内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
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臍帯血移植 12月17日

尊敬する伯父様が逝去された。教授として造血幹細胞の研究臨床に携われ、特に骨髄移植(臍帯血移植)に尽力され、教授時代に臍帯血バンクを発展させ、近畿臍帯血バンクを生み出されるなど新しい部門、新しい創始者として活躍されました。教授退官後も病院での診療、厚生労働省の再生医療プロジェクトなど82歳まで現役で医師、研究者として人生をささげられました。入院中も自分の事(病気の痛みや恐怖に対しても真摯に向き合われ)は二の次、闘病中も周りに気を使われ、最後まで医師として生きられた。私のような凡人医者にはとてもまねのできない人生を送られました。伯父様が尽力された臍帯血移植について少しふれてみようと思いました
臍帯血移植とは?臍帯血バンクの仕組みや適応疾患に  2017年 虎の門病院血液内科 部長 内田 直之 先生から
臍帯血移植とは赤ちゃんとお母さんを結ぶ「へその緒」から取れる血液を使って、白血病や再生不良性貧血などの血液の病気を治療する手段。日本では1999年に臍帯血バンクが発足してからさかんに行われ、日本の臍帯血移植件数は世界で最も多く、年間1,200〜1,300件ほどです
臍帯血移植とは? 造血幹細胞移植の一つ 臍帯血移植とは、骨髄移植・末梢血幹細胞移植などの造血幹細胞移植の一つ。(造血幹細胞移植についても含める)
臍帯血移植の適応疾患 白血病や再生不良性貧血に有効
臍帯血移植は他の造血幹細胞移植と同様
<おもな臍帯血移植の適応疾患> 再生不良性貧血などの骨髄不全 白血病、リンパ腫などの血液の悪性腫瘍 骨髄不全とは何らかの理由で骨髄内に正常な造血幹細胞がなくなってしまい、血液が作れなくなってしまう疾患。また一方で血液の悪性腫瘍の場合、治療のために大量の抗がん剤や放射線を使うと、悪性腫瘍だけでなく正常な造血幹細胞までも死滅し、血液が作れなくなります。そこに造血幹細胞移植をすることで、造血幹細胞を補い、正常に血液を作れるようにします。なかでも最も多く臍帯血移植が用いられている疾患は白血病です。
臍帯血移植の治療方法 移植にかかる時間はほんの10分程度

白血病の場合、臍帯血移植は白血病細胞を死滅させるための大量抗がん剤、放射線治療のあとに行われます。これらの治療は移植前治療と呼ばれます。移植前治療の後なぜ造血幹細胞移植が必要になるかというと、移植前治療後の患者さんの体内では治療によって白血病細胞だけでなく、患者さんが元来持っていた正常な造血幹細胞も死滅してしまっているからです。その後いよいよ臍帯血移植を行います。臍帯血移植は外科的な移植手術とは異なり、治療自体はものの数分で終わってしまいます。臍帯血バンクから冷凍された状態で届いた臍帯血を37℃の恒温槽に入れて溶かし、患者さんの血管内に注入します。臍帯血は20cc程度と非常に少量であるため、移植自体はおよそ5分で完了してしまいます。
臍帯血移植には3つの山がある 白血病の患者さんにとって治療の山場となるのは移植そのものではなく、むしろ移植前治療が始まってからの数週間〜数か月です。白血病の患者さんに臍帯血移植をはじめとする造血幹細胞移植を行う場合、大きく3つの山があるといえます。
抗がん剤・放射線の大量投与によるダメージ

白血病の治療では白血病細胞を死滅させるために移植前治療(大量の抗がん剤・放射線)を患者さんに投与します。移植前治療は1週間ほど行われます。これらの治療を行うと下記のような症状が現れることがあります。
<抗がん剤・放射線の大量投与による主な副作用> 口内炎 下痢 食欲低下 脱毛 など
白血球が死滅してしまったことによるダメージ

抗がん剤・放射線による移植前治療が完了すると、白血病細胞の多くは死滅してしまいます。それと同時に赤血球・白血球・血小板など、人が生きていくために必要な血液細胞も死滅してしまいます。特に白血球は体内に入った細菌を攻撃し排除する役目を持っているため、死滅してしまうと肺炎や敗血症などの感染症にかかりやすくなります
死滅した血液細胞を新たに作り出すために臍帯血移植が行われますが、移植した細胞が定着し、十分数の血液細胞を増やすまでには2〜3週間の時間がかかります。移植した細胞が定着し血液細胞数を増やすことを「生着」といいます。生着までの2~3週間は患者さんにとって苦痛の多い期間になります。私たちは抗生剤などで適切な治療を行いながら白血球が増加するまでのケアを行います。
生着した白血球が異物反応を起こすことによるダメージ

移植から2~3週間後、晴れて血液細胞が生着すると、次に懸念されるのが生着した白血球による異物反応です。生着した白血球は移植されたものであり、元来患者さんの体に備わっていた白血球ではありません。そのためこの白血球にとって、体内にある細胞が「異物」と認定されます。白血球は体内に入った異物である細菌を攻撃し、排除するのと同じく、異物と認識したものを攻撃します。この異物反応のことを「GVHD」といいます。
GVHD(移植片対宿主病)とはGVHDとは日本名で「移植片対宿主病」といいます。それぞれ下記の単語の頭文字で構成されています。

<GVHDとは?> G(graft)=移植片* V(versus)=対 H(host)=患者 D(desease)=病気
先程も述べましたように、GVHDでは移植された白血球が患者さんの体内にあるものを「異物」とみなし、攻撃してしまいます。*移植片……体から採取した正常な組織のこと。
GVHDの種類

GVHDには大きく分けて2つの種類があります。
急性GVHD 血液細胞の生着から間もなくして起こり、重篤な症状をもたらします。
慢性GVHD 移植後3か月以上経過してから起きる症状です。皮膚が固くなり、膠原病のような症状を起こすなどが挙げられます。
急性期GVHDの症状

急性期GVHDは実にさまざまな症状を引き起こしますが、特に現れやすい症状は下記の3つであるといわれています。
<GVHDによって現れやすい症状> 皮膚の発赤 胃や腸を攻撃されたことによる水様の下痢 肝臓細胞の破壊による黄疸 など
生着前から管理を行う そこで移植前日からGVHDを抑える薬を投与し、生着後も様子をみながら治療します。これらの症状が落ち着くまでには最低でも2か月ほど期間がかかります。
GVL反応 GVHDは重篤であれば死に至ることもあり、厳重な管理が必要です。しかしながら、この反応は白血病の患者さんにとって必要なものであるともいえます。なぜなら、生着した白血球は患者さんの体内にある生存に必要な正常細胞を攻撃するだけでなく、抗がん剤・放射線治療を以てしても死滅させることのできなかった白血病細胞を攻撃し、死滅させるはたらきを持っているからです。このはたらきのことを「GVL効果*」あるいは日本語で移植片対白血病・リンパ腫・骨髄腫効果といいます。

難治性の白血病細胞は大量の抗がん剤・放射線治療を投与しても0にすることはなかなかできません。そして残っている白血病細胞がある限り、時間が経過したあと再発してしまう恐れがあります。しかし、移植によって生着した白血球が残った白血病細胞を攻撃し、体内に残る白血病細胞を0にしてくれるのです。そのため軽度のGVHDが起こることは、GVL反応が起き、白血病の再発を防ぐために有用であるといえます。*GVL反応……graft(移植片)versus(対)leukemia(白血病)の頭文字をとったもの
臍帯血移植のメリット
ドナーにかかる負担が少ない HLA型が完全に一致していなくてもよい 短期間で移植片が手に入る 慢性GVHDが少ない
ドナーにかかる負担が少ない 臍帯血は分娩時に切り離したへその緒から採取されますので、赤ちゃんやお母さんには痛みや苦痛がありません。その一方、臍帯血移植以外の造血幹細胞移植では少なからずドナーに侵襲が及びます。 たとえば骨髄移植ではドナーに数日間の入院と全身麻酔が必要となります。このようにドナーへの負担がないことは臍帯血移植の大きなメリットといえます。
HLA型が完全に一致していなくてもよい 大人のドナーから造血幹細胞移植を行う場合にはHLA型*が完全に一致していることが望ましいといわれています。しかし、臍帯血移植の場合には赤ちゃんの血液を移植しているため、HLA型が完全に一致していなくても、一部合致していれば移植可能であるといわれています。 そのため移植可能な移植片をみつけることが、他の移植と比較して容易であるといえます。

