内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
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WEB講演会 2月17日

慢性腎臓病における高尿酸血症と高血圧合併の意義―腎細動脈症の重要性-
琉球大学医学部付属病院 血液浄化療法部 准教授 古波蔵 健太郎先生

無症候性高尿酸血症と腎障害発症リスク
CKDステージが進むとともに高尿酸血症頻度増加 結果
高尿酸血症と2年後の腎機障害(s-Cr高値)発症リスク(一般住民)
尿酸 5未満 5-5.9 6-6.9 7-7.9 8以上 7以上になると優位に増加する 女性>男性 原因?

メタ解析でも 尿酸高値はCKDの発症進展を予測する
アロプリノール投与によりCKD進展抑制効果
CKD患者 113人 従来治療群 vs 介入群 従来治療+アロプリノール100mg/日
eGFR 変化 +1.2 vs -3.2ml/min/1.73m2 尿酸 -1.5 vs +0.3mg/dl

尿酸低下薬(XOR阻害薬)の腎保護効果 メタ解析 8研究 治療薬介入は腎障害進展を抑制する
無症候性高尿酸血症と高血圧発症リスク
メタ解析 高尿酸血症は高血圧の予測因子である
尿酸と腎血管抵抗の関係 正相関
肥満 血圧高値の青年(11-17才)で尿酸下降(7W)は血圧を低下させた
24時間平均収縮期血圧 122→114 アロプリノール 122→114プロペネシド
全身血管抵抗の変化 2400→1700 アロプリノール 2300→1750 プロペネシド
 無症候性高血圧→共通するメカニズム → CKD 高血圧 ?
高尿酸血症モデルラット 尿酸塩の析出を伴わない軽度の高尿酸血症により高血圧と腎機能障害が誘導される
Oxisonic acid(Urate→UricaseによるAllntoinにするのを阻害)
血圧はOA2%投与群に比し Allopurinol Benziodarone投与群で優位に血圧低下する
    コントロール  オキソニン酸    オキソニン酸+アロプリノール
UA     1.39     1.84            1.32
SBP     126.8    146.9           119.3
Bun      15.6     20.5           11.8
高尿酸血症により高血圧と腎機能障害が誘導される 腎内細動脈病変が関与
硝子化病変のAreaと尿酸は正相関する 細動脈肥厚と尿酸は正相関する
高尿酸血症5/6腎摘出モデルでフェブキソスタットは細動脈病変を軽減し糸球体血圧を低下させた
久山町研究 血清尿酸値別のアルブミン尿(30mg/gCr以上)発症のオッヅ比
40才以上の非CKD N=2059(男性851人 女性 1208人)
4未満を1とすると ≧5.9で1.81倍 1mg/dl増加ごとに1.15倍増加
トピロキソスタットのCKD3合併患者対象試験 尿中アルブミン/クレアチニン
投与により 22週で100%→70%に改善
db/dbマウスを用いた尿中アルブミン排泄と血漿中キサンチン酸化還元酵素(XOR)活性に関する検討
トピロキソスタットは優位に果然したがフェブキソスタットは優位に改善しなかった?
尿酸による高血圧の推定メカニズム
尿酸↑ →腎臓 レニン増加 NO低下 間質の炎症 microvascular rarefaction 輸入細動脈症
   →血管 NO低下 ROS増加 炎症 血管平滑筋増殖
尿酸トランスポータを介して細胞内取り込まれた尿酸は血管内皮障害や血管平滑筋増殖を引き起こす
尿酸 →血管内皮細胞 MAPキナーゼ CRP↑ 炎症 →NO産生低下
    酸化ストレス↑ →RA系亢進→アポトーシス
  →血管平滑筋細胞 MAPキナーゼ RA系 酸化ストレス 平滑筋増殖
          NF-κB  AP-1 →COX-2↑ PDGF↑ 平滑筋増殖
          MCP-1↑ 炎症
CKD進展における輸入細動脈症の臨床的意義 高尿酸血症と高血圧合併の重要性
硝子化病変の病変と血管壁肥厚の進展度と尿酸値は相関する
腎内細動脈病変に関連する因子 多変量解析
硝子化病変     高度壁肥厚
糖尿病 10.8      5.6
高尿酸血症 3.1     2.7
                             尿酸↑
      輸入細動脈症
硝子化病変軽度       硝子化病変 高度
  非閉塞性         閉塞型
糸球体高血圧          虚血
糸球体傷害         尿細管傷害
蛋白尿
       進行性腎障害
病態によって高血圧による腎障害の起こりやすさが異なる
本態性高血圧であれば220mmHg以上で腎障害↑
CKD患者では血圧による腎障害の感受性亢進 140-160でも腎障害↑へ
血圧上昇時の糸球体高血圧の違い
自己調節機序正常 BP↑ 輸入細動脈収縮 糸球体内圧変化なし
破綻 BP↑ 輸入細動脈変化なし 糸球体高血圧 → 蛋白尿

              糸球体硬化
血圧階級別蛋白尿 細動脈硝子化病変合併あるなし
細動脈硝子化病変ない時 血圧140以上でも120-140でも蛋白尿かわらないがある時 血圧140以上で蛋白尿増加

CKD進展による高尿酸血症と高血圧合併による悪循環の形成
尿酸↑ 輸入細動脈症 →尿酸↑
   硝子化病変高度 閉塞型→末梢血管抵抗→高血圧→輸入細動脈症
             →髄質血流低下(傍髄質ネフロン傷害)→食塩感受性亢進
          虚血 尿細管障害 →食塩感受性亢進→高血圧
高血圧+高尿酸血症で細動脈硝子化病変オッズ比 9倍に
個別化治療
糖尿病性腎症におけるアルブミン尿は不均一な糸球体由来である
同じ腎臓であっても糸球体ごとに糸球体血行動態が異なっている
乏しい ←   尿蛋白    → 多い
虚血糸球体  正常糸球体  糸球体高血圧
悪化の恐れ   厳格降圧      改善
悪化の恐れ   RAS阻害剤    改善

高尿酸血症+高血圧→ 尿酸低下薬のメリット大きい →CKD 高血圧
後ろ向き研究 高尿酸血症+高血圧の患者 n=137 新規XO阻害剤投与
尿酸低下 GFR↑ SBP↓DPB↓

 

2018-02-19 12:38:31

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茨木カンツリー倶楽部2月18日

茨木カンツリー倶楽部 月例 東コース 平凡なスコアーで入賞ならず

今回は東イン 11番の紹介を

レギュラーテーから200ヤード付近で直角にドッグレッグしたパー4 意外と大たたきするプレーヤーが多い

左の山越えは危険?まっすぐ打ちすぎると木の下か隣のホールに突き抜ける

グリーンも両サイドのバンカーが待ち構え、グリーン手前の花道は傾斜しており、手前から転がすと右バンカーや林に吸い込まれる グリーンも細かいアンジュレーションが・・

ちなみに今日はボギー(1打目220ヤードヘアウエーど真ん中も2打目が右バンカー左にシャンクし万事休す)

2018-02-18 16:02:33

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Diabetes Expert Meeting 2月16日

Diabetes Expert Meeting を聴きにリーガロイヤルホテル大阪に行ってきました
糖尿病における動脈硬化の進展メカニズムー最新の知見を交えて-
大阪大学大学院医学研究科 内分泌代謝内科学 代謝血管学寄附講座講師 片上直人先生


糖尿病性動脈硬化の第一人者だけあり、今回も動脈硬化の基本的な事から 新しい事を広範囲にまとめて講演いただきました(30分の講演としては話題が豊富すぎて頭がパンク)
血管内皮による正常な血管の機能や構造の調節と維持
凝固←→線溶   酸化←→抗酸化  炎症←→抗炎症
RBC and  PLT    ↑        Monocyte
          生理活性物質
  血管内皮細胞  (NO PGI2など)  血管内皮細胞
           ↓
  平滑筋細胞            平滑筋細胞
      収縮←→拡張  増殖←→非増殖
種々の細胞傷害因子による血管内皮細胞の傷害
高LDL-C 酸化ストレス 高血糖 喫煙 ホモシスチン ウイルス 免疫学的因子 機械的ストレス 
→血管内皮細胞
血管内皮傷害による動脈硬化←→抗動脈硬化のバランスの破綻 動脈硬化の第一段階
凝固>線溶   酸化>抗酸化  炎症 > 抗炎症
RBC and PLT    ↑        Monocyte
          生理活性物質
  血管内皮細胞  (NO PGI2など)  血管内皮細胞
           ↓
  平滑筋細胞            平滑筋細胞
        収縮> 拡張  増殖 >非増殖
粥状硬化病変の形成プロセス(1)
1 高LDL-C血症下ではLDLの内膜下への侵入が増加する  2 内膜に蓄積したLDLは酸化などの変性を受ける
粥状硬化病変の形成プロセス(2)
糖尿病下では LDLの酸化が起こりやすい Small dense LDL が増加する
 Sd LDLは LDL受容体への親和性が低下しており血中に滞留しやすい
      小型なので血管内皮下へ侵入しやすい 抗酸化物質に乏しいので酸化変性しやすい
粥状硬化病変の形成プロセス(3)
傷害された内皮は接着因子を発現、ケモカインを分泌 ケモカイン作用により単球が遊走してきて内皮に接着
単球は内膜に侵入しマクロファージへと分化成熟しサイトカインを放出
マクロファージは酸化LDLを貪食し泡沫細胞となりサイトカンを放出
中膜の血管平滑筋細胞が形質転換し、内膜に遊走して細胞外マトリックスを盛んに産生泡沫化する
粥状硬化病変の完成
アテローム血栓症(ATS)の成立 
血管→血流 脂質成分+線維性被膜+マクロファージ →亀裂 血栓 →急性閉塞 ACS アテローム血栓脳梗塞
                                →狭窄進展  安定狭心症
血栓形成の3大要因(Virchow‘s Triad)
血管壁の異常(粥腫の形成) 血流の異常 血小板・凝固因子などの血液成分の異常
血小板から産生される炎症性メデエーター
血小板第4因子 ずり抵抗による単球の内皮細胞への粘着を抑制する
CD40リガンド  マクロファージと平滑筋細胞を制御する
トロンボスポンジン 細胞表面レセプターと相互に作用する 血中濃度が高いとT1DM患者のIMTが進行する
NO     単球 白血球 内皮細胞 平滑筋細胞に作用する
TGF-β 平滑筋細胞の生合成を促進する         TGF-βの遺伝子多型がT2DM患者の脳梗塞と関連する
RANTES マクロファージの内皮細胞への粘着に作用する
PDGF ずり抵抗により単球の内皮細胞への粘着を制御する
血小板は血栓形成の重要な因子であるだけでなく炎症性メデエーターの産生を介して動脈硬化病変の形成にも関与する
糖尿病は動脈硬化進展 心血管イベント発症リスクを高める
糖尿病 →粥腫不安定化 MMP↑MMP9↑など
     炎症反応 サイトカイン↑など
     内皮機能障害 NO↓接着因子↑など
     血栓傾向 血小板凝集↑ PAI-1 PGI2↑
     平滑筋細胞の遊走 増殖 形質転換 
    → 動脈硬化の進展 心血管イベント発症
粥状硬化病変の形成とその破綻・局所での血栓形成を契機とした心血管イベントの発症には多くの要因が複雑に
絡み合っているが、糖尿病ではそのいずれも増悪させる

