穀物以外(主に野菜)の摂取量はさほど変化なく、穀物(大麦、雑穀類など)からの食物繊維量が著しく低下している
大麦の食物繊維含有量 大麦の食物繊維含油量は白米の約19倍 玄米の約4倍
日本人男女18名 白米;大麦1:1の米飯を150g朝摂取 白米単独より有意に食後30-90分の血糖値低くなる
大麦(水溶性>不溶性食物繊維)
腸内細菌叢の変化
高脂肪食         食物繊維↓       フォスファチジルコリン L-カルニチン(赤肉)
 ↓             ↓                            ↓
1次胆汁酸↑  

                   腸内細菌叢の変化 
Clostridium             Clostridum               Prevotella      

   ↓                  ↓                    ↓
2次胆汁酸              酪酸 ↓                  TMA
肝臓でのSASP因子の発現                 FOXP3↓                   TMAO
肝臓線維化               Treg↓                  コレステロール取り込み↑
肝がんリスク             潰瘍性大腸炎              プラーク形成 
                     大腸がんリスク              CVDリスク

食べる順番
野菜→おかず→ごはん・パン・麺類 の順が ごはん・ぱんを先に食べるよりCGMで食後高血糖を抑制する
夕方遅い9時以降の人に夕方におにぎりを食べ遅い時間はおかずのみ食べるアドバイスは正しいのか?
2型糖尿病で検討 21時 夕食 18時 米食 おかず 21時で検討 分割すると血糖ピーク低下 血糖曲面化面積低下
不溶性・水溶性Fiber→血糖有意に下げる 脂肪肝減少 腸内細菌叢かわる 短鎖脂肪酸↑
短鎖脂肪酸 GPR43・41 → GLP-1分泌
      脂肪細胞 GPR43 →脂肪蓄積低下 インスリン感受性亢進
      消化管バリア機能保
2型糖尿病と非糖尿病で比較検討 便中短鎖脂肪酸濃度 2型糖尿病で優位に低い

食べる順番で血糖コントロールは変わる? 京大・矢部グループのデーター
魚や肉を先に食べることで アミノ酸・脂肪酸 →小腸でGLP-1↑ 胃排出低下 グルカゴン↓インスリン↑
ごはんの小腸での吸収抑制とインスリン分泌のはややかな反応により食後血糖の改善につながる
食べる順番の効果 検証
           魚(蛋白質 多価不飽和脂肪酸)→米  肉(蛋白質 飽和脂肪酸)→米  食物繊維 → 米
食後血糖の上昇          抑制                                                   抑制                                            抑制
インクレチン GLP-1      ↑↑                                                     ↑↑                                         変化なし
GIP                                ↑                                                       ↑↑                                        変化なし
胃排出能               延長                                                    延長                                   変化なし
食事療法 食べる順番 通常の食事でも効果があるか?
方法 ランダム化クロスオーバー試験
測定 CGM
対象 日本人健常者15名(男性13名女性2名) 年令31才 HBA1C 5.9%
1 ごはん0分 15分後おかず
2 おかず、ごはん同時 三角食べ
3 5分前おかず その後ごはん
4 10分前おかずその後ご飯
5 15分前おかずその後ご飯

1 食後1時間170mg/dlに 2同時では食後50分でピーク160mgにその後低下
3,4,5は食後のピークが40-45分後140前後と低下 5分前も10分前も15分前もあまり変わらず
少しでも早くおかずを食べると食後高血糖は是正される

丼物はどうか?
牛皿(蛋白質12.6g、脂質22.3g炭水化物8.8)米飯(蛋白質6.2g、脂質1.2g炭水化物84.9g)
牛丼と 15分前牛皿その後ご飯で比較
対象 日本人健常者15名(男性13名女性2名) 年令31才 HBA1C 5.9%
牛丼 食後1時間で血糖160mg/dlとピークに
15分前牛皿その後食事 食後1時間120ピークは2時間後にづれ、140程度に下がる

まとめ
食べる順番による食後血糖抑制
魚や肉がインクレチンを分泌 胃運動を穏やかにする インスリン分泌の準備をする
   ↓
血糖上昇に対する体内環境の準備完了
    ↓
血糖値上昇を最大限抑制
野菜・魚・肉は異なる機序で血糖上昇を抑制するため組み合わせることにより大きな効果が期待できる