HLA型とはHLA型(Human Leucocyte Antigen)とは「ヒト白血球抗原」と呼ばれ、8つの抗原を2組4座で組み合わせて構成されています。HLA型は両親から半分ずつ遺伝します。そのため兄弟同士で移植を行う場合、4分の1の確率でHLA型が合致し、移植が可能になるというわけですHLA型が合致していないとどうなる?HLA型が合致していない場合、患者さんの体内に入った白血球が強く反応を起こし、 GVHD(移植片対宿主病)が強く現れてしまう恐れがあります。特に成人したドナーから移植片をもらう骨髄移植や末梢血幹細胞移植の場合には、HLA型が完全一致したドナーからの移植が望ましいといわれています。そのためドナーをみつけることが難しいという側面があります。一方臍帯血移植では生まれたばかりの赤ちゃんの血液を移植するので、HLA型が完全に一致していなくても移植することができます。そのため臍帯血移植を希望する患者さんのうち、95%程度は移植できる臍帯血に出会うことができます。
短期間で移植片が手に入る

白血病は重篤な場合、数日で白血病細胞が激増してしまうこともあり、早急な治療が必要になることもあります。しかしながら、たとえば血縁者からの移植が難しく、骨髄バンクから移植片を受け取る場合には、申請から5か月程度時間がかかります。このような場合、臍帯血移植が可能になる前は、移植を諦め、抗がん剤や放射線のみで治療せざるを得ないこともありました。
臍帯血バンクでは2017年現在常時1万点ほどの臍帯血を備蓄しています。そのため病院側の申請からおよそ2〜3週間で、患者さんのもとに臍帯血を届けることができます。
慢性GVHDが少ない 臍帯血移植は比較的慢性GVHDが少ない傾向にあるといわれています。
臍帯血移植のデメリット

また、一方で臍帯血移植には下記のようなデメリットが見受けられます。
生着までに日数がかかる

臍帯血移植は、他の造血幹細胞移植と比較してやや生着までに時間がかかる傾向があります。他の造血幹細胞移植では2週間ほどで生着するのに対し、臍帯血移植では生着するまでに3週間ほどかかるといわれています。
生着までの期間は白血球が激減しており、感染症にかかりやすいため、慎重に管理していく必要があります。
体の大きい方には造血幹細胞の数が足りない

臍帯血は他の造血幹細胞移植に用いられる移植片と比較すると、一度に移植される造血幹細胞が少量となります。そのため体重が90kgを超えるような体の大きい方の場合には移植された造血幹細胞の数が少なく、生着に普通より時間がかかることがあります。
白血病に苦しむすべての患者さんへ 患者さんに合わせた治療を考える

白血病にはいくつかの治療方法があります。それぞれにメリットやデメリットがあり、どれを選んだらよいか迷う患者さんやご家族の方も多いのではないでしょうか。しかしすべての患者さんに臍帯血移植がベストの選択肢であるとは限りません。それぞれの患者さんに合わせた治療を考え、提案するよう心がけています。
改めて、臍帯血移植とは?
以前は上記2つの造血幹細胞移植を以てしてもHLA型の合致する骨髄や末梢血幹細胞に出会えず、移植が必要であるにもかかわらず行えない患者さんもいらっしゃいました。そこで臍帯血移植という第三の造血幹細胞移植が誕生しました。臍帯血移植とは赤ちゃんのへその緒の中に含まれる「臍帯血」を患者さんに移植する治療方法です。
臍帯血とは? 赤ちゃんとお母さんを結ぶ「へその緒」に含まれる血液
臍帯血とは、赤ちゃんとお母さんを結ぶ「へその緒」に含まれる血液です。臍帯血は長らく分娩後破棄されていました。しかし1982年、京都大学医学部の中畑龍俊先生が赤ちゃんの血液には造血幹細胞が多く含まれているということを発見、1988年にはフランスで世界初の臍帯血移植が行われました。日本に臍帯血バンクが設立されたのは1999年で、2017年現在18年が経過しました。
臍帯血バンクの仕組み 提携している産婦人科にて採取
臍帯血移植に用いられる臍帯血は、臍帯血バンクと提携している産婦人科にてご家族の承認を得た場合に採取されます。分娩後に切り離したへその緒から採取されますので、赤ちゃんやお母さんに痛みはありません。産婦人科にて採取された臍帯血は細胞が傷む前に臍帯血バンクに搬送され、凍結保存されます。
臍帯血は常時1万点ほど備蓄されている
近年、臍帯血移植を行う件数が増えてきました。治療件数が増えると、「臍帯血が足りなくなるのではないか」と懸念する方もいらっしゃいますが、今のところその心配はありません。
2017年現在、臍帯血バンクでは常時1万点ほどの臍帯血が保管されています。病院で患者さんに移植が必要と判断された場合、ほとんどの方で臍帯血バンクへの申請からおよそ2〜3週間で臍帯血を用意することができます。
造血幹細胞移植、行われる比率や治療成績は?
偏りがなく、すべての移植が利用されている
血縁ドナーからの移植、骨髄バンクドナーからの移植、臍帯血移植は2017年現在、すべて合わせて年間3,000〜4,000件ほど行われており、その比率はおよそ1:1:1です。造血幹細胞移植が必要になった場合、最初に検討されるのはご兄弟など血縁関係にある方からの骨髄・末梢血幹細胞移植です。これに該当する方がいらっしゃらなかった場合、次に検討されるのは骨髄バンクによる非血縁者からの骨髄・末梢血幹細胞移植です。骨髄バンクに患者さんに合致するHLA型のドナーがいない場合や、患者さんの容態が悪く骨髄バンクからの移植片の提供を待つ猶予がない場合(骨髄バンクは移植片の提供に平均5か月ほど時間がかかる)には、臍帯血移植を検討します。
治療成績はどれもほとんど変わらない
2017年現在、造血幹細胞移植はどれを選択しても治療成績に大幅な差はありません。実は臍帯血移植が始まったばかりの2000年前半は、他の造血幹細胞移植と比較して臍帯血移植後は合併症に罹患する割合が多いといわれていました。しかし治療方法が確立してから18年が経過した現在では、知識や経験などの蓄積もあり他の造血幹細胞移植に引けを取らない治療成績を誇っています。
ここ数十年で血液疾患の医療の進歩は目覚ましいものがあると思います その大半にかかわってこられた人生は素晴らしい人生であったと・・
ご冥福をお祈り申し上げます 

 

2018-12-18 08:35:27

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南医師会(東医師会)合同ゴルフコンペ 12月16日

東医師会のゴルフコンペがなくなり、現在は(私ゴルフ部副部長?)は南医師会のゴルフコンペに
年2回参加させて頂いております 今回東医師会から4人参加
の合計16人でのコンペ

コースはABCゴルフクラブ(マイナビチャンピオンシップが毎年開催される名コース)で
前半はまあまあのスコアーで優勝も狙えるスコアーでしたが名物ホール18番 池越えのロングコースで
まさかの11で撃沈しました ニアピン2つと5位の参加賞いただき帰路へ


名物のカレーラーメンおいしかったです
 

2018-12-16 19:05:42

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第36回大阪糖尿病研究会 12月15日

第36回大阪糖尿病研究会を聴きにガーデンシテークラブ大阪に行ってきました
腎症の克服を目指した糖尿病治療戦略 旭川医科大学名誉教授 AMC西梅田クリニック理事 羽田勝計先生
糖尿病腎症の第一人者(去年は高齢者糖尿病治療ガイドラインの作成をされました)阪大糖研の大先輩であり現在はAMC西梅田クリニックで上司に 前回もお話を聞かせて頂いたので・・復習も兼ねて
今回は滋賀医科大学糖尿病グループの歴史も教えて頂きました。
滋賀医科大学内科学講座(内分泌代謝・腎臓・神経)は、大阪大学第一内科糖尿病グループの繁田幸男先生が初代教授として昭和53年4月に開講され、昭和53年10月の附属病院の開院に伴い、第3内科として診療を開始されたそうです。研究については、原納先生のケトン体の簡易測定法の開発グループ、吉川先生のインスリンおよびインスリン受容体異常症の解析など、インスリン作用に着目した研究グループ、折田先生の腎臓グループにわかれており羽田先生は吉川先生の下で研究されていたそうです
シカゴ大学留学中はC-ペプチドアッセイの研究、HbA1の開発などをされておられ、膵臓β細胞のインスリンを中心に研究されたのち滋賀医科大学に戻ると研究室が様変わりをしており吉川教授のもと大血管症グループ、神経障害、腎臓グループ、インスリングループとなっており、羽田先生は行くところがなく、しかたなくβ細胞の研究から腎症の研究にかわられたそうです。
糖尿病性腎症は良くなる?
アルブミン尿が消える(早期腎症)通常の外来診療で早期腎症の寛解が6年で約50%に期待できる 寛解した症例ではGFR低下が抑制され心血管腎イベントの発生も抑制できる(8年)
微量アルブミン尿を寛解に導くには?
1定期的に尿アルブミンを測定し、微量アルブミン尿が出現したらすぐ治療する(早期診断早期治療が重要)
2レニンーアンギオテンシン系阻害薬を使用する
3血糖コントロールを良好に保つ(HbA1C<7%)
4収縮期血圧を管理する(SBP<130mmHg)