糖尿病と動脈硬化を結ぶ機構
AGE産生の亢進 Polyol経路の亢進 PKC活性の亢進 Hexosamine経路の亢進 酸化ストレスの亢進
アデポサイトカイン異常 慢性炎症など

糖尿病の高血糖やインスリン抵抗性により様々な要因がおこり動脈硬化に・・
1 AGEs産生の亢進・蓄積 過去の[高血糖のつけ・借金] 高血糖の記憶の主体 AGEs(後期反応生成物)
AGEsによる血管障害の機序 受容体→細胞内シグナル活性化 炎症 細胞増殖 細胞外基質産生etcに関わる
                                    遺伝子発現の異常
血中遊離AGEs →細胞外マトリックスの構造変化
AGE readerによるAGEs蓄積の非侵襲的評価 皮膚・皮下の血管壁に蓄積されるAGEsを蛍光分光方式により
AFとして非侵襲的に検出・定量化するシステム 
1型糖尿病患者(n=105)を対象にskin AFを評価した 1型糖尿病患者では非糖尿病患者に比べ優位にSkinAF高値
1 高齢で 2 糖尿病罹病期間が長く 3 血糖管理悪い 4 喫煙している と

皮膚・皮下へのAGEs蓄積量が多くなる 
皮膚・皮下へのAGEs蓄積量が多いほどFMD↓、PWV↑、頸動脈IMT肥厚と動脈硬化の程度が高度である

AGEがその受容体(RAGE)に結合し、活性化すると血管障害機転が進行する→デコイ様に作用する可溶性RAGEの投与により血管障害は抑制されるか?
可溶性RAGEの投与は糖尿病性血管障害の進展を抑制する 血管内皮細胞におけるAGE誘導性のERKリン酸化・VEGFの発現誘導は可溶性RAGEの投与により阻害される
糖尿病を誘発させたApoEノックアウトマウスの大動脈における動脈硬化病変は可溶性RAGEの投与により縮小する
マウスの大動脈内皮傷害後の新生内膜の形成は可溶性RAGEの投与によりウ抑制される
動脈硬化の進展にAGE-RAGE系は重要であり、人工的に作成した可溶性RAGEの大量投与はAGE-RAGE系を介する血管障害機転を抑制する

Soluble RAGE(sRAGE)の臨床的意義はよくわかっていない?
血中sRAGE濃度と心血管イベントとの関連(前向き観察研究)  観察期間 2500日
SRAGE 2094pg/ml n=92 1320pg/ml n=92 767pg/ml n=92 3群で
血中sRAGE高値の糖尿病患者では優位に心血管イベント発症リスクが高い
古典的冠危険因子を調整しても血中血中sRAGE濃度は心血管イベント発症の独立した危険因子である
血中sRAGE濃度はデコイ(血管保護効果)よりもRAGE発現亢進(血管障害機構の亢進)を強く反映している?

血中sRAGE高値の糖尿病患者では冠動脈疾患や心血管死のリスクが高い報告が多いが、まだ結論はでていない
2 ポリオール経路亢進
グルコース→ソルビトール→フルクトース →AGEs産生の亢進
     NAD+ NADH       
     解糖系を介した      →DAG↑→PKC活性亢進
動脈硬化症進展に対するポリオール経路活性化の重要性
糖尿病化ApoE KOマウスにおいてヒトAldose reductase(AR)遺伝子の過剰発現によりポリオール経路を活性
化すると、動脈硬化病変の形成が促進されこと、AR阻害剤の投与によりポリオール経路を抑制すると、動脈硬化の
形成が抑制されることが示された

ラット頸動脈バルーン傷害モデルを用いた実験の結果、AR阻害剤投与によりバルーン傷害後の新生内膜形成が抑制された 
3 PKC活性の亢進
Glucose→ DAG denovo合成↑→活性化 PKC↑
TGF-β1 ↑ PDGF↑ ICAM-1 ↑ PAI-1 ↑ NADPH oxidase ↑ NO↓ET-1↑ VEGF↑
       血管傷害を引き起こす
4 Hexosamine経路の亢進
高血糖下では細胞内グルコース濃度が上昇し、Hexosamine経路の亢進する結果、UDP-N-acetylglucosamine(UDP-GlcNAc)が増加する結果、種々の蛋白質のO-GlcNAc修飾が起こる
蛋白質のリン酸化部位のO-GlcNAc修飾は、一過性にリン酸化を抑制するために、様々なシグナル制御に影響を及ぼす。その結果 内皮細胞・血管平滑筋細胞の機能は障害され動脈硬化に
5 酸化ストレスの亢進
酸化ストレス、生活習慣病等の結果、活性酸素(ROS)の産生系と消去系のバランスが破綻し、ROSが過剰に産生された状態  糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満、喫煙などが
活性酸素種(ROS)の産生系 活性化
NAD(P)H Oxidaseoxantin  
Oxidase Cyclooxygenase  Lipoxygenase など
抗酸化機構  GPX Catalase SOD ete 不活性化
酸化ストレスによる細胞障害
過剰なROS → DNA障害 蛋白分子の変性 細胞膜変性    →細胞障害
      → Redox感受性遺伝子の活性化→遺伝子発現異常 →細胞障害 
                   サイトカイン ケモカイン
                   増殖因子 抗酸化酵素
                   細胞接着因子など

細胞障害→  β細胞障害 インスリン抵抗性亢進 交感神経亢進 血管障害など
高血糖下における細胞内代謝異常と酸化ストレス亢進機構
                   高血糖
                    ↓
 1 自己酸化            Glucose
 2ポリオール経路↑            ↓
   グルタチオンレドックス     Gluc6-P → 3ヘキソサミン経路
   サイクルの障害           ↓
                   Fruc6-P 
                     ↓
       4 AGE産生↑    ← GA-3-P → DAG →PKC  NAD(p)H oxidase →活性酸素
         AGE-RAGE系↑     ↓
                  5 TCA回路↑電子伝達系↑
活性酸素 ← 1.2.3.4.5
糖尿病下におけるミトコンドリア断片の亢進と酸化ストレス
ミトコンドリア分裂において最も重要な制御因子はDRP1である 過剰なROSはDRP1を活性化しミトコンドリア断片
を保護して、エネルギー産生効率の低下やさらなるROSを引き起こす
Keap-1-Nrf2システムによる抗酸化酵素の発現制御
糖尿病下ではGSK3βによるNrf2のリン酸化が亢進して、ユビキチン・プロテアーゼ系を介した分解を受けやすくなるため、抗酸化酵素群の発現が低下し、酸化ストレスがかかりやすくなる
糖尿病 →酸化ストレス 
          粥腫不安定化 MMP↑MMP9↑など
          炎症反応 サイトカイン↑など
          内皮機能障害 NO↓接着因子↑など
          血栓傾向 血小板凝集↑ PAI-1 PGI2↑
          Proto-oncogenesの活性化
          平滑筋細胞の遊走 増殖 形質転換  
   → 動脈硬化の進展 心血管イベント発症
proto-oncogene Pim-1の血球系細胞における役割
Pim1 転写因子の活性制御 細胞周期の制御 アポトーシスの制御
 血管平滑筋細胞の増殖や動脈硬化の進展におけるPim1の役割は?
1 ヒトの肥厚した冠動脈や大動脈の平滑筋細胞にPim1が発現している
2 頸動脈バルーン傷害後に形成された新生内膜にPim1が発現してくる
3 培養血管平滑筋細胞では酸化ストレスによりPim1の発現が誘導される
4 酸化ストレスは誘導性の血管平滑筋細胞の増殖はPim1阻害により抑制される
5 Pim1阻害により細胞周期は制止し、DNA合成は抑制される
6 Pim1阻害によりバルーン傷害後のVSMC増殖が抑制される
7 内膜傷害後の新生内膜形成はPim1阻害により抑制される
動脈硬化の進展には酸化ストレスを介するPim1の活性化が関与しておりPim1は新しい治療標的になる可能性がある
その上流にPlatelet Derived Growth Factor ↑ AGE-RAGE/STAT3↑が関与する可能性が示唆されている

酸化ストレス促進アレルを多く持つ糖尿病患者ほど心筋梗塞の有病率が高い 酸化ストレス促進アレル保有数は古典的な危険因子で調整後も心筋梗塞の独立した規定因子である
酸化ストレス促進アレルを多く持つ糖尿病患者ほど冠動脈疾患の発症リスクが高いまた血糖コントロール不良な集団でより影響を及ぼす