サルコペニア アナボリックレジスタンス 蛋白摂取しても高齢者では蛋白合成が落ちている
高齢者糖尿病において3年間観察 筋肉量が有意に低下(非糖尿病と比べ)
臨床的に問題となる?蛋白質増加 
蛋白質60g/dayから93g/dayの5段階に分け腎機能正常群と低下群で検討10年間
腎機能正常群では問題とならないが低下群では優位にGFRが低下する DM腎症3期以上では高蛋白は×か?
蛋白の質での検討 10のグループに分け 総死亡見ている
蛋白 動物性優位 で死亡率1.31↑ 植物性優位で 0.81と低下する
高齢者食事療法 筋肉量の少ない肥満 2型糖尿病で脂肪肝と筋肉量低下が相関した
筋肉量 身体活動量・蛋白摂取・アンドロゲン
蛋白摂取量 ↑ 筋肉量 ↑ どれくらいとるか1.05g/kg蛋白摂取で筋肉量落ちなかった
体重当たり1g/kg以上を目安に摂る ロイシンしっかり摂る 
1単位当たりで見ると鶏肉・豚肉(赤肉)牛肉・魚(白鮭)まあじ 多く含まれる
高齢者筋肉増量 高齢者は腎機能低下している どのような蛋白で
植物性蛋白or魚では腎機能に悪影響及ぼさない(動物性蛋白 腎機能低下へ)
*何故植物性蛋白はいいのか?アミノ酸組成・アルカリ性食品 尿細管障害抑制 抗炎症作用がある

中鎖脂肪酸もよい?ココナッツ 母乳などに含まれる
*長鎖脂肪酸はカイロミクロンというリポ蛋白質粒子となってリンパ管から大循環系に入り、主に脂肪組織や筋肉組織に取込まれ、一旦貯蔵されてからグリコーゲンが枯渇したときに分解されて、ゆっくりと消費される。中鎖脂肪酸はカイロミクロンを作らずに遊離脂肪酸のまま門脈に入って肝臓へ運ばれ、速やかに(4倍速く)エネルギー源となって代謝される
中鎖脂肪酸群が対照群や長鎖脂肪群に比べ握力・歩行速度・下肢反復時間・最大呼吸流量を3か月で有意に改善した
2型糖尿病 筋肉量 規定する因子 1 蛋白摂取↑ 2 動物性/植物性 ↓
65才以上 サルコペニア合併の割合約1割
メタ解析で 規定する因子は 蛋白摂取量ではなく エネルギー摂取量 

高齢者 ロイシン・ビタミンD・長鎖脂肪酸を中鎖脂肪酸へ置き換える 筋肉量優位に増加?
サルコペニア発症で発現が変動するMicroRNA
高齢者 インスリン低下          組織外に分泌されるMicroRNAを測定する=バイオマーカーとなる
テストステロン低下 →骨格筋低下      miR-23-3p
身体活動低下                 
血清クレアチニンは筋肉量による影響を受けることに着目し、筋肉量の影響を受けにくい血清シスタチンCで除したクレアチニン/シスタチンC比が2型糖尿病患者におけるサルコペニアの予測因子になる
対象は、2015年12月~2016年10月にKAMOGAWA-DM コホート研究に参加したうちの2型糖尿病患者285人(平均年齢は66.1±11.6歳、平均HbA1c値は7.1±1.0%)。結果、対象患者のうち8.8%(25人)にサルコペニアが認められた。年齢や性別、体脂肪率などで調整した多変量解析の結果、血清クレアチニン値はサルコペニアの有無と関連しなかったが、クレアチニン/シスタチンC比とサルコペニアの有無との間には負の相関関係が認められた(クレアチニン/シスタチンC比が0.01増加するごとのオッズ比は0.96、95%信頼区間0.92~0.99、P=0.022)。クレアチニン/シスタチンC比のROC曲線を描いた結果、曲線下面積は0.683(P=0.022)であった。
サルコペニアの予測に有用なクレアチニン/シスタチンC比の至適なカットオフ値は0.9であり、感度は80%、特異度は48%であった。
インスリン・ライフバランス調査
インスリン治療における課題仮説と調査結果
夜間だけでなく時間帯によらない                        63%のインスリン治療患者が未だ
QOLに悪影響を及ぼす           低血糖の恐れから         HBA1C7%をクリアーしていない
直近3か月以内に低血糖をおこした   インスリン治療を攻めきれない    コントロールで来ていると答えた人   
インスリン使用者は33.4%         ケースがある               約半数未満
1日を通じた低血糖リスク      →適切量のインスリンが補充できない →不十分な血糖コントロール           
予防的な捕食             →体重増加 ↑
 
ランタスXRはランタスに比べ、より平坦で24時間を超えるPK/PDプロファイルを持つ基礎インスリン
ランタスに比べ日差・日内変動少ない
ABC-Ⅰ研究
糖尿病 59例 ランタス+アスパルト/リスプロ/R(毎食前)→ランタス+アピドラ(毎食前)
1型49例 2型10例 24週
アピドラへの切り替えは HBA1C 8.2%から7.9%へ有意な改善 インスリン総量変わらず
血中MCP-1、AGEs、可溶型RAGE(sRAGE)と尿中アルブミンを有意に低下させた
血中MCP-1、AGEs、可溶型RAGE(sRAGE)と尿中アルブミンの変化量は有意に相関する
 ランタスXRはランタスに比べ低血糖の発現頻度が低く体重が増加しなかった

BRIGHT-研究 (ランダム化試験)
ランタスXR(n=466)とインスリンデグルデグ(n=463)比較試験
タイトレーション期間 0-12週 維持期間 13-24週CONCLUDE試験
タイトレーション期間で低血糖発現率がランタスXRで有意に低下した