顕性アルブミン尿も寛解する GFR>30でACR>300mg/gCr 1年以上通院した211名
5年で累積寛解率48% 顕性アルブミン尿の寛解には治療1年間でのSBP・血糖コントロール目標値達成率が重要であるHbA1C<7% SBP<130mmHg
糖尿病性腎症の主要評価項目は現時点でも2項目のみ
1尿アルブミン値 尿蛋白値 2糸球体濾過量(GFR)
問題は微量アルブミン尿が測定されていないこと 滋賀医師会データー
2000年 21.7%(病院30% 診療所 15%)2012年で37.2%(病院43.8% 診療所26.8%)
旭川医科大学では強化月間9月10月11月を検査に加えるようにした また誕生日月検査も
GFRは加齢により低下する 我々の糸球体は1時間に2-3個失われる
加齢によりGFRは1ml/分/年で低下する 人は200万個の糸球体で100ml/分の濾過を行っている
1ml/分は糸球体2万個の濾過に相当する 2万個÷365日÷24時間=2.3個/時間
1型糖尿病 正常アルブミン尿症例(eGFR>60)の約10%でGFRが正常の加齢現象を越えて低下する
EarlyProgrresive Renal Decline GFRの3.3%/年以上の低下し やがて末期腎不全にいたる
正常アルブミン尿→10%→微量アルブミン尿→25%→顕性アルブミン尿50%→末期腎不全 10-15%
2型糖尿病 正常アルブミン症例(59例)微量アルブミン症例(52例)の過去の腎生検組織再評価
組織を3つに分類 1正常組織 2 糸球体病変中心(典型的) 3 尿細管間質病変中心(非典型的)
2型糖尿病の正常アルブミン尿症例でも典型的な糖尿病性糸球体病変を有する症例が存在する
典型的な糖尿病性糸球体病変を有していた症例ではその後GFRが低下しアルブミン尿も増加する(11年間
追跡できた37例の2型糖尿病)eGFR現象速度 -4.11 vs 正常型 非典型例 -1.08 -1.69
2型糖尿病正常アルブミン症例にも典型的な糖尿病性腎症病変を呈する症例が存在しその様な症例ではGFRが
正常の加齢現象を越えて低下する 微量アルブミン尿の臨床的有用性はかくりつしているがGFRの年次推移の評価とともに糸球体病変を反映する新たなバイオマーカーの開発が必要である
血中TNF受容体高値が糸球体病変の予測因子である (Pima Indians)
血中の炎症マーカー値が倍増すると腎アウトカムが増加する(ACCORD VA NEPHRON D)
TNFR1 TNFR2 KIM1など

エビデンスに基づいた糖尿病性腎症に対する治療戦略 
1生活習慣の改善 減量 運動 蛋白 食塩 アルコール制限 禁煙
2高血糖の是正 厳格な血糖コントロール(HbA1C<7%)
3糸球体高血圧是正 レニンアンギオテンシン系阻害剤(ACE・ARBなど)
全身血圧の管理 目標血圧 130/80以下 (長時間作用型Ca拮抗薬 利尿剤)
4 血清脂質管理 スタチン 5 蛋白制限食(0.8g/kg/日)

*2018年版ガイドラインには3にSGLT2阻害剤 6としてDPP4阻害剤やGLP-1受容体作動薬も入るか?
厳格な血糖コントロールで腎症の発症進行は抑制できる(2型糖尿病メタ解析)
微量アルブミン尿 顕性アルブミン尿においても
50才以上糖尿病症例 KIM1のHBA1C値と総死亡 27965例の retrospective cohort研究
7-7.5%でUカーブ現象が BGとSU インスリン+経口薬において
糖尿病性腎症に対して血圧はどこまで下げるか?
ADVANCE研究(達成された収縮期血圧値と腎エンドポイント)106まではさげても腎保護効果あり
ONTARGET再解析 脳卒中を除き収縮期血圧を薬剤で下げ過ぎるとあまりよくない心血管死 心筋梗塞 など
RAS阻害剤その併用は腎症には有効であるが総死亡は減らさない (Network メタ解析)
腎症を寛解しかつ総死亡を減らすためには集約的治療を継続することが重要Steno2研究
8年間集約的治療行うとその後5年後に総死亡に有意差が

J-DOIT3においても腎症に対して31%抑制のデーターが?
地道な努力はいや?1粒飲めば腎症が良くなる薬はないのか?
インクレチン関連薬(各研究で心血寛イベントは非劣性)SAVOR-TIMI研究でアルブミン尿改善効果が
しかし腎複合エンドポイントの抑制は示されていない
GLP-1受容体作動薬は糖尿病性腎複合エンドポイントを抑制下(LEADER試験)しかし量が8mg日本の2倍
SGLT2阻害薬
糖尿病性腎症の成因のひとつは糸球体高血圧 糸球体濾過過剰尿アルブミン尿が生じる
主病変 輸入細胞脈拡張 治療法 輸出細動脈拡張RAS阻害剤
糖尿病で輸入細動脈はなぜ拡張するのか?
1 Vascular Hypothesis(輸入細動脈拡張は血管拡張物質による)輸入細動脈拡張是正COX2阻害剤NO阻害剤
2TGFの破綻
Tubuloglomerular Feedback(TGF)の糖尿病状態による破綻とSGLT-2 阻害による正常化
仮説 生理的環境下では,マクラデンサは到達したNaCl 量を感知し,GFR を保つため輸入細動脈の抵抗を調節し,恒常性を維持する.しかしながら,高血糖状態では尿グルコースの濾過量が増加し,SGLT-2 を介してNa+/グルコースの供輸送が亢進し,結果としてマクラデンサに到達するNaCl 量は低下してしまう.これは結果として,GFR は増加しているにもかかわらず,マクラデンサからはGFR が少ない状態であるといった,誤ったメッセージを伝えることとなる(TGF の破綻)
高血糖状態でのTGF活性化を SGLT-2 阻害薬は SGLT-2 阻害によるNa+/グルコースの供輸送抑制,マクラデンサへのNaCl の供給増加,TGF の破綻の是正を介して輸入細動脈は収縮し抵抗が増加する,結果としてGFR 維持機構の正常化が得られる

ARB投与初期(3か月)にGFRが低下する症例の方が長期のGFRの低下速度は穏徐である(RENNAL研究)
SGLT2阻害剤でも初期にGFRが低下しその後回復する Initial dip の存在
EMPA-REG研究 省略も腎複合エンドポイント優位に改善 CANVAS研究も同様
*その逆の研究もあり 122363例でPopulation-based コホート研究)
10年後の腎不全 心筋梗塞 心不全が高くなった 安全性評価には10年以上の観察が必要

現在治験中の藤尿病性腎症の治療薬(海外含む)
RAS阻害 血管作動性物質阻害 ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬
エンドセリン受容体(ET-A)拮抗薬
レニン阻害剤
AGE産生阻害 ピリドキサミン
SGLT2阻害剤 カナグリフロジン
抗酸化/抗炎症 JAk1/2阻害薬
Nrf2活性阻害剤
VAP-1阻害剤 PDE-5阻害剤 NDPHoxidase阻害薬

フィネレノン(MRA)が投与量依存性にアルブミン尿減少させる(早期+顕性腎症)
アトラセンタ(ET-A拮抗薬)がにアルブミン尿減少させる(顕性腎症) PADAR研究
Nrf2活性阻害剤は2型糖尿病GFR低下例(eGFR20-45)においてeGFR上昇させる(sCrを低下させる)
BEAMトライアル(Phase2)
*Nrf2活性阻害剤 Nrf2は主に炎症を増悪させるサイトカインであるインターロイキン6(IL-6)やインターロイキン1β(IL-1β)の遺伝子の発現を阻害することで、炎症を抑えている BEACON試験で、同剤による心不全の発現リスクが確認され、安全性上の懸念が生じたことから、中止されたが効果が期待されるのでデザインをかえて日本での治験スタート予定
*スプリング8で糸球体構造などを解析している 糖尿病は全層にわたり糸球体肥大している SGLT2阻害剤で
腎肥大、メサンギウム細胞拡大低下 尿細管障害改善も糸球体肥大抑制はできない大きくなる

