内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
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WEB講演会 1月24日

当事者の望むうつ病治療を実現するために 杏林大学医学部精神神経科教室講師坪井 貴嗣
精神疾患におけるリカバリーの概念
病気からの回復ではなく、人々の偏見、精神医療の弊害よりもたらされる障害、自己決定を奪われていること、壊された夢などからの回復 精神疾患を持つ者が、たとえ症状や障害が続きたとしても人生の新しい意味や目的を見出し、充実した人生を生きていくプロセス、のことを指す
うつ病におけるremissionとrecovery
うつ病治療開始すると重症度回復してくるが・・・response反応(評価尺度が50%以上改善)
寛解判別の閾値 HAM-D≦7点 2-3週間 寛解は6カ月以上 回復
うつ病のrecovery定義の問題点
症候学的なものの持続性のめであり、機能的なものが入っていない。就学・就労を問うていない QOLや対人関係、当事者の満足度なども重視していない 真のリカバリー・・・症候学的寛解でなく社会機能的の回復を重視すべきである        →社会機能やQOL、当事者の満足度などまんべんなく包括した新しいRecoveryを目標にすべきである
*0点~7点 正常 (Normal) 8点~13点 軽症 (Mild Depression) 14点~18点 中等症(Moderate Depression)
19点~22点 重症 (Severe Depression)23点以上 最重症(Very Severe Depression) 

質問項目 1.抑うつ気分(Depressed Mood) 0:全くなし1:質問された時のみ抑うつ気分を訴える2:自発的に言葉で抑うつ気分を訴える3:表情や態度など非言語的に抑うつ気分が表現される4:自発的な言語・非言語的に抑うつ気分のみを実質的に表現される2.罪責感(Feelings of Guilt)0:全くなし感じる2:過去の失敗や罪を繰り返し考え、罪業念慮を持つ3:今のうつ症状は罰であると感じる。罪業妄想4:非難などの幻聴・幻覚を認める。3.自殺傾向(Suicide)0:全くなし1: 生きている価値はないと感じる2:死を考えたり願ったりする3:自殺を考えたり、そのそぶりがある4:自殺企図(自殺しようとする)4.入眠障害(Insomnia Early)0:入眠困難なし1:時々、寝付くのに30分以上かかる2:毎晩寝つきが悪い5.熟眠障害(Insomnia Middle)0:熟眠に問題なし1:夜間に落ち着かなかったり睡眠が妨げられている2:夜間に起きている6.早朝睡眠障害(Insomnia Late)0:問題なし1:早朝に覚醒するが、再入眠できる2:起床すると再入眠することができない7.仕事と活動(Work and Activities)0:問題なし1:仕事や趣味に対して疲労感、気弱さ、無力感を感じる2:仕事や趣味に対して興味を失う3:活動に費やす時間が実際に減ったり、生産性が低下する4:この病気のために仕事を中断している8.精神運動抑制(Retardation:Psychomotor)(思考や会話が遅くなる、集中力が落ちる、自発的運動の現象)0:正常な会話と思考1:面接時にわずかな遅延がある2:面接時に明らかな遅延がある3:面接が困難4:完全な昏迷9.焦燥(Agitation)0:なし1:常に落ち着かない様子2:手遊びや髪いじりがある3:座っていられない4:手を揉んだり、爪や唇を噛んだり、髪を抜いたりする10.精神的不安(Anxiety Psychological)0:問題なし1:緊張と怒りっぽさ2:些細なことでうろたえる3:表情や会話に不安が表れている4:質問するまでもなく、恐怖が表出されている11.身体的不安(Anxiety Somatic)(胃腸症状や動悸、頭痛、過呼吸など不安に伴う身体症状)0:ない1:軽度2:中等度3:重度4:無能力化12.消化器系身体症状((Gastrointestinal))0:なし1:食欲の低下。しかし促されなくても食べ、食事量は正常2:促されないと食べるのが困難。食欲と食事量の低下がある13.一般的な身体症状(Somatic Symptoms General)0:なし1:手足、背中、頭が重い。背部痛、頭痛、筋肉痛。体力の低下や疲労感2:明瞭な症状があれば、この「2」とする14.生殖器症状(Genital Symptoms)(性欲の低下、生理不順など)0:なし1:軽度2:重度15.心気症(Hypochondriasis)0:なし1:自分の身体へのとらわれ2:健康のことばかりにとらわれる3:頻繁な訴えや助けを求める4:心気的な妄想16.体重減少(Loss of Weight)0:体重減少なし1:おそらく現在の病気による体重減少2:自己申告による確実な体重減少3:評価なし17.病識(Insight)0:うつ状態で病気であると認識している1:病気であると認識しているが、食事や気候、過労、ウイルスなどのせいにする2:病気であることを否定する
292名のうつ患者、3か月間治療済み、6カ月間フォロー
SOFAS(社会機能)80以上:社会機能を良好にするにはHAM-Dでは5点以内にしなければならない 7点ではだめ
うつ病の寛解を考える上で重要である残遺症状
うつ病患者の中には抑うつエピソードが構成する諸症状がおおむね軽快(反応や寛解)したかに思えても、症状が残存(残遺)している場合があり、真のリカバリーを妨げる可能性がある
中核的な抑うつ症状 抑うつ気分、興味の消失、意欲低下、精神運動抑制、食欲減退、不眠、過眠)
非特異的な症状 不安 焦燥 痛み 認知機能障害
うつ病の残遺症状と予後 
残遺症状ありの寛解患者      n=82   vs   なしn=155 
良好状態の週数(中央値)      33週       184週 

残遺症状の改善を目指すうえでの薬物療法戦略
1 うつ病治療ガイドラインに基づいた適切な診断
2 中核的な抑うつ症状の改善
 抗うつ薬の適正使用(単剤・十分量、適切な変更)
 部分反応があれば増強療法を検討
 不眠や過眠が、抗うつ薬や併用薬剤の副作用である可能性を考慮
3 非特異的症状の改善
 不安や焦燥が、抗うつ薬や併用薬剤の副作用である可能性を考慮
 痛みを伴ううつ病に対して三環系抗うつ薬やSNRI投与を検討
 ベンゾジアゼピン系受容体作動薬による認知機能障害の影響は十分に考慮

うつ病の外来当事者が寛解するのに最重要だと思う要素
535名の未治療外来患者に寛解に対するイメージアンケート
ポジティブなメンタルヘルス(楽観主義、活動力、自信)18%
いつもの自分でいるようにする 13% ウエルビーイングの感覚11% うつ症状が無いこと11% 感情をコントロールできるという感覚 ・人生に対する楽観

うつ病患者が望む治療のゴール
病気になったとしても、希望をもって安心して地域で暮らしていけること 
回復とは普通の生活が送れること
多少の落ち込みがあっても、自力で立ち直れるようになる(レジリエンス)
了解可能な不安や落ち込みは、心の成長因子である
エンドレスな治療介入は、自らの回復を阻害する
心が健康になるということ
ある種の楽観バイアスがある状態 まあなんとかなると感じる じゃあ、まあいいかと思える
回復した当事者自らが実践し、最重要と考えられた10のステラテジー
1 現実的な短期のゴールを設定する
2 自宅をきまった時間にでる
3 ポジティブな記憶を思い出す
4 他者に移った責任を徐々に戻す
5 スポーツに参加
6 うつ病を疾患と認識する
7 疾患のなおりが限界と感じたら異なる治療策を探す
8 余暇活動に参加
9 日中/夜間のリズムが良好であるようにする
10 服薬する際に十分なサポートがあること

うつ病全例に行うべき基礎的介入
支持的精神療法 患者が訴える内容を支持的に傾聴し、苦悩には共感を示し、共に問題点を整理する
           本邦では「小精神療法」笠原と呼ばれている基本的な姿勢が参考になる
心理教育  現在の病態や予想される改善までの経過、治療選択肢とそれぞれの特徴など十分に説明する
        患者自身(必要であれば家族も)が疾患の理解を深め、積極的に治療選択に関るように導く
患者の治療への要望を可能な限り反映させることが望ましい
患者の治療への要望を可能な限り反映させる方法とは
うつ病にはエビデンスレベルの高低こそあれ、種々な治療法がある
意思決定 「ある目標を達成するために、複数の選択肢可能な代替え手段の中から最適なものを選ぶこと」
Shared Decision Making(意思決定の共有、以下SDM)
当事者と治療者が、選択可能な代替案について情報を双方に共有し話し合い、当事者の好みや価値観に沿った最適な
選択を共に行うプロセス
意思はうつ病当事者の本音を引き出すコミニュケーション力を心掛けるべき
SDMの実態 説明や治療方針決定はアンケート調査
満足度は複数の治療方針があったほど良かった
最終的な治療決定は医師患者さん双方の意見が反映される方が良かった

うつ病の当事者・ご家族の実態調査
2019年12月に当事者・家族向けのうつ病ガイドライン作成のため、質問調査表による研究を施行 約8000名のCOMHB会員にアンケート調査
理想の治療意思決定 9割以上が双方の意見反映を理想
現治療の説明手段 口頭 のみ65%説明なし10% 書面や冊子で説明10%・・
8割以上がDA(治療意思決定支援冊子)を希望