基礎インスリンを開始したときの1か月目の低血糖が36.2%と一番多い
インスリンタイトレーション時の低血糖はその後の予後に大きく影響する
治療中段 7%↑入院69%↑救急受診59%↑

低血糖と血清中アルブミン濃度の関係
ランタスXR 低血糖と血清アルブミン濃度 相関なし
デグルデグ 低血糖と血清アルブミン濃度 逆相関する
デグルデグと低血糖・夜間低血糖のカットオフは3.8g/dl 24時間低血糖
デテミル・デグルデグはアルブミンが低くなると遊離インスリンが増える
アルブミンとの結合定数 Ka=B/F×1/「HSAimm」アルブミン値
               遊離インスリン

アルブミンの日内変動 健常人4人 午前12時-4時に一番低くなる
低血糖への対処
栄養素が血糖(ブドウ糖)に変わる速度 糖 1時間100% 3時間 50%蛋白質 12時間10%脂肪
ビスケット 75kcal 炭水化物73.6% 13.8g
クッキー  96kcal 炭水化物 50.8% 12.2g 脂質 4.6g
バームクーヘン 140kcal 炭水化物 42% 14.7g 脂質 7.5g
牛乳 コップ1杯 80kcal 炭水化物 28% 炭水化物 5.6g

2019-10-18 08:22:20

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WEB講演会 10月16日

冠動脈疾患の残余リスクから介入のポイント 国立循環器病センター心血管内科 安田聡先生
1心血管イベント抑制:スタチンの効果と残余リスク
2介入のポイント:残余リスクに関する因子:LDL、TG
3TG介入に関するガイドラインの現状とω3系脂肪酸製剤

動脈硬化の形成、進展に寄与する因子
喫煙      糖代謝異常      肥満
酸化ストレス  高インスリン血症   高インスリン血症
        食後高血糖      血圧高値
        糖化蛋白       脂質異常
高血圧      脂質異常症     炎症
エンドセリン   LDL—C       Lp-PLA2
レニン      HDL-C       s-PLA2
アルドステロン  TG         IL-1beta 
 
各臨床試験の1次予防および2次予防におけるLDL-C値と冠動脈疾患イベント発症率との関係
大規模メタ解析CTCの成績
スタチンは、LDL-Cを20-40%低下させ、心血管イベントを減少させる
1次予防・2次予防とも 冠動脈イベント発症率とLDL-Cの値に相関が 2次予防の方が傾きが強く 相関強い
TNT(2005年)アトルバスタチン80mg LDL-C77mg/dl CADイベント 8.7%vs10.9%(10mg、LDL-C101mg/dl)

REAL-CAD研究 冠動脈疾患(CAD)の既往がある日本人患者(n=13000)を対象に高用量(4mg/日)のピタバスタチンによる心血管(CV)イベントの再発予防効果を標準用量(1mg/日)と比較
累積イベント発症率(%)  
Pitavastatin 1mg 1年 1.4   2年 2.9   3年 4.2  4年 
5.6   5年 
PitavaStatin 4mg   1.2       2.3     3.5    
4.6  
HR 0.81 P=0.01 NNT 5years=63
LDL-C 3年 76.6vs91.0mg/dl HDL-C 3年 52.3vs 51.7 hs-CRP 6カ月 0.49vs0.59
MEGA研究(n=7832)
対象 冠動脈疾患既往の無い軽~中程度(総コレステロール220-270)の高脂血症疾患患者
   食事療法群と食事療法+プラバスタチン10-20mg/日併用群で5.3年追跡
スタチン併用によって冠動脈患者が33%減少した 低用量スタチンによる1次予防は日本人に有益であるというエビデンスを示した
REVERSAL試験 IVUSで検討
スタチンによるプラーク退縮、安定化  57才男性 アトルバスタチン18か月後(80mg 150→78mg/dl1)
スタチン治療下でも心血管イベントは発生する 
2次予防 4S 40% LIPID 20% CARE 20% HPS20% 
1次予防 WOS 30% AF/Tex 35% JUPITER 40%     残余リスクは60%程度ある
残余リスクの解決に関与する因子
さらなるLDL-C低下(TNT試験:LDL-C 77mg/dl)
TGの低下
HDL-Cの上昇
Small dense LDLの低下
レムナントリポ蛋白の低下
Non HDL-C低下
LP(a)の低下
脂質異常症以外の原因(糖尿病、高血圧など)の治療

IMPROVE-IT研究
ACSを対象とした大規模試験(n=18144)導入時のLDLレベルは50-120mg/dlと治療開始前にすでに正常のものをエントリー 7年後
シンバスタチンのみ 2742イベント 34.7%  vs シンバスタチン/エゼチミブ 2572イベント 32.7%
             LDL-C 66.9mg/dl vs 53.2mg/dl       併用群で有意に減少した