質問 SGLT2阻害剤でなぜ糸球体が大きくなるのか?
   推論 輸入細動脈収縮させ糸球体小さくするはずが レニンアンギオテンシン系が活性化し
    輸出細動脈をひらき糸球体内圧上昇する?なぜかわからないが
  腎臓におけるインスリン作用は?
  メサンギウム細胞にはインスリン受容体はない 尿細管のみ存在するが・・
  近位尿細管では解糖系酵素がない? 近位尿細管はブドウ糖を使ってはならないところ、通過させるところ
  FFAやアミノ酸でエネルギー供給する(遠位尿細管はブドウ糖使う)したがって近位尿細管ではインスリンは働かない   
  であろう

 

2018-12-16 05:11:59

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WEB講演会 12月14日

ジェネラリストに知ってほしいがんの基礎知識    日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科 勝俣載之先生
がんの疫学、検診の基礎知識 腫瘍内科医の役割 がん治療の考えかた
日本人のがんの統計
罹患数 2017年   1014000人  死亡数 2017年   378000人   5年生存率 62.1%
74歳までにがんに罹患する確率54% 74歳までにがんで死亡する確率 20.2%
2人に1人はがんになり、5人に1人はがんで亡くなる
がん年令調整罹患率/死亡率 がんの罹患率は増加しているが、死亡率は低下している
男性は 肺がん、大腸がん、前立腺がん増加
女性は 乳がん、大腸がん、肺がんが増加

がん医療の常識・非常識
日本の常識
がんは切ったら治る病気、切らなければ死ぬだけ
早期発見、早期治療が大事
検診をしておけば大丈夫
世界の常識
がんは切っても治らない、切らなくても共存ができる
早期発見、早期治療ができるのは一部のがん
検診が有効なのは一部のがん
がん検診のメリット デメリット
メリット   がんの早期発見 がんの死亡低下
デメリット  過剰診断 過剰治療 偽陽性、過剰精密検査 コスト↑
      死なないがんを過剰にみつける? 健診診断がんの31%が過剰診断?
検診は早期がんの数が増えただけ→ほっておいても大丈夫ながんが増えただけ?
乳がん検診のメタ解析
8つのRCT、600000人、13年追跡での乳がん死亡数
非検診群 747人/318515=0.23%
検診群 558人/297812=0.18%
RR of 0.81 (95% Cl 0.74-0.87)
ARR=0.23-0.18=0.05% NNT=1/0.0005=2000人
過剰診断、過剰治療 30%

2000人検診を受けると1人乳がん死亡を減らし、200名の偽陽性、10人に過剰診断治療
検診が有効ながんと無効ながん
検診でみつかるがん
      急速ながん
        のんびりながん
          超のんびりながん  過剰診断されたがん
                    進行しないがん
急速ながん 血液腫瘍 一部の固形がん(乳がん、胃がん、大腸がんなど)
のんびりながん(検診で有効ながん) 一部の固形がん(乳がん、胃がん、大腸がんなど)
超のんびりしたがん 進行しないがん 前立腺癌 甲状腺がん 一部の固形がん

がん検診正しく理解していますか?
米国のプライマリーケア医412名での調査
69%の医師は検診ががん早期の発見を増やし、がん生存率を改善すると誤解
23%の医師が、検診は一般市民のがん死亡率を減少させるためと正しく理解
がん検診のリードタイムバイアス
検診なし 67歳でがんと診断 70歳で死亡
     癌発症 5年生存率 0%
検診あり 60歳検診でがんと診断 70歳で死亡
     癌発症 5年生存率100%
早く発見した分だけ、生存期間が長くみえるというバイアス
がん検診の過剰診断バイアス
検診なし
1000人進行するがん →5年生存率 400/1000=
40% → 400人生存 600人死亡
検診あり
2000人非進行がん →5年生存率 2400/3000=
80% → 2000人非進行がん 400人生存600人死亡
1000人進行するがん

非進行がんが早期発見すると、過剰診断により生存率が向上する
日本vs米国 健診推奨度の違い
日本                      USPSTFの推奨グレード
胃がん 胃x線 推奨グレード B              ない
   胃内視鏡 B                    ない 胃がんが少ないので調べていない?
    ヘリコバクターピロリ抗体 I(検討中)      ない
大腸がん 40歳以上男女 便潜血 A           A(50-75歳)
    S状内視鏡検査 C              A(50-75歳)
    全大腸内視鏡検査 C             A(50-75歳)
     注腸X線 C                 ない
肺がん  40歳以上男女 非高危険群または    B       D
     高危険群に胸部X線と喀痰細胞診
     低線量CT          I      B(55-80歳高危険度群)
子宮頸がん 20歳以上 細胞診(従来法) B       細胞診A(21-65歳)
      細胞診(液状検体法) B         A細胞診+HPV検査(30-65歳)
      HPV検査を含む方法 I
乳がん 40-74歳 マンモグラフィー単独 B        B(50-74歳)
40-64歳 マンモグラフィー+視触診 B            なし
40歳未満 マンモグラフィー単独+視触診 I     C(50歳未満)
全年令    視触診 I                   D
全年令    超音波 I                   なし
がん進展と治療法
ステージ1 →ステージ2 →ステージ3 → ステージ4 もしくは遠隔転移
局所治療(手術、放射線) 局所治療、全身治療 全身治療 (抗がん剤)
           (手術、放射線)(抗がん剤)
がん治療の歴史
          手術         放射線治療         抗がん剤
1960年代     拡大手術+リンパ節切除  コバルト照射      アルキル化剤
1970年代                             アンスラサイクリン
1980年代     縮小手術          リニアック照射     プラチナ製剤
1990年代                   放射線同時併用化学療法
2000年代    腹腔鏡手術 内視鏡手術    ガンマナイフ       タキサン
                  3次元照射 重粒子線 陽子線    分子標的薬
手術(局所侵襲)の時代から放射線(局所非侵襲)+抗がん剤(全身治療)へ
がん薬物療法の3つの目的
がんを治す 血液がん 胚細胞腫瘍 絨毛がん 小児がんなどの治療
治癒率を高める 手術後の再発予防 乳がん 卵巣がん 大腸がん 骨肉腫など
        放射線と併用する 食道がん 子宮頚がん 頭頚部がんなど
がんとよりよい共存を目指す
進行がん 再発がんの治療 生活の質を大切にする
抗がん剤の種類と副作用
化学療法 いわゆる抗がん剤 殺細胞効果をもつ 副作用が強い 約60種類
分子標的薬 癌細胞の浸潤、増殖、転移に関る標的分子に作用 副作用比較的少ない 約40種類
ホルモン療法 副作用は少ない 適応は乳がん、子宮体癌、前立腺癌などに限られる 約20種類
転移性大腸がんの予後 生存期間中央値
5FU 12.1カ月 イリテカン+ペパシズマブ 14.8カ月 ペパシズマブ+FOLFOX/XELOX 21.5カ月
予後伸びてきた
分子標的薬 有名なものとしてはノーベル賞受賞の本庶先生のオプチーボ
免疫チェックポイント阻害剤 抗PD-1抗体
腫瘍細胞のT細胞からの攻撃を抑制するためPD-L1をT細胞のPD-1と結合させる
そこをブロックする抗体 悪性黒色腫 非小細胞がん 腎臓がん 胃がんなどに承認
日本のがん難民がワシントンポスト紙で報道される 2007年
がん対策基本法 2006年
手術、放射線療法、化学療法に携わる専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成を図るために
必要な施策を講ずるものとする これにより予算が大幅に増えた
我が国の抗がん剤治療の現状
非標準的化学療法の実践
非専門医による投与 少ない投与量 骨軟部腫瘍 原発不明がん 泌尿器 婦人科がんなどの専門医不在
いんちきな免疫療法の氾濫
不適切な支持療法
不適切な入院 不適切な制吐剤使用 不適切なG-CSF製剤使用 不適切な発熱性好中球減少に対する対応
腫瘍内科医とは?
がんの総合内科医 抗がん剤の専門家 チーム医療のコーディネーター
なぜ必要か
抗がん剤治療の特殊性(副作用と治療域が近い)
約130種類のがん薬物療法の適応、効果、副作用に精通対処の必要性
全身疾患であるがんに対するマネージメント

米国 腫瘍内科医数 15566    日本 1233 13倍   2017年
    人口(個人) 3.16    1.27  2.6倍
EBMの3要素
早期がん 科学的データ 確立したエビデンスと選択肢>>患者の希望価値観 =医療者の専門性
     再発減らし治療を目指す
進行がん 患者の希望価値観 =医療者の専門性 >> 科学的データ
    がんとよりよい共存を目指す
緩和医療とは 生命を脅かす疾患患者と家族の身体的 心理的 社会的 スピリチュアルな苦痛を和らげる
      QOLを改善する行為