うつ病 治療支援決定冊子(DA)
*一例 うつ状態とうつ病  今回から具体的なうつ病治療ガイドラインの話に入っていきたいと思います。
 まず治療ガイドラインと聞いて、「どのような治療が勧められているのか?」というようなことが確かに気になるかもしれません。しかし、まず治療の前に「診断が本当にうつ病なのか」ということをしっかりと治療者とともに見きわめていただきたいと思います。タイトルのように、うつ状態とうつ病は異なるのです。
つまり、うつ状態だからといって、必ずしもうつ病とは限りません。
「うつ状態」というのは体の病気やさまざまなお薬や物質で引き起こされる可能性があります。また、うつ病以外のさまざまな精神疾患でも、もちろんうつ状態となりえるのです。当事者の方々には少し専門的すぎる内容かもしれませんが、表1のようなことを治療者が問診や診察、検査を通して判断し、うつ状態の原因をわかりやすく説明してくれているか、ということに着目していただくことが大切です。もちろんうつ病治療ガイドラインの中では「第1章 うつ病治療計画の策定」と題し、治療を行う前にまず考えるべき内容と強調し、ガイドライン普及講習の中でも重視していますので、安心して治療者にたずねていただければと思います。
表1:治療者が把握すべき情報のリスト
1)言い間違い・迂遠さの有無を確認
2)身長・体重、バイタルサイン(栄養状態を含む)
3)一般神経学的所見(パーキンソン症状、不随意運動を含む)
4)既往歴-糖尿病、閉塞隅角緑内障の有無を確認
5)家族歴-精神疾患・自殺者の有無を含めて
6)現病歴-初発時期、再発時期、病相の期間、「きっかけ」「悪化要因」、生活上の不都合(人間関係、仕事、家計など)
7)生活歴-発達歴・学歴・職歴・結婚歴・飲酒歴・薬物使用歴を含めて
8)病前のパーソナリティ傾向-他者配慮性・対人過敏性・発揚性・循環性・気分反応性の有無を含めて
9)病前の適応状態-家庭・学校・職場などにおいて
10)睡眠の状態-夜間日中を含めた睡眠時間、いびき・日中の眠気の有無の聴取
11)意識障害・認知機能障害・知能の低下の有無
12)女性患者の場合-妊娠の有無、月経周期に伴う気分変動、出産や閉経に伴う気分変動  
                 うつ病の診断基準
重要なのでくり返しますが、うつ病の診断は身体疾患などのさまざまな原因の可能性を取り除いたうえで、はじめて検討されるものです。なぜこんなに回りくどいのかというと、たとえば肺炎であれば、呼吸が苦しく熱があるという症状があり、検査をすると血液データで炎症の値が上がっていて胸のレントゲンで肺炎像が映りますので、診断がシンプルに確定します。
このように客観的な血液データや画像所見などの指標があれば診断がわかりやすいのですが、うつ病にはまだそれに該当するものが確立していないというのが現状です。
よって前述した過程を経て、うつ病の可能性がある場合、次に米国精神医学会が作成し、日本語に翻訳されたDSM-5のうつ病の診断基準(表2)にあてはまるかを治療者とともに検討してください。
ここで大切なのは、どの症状がいくつみられるのか、ということだけでなく、同じ2週間の間に、「ほとんど1日中、ほとんど毎日、その症状がみられているか」ということです。
たとえば、「出社している平日はつらいけど、週末は元気です」という状態の場合、平日病院に訪れたときはうつ状態かもしれませんが、もちろんそれはうつ病の診断基準を満たしていませんので、うつ病とはなりません。
このように、うつ病と診断するにはいくつかのフィルターを通す必要がありますので、この辺りも治療者と共有していただければと思います。  
表2:DSM-5のうつ病診断基準より一部抜粋
以下の症状のうち5つ(またはそれ以上)が2週間の間に存在し、病前の機能からの変化を起こしている。
これらの症状のうち少なくとも1つは1.抑うつ気分、または2.興味または喜びの喪失である。                           1.ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分
2.ほとんど1日中、ほとんど毎日の、興味、喜びの著しい減退
3.著しい体重変化、またはほとんど毎日の食欲の減退・増加
4.ほとんど毎日の不眠または睡眠過多
5.ほとんど毎日の精神運動性の焦燥・制止
6.ほとんど毎日の疲労感・気力減退
7.ほとんど毎日の無価値観、罪責感
8.ほとんど毎日認められる思考力や集中力の減退、決断困難
9.死についての反復思考、反復的な自殺念慮、自殺企画、自殺するためのはっきりとした計画

実際のSDMの流れの例
1初回の診察 
医師・当事者・心理士・保健師  
医師からの病状説明 疾患について冊子(DA)も渡す 医師から治療方法とそれらのベネフィット・リスクを提示
メモにかいて渡す 3つの宿題を提示 1冊子を読む2治療法をインターネット等で調べて吟味する 3疑問点をあげておく
2中間の面接(省略可) 心理士・保健師が質問に答えながら宿題について話あう
3方針決定の診察 自分の意見を医師に伝える 全員で話し合い、情報や価値観を共有し、方針を決定する
手書きメモ例
こうなりたいという希望や目標 元の体調に戻りたい 勤怠が乱れず仕事に行けるようになりたい
現在の状態(計画)とその程度 うつ病、軽症~中等症 睡眠障害、集中力の低下、体力の様々な症状
生活の中で工夫すること 睡眠記録表を用いたリズムの改善 飲酒やカフェインを控える
                ストレッチやジョギングを行う 起床後、外の光を浴びるようにする

  選択肢            利点              欠点
お薬の治療(抗うつ薬)   即効性がある 手軽である  副作用が心配 薬価がかかる
認知行動療法        心理的抵抗が少ない     施設が限られる 毎週通院が必要
                 有名な治療法
手書きメモ例     抗うつ薬A              抗うつ薬B
             比較的即効性がある         効果が出るまで時間がかかる
             寝る前1回の服薬          朝食後1回の服薬
             依存性の報告はない         依存性の報告がない
             睡眠に効果的である         不安に効果的である
             日中に眠気が残る可能性がある  日中に眠気はほとんどない
             食欲が改善する            意欲が改善する可能性がある
             体重増加の可能性がある      アクチベーションの可能性
             離脱症状の副作用が少ない     離脱症状の報告はあり
             ジェネリックがある            ジェネリックがない
             剤型は錠剤のみ             剤型はカプセルのみ


 

2020-01-25 07:12:29

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糖尿病と多臓器障害予防の研究会 1月23日

糖尿病と多臓器障害予防の研究会を聴きにリッツカールトン大阪に行ってきました

皮膚科領域の最近の話題と糖尿病との接点 大阪大学大学院医学系研究科 皮膚科学教授 藤本学先生
1糖尿病と皮膚疾患 DPP4阻害誘発性類天疱瘡を中心に
2膠原病の最近の知見 皮膚筋炎を中心に
3皮膚科と画像診断AI

1糖尿病と皮膚
糖尿病         
 血管障害       →      潰瘍・壊疽
              →               組織の(微少な)壊死
 免疫低下・易感染性   →皮膚感染症   ↑ ↑              前脛骨部色素班
         細菌感染:蜂窩織炎など        (汎発生)環状肉芽腫
         真菌感染:白癬など   ↑             脂肪類壊死症
神経障害  →感覚低下          ↑            糖尿病性水疱
      ↓  熱傷をはじめとする外傷 
      たこ・魚の目   
腎障害→皮膚乾燥 皮膚掻痒症 透析関連皮膚症状       *治療薬によって生じるもの
                                 インスリンボール DPP4阻害薬誘発類天疱瘡
表皮―表皮 表皮―真皮の接合
デスモゾーム 表皮細胞と表皮細胞 デスモゾームを構成する重要な蛋白:デスモグレイン 天疱瘡
ヘミデスモゾーム 表皮細胞と基底膜 ヘミデスモゾームを構成する重要な蛋白 BP180 類天疱瘡
表皮真皮接合部(ヘミデスモゾーム)の構造
水泡性類天疱瘡 BP180
類天疱瘡群は表皮基底膜部に自己抗体が線状に沈着する表皮下水疱症であり,類天疱瘡と後天性表皮水疱症に大別される.類天疱瘡の主な亜型として,水疱性類天疱瘡(主に皮膚に症状)と粘膜類天疱瘡(主に粘膜に症状)が存在する.水疱性類天疱瘡の標的抗原はBP180(XVII 型コラーゲン:COL17)やBP230であり,粘膜類天疱瘡の標的抗原は主にXVII 型コラーゲンやラミニン332 である.一方,後天性表皮水疱症の標的抗原はVII 型コラーゲンである.これらの標的抗原は全て表皮基底膜部に存在する.
(通常の)水泡性類天疱瘡
高齢者に多い 紅斑→水疱→びらん 抗BP180抗体高値陽性 末梢血好酸球増多 組織中にも好酸球浸潤
DPP4誘発性水泡性類天疱瘡
高齢者に多い 紅斑が目立たず(非炎症性)、水疱が小さめ 抗BP180抗体が陰性か低値陽性 
末梢血好酸球は正常なことが多い 組織中にも好酸球浸潤が目立たない しばしば診断困難
*BP180の構造 N末端 (細胞内領域) 膜貫通領域 NC16A領域 15個のコラーゲン領域(細胞外領域)C末端
    通常の病型で抗体の標的となるのはNC164領域 

DPP4阻害剤誘発性の病型では抗体の標的となる部位が違う(細胞外領域) 粘膜型でも標的となる
BP180分子上の抗体反応部位が異なるために、非炎症型(紅斑が目立たない)の臨床型をとると解釈される
内服開始から発症までの期間:数カ月~数年(平均6-24カ月)と長い
発症率:DPP4阻害薬内服DM例の0.86/1000
薬剤別 ジャヌビア・スイニー・ネシーナ・トラゼンタ比較的少ない エクア≧テネリアが比較的多い この傾向はヨーロッパも同じ

DPP4阻害剤誘発性水泡性類天疱瘡の機序
通常の薬疹とことなることはあきらかであるが機序は不明
HLA-DQB1 03:01との相関(このハプロタイプは粘膜型天疱瘡に関連あり)
DPP4=CD26 T細胞の免疫細胞をはじめ様々な細胞に発現し、免疫を制御するはたらき
インクレチン以外にも様々なペプチドが基質となる

仮説として
CD26はTh1/Th17細胞優位に発現するため、阻害するとTh2優位になる?
エオタキシン、CXCL10、HMGB1などの炎症性ケモカインもDPP4の基質であり、阻害により炎症細胞浸潤が促進する?
BP180分子もDPP4阻害薬により代謝が変化し、抗原性を獲得する?
そのほか メトホルミンの併用が多い可能性も指摘されている(細胞性免疫を増強させる作用がある?)

DPP4阻害剤誘発性水泡性類天疱瘡の対処
鑑別診断 慢性痒疹/慢性湿疹 糖尿病性水疱 虫刺症(ネコノミ)
       単なる掻き壊しよりおおきなびらんがあるかどうか?
検査 すぐにできるのは血算(血液像)、抗BP180抗体 だが不確実
    皮膚生検(蛍光抗体法含む)をすればクリアに診断できるが、DPP4阻害剤の関連かどうかまではわからない
対応 個々の症例においては、DPP4阻害剤が関与しているか、単なる偶然か必ずしも明確でない
   疑われる場合は、薬剤中止あるいは多系統の薬剤に変更する
   (DPP4阻害剤の中での切り替えのエビデンスは少ない)
   一般には軽症で、経過は良好 薬剤中止のみで警戒するのが約半分だが、残りはさらに治療をようする
    (治療する場合はステロイド内服、免疫抑制剤、IVIg(免疫グロブリン大量静注療法)など)

皮膚筋炎の最近の知見
関節リウマチ 抗CCP抗体 90%以上陽性 
SLE 抗dsDNA抗体 抗Sm抗体 抗U1RNP抗体  90%以上陽性 
全身性強皮症 抗scl-70抗体 抗セントロメア抗体 抗RNAPⅢ抗体 80%以上陽性

皮膚筋炎の自己抗体は抗Jo-1抗体が5%陽性のみであったが・・抗核抗体は陰性~低力価陽性のことが多く見過ごされていた
抗ARS抗体(Jo-1を含む) 19% 抗Mi-2抗体 8% 抗MDA5抗体 18% 抗TIFI抗体 31% 75%以上わかってきた その他不明25%も(抗NXP2抗体、抗SAE抗体)
1人1種類しか陽性にならない  各抗体は特徴的な臨床像と強く相関していることがわかってきた
4つのパターンに分かれる
       間質性肺炎なし    間質性肺炎あり
小児       1        慢性   急性(急速進行)
                  3     4
成人    悪性腫瘍合併2