ODYSSEY OUTCOME試験 (抗PCSK9モノクローナル抗体)
ACS発症後、4-52週の患者 40才以上
LDL-C 70 mg/dl以上 ApoB≧80mg/dl Non-HDL-C ≧100 mg/dl
主要評価項目 冠動脈疾患死 非致死性心筋梗塞 脳卒中 狭心症による入院
n=9000 アリロクマブ 75mg 必要に応じて150mg
n=9000 プラセボ群                  64カ月観察
最初の4カ月で平均LDL-C 93.3mg/dl vs 37.6mg/dlと優位な差が その後48カ月でも101vs 54.7
推定発症率は12.5%vs14.5%であり有意な減少が

それでも残余リスクが・・・
TGの低下について
LDL-C値が低値でも高TG値は心血管リスクを増大させる

死亡、MI ACS再発率(30日間) LDL-C<70 TG<200 13.5% vs TG≧200 20.3%
                      n=2796人       n=603人
LDL-C至適管理下での中性脂肪値と冠動脈硬化の進展の関係
観察期間2年の冠動脈プラーク評価:4957例(7臨床試験)
       TG<200 LDL-C<70 TG>200 LDL-C<70 TG<200 LDL-C>70  TG>200 LDL-C>70
ΔPAV(%)  -0.2%        +1.0%       +0.2%        +1.2%
Q1:中性脂肪の介入タイミングと目標値
動脈硬化性疾患予防 ガイドライン2017年版
空腹時採血 JAS2017介入タイミング (TG>204mg/dl+低HDL-C)
ESC2016年 ガイドライン 治療目標値TG<150 中性脂肪介入のタイミングTG>200で考慮 
Class2a レベルB
AHA2018年 20歳以上で499>TG>175の場合はライフスタイル(肥満)や関連疾患(DM)への介入を検討
Q2:中性脂肪介入手段
日本 治療介入 高TG血症に対する薬物治療による動脈硬化性疾患発症予防に関して十分なエビデンスはない
   しかしながら、空腹時トリグリセライドが著明に上昇している症例では急性膵炎のリスクを考慮して、脂
   質制限や禁酒などの食事指導とともにフイブラート系薬剤などの投与を考慮する 推奨レベルB

CQ23 高TG血症と低HDL-C血症を合併する脂質異常症においてスタチンにフィブラート系、ニコチン酸誘導体、n-3多価不飽和脂肪酸の併用は動脈硬化性疾患の発症抑制に有効か?
EPA製剤・フィブラート系薬剤のスタチンへの併用療法は、動脈硬化性疾患発症抑制に有効である 
エビデンス2推奨レベルB

*ACCORD試験サブ解析 フィブラート系のスタチンへの追加投与はTG>204mg/dl以上かつ低HDL-C34mg/dl未満の動脈硬化性疾患発症を予防する効果が期待できる
JELIS試験
解析対象 18645例 総コレステロール250mg/dl以上
スタチン 9319例 スタチン+高純度EPA 1800mg/日
観察期間 5年間  冠動脈イベント累積発症率 有意に併用群で減少した
 
高TG血症は数多くの心血管系イベントリスク因子が随伴する
内臓肥満・血液凝固亢進・食後高脂血症・高レムナント血症・低HDL-C血症・small dense LDLの増加
血中レムナントに対するEPAの効果  プラバスタチン5-20mg/日 EPA 900-1800mg/日 平均30か月
      EPA/AA  RLP-C(6-8)
スタチン単独  0.5    12.7
スタチン+EPA 1.211   2.5  
レムナントは酸化変性を受けずにマクロファージに取り込まれる
酸化されずとも貪食される 内皮に入らずとも血中ですでに酸化されているものも存在する
近年、レムナントは酸化LDL以上に内皮機能障害を引き起こすLOX-1受容体の主要リガンドであると報告されている

ロドリガによるTG変化 LTG2g 4g EPA 1.8g/日
            10mg/d 22.9mg/dl  11.2 低下 

症例男性 冠動脈疾患  
治療前 TG 582 RLP 49.2 ロドリガ2g TG299 RLP 21 4g TG152 RLP 6.8
REDUCE-IT試験 2019年 スタチン治療中にもかかわらずTG高値のCV高リスク患者において,スタチン併用下における高純度EPA製剤投与がCVリスクを検証 8,179例の高リスク患者
一次エンドポイントは,CV死,非致死的心筋梗塞(MI),非致死的脳卒中,冠血行再建術,不安定狭心症の複合。
EPA群(2 g×2回/日)またはプラセボ群 追跡中央値4.9年
一次エンドポイント EPA群17.2% vs. プラセボ群22.0% NNTは,21(95%CI 15~33)。
おもな二次エンドポイント:CV死,非致死的MI,非致死的脳卒中など
EPA群11.2% vs. プラセボ群14.8%(HR 0.74; 95%CI 0.65~0.83; P <0.001)。NNTは,28(95%CI 20~47)。
2019年ESC/EAS ガイドライン
中性脂肪高値(135-499)のハイリスク例では多価不飽和脂肪酸製剤EPA2×2gをスタチン療法に組み合わせることを考慮する
Q3 高TG 空腹時 非空腹時? 欧州動脈硬化学会
心血管リスク評価に空腹時値は日常診療には必ずしも必要でない
日本 
空腹時 150mg/dl 非空腹時 175mg/dl以上
日本人におけるNon-fastingTGと心血管イベント
Q1 TG 29-83  1.00
Q2    84-114 1.00
Q3   115-166 1.49
Q4   167-1266 1.98倍  
非空腹時TGは167mg/dl以上がリスクに
まとめ
冠動脈疾患の残余リスクから考えられるポイント
ASCVDに対して、スタチンによるLDL-C低下療法後にも55-70%の心血管リスクが残存する
残余リスク介入として、スタチンとそれ以外の薬剤によるLDL-C値の更なる低下、TGがその標的となる
ω3系脂肪酸製剤はスタチンとの組み合わせの上で、脂質管理を介入した心血管保護に対する影響が期待される