緩和ケアーの目標はがん治療の目標と同じ
緩和ケアーという第4の治療
進行がん患者さん 151名
化学療法のみ 化学療法+緩和ケアーチームのサポート
結果 QOLの向上 うつ症状の軽減 なくなる60日以内の化学療法の日数の減少
生存期間の向上(8.9カ月vs 11.6カ月)
2.7カ月の延命効果に →化学療法などの効果に匹敵する

 

2018-12-15 15:51:46

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第145回なにわDoctors network 12月13日

第145回なにわDoctors networkを聴きにアークホテル大阪心斎橋に行ってきました

膵がん診断の現状―見つかり始めた早期の膵臓がんー 北野病院消化器内科主任部長 八隈秀二郎
がんの疫学
2016年部位別がん粗死亡率人口10万対
 肺がん 86.1 胃がん 49.0 大腸がん 44.4 肝臓がん 30.4 膵臓癌 28.0
 大腸がん 36 肺がん 33.4 (結腸 27.3 直腸 8.7) 膵臓癌 25.6 胃がん 24.4 乳がん 23.8
  肺がん死亡率がダントツ 禁煙指導お願いします
2016年 がん死亡数
交通事故死数 3694人
男1 肺 52430 2 胃 29854 3 大腸 27026 4 肝臓 18510 5 膵臓 17060 6 前立腺 11803
女1 大腸 23073 2 肺 21048 3 膵臓 16415 4 胃 15677 5 乳房 14015 6 肝臓 10018
2014年 がん罹患数
男1 胃 86656 2 肺 76879 3 大腸 76718 4 前立腺 73764 5 肝臓 27315 6 食道 19067 7 膵臓 18745
女1 乳房 76257 2 大腸 57735 3 胃 39493 4 肺 35739 5 子宮 24944
膵がんの頻度は大腸がんや乳がんの1/5も 死亡率は男性5位女性3位
部位別5年生存率(2006-2008)
男 1 膵がん 7.9% 2 胆道癌 23.9% 3 肺がん 27%
女 1 膵がん 7.5% 2 胆道癌 21.1% 3 肝臓がん 30.5%
T1 膵内に限局<=2cm 41% 5年生存率 膵臓癌の予後は極めて悪い
膵悪性腫瘍=膵臓癌?
1 膵管 膵管癌 90%以上
2 ラ氏島 神経内分泌腫瘍 5% PNETの5年生存率 53% 転移(-)78% 転移(+)27%
3 腺房細胞がん 1%以上
4 転移性膵臓癌 2-3%

転移性膵癌(n=151) 5年生存率42.6% 腎臓がん 69.6% 乳がん 66.7% 大腸がん 60% 肺がん 15.5%
膵臓癌の予後はなぜ悪いのか
特著的な症状や強いリスクファクターがなく、特異的な検査法が存在しない
解剖学的に膵臓はひらべったく(1-2cm程度) 血流が豊富な臓器で大事な血管に隣接している
 TS1(2cm以下)でも膵外に露出して腹腔内転移や局所再発の原因になり、血流にのって転移しやすく、大事な血管
 を巻き込んでしまうと手術が出来なくなる

画像検査 ある程度の大きさにならないと腫瘍が認識できない 5mm以下だとほとんどの画像で認識できず
 
1cm前後だと超音波内視鏡で認識 1-2cmでThin SliceのDynamic CTでようやく認識できるようになる
 2-3cm以上だと通常の造影CTをはじめ多くの画像検査で腫瘍として認識できる
膵臓癌の中で予後が良いのはないのか?
膵臓癌腫瘍径別の予後 5年生存率
T1a 80.4% T1b 50% T1a<=10mm T1b 10-20mm
膵臓癌登録ステージ別の予後
Stage0 Tis N0M0  85.8%  StageIa 68.7% T1ab(<=2cm)N0M0
より小さく、より早期に切除できれば予後は良い できれば上皮内癌
原因不明の急性膵炎は要注意
糖尿病発症と血糖コントロール悪化は要注意

膵臓癌のなりやすい人は 遺伝 慢性膵炎 膵管拡張および嚢胞などのリスク因子について
遺伝と膵臓癌 膵臓癌の3-10%に家族歴 血縁関係(親、兄弟、子など)に2人以上いる場合 6.79倍
遺伝性乳がん、卵巣がんのヒト 家族性大腸ポリポーシスの中にも
*BRCA1またはBRCA2遺伝子に変異があると、乳がん、卵巣がんリスクが増加 有害なBRCA1、BRCA2変異を受け継いだ女性では、乳がんや卵巣がん、あるいはその両方を一生のうちに発症するリスクは大幅に高くなります。乳がん:一般集団の女性の約12%が一生のうちに乳がんを発症します。一方、最近実施された大規模な研究では有害なBRCA1変異を受け継いだ女性の約72%、BRCA2の約69%が80歳までに乳がんを発症すると推定されています
アルコール 1.22倍 喫煙 1.68倍 と慢性膵炎(診断から4年以内 14.6倍) 糖尿病 1.94倍
膵管内乳頭粘液腫瘍と膵嚢胞 分泌型では年間1.1~2.5%
膵がん診断のアルゴリズム 臨床症状 膵酵素/腫瘍マーカー/リスクファクター、US

造影CT 造影MRI(MRCP) EUS

ERCP PET
細胞診 組織診(EUS ERP US CT)
症例よりの教訓
1 造影CTはThin Slice(2.5mm)、3-4相で撮影する
2 遅延濃染が大事
3 おかしいな?と思えばEUSも行う(EUSの膵腫瘤検出は最も優れている)
4 MRCPを行うときはDWIも

 
上皮内癌とStage1A膵癌(<2cm)の特徴は?
Stage0-1A(<2cm)膵がんの背景
膵がん早期診断研究会(14施設)全体 N=200
性別 男/女 111/89 年令中央値 68.8歳 全体         Stage0 29/22 69.3歳    Stage1A  82/67 68.5歳
     部位 頭部/体部/尾部   86/103/11        17/30/4             69/73/7

糖尿病 64(32%)
喫煙 62 (31%)
IPMN 52 (28%)
慢性膵炎 30(15%)
飲酒 26(13%)
膵がん家族歴 9(4.5%)

膵酵素上昇     10/23(43.4%) CEA 1/26(3.85) CA19-9 5/26(19.2%) Span-1 2/24(8.3%)
現行AICS(膵臓)の性能 膵臓癌患者のアミノ酸プロファイル 感度?
ステージ2A 47% 2B 52% 全体 58%

血液中のマイクロRNAの網羅的解析 13種の癌 来年でてくるか? 注目していてくださいとのこと
各画像の検出率 Stage0
膵がん早期診断研究会(14施設)全体 N=50
        US       造影CT    MRI       EUS
膵管拡張(%) 16/34 31.4%   36/50 72%   32/46 73.9%   35/41 85.4%
腫瘤(%)   10/34 19.6%   5/50 10%    5/46 10.9%   10/41 24.4%
Stage1A
膵がん早期診断研究会(14施設)全体 N=149
          US 造影    造影CT         MRI         EUS
膵管拡張(%)  16/34 31.4% 1  20/146 82.2%   109/127 85.8%   118/132 89.4%
腫瘤(%)    10/34 19.6%    96/146 65.8%   73/1271 57.5%   122/132 92.4%
FDG-PET
膵がん早期診断研究会(14施設)全体 N=200 全体 31/61 50% Stage0 9.1% Stage1A 60%
CT、MRI<EUSで 膵管拡張>腫瘤を見逃すな
膵臓癌の初期像は消化管の上皮内癌をみつけるのと同じ 膵管内を内視鏡では観察できないので、膵上皮内がんが引き起こす2次的変化を画像検査で探す
具体的には 尾側主膵管の拡張 分枝の拡張や嚢胞、部分的な膵実質の萎縮+脂肪化
 
膵臓癌早期診断プロジェクトの概念
連携機関 → 尾道総合病院内視鏡センター

紹介促進 EUS MRI(MRCP) 情報の提供 危険因子 腹部USの所見 EUSの価値
実際
臨床所見 (腫瘍マーカー 膵炎 膵酵素上昇 危険因子 USの異常所見) 診療所

EUS  MRCP  CT  中核病院
膵管狭窄 膵管拡張 腫瘍病変(+)
ERCP(ENPD) EUS-FNA
膵がん診断    経過観察
治療      EUS MRCP  診療所 血液検査 US
大阪市北部早期膵がんプロジェクト 2013年
北野病院 済生会中津病院 淀川キリスト病院 大阪市立総合医療センター 大阪赤十字病院
Take Home Message
1 臨床の最前線におられる開業医の先生方が主役です
1 黄疸等の症状が出る前に拾いあげる
2 膵管拡張がポイント
2 怪しいかな?と感じたら採血だけでなく腹部超音波も
1 強いリスク因子はありません
2 PPIが効かない腹痛背部痛には要注意
3 糖尿病発症とコントロール悪化は大丈夫か?
4 慢性膵炎や繰り返す急性膵炎は大丈夫?
5 家族歴も要注意