皮膚筋炎の2大合併症:間質性肺炎と悪性腫瘍(ただし通常両方が合併することはない)
4 間質性肺炎あり(急速進行性) 抗MDA5抗体
従来知られていたこと 筋症状がない例に多い 抗Jo-1抗体陰性 悪性腫瘍合併例にはまれ きわめて予後不良
2 悪性腫瘍合併 抗TIFI抗体
従来知られていたこと 成人DMの約30%に合併 癌の種類、臓器には特性なし DM発症の1年前後に発症診断
皮膚症状が激しい 間質性肺炎合併まれ
3 抗ARS抗体

1 抗Mi-2抗体
筋症状も抗体サブセットごとに特徴がある
血清CPK高値 Mi-2抗体 ARS抗体  MDAS5やTIFIは低い
皮膚症状も1口にGottron徴候と言っても
抗ARS抗体 かさかさ 炎症所見乏しい 角化性変化主体
抗TIFI抗体 丘疹性変化 紅斑も強い 炎症反応が強い
抗MDA5抗体 滲出性紅斑や紫斑 潰瘍化しそう 血管傷害主体
皮膚筋炎も我々の習った時とは違い
各抗体で特徴的な臨床像を診断し、治療していく時代に

 

2020-01-24 05:44:45

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糖尿病WEBシンポジウム1月22日

糖尿病WEBシンポジウムを聴きにダイビル本館に行ってきました

循環器医が考える糖尿病治療-JDS、JCS合同ステートメントからー 佐賀大学医学部内科学講座教授 野出孝一先生
我が国における2型糖尿病臨床のReal Worldと治療の展望 滋賀医科大学・糖尿病内分泌・腎臓内科 教授 前川聡先生

以前お二人のお話は拝聴したので今回は前川先生の講演一部のみ
我が国における2型糖尿病診療の現状
スーグラ長期特定使用試験成績調査2年次中間報告 STELLA-LONG TERM

JDDM(54施設・糖尿病専門医クリニック90%)の2018年データーより
血糖コントロールは改善したが、平均年齢・BMIは増加し、高齢者糖尿病と肥満糖尿病増加が示唆される
高血圧・脂質の目標達成率は向上
糖尿病薬・降圧薬・脂質異常症薬は服用が増加し、血糖・血圧・脂質管理は改善した
3代合併症はすべて低下・脳卒中も減少した

滋賀研究 2000年・2006年・2012年・2018年(現在解析中) 診療所:9428人 病院:14815人
若年・高齢者における糖尿病における肥満の増加
肥満は糖尿病腎症有病率を増加させる
JDDMにおいて肥満は腎症合併率が1.5倍に・・

SGLT2阻害剤の6年間の軌跡
2014年4-5月 Ipragliflogin、Dapagliflogin、Tofogliflogin、Luseogliflogin上市
2014年6-8月 適正使用 Recommendation
2014年9月 Canagliflogin 上市
2015年 2月 Empagliflogin上市
2015年 9月 EMPA-Reg-Outcome 発表
2016年 3月 高齢者PMS発表
2016年 5月 適正使用 Recommendation改訂
2017年 2月EMPA-REG-OUTCOME アジア人解析
             5月 CVD-Real 発表
             6月 CANVAS Program 発表
2018年 3月 CVD Real 2 アジア人解析
            11月 DECLEAR-TIMI58 発表
            12月 1型糖尿病 適応追加
2019年 7-8月 CREDENCE発表
            9月 DAPA-HF発表
2020年 1月 CVD Real3 腎アウトカム

2型糖尿病治療におけるSGLT2阻害剤が示したエビデンス
SGLT2阻害剤の心腎への影響
       腎保護 心不全による入院                            MACE EMPA-REG
 
       ↓ 糖尿病&心血管疾患既往        2次予防集団   ↑               CANVAS

     ↓ 糖尿病&複数のリスク因子          1次予防集団                             DECLEAR↑
 
スーグラ長期特定使用成績調査2年次中間報告 11242例
まとめ1

STELLA-LONG TERMはイプラグリフロジンは初めて投与された日本人2型糖尿病患者を対象とした特定使用成績であり
実臨床下での3年間の長期使用時における安全性と有効性を検討することを目的としている
2年次中間報告で安全性解析対象例は11051例、有効性対象例は8762例であった
副作用は1919例(17.36%)に認められ、器官別大分類別の主な副作用は腎及び尿路障害、臨床検査、感染症および寄生虫症であった。重篤な副作用は160例(1.45%)に認められ、主な重篤な副作用は脳梗塞17例(0.16%)であった
HbA1C、空腹時血糖は本剤投与開始1か月時から24か月時までのすべての測定時点で投与開始時と比べた有意な低下が認められた
eGFR区分別副作用報告 90以上19.4% 60以上90未満 19.1% 45以上60未満 19.7% 30-45未満 24.8% 30未満21.2%

体重3kg低下・FBS 30mg/dl低下 ・HbA1C 0.8%低下 2年で変わらず
eGFR 90以上は6低下その後維持 45-90未満は維持もしくは上昇
GOT/GPT 5-15改善 γ-GTP・ALPも10程度改善 脂肪肝指数(fatty liver index:FLI) 7低下

 

2020-01-23 09:54:03

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WEB講演会 1月21日

糖尿病・肥満症を伴う高血圧診療におけるMRシグナル遮断の意義と有用性
琉球大学大学院医学研究科内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座教授 益崎裕章先生

我が国の高血圧 有病者、薬物治療者、管理不良者などの推計(2017年)
高血圧有病者4300万人 血圧140/90以上の国民3100万人
治療中コントロール良 27% 治療中コントロール不良29%未治療、認知あり 11% 未治療・認知なし33%
合併症の種類による降圧目標達成割合
JSH2014年の降圧目標に到達した患者の割合
糖尿病またはCKDのない若年、中年及び前期高齢者(65-74)患者 n=5401 60.2%  140/90未満
糖尿病またはCKDのない後期高齢者(75以上)患者 n=154           71.4%  150/90未満、
糖尿病合併患者 n=1074                           30.5%  130/80未満
CKD合併患者 n=961                            33.4%
  130/80未満
脳血管疾患及び又は冠動脈疾患を合併する患者n=410              66%   140/90未満
食塩感受性高血圧:糸球体内圧をあげないとNaを排泄できない
メタボリックシンドローム患者は減塩すると拡張期・収縮期血圧低下するまた高塩分食摂取すると拡張期・収縮期血圧上昇
治療抵抗性高血圧 2型糖尿病 肥満症・Mets、MR関連高血圧症、睡眠時無呼吸症候群、内分泌性高血圧症
Lancet2009年
塩分摂取の多い患者はARB治療の効果が顕著に減弱する 
非RAS系薬治療 塩分摂取量で 腎イベント・心血管イベント関係なし  30カ月観察
ARB治療 高塩分の方が低塩分より有意に腎・心血管イベントは上昇する 30カ月観察

Kidney international 2017
ARB治療によるeGFR低下抑制効果は塩分摂取が少ない患者に限定される Kidney international 2012
20世紀におけるホルモン発見
1901年アドレナリン1914年 サイロキシン1921エストロン1935テストステロン1940コルチゾル1942ACTH
1953 アルドステロン 1955 バソプレッシン 古典的なホルモン

1959年 ラジオイムノアッセイの実用化
1975 エンケファリン 1977 レニン 1980 EDRF(NO)1984ANP 1988 BNP エンドセリン 1990 CNP 
1994レプチン1999 グレリン

ステロイド受容体遺伝子の進化系統樹
核内転写因子受容体ファミリー                 → プロジェステロン受容体(PR)
                            →  → グルココルチコイド受容体(GR)
ステロイドホルモン受容体         →  →   →アンドロジェン受容体(AR)
                    → ミネラルコルチコイド受容体(MR)

ステロイドホルモン受容体ファミリーは互いにホモロジーが高く、リガンド間のクロスハンディングを可能にしている
遺伝子進化上、アルドステロンはMRやGRよりもずっと後に出現しており、MRの元素のリガンドはコルチゾルと考えられている。循環血液中濃度がきわめて低いアルドステロンは結合蛋白をもたず、すべて活性型として作用する

コルチゾル(GRアゴニスト) :MRアゴニスト
プロジェステロン(PRアゴニスト):MRアゴニスト
スピノロラクトン(MRアンタゴニスト):PRアゴニスト・ARアンタゴニスト
ミフェプリストン(PRアンタゴニスト):GRアンタゴニスト

生活習慣病とホルモン作用
                  進化における本来の役割         現代における病態的意義
レプチン 脂肪組織 飢餓に抵抗する神経内分泌制御    動物性脂肪の過剰摂取 →レプチン抵抗性・肥満症
インスリン 膵臓   飢餓に備えるエネルギー備蓄    
               肥満・加齢・運動不足・生体リズム障害 → インスリン抵抗性・2型糖尿病
                            高血糖が惹起する酸化ストレスによる血管組織障害
アンギオテンシン2    水不足・塩分不足に備える体液量の維持   → 高血圧症 AT1R、MRシグナルに起因する
アルドステロン             塩分の過剰摂取・生体リズムの障害    酸化ストレスによる血管組織障害
血圧・循環血漿量・浸透圧保持システムに関わるホルモンの遺伝子進化
バソプレッシン  →→レニンアンギオテンシン→アルドステロン 水、Na保持力強化→
カテコルアミン
治療抵抗性高血圧症の特徴
          n=279 治療抵抗性高血圧   n=53 治療奏功性高血圧
血漿アルドステロン     13.0ng/dl              8.4  
血漿レニン           2.3ng/ml/時           3.8
血漿カリウム          3.9                 4.3
血漿アルドステロンが優位に高値となっている
アルドステロン作用過剰に伴う臓器障害
古典的作用   酸化ストレスを介する臓器障害
                                 心臓の線維化・心臓リモデリング
   水分保持・ナトリウム貯蔵     アルドステロン      組織の線維化
   カリウム・マグネシウムの喪失                動脈硬化の促進
                                 圧受容体の機能障害
                                 腎機能障害 血管内皮機能障害

                          ↓
                      心血管病
                心不全 脳血管障害 腎不全 高血圧症

メタボリックシンドローム患者における血中アルドステロン濃度上昇 
メタボn=107 非メタボn=248 有意にメタボで血中アルドステロン濃度上昇している
遺伝性肥満db/dbマウスの血漿アルドステロン濃度は対照の5倍以上
尿中8-OHdG 上昇 酸化ストレスも高い

メタボリックシンドロームモデルマウスを使って
(グルココルチコイド活性化酵素の脂肪組織過剰発現による小太りメタボマウス)
血圧の上昇・血糖の上昇

脂肪組織由来のアルドステロン分泌刺激因子の存在が想定された・・CTRP1?レプチン?レジスチン?IL-6?
アルドステロン合成酵素上昇
MR関連高血圧症が想定される病態
治療抵抗性高血圧のサブタイプ
SAS 肥満症、Mets 2型糖尿病   原発性アルドステロン症 
CKD PCOS 組織内高コルチゾル