糖尿病患者における動脈硬化の進展は遺伝と環境による酸化ストレス亢進が重要な役割を担っている
6 慢性炎症
免疫反応、炎症を引き起こす物質
PAMPs 感染によって微生物から出される分子群 細菌 ウイルス
DAMPs 損傷組織または壊死に向かっている細胞から放出される自己由来の分子群
    Cell death  AGEs 脂肪酸 HSP HMGB1 Nucleic acid ATP 
Oxidation epitopes  oxLDL oxPL mmLDL
Microenvironment アシドーシス Hypergycemia
Crystasis コレステロール 尿酸 ECM
 PAMPs DAMPs→(マクロファージ、内皮細胞、平滑筋細胞)→Toll like受容体 →NFκB→
 Active NLRP3 インフラマソーム→IL-1β→炎症細胞浸潤 内皮機能障害
 Active NLRP3 インフラマソーム→細胞死→細胞死DAMPs→他の細胞→更なる炎症

2型糖尿病では 1 単球中のNLRP3の増加 2 インフラマソームの活性亢進 3 末梢血中のIL-1β濃度上昇
        が見られる

動脈硬化における炎症の惹起・維持にはTLRによるDanger signalsの認識とNLRP3インフラマソームの活性化
が関与しており、糖尿病下ではこれらの機構が亢進している

Neutrophileextracellular traps(NETs)によるマクロファイに活性化と炎症促
活性化された好中球は、核酸、蛋白質、プロテアーゼ等で構成されるネバネバのNETsを放出して細胞死(NETosis)に至る 
NETsは1 自然免疫系に対する内因性リガンドとしてマクロファージを活性化し炎症を促進する
    2 組織破壊酵素として作用する 3 血栓形成を促進する などによって動脈硬化進展に関与する

遺伝子工学的にNETosisをおこらなくしたapoEマウスでは炎症反応や動脈硬化病変の形成も抑制される
糖尿病マウスでは対照マウスに比較してNETs産生が亢進している

糖尿病と動脈硬化を結ぶ機構
糖尿病→高血糖 インスリン抵抗性→動脈硬化
      AGE産生の亢進  
      ポリオール経路の亢進
      PKC活性の亢進
      ヘキソサミン経路の亢進
      酸化ストレスの亢進
      アデポサイトカイン異常
      慢性炎症など

金藤先生の講演は糖研1聴いているので今回は省略します

2018-02-18 06:39:03

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第52回透水会 2月15日

第52回透水会に参加するため大阪マルビルに行ってきました

2型糖尿病患者を対象としたインスリン単独療法とSGLT2阻害剤薬併用療法との比較
大阪大学大学院医学研究科 内分泌 代謝内科学 助教 坂本扶美枝先生

血糖コントロール不良な2型糖尿病患者を対象として20例 強化インスリン療法単独 VS 20例 インスリン療法+SGLT2阻害剤
食事負荷試験 1食 484kcal 炭水化物 55% 蛋白質 20% 脂質 25% 14日
強化インスリン療法切り替え方法
初期インスリン投与量 0.2単位/kg 超即効型インスリン 朝 30% 昼 20% 夕 20%
持続型インスリン 眠前 30%
超即効型インスリン 昼 夕食前 71未満 –3単位 72-89mg/dl -2 90-126 0 127-161 +2 162-197 +3 198以上 +4
持続型インスリン 朝食前 71未満 –3単位 72-89mg/dl -2 90-126 0 127-161 +2 162-197 +3 198以上 +4

まとめ
食事負荷試験の結果 強化インスリン療法単独およびインスリン療法+SGLT2阻害剤ともに有意な耐糖能の改善
インスリン感受性の改善を認めた
強化インスリン療法単独群に比べSGLT2阻害剤併用群は目標管理血糖値に到達する期間が優位に短縮した
12日 vs 6.5日 達成率 62.5% vs 100%
SGLT2阻害剤併用群は食事負荷試験におけるインスリン分泌能の有意な改善を認めた
(AUC Ins/Glu HOMA2-%B 36.6→68.3  postprandial CPI 1.26→1.72 が優位に改善)

*postprandial CPI 膵臓β細胞量との相関がある?


糖尿病治療薬における新規経口糖尿病薬の今後の位置づけ 
横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌糖尿病内科学教授 寺内康夫先生

1 当教室の基礎研究の話題から 2 糖尿病患者の抱えるストレス 3 血糖 肥満と心血管認知リスク
4 高齢者糖尿病の特徴 5 新規経口糖尿病薬の位置付け

グルコキナーゼ、IRS-2を介した膵臓β細胞量と機能のメカニズム(仮説)
グル子キナーゼとIRS-2を介したシグナルの増強によって膵β細胞量の減少を抑制することができる
膵臓では インスリン分泌作用促進 膵β細胞アポトーシス抑制 膵β細胞増殖作用
肝臓では 糖利用促進作用

*グルコキナーゼ活性化による小胞体ストレス誘導性膵β 細胞アポトーシスの抑制メカニズム.
グルコキナーゼの活性化は,Ca およびカルシニューリンを介したIRS-2 の発現上昇によるGSK-3β 抑制だけで
はなく,IRS-2 に非依存的なERK の活性化を介した経路により小胞体ストレス誘導性のアポトーシスを抑制した.
皮膚における細胞外弾性線維を介したインスリン抵抗性制御機構の解明 奥山朋子先生
背景 慢性高血糖を模倣するモデルとしてマウス単離膵島をグルコキナーゼ活性化薬(GKA)にて24時間刺激した
際に発現上昇する分子の1つとしてFibulin-5(FbIns5)を同定し高脂肪食負荷によりその発現はさらに上昇した
(遺伝子発現マイクロアレイ)
FbIns5 弾性線維形成に必須の分泌蛋白 →
FbIns5欠損マウスは弛緩性皮膚 肛門脱 肺気腫 大動脈硬化蛇行など呈する
    
細胞増殖・細胞浸潤への関与 皮膚や肝における線維化への関与
研究の詳しい内容省略
小括
FbIns5KOマウスにおける各代謝臓器の表現型
FbIns5KOマウス肝臓 インスリン感受性↑糖産生↓ 脂肪酸合成取り込み↓脂肪酸分解↑
         膵臓 インスリン分泌→
         骨格筋 インスリン感受性↑
         脂肪組織 脂肪細胞肥大化↓脂肪酸燃焼↑
           ↓
   全身 インスリン感受性↑ 体重減少 ↓
   →弾性線維に含む皮膚や血管が全身の表現型に寄与している可能性
まとめのみ

FbIns5によるインスリン抵抗性改善 →体重非依存性 全身のインスリン感受性亢進 →皮膚弾性線維形成不全によるエネルギー代謝の変化→血管弾性線維形成ふぜんによるインスリン透過性の変化
FbIns5KOにおける体重増加抑制 脂肪蓄積抑制作用→体温調節エネルギー代謝の関与 →皮膚表現型の関与
        ↓
弾性線維による全身性のインスリン感受性 エネルギー代謝制御機構の示唆された
組織構造の変化 細胞外細胞内シグナル伝達の関与の可能性やElastin-derived peptideによるインスリン感受性
制御によるインスリン感受性制御についても報告されている

後半は以前にも聞いたので簡単に・・
2 肥満2型糖尿病患者の食事療法は難しい
糖尿病患者への食事療法
エネルギー摂取量=標準体重×身体活動量
身体活動量目安 軽労作 25-30kcal/kg標準体重 普通の労作 30-35kcal/kg 重い労作 35~kcal/kg
*肥満者の場合 20-25 kcal/kg標準体重
日本人のエネルギー平均摂取量
男性(30-60才台) 33.5~36.6 kcal/kg標準体重
女性(30-60才台) 31.1~34.1 kcal/kg標準体重

こうした現代社会の中25 kcal/kg標準体重/日未満の継続は困難ではないか?
25もしくは30 kcal/kg標準体重 研究
肥満2型糖尿病における食事療法指示カロリーの糖脂質代謝に与える影響に関する
他施設前向き無作為化比較試験
BMI25以上の2型糖尿病 25or30 kcal/kg標準体重に分けて効果と達成度を
アンケート調査で満足度負担度も評価
25kcal群では一旦は改善したものの1年後は悪化30 kcal群では1年の時点で改善 食事カロリー遵守率
25kcal群では優位に改善したが1年後に上昇傾向
30 kcal群では有意差は認めないが改善傾向 BMI
HBA1Cは両群でも同程度改善 9%台→ 7.8%前後 患者満足度は1年後25kcal群に比し優位に30 kcal群で高い
T-CARE Survey
糖尿病患者を対象にした意識調査 20~60代の糖尿病患者で有効回答数は3,437人調査はインターネットで行われた
治療方針治療継続の必要性を理解しているにもかかわらず(85%以上)ストレスを感じながら治療を続けている 29.4%
治療継続には治療モチベーションの維持向上が鍵 モチベ―ションを高める8つの因子
治療評価/治療の精神的負担 家族との関係/精神的繋がり 家族との関係/行動的サポート
知識/糖尿病の薬や治療方法の知識 医師との関係/注意されるうるさい 医師との関係/理解支え
治療評価/治療効果の認識理解 知識/自分の病状理解