 

2018-12-14 05:48:15

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Diabetes TV Symposium 2018 12月12日

Diabetes TV Symposium 2018を聴きになんばパークスパークスタワーに行ってきました

糖尿病と心不全診療研究の現状と課題―SGLT2阻害薬への期待―
東京大学大学院医学研究科 循環器内科学 教授 小室一成先生

主要死因別 死亡数および死亡割合 平成29年人口動態統計 
心疾患は死因の第2位、脳血管疾患は3位 
悪性新生物 27.9% 循環器系の疾患 23.5%(心疾患 15.3% 脳血管疾患 8.2%)

年令階級別死因別死亡者数でみると
高齢者になると癌≒循環器病も超高齢者 75才―80才になると 癌<循環器病に
75才以上になると心疾患が癌を上回る 悪性新生物に比べ心疾患および脳血管疾患の患者の年令層は高い
重要3疾患(脳卒中、心不全、血管病)に共通する課題
高齢化に伴う入院患数の増大 疾患別入院患者数の伸び将来推計 2010年を100とした場合 東京
2035年 脳血管疾患 180 虚血性心疾患 155 悪性新生物 140
疾病の特性に応じた救急医療を含む急性期の医療提供体制や急性期から慢性期、介護期へのシームレスなサービス
を提供する体制が不十分
高齢化に伴い後期高齢者の人口が増大 総人口は減少するが後期高齢者のみが増え続ける
後期高齢者による患者数、死亡者数が増え続ける
平成25年統計 平均寿命は男女とも伸び続けており世界第二位であるが
平均寿命と健康寿命の間には男性9年 女性12年の乖離がある 

男 平均寿命80,21歳 健康寿命71.1歳  女 平均寿命86,61歳 健康寿命74.21歳
介護が必要となった主な原因
脳血管疾患と心疾患を合わせた循環器系の疾患が最多 
循環器系の疾患 21.2%(脳血管16.6%、心疾患 4.6%) 認知症 18% 高齢による衰弱 13.3%
傷病別医療費 平成28年
循環器系の疾患が占める割合が19.7% 5兆9333億円と一番多い 悪性新生物 14.1%
(高血圧 心疾患 虚血性心疾患 脳血管疾患 その他)

循環器疾患の中でも特に心不全パンデミックが
日本の心不全患者数 約100万人 
2010年 心不全 1315000 収縮不全 825000> 拡張不全 489000
総人口が減少しているのにもかかわらず心不全患者は2035年まで増え続け132万人になる
高齢化による心不全の増加 75歳以上特に女性の心不全が急増する
2035年問題 団塊の世代の人が75歳以上になる
我が国の循環器疾患による死亡者数の変遷
心不全の死亡者数増加 
急性心筋梗塞の減少(急性心筋梗塞の認識 病院までの時間 カレーテル開始までの時間 PCI/Stent CCU管理 リハビリ 向上により死亡者減った)
あるゆる循環器疾患の終末像が心不全である
弁膜症推定200万人 虚血 80万人 不整脈 心房細動 80万人 
先天性心疾患 成人 40万人 肺高血圧 数万人 高血圧 4000万人 →最後は皆 心不全に
心不全治療の進歩 有効な薬物治療 非薬物療法の進歩
薬物療法 
ステージA  ステージB   ステージC        ステージD
ACE阻害剤
 ARB    β遮断薬  抗アルドステロン薬
   
            利尿剤 ジギタリス 経口強心薬 静注強心薬 h-ANP
生命予後の改善効果が期待される薬剤
弁膜症の新しい治療
大動脈弁狭窄症 カテーテルによる弁留置術(TAVI、TAVR)
僧帽弁閉鎖不全 Mitra Clip 
心室中隔欠損 卵円孔開存 Amplatzer  Gore Helex
動脈管開存 などにおいても発展するカテーテル治療
補助人工心臓の有効性
左心補助人工心臓治療群vs強心薬治療群 5年生存率 80% vs 50% 優位に改善
カテーテルによる左心補助循環 (IMPELLA)
*インペラ(IMPELLA)とは、左心室負荷を直接軽減する補助人工心臓の一つ。海外では10年以上前から使用されてたが、2017年9月から日本にも導入された。インペラ(IMPELLA)は、あらゆる内科療法に抵抗性の心原性ショックが適応。具体的には超重症心不全症例の心不全が悪化した場合や、急性心筋梗塞や劇症型心筋炎で搬送される緊急重症ショック症例に有効。足の付け根から経皮的・経血管的にポンプカテーテルを挿入、ポンプ内の羽根車を高速回転して左室内のカテーテル先端の吸入部から血液をくみ出して、大動脈に位置した吐出部へ送り出すことで、順行性補助循環を可能にしている。
しかし心不全の治療は進歩したが予後は不良 心不全の生命予後はStage3の胃がんと同等 
心不全のガイドラインの心不全とそのリスクの進展ステージにメッセージが・・・
重要な3つのメッセージ

心不全とは何か ステージは戻れない 崖っぷちに立っている
心不全は治せていない 2つの意味
1 HFrEF(いわゆる収縮不全) 対症療法であり原因に基づいた治療でない
2 HFpEF(いわゆる拡張不全) 拡張不全に対する有効な治療法がない
日本脳卒中学会と日本循環器病学会が 
ストップCVD
1 脳卒中と循環器病の年令調整死亡率を5年で5%減少させる
2 健康寿命を延伸させる
戦略 人材育成 医療体制の充実 登録事業の促進 予防国民への啓発 臨床基礎研究の強化

心不全は予防が重要かつ効果的 心不全は4回予防ができる
1 運動 肥満予防 禁煙 減塩 節酒  リスクを減らす予防 0次予防
2 肥満 糖尿病 脂質異常 高血圧   心臓病にならない予防 1次予防
3 心筋梗塞 不整脈 弁膜症     心不全にならない予防  2次予防
4 心不全に2度とならない  怠薬 過労 感冒 塩分過多 飲水過多などを避ける 3次予防 

糖尿病 増加し続ける糖尿病患者数 2007年 2210万人 (糖尿病 890万 うたがわれる1320万)
2型糖尿病は心不全の発症と入院リスクを高める
糖尿病は心不全のリスク因子である
2型糖尿病患者の合併症リスク
1000人年によるイベント 心不全 100 心筋梗塞 70 脳卒中 30 
心不全合併の糖尿病患者さんは生存率が低い 5年 心不全既往あり20%に なし 90%以上

糖尿病から心不全へ
糖尿病 動脈硬化→心筋梗塞→虚血壊死 →収縮障害 →心不全 収縮不全 HFrEF 
          左室リモデリング   左室機能障害       数カ月
       数年~数十年 
糖尿病性心筋症とは何か?
1 細血管障害がある 2 心筋細胞肥大がある 3 拡張機能障害がある
左室形態、収縮機能
糖尿病80例 正常者 30例 
左室駆出率 有意差なし 左室重量係数 糖尿病で優位に増加
左室拡張能(左室弛緩機能評価) 糖尿病網膜症+で優位に低下 
左房圧指標 E/E´ 糖尿病性網膜症で優位に増加 運動耐容能 糖尿病性網膜症で優位に低下

拡張能障害の発生機序 2つの拡張機能
1 能動的拡張弛緩 
 relaxation Caハンドリング
 <虚血<心肥大<高血圧、糖尿病
2 受動的拡張
 Compliance 線維化
 炎症<高血圧、糖尿病、加齢
 
収縮不全、拡張不全の発症率
性と年齢による違い 男性 75歳以上で拡張不全増加≒収縮不全 75歳未満は収縮不全>>拡張不全
          女性 45歳以上から拡張不全>>拡張不全 75歳以上で拡張不全≒収縮不全 
収縮機能不全と拡張機能不全の予後 5年約30%生存率 ほぼ同等
 
高血圧  細血管障害                加齢  ↓ ←加齢 暴飲暴食 感冒 AF CKD
糖尿病  左室肥大 心筋細胞肥大  →虚血 → 拡張障害  拡張不全 HFpEF        
           線維化
 
EMPAREG-REG OUTCOM研究 心不全入院36%低下
CANVAS 研究         心不全入院33%低下

心不全に関する大規模臨床試験の比較
エンパグリフロジン 心不全 36%低下 ≒ β―遮断薬 ACE、ARB 15%低下
SGLT2阻害剤の心血管リスク因子に関連する潜在的可能性と新規経路
血圧低下 動脈硬化↓ 尿アルブミン↓ 尿酸↓  LDL-C HDL-C↑TG↓
酸化ストレス↓ 体重 内臓脂肪↓ グルコース インスリン↓ 交感神経活性低下?
新規経路 ケトン体 エリスロポエチン上昇?