血漿アルドステロン濃度 ↑              ↑↑
 
糖尿病におけるMR活性化の病態的意義
慢性高血糖→非上皮細胞(心臓・血管・脳・脂肪組織)におけるMRの役割が注目されている→MR
MR O-GlcNAc化リン酸化(PKCβ)→MRの安定化(MR分解されにくくなる)→MR発現レベル増加・MR転写活性化
→慢性高血糖

血中アルドステロン濃度が高くなくても受容体レベルで信号伝達が亢進しアルドステロン作用が過剰に
→治療抵抗性高血圧

高血圧症の患者の中にはストレスによるACTH依存的なアルドステロン過剰分泌の1群が存在
高血糖 肥満 塩分摂取過剰 不規則な生活 ストレス過剰
              ↓
       アルドステロンは生活習慣病の代表格
  血中アルドステロン濃度の上昇and/or ミネラルコルチコイド受容体シグナル過剰な活性化
全身の酸化ストレス↑→臓器障害
水分・Na貯留↑   →高血圧症

アルドステロン非依存性(non-RAS経路) MRシグナル活性化機構
アルドステロン経路         アルドステロン非依存経路
アンギオテンノーゲン        脂肪細胞由来因子 MR安定化  Rac1
 ↓レニン              肥満        高血糖   食塩過剰摂取
アンギオテンシン1
 ↓                         
↓ リガンドに依存しないMRシグナル活性化
アンギオテンシン2      
 ↓   ACE
アルドステロン      
    
NADPHoxidaseによる酸化ストレス MR    sGK1活性化によるインスリン抵抗性
                   血圧上昇・臓器障害
エサキセレノンのプロファイル(経口、非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体(MR)ブロッカー
*ステロイド骨格の物は他のステロイドホルモンに作用する
Dahl食塩感受性高血圧ラットにおけるエサキセレノンの作用
エサキセレノン(ミネブロ)2019年1月8日発売 スピノロラクトン(アルダクトンA) エプレレノン(セララ)
容量依存性に降圧効果・尿蛋白排泄抑制効果があるのはエサキセレノンのみ

*スピロノラクトンは、MR阻害作用は強いものの、MR選択性が低いことから、性ホルモンを介した副作用(女性型乳房、月経異常など)が報告されている。エプレレノンはMR選択性が高く、性ホルモン受容体関連の副作用が軽減された薬剤であるが、中等度以上の腎障害患者、微量アルブミン尿または蛋白尿を伴う糖尿病患者への投与は禁忌となっている。
MRBに期待されること
2型糖尿病治療薬とMRB併用による相加・相乗効果が期待できる
ミネラルコルチコイド受容体の作用の性差、加齢による変化・肥満の質による効果の多様性など 新たな知見の集積が期待できる
PAの大半を占めるIHA(特発性 90%)は肥満や糖尿病、脂質異常症と関連が強い
今後、MRB治療と副腎摘出術の費用対効果の比較により、治療法が変わる可能性も
2型糖尿病・肥満を伴う高血圧症でアルドステロン受容体シグナル過剰が病態形成に関与している可能性が高い症例
(MR関連高血圧症、治療抵抗性高血圧症など)では特にエサキサレノンの多面性が期待できる

質問 SASのMR活性機序 低酸素→交感神経↑→カテコールアミン→MR活性亢進


 

2020-01-22 12:31:56

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WEB 講演会 1月20日

ADHDの診断と治療―新しい視点からー 長崎大学病院 地域連携児童思春期精神学診療部 教授 今村明先生
ICD-11 注意欠如多動症 ADHD
不注意および多動性・衝動性の持続的なパターン(少なくとも6か月)によって特徴づけられる
不注意
少なくとも6か月。年齢とともに知的水準と照らして正常範囲を超える。症状は年齢や重症度で異なる。持続的で重症度も一定以上、学業、職業、社会生活における機能に悪影響
注意維持の困難(報酬系が刺激されないとき)、細部への注意を欠く、ケアレスミス、課題をやり遂げる困難
容易に気が散る、話は聞いていないように見える、白日夢、心ここにあらず状態
物をなくす、忘れっぽい、次にする課題や活動を遂行するのを覚えておくことの困難、計画し管理し順序だてることの困難
課題や指示に、まず注意を向けることの困難
多動性・衝動性
過剰な動き、座ったままでいられない、走り回る、座っているときそわそわ、身体的に落ち着かない感覚、じっとしているときの不快感(成人)
静かに活動に従事することの困難、過剰に話す
だしぬけに発言する、順番を待つことの困難、他者への干渉する
結果やリスクを考えず、目の前の刺激に反応する(けがをするリスクのあることをする、衝動的に物事を決める、危険運転)
神経発達症の関連
自閉症スペクトラム(ASD)   注意欠如・多動症  
社会的コミュニケーション    (ADHD)
限局性・反復性        不注意 多動性・衝動性
                          ←愛着障害・トラウマ
 限局性学習症         発達性協調運動少
 
子どものADHDの困難さ
不注意 
学習問題(不注意ミス、集中できない) 遅刻・欠席、宿題の先延ばし傾向・達成困難
探し物・落とし物・なくしもの・整理整頓の困難
多動性・衝動性
離席、座っていてももじもじ、手遊びが多い おしゃべり、ちょっかい、おせっかい、あわてんぼう
順番待ちが苦手・列に横から入る
両方の問題
いじめの加害者・被害者、親や先生との関係の悪さ 菓子や炭酸飲料の過剰摂取、夜更かしと日中の過眠傾向
ゲームやインターネットなどへの過集中 交通事故、けがが多い、服を汚す
大人のADHDの困難さ
不注意
探し物、落とし物、なくしもの・整理整頓の困難 遅刻・欠勤・スケジュール管理の困難・先延ばし傾向
仕事上のミス・達成困難
多動性・衝動性
無計画な性的関係・結婚と離婚・性病罹患 無計画な転職・辞職、解雇されること
ネット上のトラブル・クレーマー、モンスターペアレント、DV夫、虐待母
両方の問題
対人関係の問題 健康状態の維持困難 暴飲暴食(肥満)、夜更かしと日中の過眠傾向
アルコールやギャンブル・性愛・買い物など嗜癖化
交通事故・交通違反
ADHDの認知モデルと続発症
内在化障害
不注意(遅刻・忘れ物・整理整頓困難・不注意ミス)
→失敗をとがめられ、しかられる「自覚がない」「やる気がかんじられない」「能力が低い」
→自己不全感・心的外傷→自己に関するスキーマ「どうせ自分はだめなやつ」世界に関するスキーマ「どうせ何をやってもうまくいかない」
→不安障害(全般不安症、パニック症、社交不安症)
適応障害、持続性抑うつ障害、うつ病
外在化障害
多動性衝動性(爆発的感情表出・後先を考えない言動)
→まわりから敬遠される、嫌われる「わがまま」「自分勝手」「悪い子」
→疎外感 直面化の拒否→自己に関するスキーマ「どうせ自分はきらわれもの」世界に関するスキーマ「どうせ何もわかってくれない」
→秩序破壊的・衝動抑制・素行症群(反抗挑発症、素行症)
 物質関連障害および嗜好性障害群(ギャンブル障害、ゲーム障害)
 パーソナリテー障害(反社会性、境界性)
*愛着について
こどもが危機的な状態になるか、あるいはその危惧を察知して不安を感じた時に、母親(あるいは主たる養育者)
へ近づいたり触れたりして、安心・安全な感覚を得ることで形成される情緒的な結びつき
安全基地、確実な避難所としての役割
6-9カ月 母親の安定した愛着行動(選択的愛着)
10カ月頃~ 基本的信頼(愛着対象(母)や世界に対する安心・安全な感覚
1才2才 愛着対象の内在化 2才前後 3才 愛着の安定化 3-5才 愛着の発展

ADHDと愛着障害(鑑別も大事だが併存も多い)
ADHDの愛着は、母から無視されたり、過剰に叱責されたりして、不安定な状態となる場合がある
母との選択的愛着の形成がうまくいかず、脱抑制型の行動の問題が生じる場合がある
他者や世界に対する安全感覚(基本的信頼感)がうまく形成されず、不安やうつ、解離、過覚醒が生じやすくなる
トラウマ関連症状
1再体験症状(侵入症状)
記憶の想起、フラッシュバック(解離)悪夢 心理的苦痛や動悸、発汗等の身体症状が突然出現
2回避症状(解離症状を含む)
その体験をおもいださせるような場所、対象に近づかない 感覚が鈍くなったようにボーとしている、その体験の一部が
なかなか思い出せない(解離症状)
2“認知と気分の陰性の変化
解離性健忘 他者や世界への否定認知、ポジティブな感覚の抑制
3過覚醒症状
イライラ感や怒りの爆発、自傷などがある(脱抑制行動)過剰な警戒心、驚愕反応 集中困難 睡眠困難
ADHDとトラウマ関連症状
ADHDは失敗体験の繰り返しや対人トラブルから、家庭での虐待教師、他の生徒からのいじめ、教師による不適切な対応からトラウマ体験を繰り返す場合がある
ADHDではもともとの症状に過覚醒症状が重畳し、脱抑制型の行動が増えている場合がある
フラッシュバックや解離や認知の歪みを伴う場合がある
こころの発達 五重塔モデル
こころの健康の問題 (うつ病、不安症、アルコール問題、パーソナリテー障害等)
パーソナリテー形成の問題(対人反応パターン:ストレス脆弱性・過敏性・解離傾性等)
トラウマの影響の問題(侵入症状・回避症状・過覚醒生症状・認知の歪み)
愛着形成の問題(安心・安全な感覚欠如、対人関係の不安定性等) ↑
発達症傾向の問題(知的能力・社会性・反復性・限局性・不注意、多動性・衝動性等) ↑

ADHD治療に導入すべき新しい視点
ADHD治療を行う前に覚醒度の適正化という新しい視点
中枢神経刺激薬が効果がある(低覚醒ADHD)に対して
難治例に中に「過覚醒ADHD」と考えるべき症例がいるのではないか?