 

2019-10-17 10:54:29

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お昼のWEB講演会 10月16日

炎症のケアが大切 次の診療から試したくなる効果的な咳への対処法
東京女子医科大学呼吸器内科学 教授 多賀谷悦子先生

一般外来における新患の主訴の割合 千葉・神奈川・埼玉の5か所の地域病院 60-400床
咳が夏・冬とも第一位 発熱 咽頭痛 頭痛 くしゃみ・鼻水 倦怠感 下痢 腹痛 吐き気 胸痛の順
急性咳嗽  3週     感染症による咳嗽
遷延性咳嗽 3-8週   感染症≒感染症以外の咳嗽
慢性咳嗽   8週以降 感染症以外の咳嗽

遷延性・慢性咳嗽の原因疾患
肺がん・間質性肺炎・結核   まず除外  
      ↓
喘息 COPD 咳喘息 副鼻腔気管支炎症候群 アトピー咳嗽 感染後咳嗽 GERD
咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019
3週間以上続く咳嗽
喀痰あり 副鼻腔炎・気管支拡張症所見 好中球性気道炎症 →あり 副鼻腔気管支炎症候群(SBS)
                                
14・15員環系マクロライド系抗菌薬
                                          8週間

喀痰なし
咳喘息            アトピー性咳嗽/喉頭アレルギー性(慢性) 胃食道逆流症(GERD) 感染後咳
気管支拡張薬著効を確認    ヒスタミンH1受容体拮抗薬        PPI 4-8週間     対症療法2週間
ICS(+LABA)2週間            2週間
 
咳喘息の診断基準
1 喘鳴を伴わない咳嗽が8週間以上持続
(3-8週間の遷延性咳嗽であっても診断できるが3週間未満は確定診断しない)
2 気管支拡張剤(β2刺激剤など)が有効

参考所見

1)末梢血・喀痰好酸球増多、FeNO濃度の高値を認めることがある(特に後2者は有用)
2)気道過敏性が亢進している
3)咳症状はしばしば季節性や日差があり、夜間~早朝優位のことが多い

咳喘息の重症度別治療方針
軽症                       中等度以上
症状は毎日ではない             症状が毎日である
日常生活や睡眠への妨げ<1回/週       日常生活や睡眠への妨げ≧1回/週以上
夜間症状<1回/週              夜間症状≧1回/週以上              
         ↓                        ↓
  中用量ICS(使用できない場合LTRA)       中~高用量ICS
 発作治療                        ±LTLA、LABA、LAMA、テオフィリン徐放剤
 吸入SABA屯用                     抗アレルギー薬
 効果不十分なら短期的                吸入SABA屯用
 経口ステロイド薬  
                SMART療法
                           効果不十分ならば治療開始時より経口ステロイドを数日間投与
 
咳喘息に対するICS/LABA配合剤の臨床効果 LABA単独療法との比較 吸入薬中止の影響の検討
対象 臨床的に咳喘息と診断された患者で未治療のもの
観察期間4週 治療期間 SFC(50/100×1)アドエアー12週
            SAL(100μg×2)サルタノール12週   投薬中止 24週

朝の咳スコアー0w 4w 8w 12W 16w 20w 24w 28w 32w 36w
LABA     6 4 3  3  3  4  4  5 6  6.5
SFC      6 2 1  1   1 1  1  2 3  4

夜も同様に変化
FEV1に対する変化
ΔFEV1(L) ー0w 4w 8w 12W 16w 20w 24w 28w 32w 36w
LABA     0 0.2 0.22 0.24  0.2 0.15 0.12 0.1 0.05 -0.05
SFC      0 0.1 0.25 0.281 0.3 0.25 0.28 0.2 0.15 0.1

末梢血好酸球
LABAに比べどの週においても好酸球%は優位に低下 LABA・SFCとも36週ではもどる
誘発喀痰中ムチン濃度
12週でSFCでLABAに比べ優位に低下 36週で戻るがLABAでは前値より増加
薬剤中止後のReplace
LABA 36週で100% SFCは36週で67%
咳喘息の治療戦略
コントローラーによる維持療法を早期から開始
  ICS/LABA
   ↓
  気道炎症の治療・気管支拡張
   ↓
 気道リモデリング、難治化の予防 喘息での移行を防ぐ