DECLEAR-TIMI58研究の持つ意味は
4.2年観察 1次予防 6割 2次予防4割の患者対象 心血管イベント既往のない患者に対しても心不全発症を抑制できた 
3試験における心不全入院の結果
EMPAREG-REG OUTCOM研究 
CANVAS 研究          心不全入院をすべての研究で優位に下げる
DECLEAR-TIMI58研究   
心血管の既往あるなしでもその結果は変わらない
今後心不全のガイドラインも 心血管既往のある2型糖尿病 SGLT2阻害剤 1 Aも
              心血管リスクのある2型糖尿病に代わる?

質問 SGLT2阻害剤は心不全(HFrEF 、HFpEF)どちらに効くのか
 推定 EMPAREG-REG OUTCOM研究 CANVAS 研究のように2次予防患者が多いことを考えると
    HFrEFに効いているのでは?DECLEAR-TIMI58研究は1次予防多い HFpEFにも効いている
    どちらにも効く これから詳しくそれらの病態に対してのSG
LT2阻害剤の大規模臨床研究進行中
 

2018-12-13 09:33:34

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WEB講演会 12月11日

抗インフルエンザ薬の適正使用を考える  愛知医科大学大学院医学研究科 臨床感染症学主任教授 三鴨 廣繁先生 
A型インフルエンザの構造  
HA(ヘマグルチニン) インフルエンザウイルスの表面に突出しているスパイクタンパク質です。16の違う形を持っています。インフルエンザウイルスの性質を決定づける重要な役割があります。
NA(ノイラミニダーゼ) ヘマグルニチン同様にインフルエンザウイルスの表面に突出しているスパイクタンパク質です。9種類の違う形を持っています。インフルエンザウイルスの性質を決定づける重要な役割があります。
A型インフルエンザウイルスは9種類の構造タンパク質と8本のRNA分節によって構成されています。これらのRNAから10種類のタンパク質が合成されます。ヘマグルニチン(HA)などを利用して宿主の細胞の細胞膜表面に「吸着」し、エンドサイトーシス(飲食作用)によって細胞の内部に「侵入」します
A型インフルエンザの抗原変異
            連続変異      不連続変異
流行         通常の流行      パンデミック
メカニズム      表面蛋白質の点変異  遺伝子再集合
関与するウイルスの型  A型 B型       A型
亜型(H,N)       不変          新変
 
抗原連続変異とは 一度できた抗体とほとんど変わらない構造で変異することです。
構造が組み変わるにはたくさんの遺伝子が関係するのですが、その遺伝子のほんの一種しか変わっていないので、流行の仕方としては小規模なものになります。
 抗原不連続変異とは 全く別物の構造にまで変異することです。
A型の場合、全部で16種類のHAがありますが、人にうつりやすいもの(ヒトインフル)はそのうちの実は3種で、鳥にうつりやすいもの(鳥インフル)が13種です。ここに豚が登場します。豚は、ヒトインフルにも鳥インフルにもかかりやすい媒体です。豚にヒトインフルと鳥インフルが同時に感染した場合、全く別のものに変異し、ほとんどの人が全く免疫を持たないウイルスの新生となります。よって人が感染すると重症化の可能性が高く、大流行に発展する。これが数十年に一度のパンデミック。出現した年、2009年であれば、『H1N1/09 ウイルス感染』などのような通称で呼ばれている。
パンデミックすなわち感染症の世界的流行は、遠い過去には有名なものは3つある
A型(H1N1)=通称『Aソ連型』
1918年から1919年にかけてアメリカから流行し、全世界で感染者は5億人、死亡者は2500万人とも5000万人ともいわれています。
*なぜアメリカかぜでなくスペインかぜと名づけられたか?ちょうどこの時は第一次世界大戦中のため情報検閲が行われていました。インフルエンザの大流行の噂は味方にとっては士気が下がるもとですし、敵にとっては有利な情報となります。しかしスペインは対戦に参加しない中立国で報道が自由だったため、スペインからこのニュースが発信されたというわけです。ついでに国の名前もつけられてしまったのですね。
 アジアかぜ A型(H2N2)1956年に中国から流行し、世界的に広まりました。
死亡者は世界で400万人、日本でも約5700人が死亡しました。抗生物質ができていたにも関わらずの大流行です。
香港かぜ A型(H3N2)=通称『A香港型』1968年の香港から流行しました。世界で100万人、日本でも約2200人以上が亡くなりました。
中国におけるH7N9亜型ウイルスによる感染事例
2013年3月から2017年月まで1564例の感染患者が報告されうち少なくても612例(39%)が死亡 第5波
(2017)年の急増原因の一つとして生鳥市場からサンプル中のH7N9ウイルス陽性率の増加が認められている
H5N1鳥インフルエンザウイルスのヒト感染確定例と死亡率
2003年から2013年7月3日までに、鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)に感染し確定診断された患者は、15か国から633人、うち377人が死亡したことが世界保健機関(WHO)へ公式に報告されています。
鳥類では東南アジアを中心に、中東・ヨーロッパ・アフリカの一部地域などで感染が確認されています。人での感染は、アジア、中東、アフリカを中心に報告されています。
これらのパンデミックワクチンは日本では備蓄中
東山動物園(名古屋市)でインフルエンザA(H5N6)検出 池で飼っていたコクチョウ5羽のうち3羽死亡
東山動物園21日間休園 防疫処置完了するまでの
*新型インフルエンザ出現における豚の役割
豚の呼吸鎖には鳥型(a2-6シアル酸)のインフルエンザ受容体が存在する そのため豚では鳥型ウイルスとヒト型ウイルスの「合いの子」(遺伝子再集合ウイルス)が容易に生まれる

季節性インフルエンザウイルスの疫学
              A/H1pdm09 A/H3  Bビクトリア系 B山形系  B不明                    
2013/2014シーズン      43%     21%    9%     24%   4%
2014/15 シーズン             85%                12%
2015/16 シーズン       48%    8%         18%      23%
2016/17 シーズン       3%     85%         7%      5%    
2017/18 シーズンは1月に最近では一番多い患者数 A/H1とB山形がほぼ同じに割合ではやった
      それがかなり遅い期間3月末まで続いた

B型インフルエンザでの死亡例提示 
5才女性 インフルエンザウイルスBのA群溶血性レンサ球菌S. pyogenes感染症が合併した心筋炎
B型は軽いといわれるが細菌感染症合併には注意が必要 
新型インフルエンザA(H1N1)+2次細菌性肺炎による死亡例 米国 2009年5月~8月
S pneumoniae 肺炎球菌      9例  2カ月 28才 30才 44才 46才 47才 48才 55才
A群溶血性レンサ球菌S. pyogenes   6例  9才 11才 27才 47才 56才 30才
MRSA                5例 9才 15才 27才 43才 47才
インフルエンザ脳症 2014/2015~2016/2017シーズン 
   105人        223人         117人
  2014/15        2015/16        2016/17
  80%A型 5%B型  60%A型 B型 35%  90%A型 5%B型
2016/17シーズン前のインフルエンザ抗体保有状況(HI抗体価1:40以上)
A型 A/カリフォルニア/7/2009 A/H1N1pdm09に対して
20-24才をピークに5才から20才代までの各年齢層で70%以上を示し、0-4才および65才以上は40%未満 特に70才以上は30%未満と低い抗体保有率であった
A型香港では
10-14才ピークに5才から10才代が60%以上 その他の年令は50%未満 特に0-4才と50才代は30%未満の抗体保有率
B型 プーケット/3073/2013 B型山形系 抗体保有率ピークが20代(63-64%)10才未満55才以上 30%未満と低く 0-4才 70歳以上はさらに低い抗体保有率
B型 テキサス/2/2013 B型 ビクトリア系 すべての年齢層で40%未満 0-4歳 60才以上ととくに低い保有率が 30%未満 *A型に比べB型は優位に低い抗体保有率である
抗インフルエンザ薬耐性検出情報 2017/18
          オセルタミビル(タミフル) ザナミビル(リレンザ) ラニナミビル(イナビル)アマンタジン
A(H1N1)pdm09  4(1.5%)         4 (1.5%)       0          0
A(H3N2)      0               0           0         0
抗インフルエンザ薬の適正使用
ノイラミダーゼ阻害剤
タミフル  内服(プロドラッグ) 1日2回 5日間 1回75mg 予防投与 75mg1回10日間
リレンザ  吸入 1回2吸入  1日2回 5日間
ラピアクタ 点滴静注 単回点滴 300mg   予防投与なし
イナビル 単回吸入 40mg(2容器)      予防投与 20mg(1容器)を一日1回 2日間吸入
キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤
ゾフルーザ 単回経口投与 一回40mg 2錠 予防投与なし
ゾフルーザはタミフルに比べ2日目から優位にウイルス力価を減らす
アミノ酸変異の出現率が高い