            低覚醒型ADHD     vs         過覚醒ADHD
遺伝因子、環境因子   遺伝の関与が比較的大きい       遺伝因子だけでなく環境因子の影響もみられる
交感神経系        普段は低活動、急激に亢進        普段は亢進
覚醒度          低覚醒                  過覚醒
中枢神経刺激薬効果    効果あり             効果が不十分な場合も、不安が強くなる可能性
*過覚醒ADHD:生来の傾向and/or 愛着、トラウマの問題で、覚醒度が基本的に高めになり、不注意や多動性・衝動性
が生じている

 ポリベーガル(多重迷走神経)理論
Fight or flight  交感神経   ↓    過覚醒型ADHD 過覚醒 不安、過敏 情動の反応性大
Safety  腹側迷走神経複合体 ↑     低覚醒型ADHD 安全・安心の状態 社会交流システム オキシトシン
Freeze 背側迷走神経複合体  とかげ  低覚醒 解離 心拍減少 シャットダウン

ADHDの治療薬
            メチルフェニデート徐放剤    アトモキセチン         グアンファジン徐放剤
元々の薬効          中枢性刺激薬           抗うつ薬         降圧薬
作用          ドーパミン再取り込み阻害    ノルアドレナリン再取り込み阻害  α2アドレナリン受容体作動薬
効果発現          早期から             2-3週             1-2週
副作用          食欲低下 血圧脈拍↑        嘔気嘔吐 眠気、       めまい 血圧、脈拍低下
                              血圧脈拍↑
自律神経           やや亢進              やや亢進            抑制
覚醒度            上昇               抑制/上昇            抑制/上昇

トラウマ関連症状への対応
マインドフルネス 5数えてゆっくり呼吸(深呼吸にならないように)3分繰り返す
呼吸の間、好きな歌のフレーズを頭のの中で繰り返す
心がトラウマの記憶でなく「ありのまま」の感覚で満たされる
安全な場所 安全・安心の感覚が持てる場所をイメージする。その時の感情やその場所を代表する言葉や具体的な感覚に注目する

グラウンディング 「今年こそ」しっかり心をつなぎ留める。目を開けて周囲にあるものをしっかり見る。(目を閉じるとフラッシュバックが起きやすい)
ペアレント・トレーニング
行動の客観的観察→行動の3つの分類
好ましい行動 (肯定的な)注目する ト-クンエコノミー・好ましい行動を強化
好ましくない行動 (否定的な)注目しない ト-クンエコノミー・好ましくない行動以外を強化
許しがたい行動 タイムアウト、限界設定
ADHDコーチング
本人の自主的性を重んじたサポート
適切な目標設定と動機づけをサポート
目標を細分化(スモールステップ)をサポート
脱線や先延ばしを防ぐための自己監視機能をサポート
本人にあったスキル
時間と空間のマネジメント 自己管理スキル(食事・睡眠・服薬等) ストレスマネジメント、感情のコントロール
心構え
ほめて伸ばすコーチ 北風と太陽 時には家庭教師、時には応援団

ADHD治療に導入すべき新しい視点
覚醒度を適正に保つためには?
→過覚醒状態にはグアンファジン徐放剤の使用
→中枢神経刺激薬とグアンファジン徐放剤の併用
2次障害としての不安への対応は?
→交感神経の亢進を伴う不安に関してはグアンファジン徐放剤が有効となる可能性
→うつ症状に伴う不安にかんしてはSSRI等の併用を検討

パーソナリティーの一部としてのADHDの特性+α
ネガティブ           ポジティブ
注意維持困難           過集中
脱線する             知的好奇心
整理が苦手            自由な発想
失敗が多い   ADHDの特性    フロー体験

静かにできない          活動性・積極的
抑えがきかない          心奇希求性
まてない             決断力がある
感情の爆発            創造性に優れる
困難さ      →          強み

 

2020-01-21 09:06:37

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世界遺産散歩1月19日

京都世界遺産散歩 早寝早起き・運動習慣に目覚めた娘も珍しくいくということで、世界遺産の銀閣寺でわび・さびの世界を感じ、夫婦で好きな哲学の道を歩き、永観堂・南禅寺、南禅寺の境内にある水路閣を散策して歩く約10kmコース

年頃の女の子を連れていくと道草が・・銀閣寺参道のお店で目をつけていた銀閣餅を食べながら、哲学の道へ・・
南禅寺を散策した後お腹が減ったので豆腐料理のお店で休憩


途中で京都薬科大学で共通一次試験の受験生を東山中学で受験生に頑張ってほしいと願いながら・・

京都散歩終了
日曜日午後の読書「医者の本音」 中山裕次郎著
大学医局に属さずに、外科医として修業を続けてきた異色の医師の書いた本 「なくな研修医」も読みました
なぜ医者の態度はいつも冷たいのか・・・名医の条件とは何か?医者がかかりたくない医者の4条件 受診は「平日の昼」をおすすめする意外な理由・・医局には逆らえない・・・現実的な医者選びとしては、製薬会社との癒着はあるのか?どこかで治療をあきらめるべきなのか?など興味深い話題が満載
本の中のコラムでとても考えさせられる話題が・・医者は飛行機のドクターコールで手を挙げたくない
少し筆者の経験をお話しましょう。
一度目は筆者が医師になって4年目の駆け出しの頃、ヨーロッパの国際学会に発表に行く途中のフライトでした。英語のドクターコールがあり、私はすぐには反応しなかったのですが、おそらく名乗りでる医者が居なかったのでしょう、次に日本語のドクターコールがあったので立ち上がりました。調子が悪い人のもとへ駆けつけると、日本人のお客さんが椅子から落ちそうなほどぐったりしていました。そこで急いで一番前の小さなスペースでその方に寝てもらい、CAに救急バッグを持ってきてもらいました。その方は意識がぼんやりとしていて、血圧を測定すると60/30とかなり低下していました。私は慌て、ざっと全身を診察しました。そして救急バッグから大急ぎで見つけ出した見慣れぬ針をその方に刺して「saline(生理食塩水のこと、点滴で使います)」とかかれたバッグの点滴をしたところ、幸い数十分で元気になりました。原因はおそらく迷走神経反射だったと推測しますが、機上の救急バッグだけでは何もわかりません。もしその方が心筋梗塞や脳梗塞など重病だったとしたら、私にはなすすべがなくそのまま死亡していたでしょう。
その時乗っていたのは海外の航空会社。外国人のCAから「もし緊急着陸が必要だったら、2時間後にロシアの空港に着陸できますがどうしますか」と言われました。これには本当に参りました。倒れた方が命に関わる病状かどうかなど、機内の限られた機器からの情報だけでは全く判断できなかった上に、ロシアのどんな空港に緊急着陸しどんな規模の病院が近くにあるかも不明だったからです。なんとなく大丈夫そうだったので、「大丈夫です」と答えました。しかしその後も、飛行機が目的地に着陸するまでは全く私は気を抜けませんでした。なにせ原因もわからないのですから、その方がいつ急変するとも限りません。私に出来ることは正確な「カルテ」を時間とともに書き、その後何が起きても対応できるようにすることだけでした。「何が起きても」とは、その後倒れた方が急変した時の情報提供だけでなく、訴訟などになった時の証拠という意味も含んでいます。私の書いた、ただの私的なメモがどれほど法的に有効かもわかりませんが。機上で治せるのか?
医師なら強くご同意いただけると思いますが、乗客の方がなにか致命的なものを発症した場合にははっきり言ってほとんど治せません。
もし致死的な状況でも医者がいたらなんとかなるかな、というのは、
機内食などのアレルギーからアナフィラキシーショックになった場合のアドレナリン投与による救命
突然の致死性不整脈(VTなど)になった場合の除細動(AED)による救命

くらいではないかと思います。
筆者は救急のトレーニング(6年も前ですが)も積み日常的に外科医として働いていますから、一通りの救命行為は可能です。心臓マッサージ・気管内挿管を含む蘇生行為、止血、そして胸腔穿刺など。しかしそれでも、機内で出来ることはかなり限られるでしょう。
医師が急病人に対応する時は、「原因」を考えつつ「生命徴候(バイタルサイン、血圧や心拍数など)を安定させる治療」を並行して行います。ところが機内ではまずこの「原因」を考えるところが極めて困難です。機内には10数種類の薬とともに、いくつかの医療機器(聴診器・血圧計・挿管セット・パルスオキシメーター・AED)がありますがこれらで出来る診断はかなり少なく、「命が危ないかそうでないか」くらいしかわかりません
筆者は1度目のドクターコールに応じた際、「息苦しい」という訴えから緊張性気胸という病気を疑いました。これは肺に穴が開きそのせいで血圧が下がり死亡してしまうもので、もしそれだった場合には大急ぎで胸を少し切ってチューブを胸腔の中に入れる必要があります。しかしそれを診断するための聴診器で胸の音を聞こうと思っても、機内の「ゴー」というエンジン音で全然聞こえません。もちろんレントゲンも撮れません。幸いその方は緊張性気胸ではありませんでしたが、機内での診療にはそんな障害もあるのです。
「原因」がわからず出来ることは、 「血圧が下がったら点滴をする」「呼吸が止まりそうだったら補助する」 「心臓が止まりそうだったらAEDをつけ、止まったら心臓マッサージをする」位でしょう。
責任の所在は?
もし手をあげて急病人の治療に当たり、結果が思わしくなく訴えらえたら----これは医師の視点になりますが、登録者数を増やすという意味では大変重要なものです。医師は一人の客として乗っている時に突然仕事をするわけで、なにも契約のもと給料が出て治療に当たるわけではありません。しかも他にスタッフがいない中、極めて貧弱ないくつかのモニターだけで戦うわけです。ゆったりとして旅行している最中に善意で仕事をした結果、訴訟で数千万―数十億円の賠償リスクがあり、多くの医師がはいっている医師個人の賠償保険も適応されません
*この圧倒的に不利な状況であることを考えた上で、各航空会社はどう考えているのでしょうか。 JALは、 賠償責任と保険  機内での医療援助に起因して、医療行為を受けたお客さまに対し民事上の損害賠償責任が生じた場合には、故意、重過失の場合を除き、当社が付保する損害賠償責任保険を適用いたします。援助者が個別に加入されている損害賠償責任保険が適用されるときは、その保険金額を超える部分に当社の保険を適用いたします。 と明記しています。「重過失の場合を除き」というところが注目ポイント?一方ANAは、 実施いただいた医療行為に起因して、医療行為を受けられたお客様に対する損害賠償責任が発生した場合、故意または重過失の場合を除き、ANAが主体となって対応させていただきます。と、同じく「重過失の場合を除き」という表現に加え、「ANAが主体となって対応」となっています。

自分が遭遇した時手を挙げられるか・・・

2020-01-19 16:54:16

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&ISLANDで優雅なランチ 1月18日

AMC西梅田クリニック外来終わりに,
嫁と娘が中之島にある、中央公会堂の向かいにあるお店 &ISLANDに来てるということで
便乗しました この店はテラス席からの景色がいいお洒落なお店で若い人に人気のお店


ローストビーフ丼ととカレーを食べました。味も絶品で景色と料理で人気があるのがうなづけます
昼から食べ過ぎました。受験生は試験で頑張っているのに
のんびりと冬の土曜日のお昼を満喫しました・・人気のお店だけあり、店内は女性とカップルだらけでした