3 重症低血糖の心血管のリスクは2.05倍 全6研究で重症低血糖は心血管病上昇と関連していた
日本人においてもレセプトベースのメタアナリシスで重症低血糖は心血管病上昇と関連していた
血液凝固異常 交感神経反応 血管内皮機能異常 炎症が関連する
重症低血糖と認知症も関連 認知症あり(1822)認知症なし(14845)で検討
低血糖発現3回以上 認知症20%↑(なし10%前後) 相対リスク 4.28↑
高血糖は認知症リスク 糖尿病ない集団は平均血糖と認知調正相関
糖尿病あるとUカーブ現象 平均血糖160mg/dlを境に
4高齢者の多様性
身体能力 認知能力 長年にわたる生活習慣 糖尿病の病態(罹病期間 合併症程度 他疾患合併)
肝機能腎機能 地域家庭における支持体制
高齢者糖尿病の血糖ガイドライン改訂 手段的ADL基本的ADL 重症低血糖を重視したガイドラインに
認知症を持つ高齢者糖尿病の薬物治療
認知症を有している群で優位に低血糖発現↑ 27%前後対16%前後 インスリン治療+OHA群で
5 CANVAS試験 症例数 10142人 心血管イベントの既往 65%(2次予防)
CANVAS(4330)+CANVAS-R(5812)の試験 3-ポイントMACE 14%低下させた
2剤併用と配合剤の服薬アドヒアランスの検討
BGまたはSU剤単剤から2剤併用へ 54%→77% 服薬アドヒアランス率
2剤併用から配合剤 71%→87%へ
服薬アドヒアランスの向上はHBA1C 入院率 死亡率を優位に改善
糖尿病の服薬アドヒアランスは他の病気に比べ低い?67.5%
カナグルフロジン上乗せ試験 第三相 テネグリプチンにカナグル上乗せ 上乗せなし 24週
HBA1C変化量 -0.97% 24週維持 体重 -2.29kg 24週維持
副作用 特に既知のもの以外なく 有意差なし
長期試験 52週でも同様の結果が
カナグリフロジンにテネグリプチン上乗せ試験
HBA1C変化量 -0.94% 24週維持 体重 有意差なし 24週維持
副作用 特に既知のもの以外なく 有意差なし
テネリア+カナグルは低血糖と体重への影響を及ぼしにくい経口血糖降下剤の組み合わせ
アドヒアランス向上と長期にわたる安定効果が

2018-02-16 06:28:25

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T2DM フォーラム in OSAKA 2月14日

T2DM フォーラム in OSAKAを聴きにリーガロイヤルホテルに行ってきました

心血管イベントー心不全発症抑制を目指した糖尿病治療ー信州大学医学部 循環器内科学教室 教授 桑原 宏一郎先生
MRFIT研究 糖尿病は動脈硬化疾患発症のリスクを高める
危険因子 増えると心血管疾患死亡率上昇 リスク3では非糖尿病群 50 vs 糖尿病群 120↑ 10000人・年
J-CYPHER Registry 10778人のSiroliumus-elusting stent植え込みを行った冠動脈疾患患者の研究
ステントを入れなければいけない患者の約40%が糖尿病である (欧米では20-30%程度)
日本人おいては冠動脈疾患発症にDMの影響が大きい?
UKPDS33 強化療法群と通常療法群で細血管障害の発症には有意差があり
死亡や大血管障害(心筋梗塞や脳卒中には)には有意差が出ず 効果は明らかでなかった
UKPDS34 1704人の肥満の新規糖尿病(2型)に対してメトホルミンを用いた厳格な血糖コントロールの合併症予防効果検討 メトホルミンにおいて大血管障害を優位に予防した 死亡も
STENO2研究 160人の持続アルブミン尿を有する2型糖尿病に対して血糖、血圧、LDL-Cを積極的にコントロールした場合の合併症予防効果を検討 糖尿病における集学的治療が大血管症を予防する
糖尿病における集学的治療の重要性 200人の2型糖尿病に対して5年間治療した場合の心血管死に与える影響
(DPP4治療薬登場前) 収縮期血圧 4mmHg >LDL-C -38.7mg/dl >HBA1C 0.9%
           HbA1Cの低下は血圧やLDL-Cを低下させるほどのインパクトがない
UKPDS35 3642人の血糖値と大血管障害、細血管障害との相関を解析 細血管障害>冠動脈疾患
Hba1Cの改善と相関する
ACOORD研究 10251例に2型糖尿病で心血管イベントの既往または高リスクの患者において血糖の厳格なコントロール(HbA1C6%未満)が心血管イベントを抑制するか 非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心血管死がプライマリーエンドポイント 有意差なし
ADVANNCE研究 1140例の2型糖尿病で大血管症の既往または高リスクの患者においてて血糖の厳格なコントロール(HbA1C6.5%未満)が心血管イベントを抑制するか 非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心血管死と主要細血管障害がプライマリーエンドポイント 有意差なし
VADT研究 1791例の2型糖尿病で最大容量の経口糖尿病薬もしくはインスリンを投与しても血糖コントロール不良な患者において血糖の厳格なコントロール(HbA1C6.5%未満)が心血管イベントを抑制するか 非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心血管死と末梢血管へのイアンターベンション、手術できない冠動脈疾患、虚血性壊死の新規発症
までの時間がプライマリーエンドポイント 有意差なし
*低血糖が心血管イベントに影響を及ぼしている?
炎症 血液凝固異常 交感神経活性 血管内皮機能障害など
VADT研究において 糖尿病罹病期間が20年までであればHBA1C改善は優位に大血管傷害リスクさげるが
20年以上であるとHBA1C改善は大血管傷害リスク上げる?
UKPDS80 新規2型糖尿病への血糖改善への介入が10年後の総死亡減らす
早期介入 Legacy effectにより大血管障害減らす
心血管イベント抑制を目指した糖尿病治療 エビデンスからわかること
肥満を伴う2型糖尿病での発症早期からのメトホルミン治療は冠動脈疾患発症を抑制する
発症早期からの厳格な血糖管理はその後の長期の冠動脈患者発症を抑制しうる Legacy effect
心血管合併症を有するあるいは糖尿病罹病期間の長い2型糖尿病では厳格な血糖コントロールは心血管イベント効果が得られず、むしろ有害である可能性がある

低血糖が心血管イベントの増加と関係する可能性がある → 治療目標の個別化の重要性
SGLT2阻害剤により期待される臨床効果
            尿糖排泄増加
浸透圧利尿       カロリーロス    ブドウ糖毒性低下
Na排泄増加    体重減少 内臓脂肪低下
GFR・ACR低下  (TGF改善) 脂肪肝改善
         インスリン抵抗性改善   膵β細胞機能改善
血圧  尿酸低下  血糖改善(食後・空腹時)  脂質改善(TG低下HDL-C増加) 低血糖リスク少
           心血管イベント減少への期待
*尿酸低下は近位尿細管のGLUT9を介する
最後にはEMPA-REG試験のお話は外せずこの話が中心に・・重複するので割愛するが
心血管死の減少の内訳 突然死・その他の血管死・心不全に関連した死亡に有意な関連

心不全あるなしに関わらず優位に減少 心不全の進展増悪両方に効果がある?
ALHAT研究サブ解析ではHFrEFおよびHFpEFともにACE阻害剤やCa拮抗剤に比しサイアザイドが有効であったことも示され
SGLT2阻害剤は利尿剤(さらに電解質を変動させない・交感神経を刺激しない)であることが心不全改善効果の一番の影響?

EMPA-REG研究はスタチンが80%以上はいっておりLDL-C90未満 非致死性心筋梗塞や脳卒中減らない?
SPRINT研究でも血圧120未満vs140未満で心不全や総死亡減少もEMP同様、非致死性心筋梗塞や脳卒中減らない? この両研究においてハイリスク群においてスタチン+αの効果は非致死性心筋梗塞や脳卒中には?か

糖尿病合併症 細血管障害 大血管障害 心不全
血糖コントロールと心不全発症リスクの関連 2009年時点での糖尿病に対する強化療法群では心不全の減らすエビデンスがなかった
糖尿尿治療開始後最初の1年では心不全発症リスク増加が 4.75倍に増えるデーターが
2016年ESC 急性あるいは慢性心不全の診断と治療のためのガイドライン
エンパグリフロジンは心不全発現防止もしくは遅延し延命するため投与を考慮すべき 2a B
CVD-REAL研究
欧米6か国の2型糖尿病で新規にSGLT2阻害剤あるいはその他の血糖降下薬を処方された1299915人のデータからそれぞれの群をPropensity scoreにて154523人ずつマッチし、心不全入院を比較検討した real world data
優位に(50%)心不全低下させる
CANVAS試験 同様に優位に心不全低下 腎症の進展予防も SGLT2阻害剤のクラスエフェクト?
今までのほとんどの血糖降下薬はPositive energy balanceを引き起こす
組織(肝臓 骨格筋 脂肪 真菌 血管平滑筋)への過剰な糖取り込みが血糖低下のメリットを相殺している
可能性? インスリン誘導性メタボリックストレス
欧州心血管疾患予防ガイドライン2016 心血管病を伴うDMに対してより早期のSGLT2阻害剤を使用すべきことを
示唆する
アメリカのガイドライン 2型糖尿病治療の
メトホルミン1st変わらないが 併用薬剤においてASCVD?ならば積極的にエビデンスのある薬剤を使用へ
SGLT2阻害剤 カナグリフロジン エンパグリフロジン GLP-1 RAs
糖尿病集学的治療におけるEMPA-REG Outcomeのインパクト LDLコレステロール低下とほぼ同効果に
今後のSGLT2阻害剤の心血管腎臓関連のアウトカム試験
DECLARE-TIMI58 1次予防 CREDENCE 腎障害患者における腎保護効果は?
SGLT2阻害剤投与の適応と注意点 私見
適応 BMI23以上 75才以下で認知機能に問題ない2型糖尿病に幅広く考慮 フレイル、認知機能低下なく元気な方であれば80才までも考慮しえます。第一選択薬として使うことも増えています。腎機能低下症例でも使用考慮
体液量減少対策 投与期間(2-4週間)に特に尿量増加が認められる傾向があるため、この期間可能であれ
ば飲水を促す ループ利尿剤サイアザイド類似利尿薬投与中で、体液量がコントロールされている方では利尿剤をいったん減量、中止しBNPや体重などをみながら再調整 心不全で体液量が過剰傾向の方に追加投与
する場合は投与初期1-2週間後にこまめにフォロー 心配であれば隔日投与で様子見る
その他の副作用対策 尿路、性器感染には注意を促し、保清、有症状時の早期受診を確認 シックデイ対策(服用中
止)も必ず告げる
質問 SGLT2阻害剤使用時のBNPについて
BNPはGC-A・NPR-Cの受容体あり 脂肪にも受容体存在
難しいので簡単に言えばSGLT2阻害剤で脂肪が減れば脂肪での受容体へり、BNP消費が低下してBNP上昇する
肥満 脂肪細胞多い BNP消費↑→BNP低下
SGLT2阻害剤 心不全改善効果は利尿作用が主? 木村玄次郎先生の説におおむね賛成とのこと
SGLT2阻害薬 利尿薬としては特異な利点(欠点のない利尿剤)
1糖代謝を明らかに改善させる
2血清Kを全く低下させない やや上昇傾向?
3血清尿酸を低下させる 主として尿中排泄促進
4心拍数を増加させない むしろ減少傾向?
これまでの利尿薬とは異次元の心血管事故抑制効果を発揮する可能性