*症状改善後も気道炎症は残存しており、炎症マーカーをチェックし、十分な期間治療が必要である
吸入薬のアドヒアランスに対するアンケート
自己判断で吸入剤の吸入回数を増やしたり減らしたりした理由は?
         したことがある したことがない
吸入回数減らす   301(53.8%)  258(46.2%)

        ↓
  症状があるときだけ吸入すればよいから 33.6% お薬代が気になるから 19% 副作用心配 9%
喘息患者さんの74.4%が1日1回を、85.3%が1回1吸入の治療が理想的と回答
喘息を対象としたSalford Lung Study(SLS)
Salford Lung Study(SLS)の主な特徴
日常診療に近い環境を反映する患者集団 頻繁に診察せずに患者さんをモニタリング
膨大なデーター収集及び管理 試験期間中も通常の日常診療保証
日常診療においてかかりつけ医による治療を受けている、4,233人の喘息患者を対象。非盲検無作為化試験、レルベア(フルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)/ビランテロール(VI))100エリプタもしくは200エリプタの投与を開始した喘息患者の方が、通常治療を継続した患者と比較して、喘息コントロールの改善を達成した患者数が多いことが示された。通常治療とは、吸入ステロイド(ICS)単剤療法またはICS/LABA(長時間作用性β₂刺激剤)併用療法を含む。
主要な有効性解析では、コントロール不良な喘息患者を対象に、喘息コントロールテスト(ACT)における「喘息コントロールの改善」を達成した患者の割合を24週の時点で検討

結果、FF/VIの投与を開始した喘息患者(71%)の方が、通常治療を継続した患者(56%)と比較して高い割合で「喘息コントロールの改善」が達成された「喘息コントロールの改善」は、ACTスコアの合計が20点以上、またはベースラインから3点以上の改善と定義した。この結果は、12、40および52週の時点でも、同様に統計学的に有意。有害事象変わらず
ACTスコアーにおいて(息切れ、夜間症状、発作治療薬、活動制限、コントロール状態の自己評価)
特に夜間の症状が改善した

仕事の生産性(欠勤した時間の割合・仕事全体における喘息による障害の割合など)優位に改善
喘息予防・管理ガイドライン2018
ICS/LABA配合剤 FF/VI配合剤(レルベア)は1日1回のため高いアドヒアランスが期待でき、実医療下で行われた臨床実験において、他のICSおよびICS/LABAを含む通常喘息治療薬に比べて優れた症状改善効果が認められた
喘息の管理目標として、気道炎症を制御すること及びその評価方法が新たに明記された

1症状コントロール(発作や喘息症状がない状態を保つ)

1)気道炎症を制御する*
2)正常な呼吸機能を保つ(PEFが予測値の80%以上かつ日内変動が10%未満)

2将来のリスク回避
1)呼吸機能の経年低下を抑制する
2)喘息死を回避する
3)治療薬の副作用発現を回避する

*可能な限り呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)測定や喀痰好酸球検査で気道炎症を評価する
咳喘息・喘息の治療ポイント
早期に抗炎症治療として、ICS、ICS/LABAを十分量の投与を行う
吸入薬のアドヒアランスを高める
1日1回FF/VI 
症状改善・喘息による活動性障害改善 年間増悪率低下・SABAの処方数減少

2019-10-16 21:25:44

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お昼のWEB講演会 10月15日

エビデンスと病態生理から考える糖尿病治療戦略―GLP-1受容体作動薬の有用性についてー
学校法人慈恵大学参与 東條克能先生

DPP4阻害剤とGLP-1受容体作動薬は似て非なる薬である
1 投与時のGLP-1の血中濃度 
  DPP4阻害剤→食後生理的濃度の2-3倍
  GLP-1アナログ薬 →6-8時間程度の高濃度
2 作用機序
  DPP4阻害剤→消化管から分泌される内因性GLP-1およびGIPの血中濃度に依存
  GLP-1アナログ薬→皮下注射で投与したGLP-1アナログ薬が吸収され全身血中の濃度が高まることによる
3 作用経路
  DPP4阻害剤→インクレチンの門脈内血中濃度が最も上昇する
  GLP-1アナログ薬→主に大循環(動脈)血中濃度の上昇をもたらす
GLP-1受容体作動薬の長所
一般的
GLP-1の有する多面的作用(膵内および膵外作用)により治療効果を発揮する
基本的に食事時間に関係なく注射が可能であり、患者のQOLを改善し得る
特にデュラグルチドの有用性
優れた血糖降下作用
併用薬のしばりが少ない
肝障害・腎障害ともに慎重投与にも禁忌になっておらず、より広い患者層に使用できる
操作が簡単な1回使い切り製剤(アテオス)である
注射が容易で抗体出現頻度も低い
多忙で毎日の服薬が困難な患者、服薬コンプライアンスの良好でない患者、介護を要したり認知障害を有する患者などに有効な治療手段となりえる
早期から臨床に直結するGLP-1受容体作動薬の作用
1血糖依存性のインスリン分泌促進とグルカゴンの分泌抑制による血糖改善作用
2胃内容排泄遅延による食後高血糖の改善作用
3体重への影響