夕方は大阪新阪急ホテルに第9回中津耳鼻咽喉研究会を聴きに行きました

インフルエンザを含めた呼吸器感染症のトピックス 済生会中津病院 感染管理室 室長 安井良則先生
インフルエンザ
基本 典型的な症例は1-5日(平均3日間)の潜伏期間を経て38度以上の発熱と頭痛、関節痛、筋肉痛などに加え
鼻汁、咽頭痛、咳などの上気道炎症状がみられ、全身倦怠感の症状をきたす
合併症 季節性インフルエンザでは高齢者や慢性疾患を持ったものにおける2次性の細菌性肺炎の合併が、超過死亡の大きな原因といわれてきた インフルエンザA(H1N1)2009の流行時には小児におけるインフルエンザウイルスによる肺炎の合併が目立ち、要注意である(小児では熱性けいれん、心筋炎など合併症が・・重篤な合併症として脳症が)
感染経路と対策
主な感染源は飛沫感染・対策 感染者の隔離 症状のない不顕性感染も存在するため、特に学校や保育所は有効な対策
とは考え難い 基本は咳エチケットであり、日ごろから飛沫を浴びさせないことを指導し、全員が実行することが重要
接触感染 インフルエンザは体外に出て環境中に存在する場合、数時間以内で活性を失うため、ノロやアデノウイルスに比べて接触感染する可能性は高くないと考えられる しかし手洗い・うがいは流行期重要 アルコール消毒も有効
今シーズンのインフルエンザ
まず9月に沖縄で流行し9月終わりに終息 9月中旬 高知県や九州で注意報が
*今回の沖縄流行は 先に冬を迎えたオーストラリアの株と違う タイではやったインフルエンザ
    熱帯地方は年2回インフルエンザの流行をむかえるとのこと

12月23日から12月29日では関東・九州・中国・東北・北海道で大流行した
近畿地方は一番遅く流行期に他の県は1月に入り流行が↓傾向に 近畿は増えるが他の県は減っていくのではと予想
薬局サーベーランス日報が・・ こちらの方が正確?早く情報わかる?
済生会中津病院では 1月第1週増加 2週減った いつもの年では急激に増えるが今年は勢い↓1月末は以降減る?
426万人 先週は30-40代の大人が多かった 10代が多くなると流行↑↑も

昨シーズンはB型とA型香港が流行 今年は新型A(H1N1)が93.8% 3.7%A型香港B型1%程度
2020年1月6日~1月12日のインフルエンザの1週当たりのインフエンザ数推定784000人 1月下旬から2月にかけて本格的な流行期にインフルエンザが増加する可能性
迅速検査その他によりA型インフルエンザと診断(成人)
 年齢が75才以上である
YES                   No
タミフル処方   75才未満でありかち吸入が問題なくできる
YES                    No
イナビル処方  タミフル処方 *現在イナビル・タミフル耐性は出ていない
迅速検査その他によりB型インフルエンザと診断(成人)
年齢が75才以上である
YES                     No
ゾフルーザ処方  75才未満でありかち吸入が問題なくできる
YES                    No
イナビル処方     ゾフルーザ処方
*B型インフルエンザにおけるタミフルの効果は限定的であり、ゾフルーザを選択するべきである
   B型インフルエンザのゾフルーザの耐性はでていない

済生会中津病院でのインフルエンザアウトブレークに対して
看護師に対して タミフル・リレンザの予防内服開始 病棟閉鎖2日間
昨シーズンB型のアウトブレークでタミフルの予防投与効かなかった
抗菌薬適正使用チーム(AST)カンファレンス
医師、薬剤師、検査技師、看護師 週3回のカンファレンス
内服抗菌薬の考え方
点滴静注薬との違い 消化管からの吸収過程が入る 吸収の良い薬剤、悪い薬剤で血中濃度は変化 bioavailability重要
経口された薬物
薬A投与 消化管で吸収されなかった分+肝臓で分解された分→循環血液へB
何%が血液中に到達するのか bioavailability=B/A×100

言い換えれば
内服抗菌剤の分類
点滴静注と同様に考えられる薬剤(bioavailability良い) ←→点滴静注と同様に考えられない薬剤
点滴静注と同様に考えられる薬剤                        点滴静注と同様に考えられない薬剤

βラクタム系                                                           ニューキノロン系
マクロライド系                                                      テトラサイクリン系
                                                                               ST合剤

βラクタム系
ペニシリン系                                                         セフェム系                                        カルバペネム
アモキシリン (サワシリン)                             セファレキシン(ケフレックス)     デビぺネムピポキシル(オラペネム)
スルタミシリン (ユナシン)                             セファクロル(ケフラール)
クラブラン酸/アモキシリン(オーグメンチン) セフジニル(セフゾン)
                                                                             セフカペンピボキシル(フロモックス)
                                                                              セフジトレンピボキシル(メイアクト)
Bioavailabilityの良いもの                Bioavailabilityの悪いもの
サワシリン 80%                             バナン 46%
ケフレックス 90%                         セフゾン 25%
ケフラール 93%                            メイアクト 16%
                                                        フロモックス 35%

何を使うか
A群溶連菌の咽頭炎 サワシリン(250mg)6cap分3
市中の蜂窩織炎(黄色ブドウ球菌、連鎖球菌)ケフレックス(250mg) 6cap分3
下部尿路感染症(大腸菌) サワシリン(250mg)6cap分3
市中肺炎(軽症) サワシリン(250mg)6cap分3 オーグメンチン2cap+サワシリン4Cap分2
中耳炎、副鼻腔炎 サワシリン(250mg)6cap分3
 
ニューキノロン系
第一世代 CRFX シプロキサン
第二世代 LVFX クラビット
第三性代 GAFX ジェニナック

特徴 Bioavailabilityは高く、経口からの吸収良好
非定型肺炎に有効
腸内細菌から緑膿菌まで広いスペクトラム
βラクタム系が無効な菌にも有効
              
グラム陽性球菌                      グラム陰性桿菌        嫌気性菌    非定型
             MRSA 腸球菌 Strep   MSSA    腸内細菌     緑膿菌

CRFX                                                       ←                  →                          ← →
LVFX                          ←→                     ←                    →                          ← →
GAFX                         ←→                     ←                                                     →

多彩な副作用
濫用で、大腸菌の感受性率が低下
薬剤相互作用が多い
肺結核の発見が遅れる

ニューキノロン系抗菌薬は1つだけ覚える
クラビット 1回500mg 1日1回 点滴 静注薬も同様 腎機能低下例は減量
血液感染350例の感染フォーカスの内訳 2018年1-12月
尿路系 21.4% 胆道系 20.6% CVカテ関連15.4% 肺炎 5.7%
血液感染の起炎菌になった大腸菌106例の薬剤感受性検査結果による分類 2018年1-12月
クラビット耐性菌が40%にも

下部尿路疾患に容易にニューキノロン系薬剤投与は避けるべき
飲み合わせに用心
ニューキノロン+NSAIDs →けいれん誘発
ニューキノロン+金属含有剤(Mg、Ca、Fe) →吸収低下
ニューキノロン+PPI →偽膜性腸炎発症率↑
ニューキノロン+抗不整脈(1a、3) →QTc延長 VT

新型コロナウイルスについて
中国41例 本当に45例か疑わしいが?
タイ 2例 日本1例
濃厚に接触しないと感染しない(ヒト・ヒト感染はしそうだが) SARS・MARSのような重症化は現在みられないが・・

2020年1月16日 済生会中津ICT
新型コロナウイルス関連肺炎患者の対応フロー
1 2 の両方を満たす
1 37.5度以上の発熱かつ呼吸器症状
2 ア イのいずれかを満たす
発症前2週間以内に
ア武漢市内を訪問または滞在した
イ 武漢の新型コロナウイルス関連肺炎患者またはその疑いがある患者と2m以内での接触歴がある
ICTへ連絡
インフルエンザ迅速検査の実施 *小児の場合は追加検査検討

  ↓
迅速検査(-)      迅速検査(+)
肺炎像(-)       肺炎像(+)
経過観察(自宅療養)   ICTより保健所へ相談(疑似症サーベイランス運用)

質問するとこちらも保健所に連絡したほうがよいとのこと

2020-01-19 05:06:17

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WEB講演会 1月17日

そうだったのかメトホルミン!―使い方のコツから最先端の知見までー
神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科教授  小川渉先生

我が国におけるメトホルミンの使われ方
メトホルミンの臨床的有用性と適正使用
メトホルミンとDPP4阻害剤の併用メリット
メトホルミン作用機構のトピックスー消化管作用と消化管外作用―

ビグアナイド薬の歴史
1918年ビグアナイド前駆体であるグアニジンの血糖降下作用発見
1950-60年代にフェンホルミン メトホルミン ブフォルミンが発売
1961年 日本でメトホルミン発売開始(メルビン)
1970年代 
フェンホルミンによる乳酸アシドーシスが問題に 発売中止
1977年 日、米、欧でフェンホルミンが使用禁止となる
       日本ではメトホルミンも適応、用法、用量が変更 用量1500mg/日→750mg/日
1995年 
Multicenter Metformin Study発表 米国でのメトホルミンの発売開始
1998年 UKPDS34発表 
2005年 欧米では2型糖尿病の第一選択薬に位置づけられる
2010年 
我が国での用法・用量改訂 最高用量 2250mg/日に
Standard of Medical Care in Diabetes2020
心血管予防重視・低血糖予防重視・肥満予防を重視・コスト低減を重視→個別化を重視する傾向へ
しかしあくまでも第一選択薬はメトホルミン
海外ではメトホルミンは実際にどの程度処方されているのか?
最近の大規模臨床試験開始時のメトホルミンの処方率
EMPA-REG    74.3% SGLT2阻害剤
LEADER      75.8% GLP-1RA
SUSTAIN6     73.2%  GLP-1RA
CANVAS      77.2% SGLT2阻害剤

SGLT2阻害剤やGLP-1受容体アゴニストの心血管イベントや腎保護に対する有用性を検証した試験
メトホルミンベースの治療に何を上乗せするかを検討した試験?