 

2018-02-15 08:47:59

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WEB講演会 2月13日

頸部痛 上肢痛の診断アプローチ 防衛医科大学校整形外科学講座 教授 千葉一裕先生
頸部痛 上肢痛を含む慢性疼痛の有病率 脊椎疾患における神経障害疼痛の有病率
頸部痛 上肢痛の診断アプロ-チ 頸部痛 上肢痛を生じる種々の病態 頸部痛上肢痛の治療

頸部痛 上肢痛を主訴とする疾患(外傷を除く)
いわゆる頸肩腕症候群 頸部脊椎症 頸椎椎間板ヘルニア 頸椎後縦靭帯骨化症 腫瘍 
炎症 (関節リウマチ 感染症) 胸郭出口症候群 
有病率 上位5症状
男性 腰痛 92.2> 肩こり 60.2>鼻閉・鼻汁 50.9>痰咳が出る 50.4>手足の関節痛 41.8 (人口千対)
女性 肩こり125> 腰痛 118> 手足の関節痛 70.3>体がだるい 59.1> 頭痛 54.4
慢性疼痛の保有率  22.5% 患者数は2315万人と推計される
痛みの部位 腰 64.1%>肩47.9%>膝 25.6%>首喉20.4% >背中 20.2%> 頭17.5% >足首から下12.2%
筋骨格系の慢性疼痛に係わる調査研究 サンプル 全国 12000名
慢性痛みを感じた 現在まで6か月以上続いて痛みの程度がVAS6点以上 運動器慢性疼痛有病率は 15.4%
女性 16.8% 男性 13.6% 年齢分布 40-49>30-39>50-59>20-29>60-69
部位 腰 > 頸 > 肩 > 膝 > 背中
四十肩 五十肩 肩こり 32% 腰痛症 30% 坐骨神経痛 14% 腰部椎間板障害 12%
慢性疼痛の治療期間は 病院診療所≦民間療法 19%vs20% なし55%
投薬22% ブロック療法 3% 理学療法 16% 装具療法 5% マッサージ 31% 鍼灸 9%
やや改善 56% 不変 21%  満足度は やや満足32%しかいない

痛みの分類 侵害受容性(炎症性)疼痛 神経障害性疼痛 非器質的:心因性疼痛
侵害受容性(炎症性)疼痛 侵害受容器が活性化することにより脊髄後角を通り上行経路より脳で痛みを感知
神経障害性疼痛の定義と臨床的特徴
体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる疼痛
1 持続性および発作性の自発痛(刺激がなくても痛みが起こる)
2 アロデニア(非侵害刺激デ痛みガ誘発される)
3 痛覚過敏(侵害刺激によって疼痛閾値の低下がある)
4 しびれ(感覚低下を伴う、時に感覚過敏のこともある)など

*異所性放電 神経の損傷はイオンチャネルに機能的変化をもたらし活動亢進を誘発する
*中枢性過敏化(中枢性感作)(アロデニア) 神経損傷後に起こる脊髄後角での 
神経回復網の再構築による過敏化 ミクログリアの活性化による過敏化
*下降抑制系の障害 下降抑制系の障害は上行性と下行性シグナルのアンバランスにより痛覚過敏を惹起し起こる
神経障害性疼痛 
異所性放電 下行性抑制系の低下 中性神経の過敏化 →異常放電 →神経障害性疼痛
頚椎疾患に伴う慢性疼痛 
侵害受容性疼痛 椎間不安定性による侵害刺激 椎間関節性疼痛 椎間板性疼痛
        +
神経障害性疼痛  脊髄性疼痛 神経根性疼痛
脊椎関連慢性疼痛患者における神経障害性疼痛の有病率に関する調査
神経障害性疼痛の可能性が極めて高い 32.6% 神経障害性疼痛の可能性が高い 20.7%
神経障害性疼痛の診断は難しい?
 疼痛→疼痛の範囲が神経解剖学的に妥当である かつ 体性感覚系の損傷あるいは疾患を示唆する
           →NO 神経障害性疼痛の可能性は極めて低い
           →YES 作業仮説 神経障害性疼痛の可能性がある
            →評価 検査 A 障害心系の解剖学的神経支配に一致した領域に観察される感覚障害の他覚的所見   
                   B 神経h霜害性疼痛を証明する神経損傷あるいは疾患を診断する検査
  →両方 神経障害性疼痛確定   →一方 神経障害性疼痛の要素を一部持つている
頸部痛 上肢痛の診断の要点
頸部痛、肩こり、運動制限などの局所症状のみか?
安静時にも症状があるか?症状は進行性か?
上下肢に神経症状はないか?
神経障害性疼痛の診断の基本は通常の神経学的診察
神経症状がある場合 脊髄症状か神経根症状化?

問診のポイント 症状確認 
局所症状 頸 肩の痛み こり 可動域制限
神経症状 上下肢の痛み しびれ 脱力
歩行障害 巧緻運動障害の有無
安静時痛 夜間痛の有無
発症時期 誘因 経過
家族歴 既往歴 
診察 視診 脊椎所見 疼痛誘発試験 神経学的所見 上肢循環所見 歩行試験 手指のテスト 全身所見
主な診察項目 誘発テスト
JacksonテストとSpurlingテスト 
頸椎椎間板ヘルニア 頸部神経根症 脊椎管狭窄症などで陽性となる

皮膚感覚帯(デルマドローム)把握 親指 C6 第2・3指 C7 第4・5指 C8
筋力(徒手筋力) 三角筋(C5) 上腕二頭筋(C5-6) 上腕三頭筋(C7) 手指の屈筋(C8)
病的反射 Hoffmann反射  錐体路障害  Tromner 反射 
手指のテスト 指離れ現象 手の10秒テスト
診断の進め方 頸部痛診断のフローチャート
頸部痛→安静時痛 夜間痛あり    転移性腫瘍 化膿性脊椎炎 脊椎腫瘍
   →安静時痛なし  → 神経症状あり  頚椎症性脊髄症 頸椎症性神経根症
                      頸椎椎間板ヘルニア 頸椎後縦靭帯骨化症 

            → 神経症状なし 頚椎症 非器質的頸部痛 肩こり
見逃してはならない頸部痛
転移性腫瘍 化膿性脊椎炎 脊椎腫瘍
重篤な脊椎疾患を疑うべき危険信号 red flags
発症年齢<20才または>55才 時間や活動性に関係ない腰痛
胸部痛 癌ステロイド治療 HIV感染の既往 栄養不良 体重減少 広範囲に及ぶ神経症状 構築性脊椎変形 発熱

退行変性疾患
頸椎症性 神経症状がある場合
     神経根症状 片側の頚廃部痛、上肢痛、しびれ 障害支配領域に一致した感覚障害
           および筋力低下 腱反射低下 Spurlingテスト 陽性
     脊髄症  手指のしびれ(両側性)ボタン装着の困難 階段昇降の困難等
          腱反射亢進 病的反射陽性 指離れ現象陽性 進行すると膀胱直腸障害
椎間板ヘルニア   MRIで診断
頸椎後縦靭帯骨化症 CTで確認 
 
頸肩腕症候群 頸部肩腕に痛み こり 不快感 しびれ 脱力など不定愁訴きたすが神経学的異常呈さず
       画像でも症状を説明できる所見をみとめない
       通常は短期間に軽快するが時として慢性化する
胸郭出口症候群 
 
上肢の疼痛誘発試験
逆Phalenテスト Phalenテスト Morleyテスト Allenテスト Wrightテスト Adosonテスト Roosテスト
頚を背屈させ患側へ回旋、深呼吸を行わせると患側の橈骨動脈が触れなくなると陽性。 Adosonテスト
肘関節を90度曲げて保持する姿勢で行い、診察者は脈を触ります。Wrightテスト
 *「電車のつり革につかまっている」ポーズと似ています。実際、胸郭出口症候群を患っている方は電車のつり皮につかまっていると症状が誘発されるケースがあります。(3分間この姿勢で症状が出たり、この状態を維持できなかった場合陽性) Roosテスト
* 鎖骨上窩の斜角筋上部を検者が圧迫すると、局所の疼痛と上肢への放散痛を訴えると陽性。Morleyテスト
 *首を症状が出る腕と反対側を向いて、症状が出る方の腕を90度立て、橈骨動脈を触知できなくなると胸郭出口症候群陽性。 Allenテスト
頸部痛 上肢痛に対する診断治療の基本的考え方
重大な脊椎疾患を除外する 神経症状の有無を確認する 必要に応じて専門医にコンサルトする
病態に応じた保存療法を実施する 侵害受容体性疼痛に対してはまずNSAIDs アセトアミノフェンを
同時にできるだけADL QOLを維持させる 上記治療に反応しない神経障害性疼痛(特に神経根症)がある場合
神経障害性薬物療法アルゴリズムに従い適切な薬剤を選択する
第一選択薬 プレガバリン ガバペンチン デュロキセチン アミトリプチン
第二    トラマドールほか
第三    オピオイド鎮痛薬 
*プレガバリンはCaチャネルのα2δサブユニットに結合してCa2+流入を低下させ、神経伝達物質の放出を
抑制する 維持量300mg/日 腎機能に応じて減量 GFR<30 25-150mg