小児対象第三相試験77例中18例の23.3%でアミノ酸変異が見られた
成人では      370例中36例 9.7%でアミノ酸変異が見られた
PA遺伝子の38番目のアミノ酸IsoleucineがThreoninに置き換わるI38T
I38T変異ウイルスの出現によりインフルエンザウイルスのゾフルーザに対する感受性は約50倍低下した
感受性の低下幅は小さいもので耐性というよりも、低感受性ウイルスという呼称が適切という考え方もある
A/H1N1pdm09の変異株 過去9シーズンの比較
タミフル リレンザ 2017/18 1.6%程度 2013/14 多い時でも4%前後から考えるとゾフルーザ多い?
抗インフルエンザ薬使用がいずれか一辺倒になることは薬剤耐性ウイルス出現の見地から危険
感染症学会提言改定(私見)
重症で生命の危険がある場合   生命に危険はせまっていないが          外来治療
                入院管理が必要と判断、肺炎合併(+)(―)

 ラピアクタ          ラピアクタ          ゾフルーザ  一日一回の
 ゾフルーザ          ゾフルーザ          ラピアクタ   イナビル 
 タミフル           タミフル           タミフル    ゾフルーザ
 ラピアクタ+ゾフルーザ併用も                 イナビル    タミフル
 作用機序が違うので                      リレンザ    リレンザ
                                     各患者にあわせてどれでも
日本の不活化インフルエンザワクチンの有効率
発病予防を指標とした場合 小児 20-60% 成人 50-60% 
非接種者のリスクを1とすると有効率60%は接種者の発病率は0.4になる
イナビルの予防投与
単回投与40mg  20mg2回投与 初回投与後10日間 発症割合4.5% 4.5% 同じ プラセボ  12.1%
インフルエンザと室内喚起
機内の換気システムが2-3時間停止し、乗客、乗組員の72%がインフルエンザに感染した
インフルエンザ対策は部屋の換気が重要
手指衛生によりインフルエンザの2次感染が58%減少
インフルエンザはワクチン、手洗いマスク、早期受診診断、早期治療開始へ

 

2018-12-12 08:55:59

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そろそろインフルエンザの流行シーズンに 12月9日

まだ当院ではインフルエンザが出ていませんが・・そろそろ
沖縄、三重に加え青森、鹿児島も流行期入り インフルエンザ、全国の定点報告は0.52人に増加
流行ウイルスはAH1N1pdmが主流
2018/11/30  インフルエンザ診療Next取材班

インフルエンザ患者の報告数が目立ってきた。11月25日までの1週間(第47週)に全国の定点医療機関を受診した患者数は、定点当たり0.52人と前週の0.38人から増加した。青森県と鹿児島県も全県で流行の目安である1人を超え、沖縄県と三重県に次いで流行期入りした。
インフルエンザ定点当たり報告数(速報)によると、全国の定点当たり報告数は0.52人で前週から1.4倍に増えており、流行の規模はこの8年間で4番目だった
都道府県別では、第47週に最も患者数が多かったのは三重県で定点当たり1.33人だった。青森県が1.18人、鹿児島県も1.18人で続いた。沖縄県も1.03人と、この4県が流行の目安とされる1人を超えていた 埼玉県(0.84)、香川県(0.83)、奈良県(0.78)なども多くなっている。
国立感染症研究所の週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数(11月29日現在)
流行ウイルスの主流はA/H1N1pdm09で全体の74.1%を占めている。 A/H3N2が23.3%だった。
これらの推移を見ると、一貫してAH1pdm09の検出が多数を占めていた。


 

2018-12-10 07:46:30

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真冬のゴルフ 聖丘カンツリー俱楽部 12月9日

12月の親睦ゴルフは聖丘カントリー倶楽部で

本日は極寒のゴルフ スコアーは普通 このゴルフ場は箱庭のコースでとても趣があり好きなコースです
(またキャデーさんの制服が変わっていてかわいらしいです)

2018-12-09 15:13:35

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総合診療 研修医の登竜門  12月8日

総合診療 研修医の登竜門 東京医科大学 総合診療科 平山陽示先生 東秀子先生

症例44 主訴 右後頭部が痛いです 38才女性

現病歴 

10日前より突然の右頸部から後頭部痛で起き上がれないほどの痛みが出現。整形外科で頸部レントゲンで異常なしと診断され鎮痛剤を処方されるも、改善がないため当科を受診

どのような痛みですか?   

ズキンとして、身動きできなくなるほど痛いこともあります。波はありますが、ずっと続ています    

例えば吐き気など痛み以外の症状はありませんか?

吐き気もありませんし、痛み以外の症状はありません

痛みのある場所は具体的にどこですか?      

右の耳の後ろあたりを押すと強く痛むところがあり、そこから頭の後ろと上へ走る痛みがあります

体温 36.5度 血圧 108/59 脈拍77/分 整 SpO2 98% 

眼瞼結膜 貧血なし 眼球結膜 黄染なし 咽頭発赤、扁桃腫大なし 右後頭部に限局した圧痛あり

発赤 腫脹 皮疹なし 頸部リンパ節腫脹なし 呼吸音 左下肺野で減弱 心音 純 腹部 平坦 軟

調雑音正常 圧痛なし 神経学的異常所見なし

頭皮に違和感はないですか?

はい、痛みがあるあたりの頭を触ったと感覚が鈍くなっています ヘアバンドをかけたりすると、そのあたりが変な感じがします

トリガーポイントの有無、痛みの性状、後頭神経支配領域に一致した疼痛及び頭皮の異常感覚などの特徴的な身体所見を確認したうえで、その他の鑑別疾患を除外することが診断上重要となる

後頭神経痛は致死的な疾患との鑑別が重要 (脳腫瘍 クモ膜下出血 椎骨動脈解離など)

      致死的でない疾患も     (皮膚所見がない 水疱 発赤 帯状疱疹ヘルペス)

片側性、あるいは両側性に突然発症する鋭い疼痛、支配領域に一致する疼痛領域、アロデニア(通常では疼痛をもたらさない微小刺激が疼痛として認識する異常感覚)の存在により診断基準をほぼ満たすが、神経ブロックによる診断的治療は初診時には行えないことが多く、すぐに治療的診断に至ることは容易でない 画像検査によるクモ膜下出血などの鑑別疾患の除外は必須となる

頭部CT正常 疼痛部位の発赤、腫脹、水疱なし 頸動脈エコーで椎骨動脈の解離塞栓なし

 小後頭神経に一致する圧痛点が明確な疼痛として確認 アセトアミノフェンやロキソンは効果不十分で、10日間を過ぎても改善する様子がなかったので、カルバマゼピンを200mg2錠で開始も、めまいなどの副作用出現したうえ、想定した疼痛コントロール得られなかったので、頸部レントゲンで神経根出口の狭窄がないことを確認して、20日目からペインクリニック専門医による大後頭神経ブロックを施行し、セレコキシブ、ミソプロストール、トラマドールを処方したところ、疼痛は軽快したため経過観察となった

 

後頭神経痛の診断基準
A) 片側性または両側性の痛みであり、基準BEを満たす
B) 痛みは大後頭神経、小後頭神経または第3後頭神経のいずれか1つ以上の支配領域に分布する
C) 痛みは以下の3つの特徴のうち少なくとも2項目を満たす
1:数秒から数分間持続する疼痛発作を繰り返す
2:激痛
3:ズキンとするような、刺すような、または鋭い痛み
D)痛みは次の両者を伴う
1:頭皮または頭髪(あるいはその両方)への非侵害刺激によって、異常感覚またはアロディニア(あるいはその両方)が出現する
2:以下のいずれかまたは両方 
a) 障害神経枝上の圧痛 b) 大後頭神経の出口部あるいはC2領域のトリガーポイントがある
E)痛みは障害神経の局所麻酔薬によるブロックで一時的に改善する

後頭神経痛の治療

基本的には神経痛に対する治療となり、後頭神経ブロックが診断的治療となるが ペインクリニック専門医による

治療をえることが困難な場合

ビタミンB12 NSAIDs アセトアミノフェン プレガバリン 三環系抗うつ薬 カルバマゼピンなどを

副作用や効果が十分に得られるまで時間を考慮しながら選択する

外傷性の場合はカラー装着なども考慮される一方で、疼痛の増悪や誘発を来しするため、ツボを押すなどの物理的刺激を加えることは避けた方がよい

今年も患者さんが作られた来年の干支、可愛い猪を頂きました

2018-12-09 04:40:08

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