我が国におけるメトホルミンの使われ方
JDOIT3における薬剤処方率
2006-2009年           試験終了時 2016年
BG剤  15%前後          55-60%  従来法と強化療法こみ
SU剤  約40%           45-50%
TZD剤 約8%             25-40%
αGI   約30%           20-30%
グリニド 約8%             10%
DPP4阻害剤                55%
SGLT2阻害剤               10%
神戸大学病院における処方比率 2009年7月 591名 1型糖尿病9.1%含む
BG 40%SU剤 38% チアゾリジン13% αGI 15% グリニド 11% インスリン49%
2018年12月年―2019年2月 803名 1型糖尿病含まない

BG 62% DPP4阻害剤78% SU剤 22% チアゾリジン8% αGI 25% グリニド 5% SGLT2阻害剤 19%
インスリン45% GLP-1RA 15%

メトホルミンの臨床的有用性
用量設定幅が広く、高用量では強い効果
血糖降下作用は体重の影響をうけない
単独では低血糖をほとんど生じない
体重増加抑制や体重減少が期待できる例がある
心血管病発症抑制に対して一定のエビデンスが ある
長期使用経験により安全性が担保
副作用がないわけでない →起こりうる副作用についてはかなりの情報が収集されている

メトホルミンの副作用
頻度は高いが軽微
消化器症状                            稀だが重篤
(下痢・軟便が最多)                       乳酸アシドーシス
少量からの漸減で頻度減少                   10万人・年あたり数人程度
500mg(250mg2錠)から開始、数週間ごとに増量     スタチンによる横紋筋融解症よりやや少ない程度
服用中に次第に軽減                      
*乳酸アシドーシスの危険因子
慢性危険因子 心血管系疾患 51% 慢性腎不全 26% アルコール乱用 11%慢性肝不全 8.5% 呼吸不全 4.3%
急性危険因子 急性腎不全または慢性腎不全急性増悪 92% 造影剤による急性腎不全 26%肺血症 19%
          急性心疾患 6.4%

メトホルミン適正使用に関するリコメンデーション
eGFRが30ml/分/1.73m2未満の場合 
eGFR30-45はリスクとベネフィットを勘案
eGFR30-60の場合、ヨード造影剤検査の前、または造影剤時にメトホルミンを中止して48時間後にeGFRを再評価、再開
eGFR45以上、60以上の場合でも、腎血流量を低下させる薬剤併用時には注意
*脱水 シックデイ 過度のアルコール摂取など 75才以上の高齢者

メトホルミンとビタミンB12欠乏
以前から指摘されていたメトホルミンに伴うビタミンB12欠乏が最近行われたランダム化試験によって確かめられた
Diabetes Care 43 2020

メトホルミン服用(122名)非服用(64名)の日本人2型糖尿病患者の横断研究
→ビタミンB12、ビタミンB12作用を反映するホモシスチン、MCV、Hbに影響はなかった
日本人は獣肉より魚肉や貝類に豊富に含有することが影響?
メトホルミンとDPP4阻害剤に共通した臨床的有用性
体重                  低血糖
体重を増やさない         単独使用では非常にまれ
(高用量Metは減少)      
メトホルミンとDPP4阻害剤の併用療法
    ↓
有用性を保持したまま、良材による血糖降下作用

共通性
メトホルミンの食後血糖降下メカニズム 食後に分泌されるグルカゴンの作用の抑制
                   GLP-1の濃度増加
DPP4阻害剤の薬理作用        グルカゴン分泌抑制
                   GLP-1の分解抑制

 
メトホルミンのトピックス
標識グルコースを用いたグルコースクランプ法
糖尿病は肝糖産生↑グリコーゲン分解→ 糖新生亢進
メトホルミンは肝糖産生を抑制する グリコーゲン分解かわらず 肝糖産生亢進
メトホルミンはミトコンドリア機能の影響を及ぼし糖新生を抑制する

メトホルミンは水溶性なのでトランスポータを介して細胞へ
細胞膜  OCT1(Organic cation toranspoter) 肝臓に高発現(組織移行性と関連)
                    ↓抑制
ミトコンドリア     mGPD       呼吸鎖(Complex1)      多面的作用(脂質代謝)
↓           ↓                            ↑
(1)   呼吸効率低下→AMP濃度上昇 →AMPキナーゼ活性化(糖新生系遺伝子発現抑制)?
            ↓       ↓
     FBPase1抑制     アデニルシクラーゼ活性抑制
          ↓            ↓
糖新生系触媒反応抑制         グルカゴン作用拮抗       →   ↑
 

(1)グリセロール酸シャトル抑制 NAD産生低下 糖新生触媒反応抑制
メトホルミンの消化管への作用
メトホルミン2回服用と3回服用時の血中濃度と血糖推移は解離する
2回にわけても3回に分けても血中濃度推移は違うが血糖変動は同じ

消化管への作用が血糖降下と関連するというヒトでの証拠
1)従来型徐放錠 主に十二指腸と空腸を標的としている
2)新規徐放錠 回腸でrelease→吸収されにくい
血中メトホルミン濃度 2)ではほほ血中濃度≒0 
新規徐放錠 1000mg   4週後の空腹時血糖 18低下 1)従来型徐放錠1000mg 12低下

吸収されなくても、消化管にとどまることで血糖降下作用発揮
1968年ビグアナイドの腸管からの糖抑制作用 ?
十二指腸ゾンデからグルコース投与時の血糖上昇 イヌ ビグアナイドで血糖上昇抑制される
小腸遠位部でのグルコース回収量(吸収されなかったグルコース) ビグアナイド剤で増加 抗肥満や消化管副作用と関係
メトホルミンによる糖新生抑制の新しいメカニズム

腸管・脳・肝axisを介した肝糖産生抑制 
メトホルミン 十二指腸 AMPK活性化?→GLP-1シグナル活性化→迷走神経求心路→脳→迷走神経遠心路→肝 糖産生抑制
*Kupper細胞 IL-6→STAT3→抑制→糖新生系酵素遺伝子発現抑制→糖新生抑制
 インスリン→インスリン受容体→PI3キナーゼ→Akt→抑制→↑

中枢神経へのシグナルを介したインスリンによる肝糖産生抑制のメカニズムが存在
腸内細菌叢の変化を介した血糖降下作用
腸内細菌叢のプロファイルを変え Bacteroides fragilisの減少→グリコウルソデオキシコール酸の増加
→腸内ファルネソイド受容体(FXR)シグナル抑制→代謝改善(血糖降下)

*メトホルミンは小腸上部のSGLT1発現亢進を介して肝糖産生を抑制する
lactobacillus 高脂肪食で低下 メトホルミンで増加
Klebsiella 高脂肪食で増加 メトホルミンで低下
メトホルミン投与マウスの腸内細菌を移植→SGLT1mRNA発現量増加
メトホルミンで上部小腸における腸内細菌叢の変化 →SGLT1 → GLP-1 →GLP-1R  肝糖産生抑制
メトホルミンの作用機序の全容は未だ解明されていない
18FDG-PET/CT検査時のビグアナイド服用によるFDGの腸管への集積
メカニズム不明 糖代謝における意義不明→腸管にグルコース処理に何らかの影響を与えている
メトホルミンの腸管作用と血糖降下作用
               消化管からの糖吸収抑制?
                   ↑
GLP-1分泌亢進?  ←
メトホルミン消化管作用 → 腸管-中枢を介した臓器相関
                ↓          ↓
      腸内細菌叢への影響       腸管のグルコース代謝の変化?

血中濃度と薬理効果の解離を説明する?

 

2020-01-18 14:52:28

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内分泌と糖尿病UPDATE 1月16日

内分泌と糖尿病UPDATEを聴きにホテルグランビア大阪に行ってきました
久保田稔先生が主催する会 1内糖研や阪神間の2内・3内の糖尿病専門の先生の会


内分泌異常と糖尿病 ホルモンからみた糖代謝と糖尿病治療 高知大学臨床医学部門 教授 岩崎泰正先生
ポイントのみ
ホルモンの多くは、糖代謝調節に関与する(しかし役者ごとに作用様式は異なる)
1血糖維持機構は薄氷の世界
2インスリン抵抗性は飢餓を生き抜く究極の生体防御機構
1)グルココルチコイドは作る、貯める、節約する Cushing症候群
2)成長法ホルモンは、作る、節約する、しかし定期預金を取り崩す アクロメガリー
3)カテコラミンは瞬間芸(ATMから引き出す)褐色細胞腫

脳と閉鎖循環系の出現で血糖値の維持が必須となった
いつも食べているヒトと比べ、野生動物は絶食状態が基本
血糖の量は決して余裕があるわけでない
体重の60%は体液、1/3が細胞外液(ECF) :体重60kgなら体液量36L ECFは12Lとなる
ECFの1/3が循環血液量 :体重60kgなら4L 半分は赤血球で血漿量2Lとなる
血糖値は100mg/dl=1g/L :体重60kgなら循環血中には糖は2gしかない
ECF全体としても12L→糖は12gしかない
急激に糖を消費すれば、ただちに低血糖になる
飢餓時に血糖値を維持する3つの方法
1 糖取り込みホルモンを抑制する
2 糖を作って放出する(糖新生)
3  組織の糖利用を抑制する(インスリン抵抗性)

インスリン抵抗性は飢餓を生き抜く究極の生体防御機構
飢餓状態では・・
血糖減少でインスリン分泌が低下し、末梢組織の糖取り込み抑制
脂肪組織で中性脂肪が分解されFFAとGlycerolが遊離
筋肉で蛋白異化によりアミノ酸遊離 アミノ酸とGlycerolで糖新生が亢進
FFAを末梢組織エネルギー源として、糖の利用を抑制 末梢組織をインスリン抵抗性状態にして血糖値を維持する
その維持機構(?の部分)に多くのホルモンが関与している

糖尿病は飢餓状態の代謝と極めて類似している
            糖尿病            飢餓状態
血糖値          上昇            正常ないし低下
インスリン分泌     低下(初期分泌ないし総分泌)   低下
インスリン抵抗性     亢進              亢進
糖新生          亢進              亢進
グルカゴン分泌      亢進              亢進
血中FFA          上昇             上昇

糖尿病は「偽飢餓症候群」としてとらえることができる
2次性糖尿病の病態解析から、その本質が明らかとなる
グルココルチコイドは長期血糖維持に必須の飢餓ホルモン
肝の糖新生の必須ホルモンで特に転写因子FoxolとPDK4、G6Pase遺伝子の転写に重要
GCが欠乏すると低血糖を起こす
筋肉の異化を促進し、アミノ酸を糖新生の基質として提供する
筋肉等で糖取り込みを抑制する インスリン分泌を抑制する 食欲が亢進する
取り込んだ糖を中性脂肪に変換し貯蓄する

グルココルチコイドの糖新生関連遺伝子に及ぼす影響
HepG2細胞における各遺伝子転写活性の変動
FoxolとPDK4、G6Pase遺伝子↑
G6-P→Pyruvate→ →A-CoA→×TCA回路
            →PC→OA→PEPCK→F6BP→G6P→G6Pase
グルココルチコイドのインスリン抵抗性の分子機序
ヒトTxnip遺伝子の転写活性を↑→PTEN↑→insulin抵抗性
*インスリンシグナルの負の調節因子(PTP1B,PTEN,PP2A,MKP1)
成長ホルモンは作る、節約する、しかし定期預金を取り崩す アクロメガリー
成長ホルモンは、糖新生と糖利用抑制に必須の飢餓ホルモン
肝糖神経系の酵素発現を誘導する(グルココルチコイドと協調)
脂肪分解により生じたGlycerolを糖新生の基質として供給する
脂肪分解により生じたFFAをエネルギー源として供給し、同時にインスリン抵抗性を招来して糖利用を抑制する
細胞内へのアミノ酸の取り込みを促進する(肝臓では糖新生、筋肉では蛋白同化)