 

2018-02-14 12:58:24

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親睦ゴルフ 2月12日

今回は茨木カンツリー倶楽部で 大阪南部や山間部は雪でダメでもこの茨木は平地の為問題なくプレー出来ました
しかし冷たい強風に苦戦 M、N、N先生も大苦戦 みんな乱打戦に終始 今回も楽しく散歩を楽しむことに


東18番を紹介 東コース屈指の、難易度の高い最終名物ホール。左は駒ヶ池。右は通称アヒルの池、距離もたっぷりある
今日のように強風(アゲインスト)が吹けばパーオンは不可能 全員苦戦しました


*東コースは趣があり、私個人としては西コース(トーナメントコース)より好きで楽しくラウンド出来ます

2018-02-12 15:26:01

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第4回みなと糖尿病と腎病診連携カンファレンス 2月10日

第4回みなと糖尿病と腎病診連携カンファレンスを聴きに日航ホテル大阪に行ってきました

糖尿病や腎臓病においては亜鉛欠乏症に注意が必要である 大阪みなと中央病院 腎臓内科 部長 川田典孝先生
体を構成する元素
多量元素 酸素 炭素 水素 窒素 カルシウム リン
少量元素 硫黄 カリウム ナトリウム 塩素 マグネシウム
微量元素 鉄 ケイ素 亜鉛 銅
超微量元素 マンガン セレン ヨウ素 モリブデン ホウ素 クロム コバルト
多量元素とは体内存在量が1%を超えるもので体重の98.5%を占める
少量元素とは体内存在量が0.01~1%のもので多量元素と合わせた体重の99.4%を占める
微量元素とは体内存在量が0.0001%~0.01%(1-100ppm)のものをいう
超微量元素とは体内存在量が0.0001%(1ppm)未満のものをいう
微量元素の摂取基準
亜鉛と鉄は必要量がほぼ同等
微量元素 日本人の食事摂取基準(成人18-69歳)
推定平均必要量                     推奨量
亜鉛 mg/日      男性 8 女 性 6          男性 10    女性 8
 銅           0.7   0.6            0.9-1      0.8
 鉄           6-5  月経なし 5-5.5        7-7.5      6-6.5
               月経あり 8.5-9               10.5

ヨウ素μg/日       95    95             130      130  鉄 ヨード 亜鉛の欠乏が多い
亜鉛の吸収と排泄
吸収 十二指腸と空腸
排泄 膵液 胆汁酸中に分泌され35%が再吸収 残りが糞便として排泄(糞便5-10mg 尿 0.5mg 汗0.5mg)
日本人の亜鉛摂取量 推奨量に満たない
男性 20歳以上 鉄 8.1mg(推奨量7-7.5)           亜鉛 8.8mg(推奨量10)
女性      鉄 7.3 (推奨量月経なし6-6.5あり 10.5)   亜鉛 7.3mg(推奨量8.0)
原因
1 日本は亜鉛欠乏土壌である 亜鉛欠乏は農業でも重要 イネの発育にも影響
亜鉛キレート形成薬剤が多い
 パーキンソン病治療薬(レボドパ) 骨そしょう症治療薬(アルファカルシドール)
 睡眠剤(ニトラゼパム) 循環器官用薬(ベラパミル フロセミド フルイトラン エナラプリル ジルチ
 アゼム アムロジン スピノロラクトン アスピリン)
 消化器官用薬 Lグルタミン メトクロプラミド 高尿酸治療薬 アロプリノール 糖尿病 ビグアナイド
フィチン酸 ポリリン酸による吸着
 フィチン酸→自然界では未精製の穀物や豆腐(トウモロコシ 大豆)に多い→中米での亜鉛欠乏
 酸味料 PH調整剤として食品に添加(水産缶詰のストラバイト防止 水煮缶詰の黒変防止
 漬物 果汁 ジュース等の変色防止 植物油の酸化防止)
 ポリリン酸 蛋白質やペクチンを可溶化し、肉類の組織の結着力や伸展性を高める ビタミンCの分解防止作用
 PHの緩衝作用を示す(ハムソーセージ かまぼこ系)
 →ファーストフードやコンビニ弁当が亜鉛不足の一因
年齢と亜鉛濃度 高齢者は亜鉛が低値となりやすい 消化管での吸収低下?
経口亜鉛負荷への反応性と年齢      45才以下の健常者8名と70歳以上の健常者7名
亜鉛50mg経口負荷 100μg/dl 亜鉛投与前と 180分後    200 vs 140
亜鉛の作用機序
1 蛋白質の高次構造調整 2 加水分解触媒作用 3 細胞内シグナル伝達 4 抗酸化 抗金属毒性誘導
*2 ヒストン脱アセチル化酵素 クロマチンの凝集促進 →転写因子抑制
*3 細胞内シグナル伝達 T細胞の増殖 細胞外から流入する亜鉛イオンやリソソームから放出される亜鉛イオ
ン増殖抑制シグナル抑制 亜鉛イオンがセカンドメッセンジャーとして働く

亜鉛欠乏症の証明3条件
欠乏症による臨床症状がある 濃度や関連酵素活性が低下している 補給で症状改善 濃度や関連酵素改善
亜鉛欠乏症と補充適応の診断 亜鉛欠乏症の診断指針2016年
1 臨床症状がある またはALPが低値 2 その症状の原因となる他の疾患がない
3 早朝空腹時血清亜鉛値が低値 3-1 60μ/dl 未満  3-2 60-80μ/dl
4 亜鉛の補充で症状で改善する
1 2 3-1 4 亜鉛欠乏症 1 2 3-2 4 潜在性亜鉛欠乏症 1 2 3 亜鉛補充の適応
亜鉛欠乏症の臨床症状 所見
皮膚の症状 皮膚炎 口内炎 脱毛症 褥瘡(難治性)
発育関連症状 発育障害(小児では体重増加不良 低身長) 性腺機能不全 不妊症
その他 食欲低下 易感染性 味覚障害 貧血→亜鉛補給で改善できるかもしれない
亜鉛補給による味覚閾値の改善
介入ターゲット→喫煙 うつ 亜鉛 味覚障害ある亜鉛不足の日本人219名
亜鉛34mg/日投与群 vs プラセボ うつ 喫煙あると亜鉛投与のによる味覚閾値の改善が低下する
亜鉛補充適応の例外
亜鉛欠乏症の診療所指針 2016
慢性肝疾患 糖尿病 慢性炎症性腸疾患 腎不全→血清亜鉛値が低値であれば亜鉛欠乏症状を認めなくても
亜鉛補充を考慮してよい →ある種の疾患では血清亜鉛値が80μg/dl未満のみで治療開始してよい

検討されている亜鉛補給の有用性
慢性疾患の進行抑制
→網膜色素変性症 骨そしょう症 肝炎 腎炎 糖尿病 うつ病 高齢者
急性期疾患への防御
感染症に対する防御強化や回復促進
人工呼吸や放射線治療 交通事故による急性臓器障害の軽減
2型糖尿病症例への亜鉛補給 メタ解析 HBA1C優位に改善 LDL-C値も
亜鉛摂取量と糖尿病発症リスク MDCS研究にエントリーした26132名 摂取量が低下すると発症↑

亜鉛サプリメントの使用と糖尿病 亜鉛サプリメント使用していない群を1とすると0.68-0.83と発症低下する
肝疾患と血清亜鉛濃度 正常>慢性非活動性肝炎>慢性活動性肝炎>代償性肝硬変>非代償性肝硬変
肝硬変では血清亜鉛濃度低下している
肝硬変への亜鉛補給と肝がん発生 C型肝炎 アルブミン3.5mg/dl以下かつ血清亜鉛濃度70mg/dl以下
37名 亜鉛136mg+BCAA12g/日 vs コントロール群 BCAA12g/日 投与期間6か月
2500日 優位に亜鉛投与群で肝がん発症減少した

うつ病 肝疾患 腎疾患では亜鉛が欠乏している 摂取量低下+薬剤?
亜鉛投与で血糖改善 なぜか? インスリンの結晶化に亜鉛が必要
生体内の亜鉛の恒常性維持を担うトランスポーター亜鉛トランスポーター(ZnT8)の機能が悪くなると、肝臓で過剰にインスリンが分解されることによって、末梢組織に届く全身のインスリン量が減少すること 藤谷教授
亜鉛キレート作用を持つと予想される糖尿病薬
ネシーナ オングリザ グラクテブ キネダック メトグルコ (SGLT2阻害剤は影響しない?)
乳児の上気道炎と下痢症 亜鉛投与群 1とするとコントロール群は1.73倍に
性別 最近6か月の母乳栄養は影響ないが 保育施設利用は1.41倍に増加
高齢者の易感染性 亜鉛45mg/日 12か月投与群 24名 vs プラセボ 25名
感染罹患 29% 88%
人工呼吸器関連肺障害 重症脳外傷 亜鉛補給により軽減が期待される→保険としての亜鉛補給
亜鉛の多い食品 100g当たり亜鉛の含有量 牡蠣 13.2mg 子牛バラ肉 3.6 牛肉(もも)4.0 鶏肉(肩) 4.9
豚肉(レバー) 6.9 たらこ 3.3など
亜鉛の多い食品 ビーフジャーキー パルメザンチーズ 煮干し ピュアココア たたみいわし など
長期的亜鉛処方時の用量(成人)を考慮するうえで参考となる情報
1 介入報告 25-50mg/日の範囲で投与報告が多い 100mg/日を超えると銅欠乏症のリスクが増大
2 推奨摂取量 10mg/日 3 推奨摂取上限 40mg/日 4 高齢者では吸収低下も考慮する
私見
20mg/日前後を目指すとすると内服処方は
1 食べている人は10mg/日程度で十分では?(食事での摂取8mg/日前後と仮定)
2 30mg/日は越えなくてもよいのでは?