長期的に期待されるGLP-1受容体作動薬系の作用
1 心血管・腎臓への影響
2 中枢性神経への影響
3 肝臓への影響

GLP-1受容体作動薬の作用機序
長時間作用型 リラグルチド エキセナチド デユラグルチド
短時間作用型 リキセナチド エキセナシド
長時間型と短時間作用型の比較
                            長時間作用型        短時間作用型
インスリン分泌       ↑↑               ↓
グルカゴン分泌       ↓               ↓
胃排泄能遅延時間    →          ↑↑↑
食後血糖      ↗(上昇を抑制)   ↓(食前より低下)
GLP-1作動薬は
長時間作用型はインスリン分泌がある程度保たれていれば非肥満症例にも適応
短時間作用型は骨格筋が十分存在し BMIが高い症例 に向いている
*適応例について
膵β細胞温存例 グルカゴン負荷試験 ΔCPR 6分値 2.34以上 1.34以下は×
        C-ペプチドインデックス 1.86以上  0.93以下× 
 
ADA/EASD コンセンサスレポート2018
2-3剤の併用療法でHbA1C目標値未達成
 多くの場合、インスリンの前にGLP-1療法を検討(患者の好み、HBA1C、体重減少作用を考慮して薬剤選択)
 CVD合併例ではCVDに対する有用性が示された薬剤を考慮)考慮
インスリングラルギン対照SU/ビグアナイド併用第三相試験
デュラグルチド0.75mg・週1回 vs インスリングラルギン1日1回就寝前
目標血糖値70-110mg/dl インスリングラルギン 開始時 5単位→26週後 12.5単位
デュラグルチド (176名)vs インスリングラルギン(176名)
空腹時血糖変化量  34.3低下          37.8低下  有意差なし
HBA1C変化量 BMI<25 1.51低下         0.91低下  有意差あり
       BMI≧25 1.38低下         0.88低下  有意差あり
日本人2型糖尿病患者におけるデュラグルチドの薬力学的効果の検討
第4相試験 日本人12人
 4週間            4週間
プラセボ         →デュラグルチド0.75mg
デュラグルチド0.75mg  →プラセボ
食後負荷後4時間 1週目から有意に食後血糖下がる
血糖AUC  0-4h  1週 698±120 vs 904±168
          4週 653±92.4 vs 900±205
初回投与後6日間のCGM
1日平均血糖・標準偏差有意に低下 MAGE減少 低血糖70mg/dl未満の時間0 

生理的条件下 
大循環へ  →   → 筋肉 脂肪組織へ
 ↑半分のインスリン
肝臓(肝糖産生抑制)肝臓でのインスリン濃度2-4倍
 ↑インスリン ↑×グルカゴン
膵臓 グルコース・インクレチンホルモン・Central nervous System
 
インスリン皮下注射
皮下注射 タイムラグあり
大循環へ
→脂肪組織(インスリン感受性高い)
→筋肉
残りが肝臓へ グルカゴン抑制弱い 肝糖産生↑
 
糖尿病治療ガイドライン
食事運動療法→経口薬単剤療法→併用療法→Basal-supported Oral Therapy→insulin Basal-Bolus Therapy
今後 私見
BOTの前に 内服薬+GLP-1受容体作動薬
また BPT 基礎インスリン+GLP-1受容体作動薬も 体重の影響相殺 +食後血糖改善効果

 

2019-10-16 08:34:53

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伏見桃山城 城下町散歩 10月14日

伏見桃山城は修理中?中に入れず外からの眺めるだけで・・伏見桃山駅周辺を散策

このあたりは商店街を含め風情があります。坂本龍馬通りを歩き、寺田屋、全国有数の酒処を見学し、

三十石舟(伏見と大坂を結んでいた)の船着場から柳並木に挟まれた側道も歩き約2時間(三十石船は
運航していなかったので十石舟を見学して)・・
帰りに酒饅頭を購入し帰路へ