GH単独欠損のみでは重症の低血糖をきたすことはないが、肝糖新生系の未熟な新生児、乳児などでは低血糖性痙攣を認めることがある
未治療のアクロメガリー患者では血清FFA濃度が高く、GH受容体拮抗薬の投与により改善する
未治療の糖尿病では血清FFA濃度が高く、インスリン投与後でも高値が持続する
FFAが過剰になるとインスリン作用と糖利用が抑制される

(RandleCycle:飢餓時に糖から脂肪にエネルギー源をスイッチ)
FFAがCD36を含む受容体複合体を介して細胞内に取り込まれる→acetylCoA→TCA回路へ
→DAG→PKCを介してIRSを抑制する
*CD36 の発現はインスリン抵抗性の状態で亢進する

カテコラミンは瞬間芸(ATMから引き出す) 褐色細胞腫
カテコラミンは急性低血糖ストレスに対応する飢餓ホルモン
グリコーゲンを分解し、糖を放出して血糖値を上昇させる
膵β細胞のα2-CA受容体に作用してインスリンを抑制し血糖低下を防ぐ、インスリン非依存性に糖を取り込める脳の機能が維持される(筋は自前のGlycogenでしのげる)
急性ストレス時には脳は機能維持が不可欠であることから、急性の血糖維持機構は理にかなった制御機構と考えられる

カテコラミンによるインスリン分泌抑制の分子機構
インスリン刺激・代謝は惹起経路と増幅経路でインスリン分泌を促進する
NEはGi/Goを介してKatp チャネル開口ならびにadenylate cyclase/cAMP抑制により両経路を抑制する

糖尿状態の代謝
糖尿病でもインスリン分泌が傷害され脂肪分解が亢進してFFAが上昇すると、細胞は飢餓状態と勘違いしてエネルギー源を糖から脂肪にスイッチして糖利用をよくせいしてしまう(病態下でのインスリン抵抗性)

 

2020-01-17 16:26:52

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WEB講演会 1月15日

凝固線溶系から観る高中性脂肪血症の治療 済生会熊本病院 心臓血管センター 循環器内科部長 坂本知浩先生
まとめ
心血管イベント発症抑制において、線溶系活性は最後の砦である
メタボリックシンドロームにおいて、高TG血症は脂肪細胞からのPAI-1産生を刺激し、線溶系活性を低下させ心血管イベントを発症につながる
高TG血症に対する種々の薬理学的な介入は、スタチン投与中の残余リスク管理のきわめて重要である
世界初かつ唯一の選択的PPARαモデュレーター(SSPARMα)であるパルモデアは、効率的に高TG血症を改善させ、

スタチン併用下でも安全に使用可能な高脂血症治療薬である
有意な耐糖能改善効果も有するパルモデアは、特に高TG血症及び低HDL血症を有する糖尿病患者に有用である可能性があり、イベント抑制を目指した国際臨床試験(PROMINENT試験)が進行中でありその結果が期待される
心筋梗塞は非優位狭窄から発症する
対象 ACS発症にてCAGが行われた症例で、発症1年以内に偶然、CAGが施行されていた連続151例症例
発症全狭窄            発症時狭窄
90%狭窄 22例   →70%・50%狭窄 11例・5例 90%狭窄6例
75%狭窄 32例   →100%狭窄 12例 99%狭窄 4例90%狭窄 16例
50%以下狭窄 97例→100%狭窄 24例 99%狭窄 24例90%狭窄 33例
ACSの原因となる病変の8割以上は、発症のわずか1年前までは狭窄度75%以下の軽微な病変であった
(ジャンプアップ現象)

動脈硬化の進行プロセスと血栓形成
脆弱な線維性皮膜を有するプラークの破綻
血小板の活性化、固着、凝集
血小板(白色)血栓形成
凝固系の活性化、フィブリン(赤色)血栓形成

線溶系が働くとつまらないが(血栓を溶かし)・・
線溶系におけるType1Plasminogen activator inhibitor(PAI-1)の役割 
           t-PA
           ↓ ←PAI-1
プラスミノーゲン → プラスミン
               ↓ α2-AP
         フィブリン→フィブリン分解産物
PAI-1が活性化していなければプラスミン増加→フィブリン↓↓
PAI-1は実質的な線溶系のコントローラーである
急性心筋梗塞ではPAI-1活性は上昇している
            血漿PAI-1活性(IU/ml)
対象35例         中央値5前後
AMI(急性期) 47例   中央値15前後
AMI(慢性期) 42例   中央値 8前後

自然再開したST上昇型心筋梗塞は約25%前後ある
そのような症例ではPAI-1活性は低下している
            血漿PAI-1活性(IU/ml)
対象35例         中央値5前後
AMI(急性期)    11例   中央値2-3前後
血栓溶解療法成功 23例       20 
血栓溶解療法失敗 13例       10

t-PA製剤投与後にみられた奇異性血栓性再閉塞
1時間       4時間   8時間   24時間 
血漿t-PA抗原   2000ng/ml   30       30     30
血漿PAI-1      10→0IU/ML  28     20       20 →10前後に
約4時間でPAI-1濃度有意に減少していた

PAI-1活性の多寡は冠動脈内血栓の動態と密接に関連している
線溶活性の高低が最終的な血栓の運命を決める
血漿PAI-1低値は予後と関連している
冠動脈イベント非発症率 8年間
PAI-1<8 80% vs PAI-1≧8 20%
PAI-1を治療の標的とすることで冠動脈疾患の予後を改善できる可能性がある

肥満はACS発症のリスク
BMI<25 1とすると 
男性    女性
BMI 25-29.9 1.40倍  1.54倍
   30以上  1.93倍  2.06倍

脂肪細胞 増大 アデポサイトカイン↑  TNF-α、Leptin、PAI-1、adiponectin、Resistin、Visfatin(PREF)、chemerin・・
過食は急性心筋梗塞発症のトリガー The MILIS Study
精神的混乱20%  中等度の身体活動 15%重度の身体活動 9%不眠 8% 過食 7% 発症患者割合
急性過血糖は血小板凝集機能を亢進させる
       は血管内皮機能を増悪させる

過食 高血糖→ 血小板凝集能亢進  →急性心筋梗塞発症   一過性の高血糖は心筋梗塞発症の引きがねになる
        血管内皮機能低下
    高中性脂肪→  
?     →急性心筋梗塞発症
食後高脂血症とは
食後の高トリグリセライド血症が顕著で、しかもそれが遷延する状態
空腹時には正脂血症を示すが食後高脂血症を呈する「潜在性高脂血症」をとる場合がある
肥満、メタボリック症候群、糖尿病(耐糖能異常)でよく観察される
メタボリックシンドローム
内臓肥満 高血圧 脂質異常 高血糖 高インスリン血症
根幹はインスリン抵抗性
脂質異常 TRL(高TGリッチリポ蛋白)の増加、低HDL-C、sdLDL出現、食後高脂血症
Insulin抵抗性状態時の内因性脂質変化
脂肪細胞からFFAの動員→肝臓 TG、CE →ApoB100↑MTP活性↑→VLDL分泌亢進→大型VLDL ↑ TG増加
                 CETP HDL-Cコレステロールの低下 
                 LPL  Small dense LDL増加

メタボリックシンドロームを構成する各因子は脂肪細胞から脂肪細胞からPAI-1産生を強く刺激する
マウスで
PAI-1産生
        2    5    6     8    20↑↑
ブドウ糖   +   +   ++   +   ++
インスリン -    +   ++   +   ++
中性脂肪 -    -   -      +   +

脂肪細胞は活性酸素の刺激でPAI-1を産生する
脂肪細胞はPAI-1の重要なソースであり中性脂肪や酸化ストレス(炎症)の上昇はPAI-1産生刺激となる
2次予防患者の空腹時中性脂肪と総死亡の関係(BIP試験長期フォロー)
<100mgを1とすると 200-499で1.29倍 500以上で1.68倍
2型糖尿病患者における予後規定因子 JDCS
LDL-C 1.5倍 LogTG 1.6倍 
LDL-CとhsCRPと冠動脈イベント
LDL-C130未満 CRP<1を1とすると LDL-C≧160 CRP<1 1.5倍   LDL-C 130未満CRP≧3 1.8倍 
 LDL-C≧160 CRP≧3 2.8倍に

REAL-CAD研究
ピタバスタチン1mgvs4mg 19% 心臓イベント有意に低下
LDL-C    91   76.6 
CRP      0.59  0.49
スタチン治療中患者における中性脂肪
TG<150と200-499ではTG高値で有意にイベントリスク増加
スタチン治療中でもこう中性脂肪血症は心血管イベント上昇リスクとなる
フィブラート薬 核内で作用する薬
PPARα ApoC3↓LPL↑・・  TG低下
PPARα NF-κB ↓ IL-6↓ COX-2↓VCAM1↓・・・CRP(炎症)低下
PPARαアンタゴニストによる中性脂肪低下と心血管イベントは正の相関

フィブラートはTGと独立して炎症を抑える
PAI-1血中濃度に対するフェノフィブラートの効果は肥満を有する前糖尿病状態で最も顕著となる
大規模メタ解析でも有意にPPARαアンタゴニストは複合心血管イベントを低下させる
脂質と炎症に同時に介入できる薬剤
スタチン  →(プラークの成長破綻を抑制)
LDL-C      CRP      TG
         ←フィブラート→(線溶を促進)
しかし二つは併用禁忌 スタチンと相性が良いTG低下薬の必要性
ペマフィブラート
選択的モデイファイヤーSPPARMα:パルモデイア

PPARαは標的遺伝子 on-target その他の遺伝子 off-targetに作用
特殊な脂質が結合する脂肪酸の分解する酵素遺伝子を活性化し、同時に炎症を抑える
一方パーオキシゾームが異常に増殖しすぎると肝機能が悪化したり腎機能が低下するなどの副作用がでる。
そこでパーオキシゾームの代謝改善 炎症抑制に選択的に選択的に働くパルモデイアが開発された

ベマフィブレートは強力にα特異的に作用する 少量投与で効果あり
肝臓でTG低下作用 β酸化関連酵素 CPT1A の増加 TG分泌抑制 TGリッチ蛋白低下
HDL-C増加作用 ABCA1増加 ApoA増加↓ 新生HDL増加
べマフィブラートは低用量でTG低下 HDL-C上昇 ベザフィブラート100mg≒0.025mg -30.9 % 変化量 11.9%
べマフィブラートによるRLP-C(スタチンの残余リスク?)効果 12週 0.05mg -32.3%低下
べマフィブラートによるLDL分画への影響 12週 動脈硬化惹起性の強いsmall dense LDLを低下させる
べマフィブラートによるHDL分画への影響 12週 より質のよりHDLが増える(コレステロールの引き抜き能力高い)
副作用 肝機能腎機能障害の有害事象少ない スタチン併用でも肝臓腎臓CPKの上昇 プラセボと変わらず
べマフィブラートにより空腹時血糖、インスリン値低下、HOMA-R有意に低下

 

2020-01-16 12:19:13

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