酢酸亜鉛製剤(ノベルジン25mg) 亜鉛含有量25mg→0.5錠から1錠でよい?
プロマック 亜鉛16.9mg含有→1包でよい?
長期 亜鉛補給目的で亜鉛処方→10-30mg/日
短期 急性疾患の臓器障害軽減を目指した亜鉛負荷 →60-120mg/日を短期間
亜鉛内服時の副作用
1 消化器症状(嘔気 腹痛) 2 血清膵酵素(アミラーゼ リパーゼ)上昇
3 末血検査異常 銅欠乏による貧血 白血球減少 鉄欠乏性貧血
亜鉛内服時の銅欠乏
機序 消化管での吸収時に亜鉛と銅が競合
症状 1 貧血 汎血球減少 2 進行性の痙性 運動失調 ニューロパチー
問題点 銅の補給薬が簡単に手に入らない(サプリメント利用するしかない)

 

2018-02-11 16:51:10

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第24回吹田市医師会イブニングセミナー 2月9日

第24回吹田市医師会イブニングセミナーを聴きに吹田市立保健センターに行ってきました

Commonに潜む見逃すと怖い疾患 大阪府済生会千里病院 副院長 総合診療部 寺田浩明先生
風邪症候群
上気道(急性上気道炎)および下気道(急性気管支炎)を含む
急性発症しほとんどの場合自然治癒するウイルス感染症で
多くは咳 鼻水 咽頭痛など多症状を呈する 
ウイルス性 90% ライノ コロナウイルスなど
細菌性   10% GAS(A群β溶連菌)マイコプラズマ クラミドフィラなど
年間平均罹患回数 10歳未満 3-7回 10-39歳 2-3回 40歳以上 1-2回
咽頭痛について
咽頭痛 見逃してはならない疾患
急性喉頭蓋炎 扁桃周囲膿瘍 咽後膿瘍 Lemierre症候群  Ludwig angina 
これら5つをKiller sore throat (気道狭窄など見逃すと生命に関わる頸部感染症)と呼ぶ
深頸部感染症 口腔 扁桃 咽頭などの細菌感染が軟部組織に波及→軟部組織を有効に隔てる壁がない
        ため、炎症は急速に拡大 (縦隔や脳へ) 膿瘍形成時はドレナージ必要
その他に アナフィラキシー 急性心筋梗塞 大動脈解離 
*左前胸部や下あごの痛み+嚥下痛(-)は血管系も考える 
咽頭痛のRed Flag sign
突然発症 急性発症 こもった声(hot potato voice) 強い嚥下痛→嚥下障害
流涎(つばものみこめない) 呼吸困難 Stridor (息が吸いにくい喘鳴)
顔面頸部の腫脹 前頸部の圧痛 開口障害 口蓋垂の偏位 咽頭所見が軽いわりにsick
扁桃腫大+口蓋垂偏位 胸痛 背部痛 冷汗

1 急性喉頭蓋炎について
急速に進行し気道閉塞をきたしうる特に小児 
好発年令 全年令 小児 2-8才(Hibワクチン導入で↓) 成人40-60歳
起炎菌 インフルエンザ桿菌b型 連鎖球菌 黄色ブドウ球菌 肺炎球菌など
疑うポイント 激しい咽頭痛 嚥下痛の割に咽頭所見乏しい 舌骨周辺に圧痛がある
小児 症状/所見                     成人 症状/所見
突然発症 急激に悪化                 咽頭痛が最大の症状 90-100%
強い咽頭痛 嚥下痛                  強い痛みの割に咽頭所見乏しい 愛護的な観察を
*舌圧子を用いた観察は原則禁忌(窒息誘発)      高度な嚥下障害 90-100%
発熱 50% Stridor 80% こもった声        つばも飲めない→流涎 15-65%
前頸部圧痛 40%                   発熱26-90% こもった声 50-80%
Tripod Position Sniffing position          Stridor 33% 嗄声 20-40% 
横になりたがらない→無理に横にしない(息が苦しいので) 気道狭窄/閉塞 小児に比べおこしにくい 
                            (気道内腔が広いので)
頸部軟線側面像
Vallecula sign 喉頭蓋谷の消失 感度 98.2% 特異度 99.5%
Thumb sign 喉頭蓋の腫脹により喉頭蓋が丸く腫大 感度 40% 特異度 75%
治療 いつでも緊急気道確保ができる体制 気管内挿管 輪状甲状靭帯穿刺/切開など(特に小児)
   小児では舌圧子で咽頭観察しない 無理に仰臥位にさせない  
   直ちに耳鼻科コンサルト
  抗菌薬 CTRX(ロセフィン) SBT/ABPC(ユナシン) PC耐性菌ふえているので
  ステロイド リンデロンなど賛否両論なり
2 扁桃周囲膿瘍
  細菌性扁桃炎が周囲に波及したもの 扁桃炎→扁桃周囲炎→扁桃周囲膿瘍
  深頸部感染症で最多 通常 片側性 好発年令 20-40才 
  起炎菌 複数菌による混合感染(GAS ブドウ球菌 嫌気性菌など)
  疑うポイント 開口障害 口蓋扁桃周囲の著明な張り出し 口蓋垂の健側変位
  症状/所見 激しい咽頭痛 嚥下痛 通常 片側性 高熱 
       開口障害66% 内翼突筋への炎症波及による ドレナージ適応の1つの判断材料
        こもった声 流涎 非対称性扁桃腫大 白苔付着
        扁桃リンパ節腫脹 口蓋垂の健側偏位
   咽頭後間隙→縦隔炎 傍咽頭間隙 → 脳炎?
 治療 耳鼻科コンサルト 通常、ドレナージを要する 穿刺吸引 切開排膿など
    抗菌薬 SBT/ABPC(ユナシン) AMPC/CVA オーグメンチンなど
    ステロイド しばしば併用される エビデンスは一定しない
3 咽後膿瘍
 咽後間隙に膿瘍形成 深部感染症→合併症に注意 縦隔炎、気道閉塞
 好発年令 5歳以下(75%) 近年は成人例も増加 起因菌 種々 好気性菌 嫌気性菌 結核菌など
 病態 原発感染巣(頭頸部、副鼻腔など)→咽頭後リンパ節の化膿性炎症→周囲への炎症が波及し膿瘍形成
 症状/所見 発熱 咽頭痛 84% 頸部痛 嚥下痛 嚥下困難 55% 頸部リンパ節腫脹
       項部硬直 44-64% 髄膜炎との鑑別要 小児では斜頸も
       咽頭所見 咽頭後壁腫脹 37% 特に乳児では 急性喉頭蓋炎に類似
 頸部軟線側面像 咽頭後壁軟部組織陰影の肥厚(まれにガス像) 
        正常C3レベル<7mm C6レベル 成人<22mm 小児<14mm

治療 耳鼻科コンサルト 必要に応じて気管管理 抗菌薬 SBT/ABC ユナシン オーグメンチンなど
   必要に応じて切開排膿
4 Lemierre症候群
  内頸静脈の化膿性血栓性静脈炎 口腔咽頭感染症に続発 1週間以内が多い
  通常 片側性 好発年令 健常な若者に発症(20才前後) 50歳以上で報告なし
  起炎菌 主にFusobacterium属などの嫌気性菌 合併症 肺を中心に血行性播種→Septic emboli
  症状/所見 激しい咽頭痛 極めて特徴的 高熱 Spiking fever 悪寒戦慄を伴う
        頸部痛 片側性 胸鎖乳突筋に沿った圧痛(内頸静脈が下にある)
        開口障害 嚥下痛
        他の部位への合併症 肺塞栓(ほぼ必発)胸膜炎 膿胸
        多臓器膿瘍 脳腎関節など
 頸部動脈エコーで内頸静脈に血栓 造影CT 最終診断 内頸静脈 血栓 肺塞栓
 治療 血液培養採取 救急センターコンサルト 抗菌薬 SBT/ABPC ユナシンなど
    抗凝固薬 賛否両論あり 外科的治療 抗菌薬無効例でのみ考慮される
5 Ludwig angina
  顎下間隙に生じた口腔底蜂窩織炎 深頸部感染症の13% 膿瘍はあまり形成しにくい
  好発年令 20-60歳 40%に基礎疾患 小児はほとんど見られない
  原因 歯性感染症 90% 特に第2、3大臼歯のう歯
 起因菌 混合感染 50% 緑色レンサ球菌 ブドウ球菌 嫌気性菌など
 症状/所見 高熱 悪寒戦慄 咽頭痛 嚥下痛 開口障害はめったにおこらない
      流涎 こもった声 顎下部 舌下部の炎症性腫脹 
 両側性 木のように硬い腫脹 口腔底の盛り上がり 舌腫脹
  造影CT 顎下部軟部組織の腫大 周囲脂肪織濃度上昇 
 治療 歯科口腔外科 救命センターコンサルト
    気道管理 内視鏡下経鼻挿管など
    抗菌薬 SBT/ABPC(ユナシン)など
    ステロイド 賛否両論あり
    外科的ドレナージ 早期には膿瘍を形成しにくい 形成時は穿刺または切開排膿
風邪症候群をめぐる最近の動向
不適正な抗微生物薬使用による有害事象として薬剤耐性菌とそれに伴う感染症の増加が近年国際社会
で大きな問題となっている 2050年には全世界で年間1000万人が耐性菌により死亡
1980年以降新たな抗微生物薬の開発は減少する一途
2016年 日本で薬剤耐性対策 アクションプランの閣議決定 2017年6月 厚生労働省が
抗微生物薬適正使用の手引き第1版を発行
日本は抗菌薬使用量自体が多いわけでなく経口セファロスポリン系キノロン系マクロライド系の比率が極めて多い
逆にペニシリン系は低い