2019-10-14 16:07:52

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台風通過後の中之島散歩 10月13日

診療所に行くついでに中之島バラ園へ散策へ 

水都フェス2019年が・・約1時間ゆっくり散歩して終了 診療所へ

夜は娘の希望で宝塚の一蘭さんへ家族3人で
7時頃は超満員 外にも行列が・・約30分待ちラーメンを食べ・杏仁豆腐も・・娘は満足して帰路に

2019-10-13 14:07:19

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今年のノーベル生理学・医学賞 10月11日

コーヒータイム 

ノーベル財団は2019年10月7日、2019年のノーベル生理学・医学賞の受賞者に、細胞が酸素レベルを感知し、応答する機構を解明した米国と英国の研究者3人を選んだと発表されました。
今年のノーベル生理学・医学賞の受賞者は、米Harvard Medical SchoolのWilliam G. Kaelin Jr氏、米Johns Hopkins UniversityのGregg L. Semenza氏、英University of OxfordのPeter J. Ratcliffe氏の3人。
3人の研究者による研究成果は、動物における酸素濃度の変化への適応に関する研究。細胞が酸素濃度の変化を探知し、適応していく際の機序を解明した。造血ホルモンであるエリスロポエチン(EPO)遺伝子の制御機構を解き明かすとともに、酸素濃度に応じて遺伝子発現制御を行うHIF(Hypoxia-inducible factor:低酸素誘導因子)を同定し、そのメカニズムの解析を進められました。
これまでの酸素応答研究のあらまし(H Shimizu記事引用)
酸素は動物に不可欠で、ほぼしべての動物細胞の中にあるミトコンドリアでエネルギー(ATPなど)を作っているが、1931年にノーベル医学賞を受賞したオットー・ウオーバーグはこのエネルギを作るときに酸素が必要であることを証明した。首の両側の大きな血管のそばにある頸動脈小体では、血液中の酸素濃度を感知し、脳と直接交信することで、呼吸数が制御されていることを発見したハイマンス博士も1938年にノーベル医学賞を・・赤血球の産生を促進するホルモンであるエリスロポエチンの重要性は20世紀初頭にはすでに知られていたが・・どのようにして制御されているかは知られていなかった。
今回の受賞研究のあらまし
Gregg L. Semenza氏はEPO遺伝子と、それが様々な酵素濃度によってどのように調節されてきたかを研究されました。Peter J. Ratcliffe氏も同様のテーマを研究し、両グループは、EPOが正常に産生される腎臓細胞だけでなく、すべての組織に酸素感知機構があることを見出しました。Semenza博士はその後の研究で分子メカニズムをさらに詳細に解明して、低酸素誘導因子(HIF)を同定した。*HIFは、2つの異なるDNA結合蛋白質(現在HIF-1αとARANTとよばれている)で構成されている。酸素濃度が高い時は、細胞内にHIF-1αがほとんどないが、体内が低酸素状態に陥ったときにHIF-1αの量が増加して、EPO遺伝子や他の遺伝子の部分に結合して量を増やすことができる
多くの研究グループは通常の状態では、HIF-1αは、急速に分解へと導かれるが、低酸素状態では分解されないことを示しました。具体的には蛋白質の目印であるユビキチンという小さなペプチドが酸素がある状態に限ってHIF-1α蛋白質に付加される。しかしユビキチンがどのようにしてHIF-1αに酸素依存的に結合するかはわかっていなかった
William G. Kaelinは全く別の研究から答えを出した。がん研究者であるWilliam G. Kaelin博士は遺伝性症候群であるVon Hippel-Lindau病(VHL)を研究していた。VHL遺伝子が癌の発症する予防蛋白質を作ることを発見しました。正常に機能すVHL遺伝子をもたないがん細胞では異常に高いレベルのHIFがあることを示した。この状態でVHL遺伝子をがん細胞に注入すると、HIFは正常レベルに戻った。この結果はVHLが低酸素に対する反応制御に何らかの形でかかわっていることを示す重要な手がかりになり、その後Peter J. Ratcliffe研究グループがVHLがHIF-1αをユビキチン化していることを証明した
2019年ノーベル賞のまとめ ノーベル財団の資料より
正常の酸素状態では酸素から作られるヒドロキシ基(-OH)がHIF-1αに付加され、それらを目印にVHLが結合して、HIF-1αに分解する目印になるユビキチンがつき、細胞内のプリテアソームで分解される 一方低酸素状態ではヒドロキシ基(-OH)がHIF-1αにつかないので、VHLも認識できず、HIF-1αは分解されない。HIF-1αは核内に入り、低酸素応答に重要な他の遺伝子をONにする
この研究のおかげで大学の研究室や製薬会社は酸素感知装置を活性化したりまたは遮断することで、いろいろな病態に対する薬開発に取り組んでいる
ます実用化される薬としてHIF-PHDを阻害する薬剤の開発が全世界で進んでいる。HIFの分解を抑制してHIFを安定化させることで、低酸素状態への対応に必要な様々な蛋白質を活性化することができるのではないかと考えられている。 HIF-PHD阻害薬によって活性化されるタンパク質としては、エリスロポエチン(EPO)や鉄代謝関連因子などがあり、腎性貧血治療薬として開発が進んでいる。腎性貧血に対しては、EPOの誘導だけでなく、鉄代謝関連因子も同時に刺激することで鉄利用効率が高まることから、EPO製剤で改善しない貧血への有効性も期待されている。
日本ではこの9月、アステラス製薬が「透析施行中の腎性貧血」の適応で、HIF-PHD阻害薬ロキサデュスタット(商品名:エベレンゾ)の製造販売承認を取得しており、年内にも発売される見込み。
*HIF-PH阻害薬とエリスロポエチンの違い 経口薬(注射役でない)投与法が簡便 室温保存が可能 鉄代謝を調節するヘプシジンにも作用して効率よく赤血球産生

 

2019-10-12 06:32:34

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