 かぜ症候群に対する一律抗菌薬投与の是非 利益が少なく有害事象の危険性が高い
 かぜ症候群 診療ポイント 
 鼻炎症状 咽頭炎症状 下気道炎症状から病型をイメージする
 大部分のウイルス感染と一部細菌感染を見極める 
 ウイルス感染は多領域に同時に症状出現 細菌感染は限局性 片側 一か所 一臓器
 細菌感染は対症療法では一直線で悪くなるか良くなる 2相性の経過は細菌感染を疑う
 Commonに潜む怖い病気を除外する
 抗菌薬は必要な症例に適切なものを適切な期間投与する 一律投与は慎む 起炎菌を想定して選択する
 例 咽頭炎型 
 10%GAS 
 Centor クライテリア 
 138℃以上の発熱 2咳がないこと3扁桃腺の部分が白くなっている(滲出性扁桃炎、白苔の付着)
 4圧痛を伴う前頚部(首の筋肉の前方)のリンパ節の腫れ

 0-1点:溶連菌感染症の可能性は低い。→抗生剤は処方しない
 2-3点:溶連菌迅速抗原検査を行って判断する
 4点:40%以上の可能性があるので、抗菌薬の投与を考慮する
      *迅速検査(A群β溶連菌迅速キット)
 5Killer Sore throatの除外 

 

2018-02-11 03:41:04

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第7回大阪睡眠障害カンファレンスー2 2月8日

睡眠からみた認知症予防の可能性 大阪大学保健センター 精神科 准教授 足立浩祥先生

睡眠の加齢性変化と高齢者の睡眠の問題
高齢者が不眠症状自覚しやすい3つの理由
1 生理学的背景 
年齢による睡眠覚醒リズム変化
新生児は一日に16-18時間睡眠をとる 睡眠の50%はレム睡眠である 多相型
          ↓
小児は約10時間 青年は約8時間 成人は約7~8時間
成人の睡眠の20%がレム睡眠である                単相型
          ↓
老人は5-6時間 深いノンレム睡眠(徐波睡眠)は加齢により徐々に減少する 多相型
昼寝が復活して夜の眠りが浅くなる
年齢に応じた適切な睡眠量、質、リズムが維持されることが目標
*高齢になると寝床で過ごす時間が増える 75才 8時間寝床に 睡眠6時間
2 不眠症状の原因の多要因性
覚醒 > 睡眠  ←身体的疾患(疼痛、掻痒、呼吸苦等)の影響
  ↓       生活リズムが崩れている いつもと違う時間に寝ようとする
不眠       ストレス他、心理的な影響 うつ病の様な精神疾患の影響
          アルコールや他の薬の影響
*高齢者は持病の数が増えるほど睡眠時間が短くなる 持病増えると 4以上 睡眠の質低下する
3 睡眠関連疾患罹患率の増加
睡眠時無呼吸症候群 レム睡眠行動異常症 レストレス レッグス症候群 概日リズム睡眠障害
 
認知症の危険因子としての睡眠の問題
737人地域在住高齢者 アクチグラフで評価した前向きコホート試験 睡眠分断の多寡で1.5倍AD発症リスク
アルツハイマー病における活動量低下
正常高齢者とADの比較 
アクチグラフの振幅がADで優位に低下している 夜間↓と昼間↑のメリハリが消えている
地域在住女性高齢者 3日間以上のアクチグラフ測定
4.9年の前向きコホート 
活動休止の振幅が最も低い群 活動休止リズムの規則性低下 最大活動タイミングの後退
がMCIないし認知症発症のリスク因子
55-69歳の地域在住男性10年間前向きコホート研究 日中の眠気の存在で血管性認知症の発症リスクが4.44倍に
他の認知症では有意差認められず
メタ解析 睡眠の問題の有無 AD1.55倍 MCI 1.65倍 Preclinical AD 3.78倍 MCIand/or AD 1.68倍
睡眠の問題と認知症の関連メカニズムの仮説
            
遺伝
    ↓       ↓            ↓
睡眠障害 →  アミロイドβクリアランス障害   → 認知症
     ←  タウ蛋白↑
        炎症↑
        シナプス可塑性
        低酸素 血管変化
        神経変性 神経伝達物質の変化
認知症の原因疾患と睡眠の問題と共通点、相違点
認知症の定義 1 器質的は疾患により2 持続性で 3 一旦獲得した知識を失った 4 広範な認知機能障害
       5 日常生活にあるいは社会生活上の障害
認知症をきたす疾患
アルツハイマー病    頭部外傷
脳血管性認知症     脳腫瘍
レビー小体型認知症      低酸素脳症
前頭側頭変性症     内分泌疾患
正常圧水頭症      ビタミン欠乏症
ハンチントン舞踏病    慢性硬膜下血腫
認知症原因疾患別の睡眠の問題要因
不眠 アルツハイマー病 50% 脳血管性認知症 70% 前頭側頭変性症 50% レビー小体型認知症70%
睡眠呼吸障害     55%          75%         65%         75% 
レム睡眠行動異常    20%         25%         25%          50%
レストレス レッグス症候群 5%       5%         5%          0%
日中の過度の眠気     48%        60%         65%         70%
アルツハイマー病では深部体温および活動性リズムの後退が認められる
前頭側頭変性症では活動性リズムの前進がみられ、深部体温リズムとの乖離が認められる

睡眠の障害は脳でのアミロイドβ除去が低下する(睡眠をとることでAβ42は除去される)
アクチグラフで測定した横断研究 Aβ42沈着が多い群ではPreclinical ADの時点から睡眠の量に差が見られない一方で睡眠の質の低下が認められる
26名の認知機能が正常の高齢者 PIB-PET scan 内側前頭野にAβが蓄積するとNREM睡眠の除波活動が減少
徐波活動と記憶保持は関連
レビー小体型認知症やパーキンソン病で起こるレム睡眠行動異常   (α-シヌクレインの集積が生じる)
レム睡眠行動異常 筋活動の低下を伴わないREM睡眠
睡眠時無呼吸症候群でもレム睡眠行動異常様になるが  REM睡眠の筋活動の低下がある
わかりにくい場合はCPAPで治療して観察する
横断研究 中等度以上のOSASは約2倍白質病変をともなう
主な認知症原因疾患における睡眠の問題の特徴
     主たる臨床徴候        睡眠障害の特徴 検査所見
AD病   1 概日リズムにおける障害   夜間睡眠分断 睡眠相後退 メラトニン分泌リズムの振幅低下
                    日没症候群       
     2 睡眠構築の変化       入眠後総覚醒時間増加 REM潜時の変化 総睡眠時間の変化
                     睡眠効率低下 REM睡眠と除波睡眠減少 NREM睡眠の不明瞭化
     3 その他           睡眠時無呼吸障害
レビー小体型認知症            レム睡眠行動異常 過眠症状 周期性四肢運動 
脳血管性認知症              睡眠時無呼吸障害 (SDB)
前頭側頭変性症              睡眠相の前進 日中の過度の眠気
認知症の睡眠の問題への薬物 非薬物介入について 
軽症から中等症のAD患者 薬物療法ないし非薬物療法 38件の研究 
メラトニン → 一貫しない結果 プラセボと比して効果は明確でない
抗精神病薬→ 一貫しない結果 リスペリドンの2件のRCTで有効性あり
抗うつ薬 → RCT無し 3例の症例報告でミルタザピンで有効性あり
       前向き観察研究でトラゾドンで有効性なし
抑肝散  → 5例の前向き介入 有効性あり
鎮静系の睡眠導入剤についての治療介入研究はほぼ存在しない
非薬物療法では高照度光療法で有効性の報告が一定数存在する
採用されたRCT6件のみ(ほぼAD病で)
メラトニン 4件 中等症から重症AD →10mgまで増量 効果なし
トラゾドン  1件 軽症から中等症AD 第2相試験データー 8mg 効果なし
ラメルテオン 1件   中等症から重症AD 50mg 総睡眠時間延長 睡眠効率改善 
           WASO及び中途覚醒回数は優位な改善なし
認知症予防を目指した睡眠の問題への介入の可能性
いわゆる不眠に対する治療
疾患特異的な生物学的基盤を考慮した予防介入
合併頻度の高い睡眠関連疾患の適切な評価と治療
脳血管障害 →SDB
ADや前頭側頭変性症 →リズム障害 SDB
レビー小体型認知症 →レム睡眠行動異常 SDB
オレキシンの欠損により脳内のAβが減少 アルツハイマー病モデルマウスで
オレキシン受容体拮抗薬投与と覚醒およびアミロイドβの変化 マウス
オレキシン受容体拮抗薬投与により暗期Aβが減少した 総覚醒時間は減少した

睡眠呼吸障害と認知症リスク及び重症化との関連についての知見
40才以上の地域住民の5年間前向きコホート研究 SA患者は1.7倍認知症発症リスク高い 
70歳以上の女性では3.2倍 認知症症発症リスク高い
アルツハイマー病脳画像先導的研究 コホート SDBの存在はMCIおよびAD発症を早める 
CPAP治療はMCI発症を遅らせる

多点感圧センサーによる睡眠評価 80歳未満の年齢で優位に認知症重症度に対するリスク因子としてSDBの重症度の影響が見られた
重症OSASを合併した軽度~中度ADでCPAP療法群と非治療群で比較すると3年間の観察期間で
年0.7vs2.2とMMSEスコアー低下に有意な相違が見られた

 

2018-02-10 05:17:21

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